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March 31, 2010
バレエ鑑賞with 義理ママ
香港でのストーリーは終わったが、またママとのお話。
1月のある日、ママからe-mailが届いた。ロイヤルバレエを一緒に見にいかない?というお誘いだ。実は、このバレエのチケット、 ダーリンを始めとする子供達からママへのクリスマスプレゼントだった。
友達と一緒に出掛ければいいと思ったそうで、子供達は2枚のチケットをプレゼントしたのだが、結局、私に声がかかった。
私は、バレエは好きだ。 だから即答でok。 悪いねー。ダーリン。高いチケットを私もご相伴に預かってしまいますわ。ホホ。なんだかすっかりママと仲良しになったみたい!ルンルン。
あっ、でも、ママが来る=我が家に滞在。きゃーーーーーー、大変だ。
何と言っても綺麗好きなママ。家の中を見回しきっとあれこれ言いたくなるに決まっている。嫁の意地として、また今後のこともあるので、ある程度綺麗にしておきたいワタシ。こうして、我が家を眺めてみると、仕事を理由に日々の掃除がいい加減なことがわかる。いろいろ汚れているなー。それに雨漏りをしたので、天井もペンキを塗らないとみっともない。それに、カーテンの丈を前回注意されていたしなー、これも解決しないと。、、、、と数えだしたらきりがない。さらに庭の手入れもしないと。わっわっわっわっわっ、、、、、、、やっぱり大変だ。ママが来るのは2ヶ月先だが、早くしないと、 早くしないと、、と焦りだした。
そして、 始った大掃除の日々。ますは、リビングルームの模様替えと以前から気になっていた壁のペンキ塗り。本箱を購入して、ダーリンの大量のCDやら本を整理。それに、みすぼらしくなっていたカーテンは思い切って新しい物を購入して、丈を上げよう。コーヒーを飲む際に戸棚を開けるだろうから、その中の整理も必要だな。これらを少しずつしていけば良いのだが、学生のときから試験前の1夜付けが得意の私は、結局、まとめてこれらをある週末数回に分けて行った。
本箱は、自分で 組立てるタイプだ。結構、時間がかかった。カーテンは、なんと丈の長さを間違って購入してしまったので、翌週に交換を。ペンキは、いろいろカバーをしたり、マスキングをしたりして、結局は1日仕事になってしまった。
最後にはダーリンが悲鳴をあげた。ママにもう泊まるな!って言うよ。と怒っている。正直私も疲れて来た。しかし、ママの行動を知っている私だけに、これだけはしておかないと、まるで何かに取り憑かれたように、掃除に狂っていた。そして、ママが来る前日の晩にカーテンの丈詰めを終了し、当日の朝なんて、出勤前に最後の掃除として、トイレとバスルームを綺麗にしていた。ああ、疲れた。 疲れた。
さて、ママはバレエ鑑賞の日の午後にロンドンに到着。会社を早退してママと会い、ちょっと早めの食事をした。ダーリンも食事には参加し、3人でワインも飲みいい気分で、ロイヤルバレエの中に入ったママと私だった。
題目は「ロミオ&ジュリエット」。衣装が凝っているが、踊りの多いバレエというより、ストーリー重視のバレエのせいか、それともワインのせいか、疲れていた私は、第一幕目を不覚にもウトウトしてしまった。
幕が降りて、ママはとても喜んでいた。「良いバレエねー」とまるで若い女の子のようにはしゃいでいる。
周りを見ると、結構シニアのカップルが多い。男性は、ポケットチーフを入れているようなちょっとスノッブでポッシュな人種が多い。インターバルがどのくらいの長さかと思い、係員に聞くと、これもちょっとスノッブな感じで、「マダム、そのプログラムに書かれております。」と気軽に答えてくれない。ああ、肩が凝るわね。もっとフレンドリーになれないかしら?なんて思っている私とは対照的に、ママは何も文句を言わない。そうか、相当気に入った様子だ。
さあ、2幕目が始まるので、席に戻らないと。(つづく)
March 30, 2010
アーセナル V バルセロナ 潜入大作戦
今日3月31日はフットボールの、「アーセナル対バルセロナ」の試合があるそうだ。
「屈指の好カード」だそうで、息子やその周辺でもかねてからその話題で持ちきりだった。
