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November 04, 2009

ZZ Top

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ZZ Top のコンサートに行った (連れて行かれた)。

アメリカでエアロスミスの前座となるはずだったバンドだ。 ツアーのキャンセルで見られなくなってしまったのだが、友人はエアロスミスよりも ZZ Top のほうが残念だったらしい。

「一緒に行こうね」
え? 私も? 別に私はZZ Topは・・・。
「ロンドンに来るんだ。 もうチケットも買ったから」
・・・友情にひびを入れるわけにはいかんな。

ウェンブリー・アリーナといえばロックコンサートがたくさん開かれているが、私の家からは不便な位置にある。 エアロスミスならアメリカまで見に行くのに躊躇はない。 でも、 ZZ Top だと北ロンドンは遠いな。

さて、ZZ Top 鑑賞にふさわしい服装は? 昔はコンサートには気合を入れて出かけたものだが、この頃はそんな気力は無い。 それほど好みでもないバンドだし、おまけに平日で会社帰りだ。 じゃ、適当に皮ジャケットにTシャツとブーツでいいか、と会社のトイレで着替える。

地下鉄ウェンブリー・パーク駅。 ウェンブリー・アリーナとウェンブリー・スタジアムが別々の会場だとはじめて知った。 巨大なスティール・アーチがあるほうがスタジアムらしい。 この日はフットボールの試合はなく、会場に向かうのは ZZ Topの観客だけだ。

・・・予想はしていたが、おやじばかりだ。

シティでもおやじに囲まれて働いているが、シティのおやじはピンストライプのビジネススーツを着ていて、70年代のロックバンドのTシャツとジーンズのおやじとはカテゴリーが違う。 とはいえ、この日のおやじ達は、ヘルズ・エンジェルズみたいにハードコア乱暴者系ではなく、のんびりまったりしたガテン系という雰囲気で安心できる。

友人が取ってくれたのは2階席で、ステージもアリーナもよく見渡せる。
さて、アリーナを埋め尽くすのは・・・おやじ、おやじ、おやじ、おやじ、オヤジ、オヤジ、オヤジ、オヤジ、親父、親父、親父、親父・・・うーん、今までに、ここまでおやじ度の高いコンサートに来たことがあっただろうか? 

数千人のおやじがぐびぐびとビールを飲むとどうなるか? 男子トイレは長蛇の列。 せっぱつまって女子トイレに駆け込むおやじまでいる始末である。

最初は97%が男だと思ったが、よく見ると残り3%のうち2%はヒッピーおやじで、長髪のせいで女だと勘違いしていた。 それも髪は長いが、てっぺんはハゲていて、月代を切った落ち武者スタイルである。 統計を訂正すると会場の99%が男、ほとんどが40歳以上(50かも)である。 男二人組も結構いたが、飲み友達とか仕事仲間とかで、オペラで見かける男同士カップルのしっとりと粘り気のある関係にはなさそうだ。

女は少数派。 「若くて細っこい娘っ子」は皆無で、 ロックTシャツを着て、どすんとりっぱなお尻にジーンズを履いている。 サラダなんか鳥のえさ、オーガニックフードなんてインテリの気取った食い物はお断り、アタシは毎日Tボーンステーキがランチさ、てな感じのサイズ16プラス、肉食系白人中年女の存在感に圧倒される。

さらに99.99%が白人だ。 アメリカ人率も超高し。 日本人どころかオリエンタルは私だけだったかも。メトロポリタンなロンドンはいずこ?

「テキサスしてるねえ」と友人。
「テキサスだねえ。 ここまで地下鉄ジュブリーラインで来たのが不思議」
気分はアメリカ南部のレッドネックバーである。

前座はスティール・パンサー。ボン・ジョビとバン・ヘーレンとジャーニーを混ぜたようなカリフォルニアンバンドだ。 ZZ Topのファンとは趣向が違う。 パチパチとお義理で拍手はしているが、 (早く ZZ Top を出せー)というプレッシャーが会場を流れた。

さて、お待ちかねの ZZ Top 登場。 サングラスに30センチのあごひげがトレードマークのベテランハードロック/ブルースバンド(たぶん)だ。 ひげおやじルックスを何十年もキープしている貫禄はさすが。 一体感があるなあ、ステージと観客。 

期待よりもうんと楽しかった。 でも、できれば、エアロスミスの前座としてニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで見たかった。 北ロンドンじゃなくて。

投稿者 lib : November 4, 2009 10:34 AM

コメント

懐かしい!懐かしすぎますね!!ZZ TOP!! しかも、それにかけた、「十貴川」さんのコメント・エッセイがたまらない!!(爆笑)私も、ツイ「たまらなく」なり、初コメントをおくらさせて頂きます!いつも、本当に楽しみに、十貴川さんのエッセイのUPを楽しみにしています!それでは、チャオ!PS;十貴川さんって芸名ですよね?そのライターネームにもセンスを感じます!

投稿者 mak : November 9, 2009 03:39 PM

ZZ Top のステージのスクリーンでは、昔の映像が流れてましたが、サングラスとあごひげ姿は30年以上も同じ。 登場する女はアメリカンフットボール顔負けの肩パット入りの怒り肩ドレス。 これもまた、今年の流行ですね。 時代はめぐります。 さて、30年たっても、顔かたちに変化なしなのは、われらが女優、由美かおる。 ZZ Top と戦わせても、由美かおる、軽く、勝ちそうな気がします。 

投稿者 十貴川 洋子 : November 16, 2009 02:20 PM

・・・そうですよね。本当は「攻め」に回らないとならない、ミュージシャン。なのに、永遠のマンネリ。ま、彼らのスタイルですよねー。けどなぜか安心?感があるところがス・テ・キですよね。由美かおるかー。あの人もギネスブック載ったりして(入浴シーン)、年齢をかるーく超えてしまってたりして。けど、由美かおるも人気ありそうだな、外人(!?)に。ミラクルーとか思われて。少し十貴川さんのコメントに開眼です。オジ・オバ・パワーも捨てたもんじゃないですよね!?

投稿者 mak : November 24, 2009 10:39 AM

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