« ニューヨーク旅行 その5 | メイン | インフルエンザ »

November 16, 2009

人生の選択

teacher.gif
最近、自分で自分の人生に対して責任持って選択していくことの難しさを感じることが多くあります。

正しい選択してるかな?

これからどういう選択をしていけばいいのかな?

仕事のこと然り、結婚・出産・育児のこと然り。

年を重ねるごとに、昔は「あたりまえ」と思っていたことが実はそうでないことに気づかされます。正しい答えなんかないと分かるから余計に混乱するのです。

先を見ようとすればするほどわからなくなるので、とりあえず今をエンジョイすることを心がけていますが。

ところがそんな風に迷っている自分が馬鹿らしく思えるくらい衝撃的な話を同僚から聞きました。

なんと、ついこの間卒業した11年生のなかに既に母親になった子たちが3人いるということ。

11年生といえば16か17歳。

何とそのうちの一人、生徒Kはもう2年以上前に妊娠し、夏の試験結果発表には子供と一緒に来ていたらしいのです。その時はまさか彼女の子供とは思わなかった私。高学年は校舎が違うので、そちらにあまり行かない私は彼女の妊娠のことを全く知りませんでした。

しかも、複雑な事情が絡む場合は、生徒の在学中は守秘義務が学校にあるらしく、カウンセラーやHome-school link workerと呼ばれる特別なスタッフ以外には家庭の事情が知らされないのが現状です。

生徒Kの場合も知っている人は知っていたらしいですが、私は完全に蚊帳の外で、聞いたときも7年生から9年生まで教えていただけに「えっ、あの子が?!」と本気で驚いたのです。

あとの2人は現在妊娠中。もうすぐ出産、あるいはもう産んでいるころか。

そのうちの一人は2年前に私の歴史クラスにいた生徒Fで、素直でかわいらしい印象だった子。のちに授業に毎回来ていない、課題の提出が遅れていると私の同僚から聞いていたけれど、今思えばその頃から何かあったのだと思います。

同僚から聞くまで、彼女が年上(たしか現在は20歳くらい)の男の子とそういう関係にあることも知りませんでした。彼女の担任でさえ、その試験結果発表の日に他の生徒から事実を知らされたそうです。

ちなみにイギリスでは16歳以下の子供と性的関係を持つことは違法ですが、その法律にはグレーゾーンがあり、男女ともに若い場合、実際に起訴されることはまれのようです。

今回の一連の話を聞いて、私が思ったこと、、、。私の歳くらいになると特に妊娠・出産を人生の大切な選択肢として捉えて、慎重に決断を下す人が多いと思うのですが、16歳の彼女らは一体どのくらい真剣に考えていたのか。年上男性に付け込まれて性的関係を持たされるケースも多いので一概に彼女らの無責任さの結果と言えないことはわかっていますが。

ところで生徒Fはイスラム教徒の家庭の子供です。親は彼女が妊娠を継続することに断固反対(でも本来イスラムでは結婚前の性的関係、堕胎は禁忌)したにもかかわらず、彼女は産むことを主張。

怒った母親が彼女を彼氏の家まで引きずっていき、目の前で結婚の約束をさせたのだそう。で、現在、彼女は16歳にして舅、姑、夫と同居。

担任だった同僚Lには「来月子供を産んだら2週間で学校に戻って、勉強を続けたいの。子供は親が面倒見てくれるから」と言ったそうです。勉強を続けて資格を取るメリットは大いにあるものの、何だかな、と思ってしまいました。

果たして彼女はいい母親になるのでしょうか。責任を持って子育てできるのでしょうか。私の歳でさえ努力し、苦労しながら育てている人がたくさんいるのに。根は決して悪くない彼女。子供が子供を産んだといわれざるを得ない状況にならないことを祈ります。

イギリスはヨーロッパ各国の中でもティーンエイジャーの妊娠率が以上に高いのですが(スコットランドはヨーロッパ一(いち)だそうです)、まさかうちの学校に(しかも同じ学年に)16歳、17歳で妊娠・出産する生徒が3人もいるとは思いませんでした。

国を挙げて性教育を促進しているけど、子供を産むことの責任、大変さを想像すらできない、しない子供達相手には果たしてどれほど効果があるのでしょうか。特にイギリスでは産んでしまえば「なんとかなってしまう」国の補助制度があります。

この悪循環に、福祉国家の成れの果てを見ているような気がします、、、。

投稿者 lib : November 16, 2009 10:30 AM

コメント

突然ですみませんが、月子さんはビザが切れるギリギリまで就職活動をしていたということですが、どうやって労働ビザを取得したのですか??学校の先生というだけでビザが発給されるのですか??イギリスで就職するには、有効なビザがないと難しいと聞いたのですが。

将来イギリスで働きたいと思っている大学生です。イギリスの大学院進学なども進路にいれていて、是非月子さんのアドバイスをいただきたいのですが。。。この、コメントを書くときに記入するメールアドレスは月子さん側に送られるのでしょうか??よろしければメールで質問したり、アドバイスをいただいたりしたいのですが。

投稿者 chika : December 14, 2009 04:41 PM

Chikaさん、こんにちは。

一ヶ月以上ブログから遠ざかっておりまして、お返事がすっかり遅くなりました!

ご質問の件ですが、、、。今はビザの制度がポイント制になり、状況も違うかもしれません。下記の情報はあくまでも私が就職したときのものです。

私の場合、6年前に就職先となる私の勤務校がスポンサーとなって、私の代わりに労働ビザ(正確にはWork permit)を申請してくれました。

教職は不足する職業に含まれているので、就職が決まればWork permitは問題なくおります(現在はどうでしょうか、、、)。
私の場合は学校が申請した翌々日には労働ビザがおりることが決まっていたように記憶しています。

これが普通の会社だと、一定期間、新聞などに求人広告を出したり、EUからどうして同じような人材を得られないのか(なぜ日本人でなくてはいけないのか)を会社がHOに説明したりと面倒なようです。

労働許可がおりると、それをもとに今度はイギリス滞在許可を申請して初めて働けるようになります。

今は大学院を卒業すると申請すれば2年の滞在許可・労働許可が得られるようですね。その間にフルタイムで働ける、そして労働ビザのスポンサーとなってくれる会社を探すという仕組みのようです。

私のころにはこれがなかったので、修士号をとった後にさらに学生ビザを延長して結局2年かけて教員資格を取得し、就職活動をしました。

以上、ご参考になれば。

メールアドレスですが、Chikaさんのお名前のところに載っているものがそうなのでしょうか。わからなかったのでこちらにそのままお返事を書きました。

投稿者 月子 : January 6, 2010 11:21 PM

コメントしてください




保存しますか?