(しかし、なぜイギリスのチームであるアーセナルと、名前から察するにスペインのチームであろうバルセロナが戦うのかよく分からない私には、蚊が飛んでいるのと同じ位どうでも良いことである。)
息子 「A(息子のフットボール友達で家族で大のアーセナルファン)のお母さんが、どうにかしてチケットをとりたいって言ってたよ」
私 「そうー。とれるといいねえ」(訳:そろそろセールの季節だな、でもその前に着ない服を処分しなくては。いや、セールで無駄買いしないと心に決めたはずではなかったか。)
息子「ボクも行ってみたいなあー」
私 「そうだねえー。行けるといいねえー。」(訳:ちっ、もう5時半だ。夕飯の支度にとりかからないと。ていうか冷蔵庫の中に何もないじゃないか。どうするんだよおい。)
という具合に、我が家でもそれなりにホットな話題であった。
しかしある日、日系の旅行代理店のウエブ広告に、「アーセナルV バルセロナ戦 チケット入荷!」の活字が躍るのを偶然目にした。
「あれ、これ息子が行きたがってた試合じゃん。なーんだ、チケットって結構簡単にとれるんだね。あんなに好きなんだから、たまにはフットボール観戦にでも連れて行ってあげるか・・・・」
早速クリックしてみた。
「たったの」 (とは書いていなかったが)
「550ポンド!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無言でサイトを閉じた。
しかし息子の、アーセナルV バルセロナ戦を観戦したいという夢はつきない。
昨晩は寝る前に、
「マミー、明日はいよいよバルセロナ戦だよ。ボク待ちきれないよ。どうにかして観られないかなあ。」
「TVでやるんでしょ?TVで観られるよ」
「スタジアムで観たいんだよ。そうだ、キックオフが7時半だから、5時頃に行けば誰もいないよ。その時にフェンスをよじ登って観覧席に入れば誰にも気づかれないよ」
「・・・・・・・気づかれると思うけど・・・。マミーは牢屋でお泊り会はしたくないから、やるなら一人でやってね」
「それじゃあ、スタジアムの周りで、誰かのポケットからチケットを盗めばいいかなあ?」
「・・・・・・・・・・よくないです・・・。その場合は牢屋に行く前に、その人から強烈なパンチをくらうね。マミーはこれでも一応女だから、顔は、顔はやめて欲しいのよね。」
「うーん、それじゃあ、これはどう?前に試合を観た時のチケットがあるでしょう?」
息子は1年ほど前に、A君の両親にスタジアムに連れて行ってもらったことがある。ユースの試合だったが、一応アーセナル対マンチェスターUだった。その時の半券を記念に大切にとってあるのだ。ちなみにチケットは2ポンドだった。
「あのチケットの『マンチェスターユナイテッド』の部分を横線で消して、バルセロナに書き換えるんだ。」
「はあ。」
「日にちも横棒で消して、31.03.2010に書き換えるんだよ。」
「値段も2ポンドを横棒で消して500ポンドに書き換える?」
「うん・・・・・でも・・・・」
「でも?」
息子の顔が急に曇る。
「・・・・でも、バルセロナってどう書くのかスペル知らないよ、マミー。一文字でも間違えたら偽チケットだってばれちゃう。」
バルセローナのスペルはBarcelonaですが、どうもそういう問題じゃないような気がするよ、息子。
学校の勉強もこれくらい頭をつかってくれたらいいんだけどねえ。とりあえず、やるなら一人でやってね。
March 29, 2010
映画 「秋日和」
「秋日和」 という映画を見に行った (連れて行かれた)。 監督は小津安二郎。 主演は原節子と司葉子。
映画に興味のない私だが、監督の名前は聞いたことがあるし、原節子といえば・・・原節子といえば、・・・よく考えると、彼女の映画を見るのも初めてだ。 だいたい、映画が始まってから、15分近くたってから、どの人が原節子かわかったくらいである。
郊外の小さな映画館で席は70席 (思わず、数えた)ポップコーンマシーンのない映画館なんて、珍しい。 コーヒーショップのお兄さんまで、
「いやー、小津はいいですよ。 あのカメラワーク、本当にすごいです」
と、映画評論家のようなことを言う。 聞く私のほうに素養がないのが残念だが。
日本人らしき顔が数人見えた以外は、すべてイギリス人。 それも 「文化人と呼んでいただいて、結構ですよ。 こんな外国映画の良さがわかるには、それなりにインテリジェンスが必要ですからね」というタイプである。
日本映画ということだけで誘ってくれた友人に 「映画の内容知ってる?」と聞かれ、
「えーと、有名な監督による、有名な女優が出る映画。 ストーリーは知らないけど、たぶん大きなイベントはなくて、淡々とした日常の話と思う」 と答え、
「ラブストーリーなの?」 の質問には
「さあ・・・。でも、きっとラブシーンはないと思う」
と、後で考えると、まとはずれでもない予測だった。
適当な席に腰を落ち着けると、前の列に背の高い男が座り、彼の頭でちょうど字幕の部分が隠れてしまった。
・・・ふふふ、いいのよ。 だって、私には字幕は必要ないのよー。
日本に一時帰国すると、会話に看板に新聞に広告、のすべてが100%理解できることに新鮮な気分になるものだ。 (注:女子高校生の会話を除く)
「あら、おじさまったら、意地悪をおっしゃるのね。 わたくし、もう、知りませんことよ」 なんて、日常生活にありえないほど不自然なセリフが棒読みされたりするが、それでも100%わかる。日本映画っていいねえ。
さて、昭和35年、芸術祭参加作品というタイトルが出た。 何十年前の映画だ? 原節子って、まだ生きていたっけ? 俳優の名前が流れると、意外にも、あちこち俳優の名前に見覚えがある。 が、この映画ではずいぶん若い頃で判別できなかった。
うわー、昭和35年って、こんな感じだったんだ。 オフィスやその応接室、銀座のバー街、「青年たちによるハイキング」のシーンなんて、あまりの 「爽やかさ」 にめまいがしたくらいだ。 映画そっちのけで、昭和ノスタルジーにひたってしまった。 が、寿司屋だけは店の作りもメニューも同じだな。
これが原節子か・・・。 実はあまり美人とは思えなかった。 この映画ではお母さん役だったから、年もそれほど若くはないのだろう。 しかし、優雅。 身のこなしが流れるようにエレガント。 それでいて、かもし出される色気。 日本の堅気の女の色気の最高峰を見せてもらった。
セクシーといえば、最近は肌と体の線をバンバン出して、ストリッパーみたいな振り付けのシンガーが多いが、少し原節子を見習ってみなさい。 (無理か・・・)
男同士の友情、母と娘の愛情というのがテーマだったが、死んだ夫に操を立てる、などと、理解のできない項目もあった。 とりあえず、昭和の風景と原節子の優雅さにうっとりとしているうちに映画は終わった。
ロビーで友人を待っていると、 「文化人風の」男がふたり、つまり、自由業で、金に不自由がなく、商業主義はダサいと思っている感じのイギリス人が話している。
「日本人の友達が欲しいんだ。誰か知り合いはいないかな?」
「今はいないね。 東京の友人はみんなシンガポールに移動しちゃったからな (マネーマーケットの人たちらしい)」
「日本人の女性と話してみたいな」
私はそーっと、その場を離れた。 「あ、ところであなたは日本人ですか?」なんて、声をかけられたら大変だ。 原節子を見て日本人女性のイメージを浮かべた後で、私と話すのは、お互いに不幸だと思ったからである。
March 24, 2010
義理ママとの日本旅行 その9
せっかく香港に来たのに何処にも観光していないぞ。とダーリンは面白くない様子。私も同様だが、子供がいるとどーしてもそのペースに合わせる事になる。つまり我々は、弟家族の行動にあわせるしかないのだ。
ということで、朝起きて、朝食を済ませ、弟の家に行く。一緒にいる時間が多いと気づくことがある。それは子供たちの食生活だ。朝でも夜でも食事と言えばシリアルかパン、果物しか食べていない。育ち盛りなのだから、もっと肉、魚、野菜等バラエティーに飛んだ食生活が必要なのでは?なんて気になる私。そのせいか、子供たちと一緒にレストランにいくと、彼等の食欲に驚く。ともかく食べる食べる。驚くほどの量を食べるのだ。
どうやらママもそんなこと察している様子。ママは成長した。何かあっても真っ向から嫁のジェマには、何も言わない。そして、息子にも言わない。それは関係をこれ以上悪くしたくないという気持ちもあるのだろう。しかし、溜め込んでおけるタイプでないママは、その分、弟の家を出ると我々に愚痴る。ママの気持ちもわかる。でも、どうしようもないのだ。あれが彼等の生活だ。あきらめて理解してね、ママ。
一方、私は弟の家でなんとなく居心地が悪かったのは、メイドの存在だった。ジェマの説明では、メイドのパスポートには、何処いる家の主人の名前(弟の名前)が明記されているとか。この雇用主がいらない。といえば、メイドはすぐに違う雇用主を探さないと香港にいられない。そんな構図だから、メイドは雇用主の持ち物だという認識があるようだ。 私が興味深くメイドの事をあれこれと聞くので、ジェマは台所の隣にあるメイド部屋を指差し「彼女の部屋を見る?」と聞いた。私は、咄嗟に「NO」と答えた。だって、本人の居ない時に部屋を見るなんて、プライバシーの侵害だ。しかし、ジェマは不思議そうに私を見て「そう?見てもいいのよ。」とすっかり女主人のようだ。
いろいろ聞きたいので、私がメイドに何か尋ねると「Yes Madam」と答える。そう、そうなんだけど、その答えがなんとも私には馴染まない。私は女王陛下でもないしさ、同じアジア人としていろいろ話したいだけなのに、、、、しかし、ここではそれはありえない事だ。ロンドンのホテルやレストランなどで「Yes Madam」なんて言われると、ああ、いい気持ちと思うのとは性質がどうも違う。
私の中に、彼女=アジア人=日本人と近い=なのに持ち物として扱われている=メイドが差別されているような意識をもったのかもしれない。
土日に香港の公園に行くと何処の公園でも見る光景の1つに、メイド達が集まって歓談していたことだ。よく見るとここで、お弁当を食べたり、お茶を飲んだりして雑談している。そうか、公園ならお金がかからないという訳だ。私もロンドンで学生生活をしていたので、カツカツの生活をしていたのを思い出すがちょっと彼女たちとは違うようだ。私は自分のために貧乏をしていたが、彼女たちは、家族のためにしている。
一方、高額な家賃で住んでいる人もいれば、彼女たちのように節約して仕送りしている人がいる香港。ジェマと義理の弟は、苦労知らずにしばらくここでで暮らすのだろうなー。苦労知らずは、私も同じかも??
March 19, 2010
ちょと残業つづきで、書けませんでした。お休みさせてください。
March 10, 2010
義理ママとの日本旅行 その8
香港の住宅事情だが、家賃はかなり高いそうだ。しかし、月2万ポンド(約290万円!)というのは、どんなものか興味津々。
我々は、弟の家からタクシーでその豪華!?なマンションへ向かった。坂を上る、上る。(登るほど見晴らしがいい=高い!らしい)目的地に着くと、ここにはポーターらしき人がいて、タクシーのドアを開けてくれた。そして、何処にいくのかと聞かれ、それなら、あちらのエレベーターで。と言われて向かったホールには、エレベーターが4基あった。これらのエレベーター1台に対して、各階たった2家族だけが使うというゴージャスな仕組み。
27階に住むその親戚の家で、通されたのはダイニング&リビングルーム。2階分の吹き抜けで、天井から床までの大きく長い窓ガラスから見渡せる香港の夜は絶景だ。窓沿いになるソファーに座り、ワインを飲んでいたら、部屋の照明さえ暗ければ、上質のホテルのバーにきているみたいでロマンチックだなーといい気分になってきた。ママは、ワインを片手に見晴らしよりもおしゃべりを楽しんでいる。私は、検事や泥棒ではないが、キョロキョロしながら家を物色している。奥には、ダイニングテーブルもあり、広さは両方で我が家(2ベッドフラット)の総面積より大きいぞ。その奥に台所が広がり、2階もある。いったいベットルームがいくつあるのかわからないが、ここは夫婦2人で住んでいるので沢山あるわけでもない。客用のトイレも見たが、トイレレディーがいるとか、金で出来ている便器とか、驚くほどの高価な作りや仕掛けはない。おそらくあの見晴らしが高額な理由だろう。確かに、私はセレブ?なんて誤解も招きそうな広さで落ち着きのある素敵な空間。弟の家が、なんともちゃちく見えるなー。彼らの家にある窓は小さく、新しいビルが建とうとしている。もしかしたら、窓の外は、別のビルしか見えなくなるかも。
この家の家賃の金額は、住人に聞いたのではない。実は、弟夫婦が何度も訪れているうちに、気になって不動産屋で調べたと言う。やっぱうらやましいよね。こんな家に住めたら。この豪華なフラットは、会社が支払ってくれているそうだ。住み込みのメイドはいないが、掃除をしてくれる通いのメイドはいるらしい。なんか価値観が狂ってきそうだ。
私は、やっぱり下界のごちゃごちゃした香港の街を楽しむほうが、向いているかも。(つづく)
March 09, 2010
税金対策
税金を払うのはイヤだ。
が、堅気の勤めをしている以上、しかたがない。ペイスリップ(給料明細)では、グロスとネット、税金にNHSの欄があるが、 「手取り額」しか見ないようにしている。 だって、気分が悪くなるもん。
さて、シティの超大型ボーナス風潮が、この経済危機の一因として、さんざん非難の上、来月より15万ポンド以上の所得には50%の所得税が徴収されるとのことである。
・・・しっかり徴収してくれ。 と、今回は珍しく税務署に声援を送りたい。
シティ勤務と言えば、みんな高給取りのようなイメージがあるが、大間違いである。 私をはじめとして、安月給のへなちょこ勤め人だって山ほどいる。 で、もちろん、高給を取る鬼畜のような人非人・・・いや、成功したビジネスマンも多いが。
所得税の最高は40%だ。 その昔、イギリスの所得税は70とか80%だったと聞いたことがある。 ま、収入の80%を税金で取られたら、働く気はなくなるだろうな。 が、安月給の身としては、数ミリオンも稼ぐ人なら、60%くらい税金で取られたって、生活に困ることもないだろうと冷たく思う。
というわけで、この50%所得税、大賛成である。 50%所得税の火の粉が降りかからない位置に、というか、かけ離れた位置に、というより銀河系の彼方にいる私にはフランス革命の市民のような気分だ。ぜひ、貴族にはギロチン台にあがっていただきたい。
シティではこの税金に大反対だ。 シティの 「貴族側」の声だが。
「税金を上げると有能な人材が流出する」
「イギリスを出て、他の国にオフィスを設置する会社が増える」
「マネーマーケットとしてのシティの魅力が半減する」
さて、シティの 「市民側」にいる私は、
「行け、行け、どんどん他へ行けー。行けるものなら、行けー。 でも、今まで他に行かなかったのは理由があるんじゃないのか?」
「他の国に行きたいなら、行けー。 本当に行きたいんだな?」
「シティは魅力的だぞ、あんたたちがいても、いなくても」
と言いたい。
確かにマネーマーケットにも伝説的なスーパースターは存在する。 が、シティで働くスタープレーヤーのほとんどは、ちょっと勘のきくサラリーマンではないだろうか? 才能の流出といっても、3オクターブの声域があるとか、 100メートルを8秒で走るとか、東京から博多までの駅名を全部言えるとかの特殊な才能でなければ、替えの人材はいくらでもいるわい。
スイスはロンドンの会社が逃避しようと考える国のひとつらしい。
スイスは風光明媚な国だ。 チーズもチョコレートもおいしい。 でも、田舎だ。 山と雪と羊に恵まれた田舎だ。 「ホールレイヒー」と歌うホリディには最高だが、罪深い都会の楽しみには欠ける。
シティのトレーダーは貯金に励むタイプとは思えない。 稼いだ金を湯水のように使うのが好きらしい。 でなければ、同僚数人で、ちょいとメイフェアの店に行き、シャンペンを文字通り浴びるように飲んで、一晩で数万ポンドも使うものか? ロンドン以外のどこで、ここまでの下品かつ、楽しい金の使い方ができるだろうか?
エセックスから遠征してくる人工日焼け、超ミニスカートのゴールドディガー(玉の輿 狙い女)にチヤホヤされることもなくなる。 スイスの女の子はどんなにかわいくても、脱毛処理をしないので、イギリス人の男は腰が引けるだろう。 ノースリーブの夏は特に・・・。
おまけに、ここはロンドンよりもさらに物価が高い。 ロンドンで買える7ミリオンポンド位の家が、スイスでは9ミリオンポンドするらしい。 2ミリオンポンド高いわけね。 2ミリオン・・・。
新聞によると、25万ポンドの年俸で75万ポンドのボーナスを貰う人は、約10万ポンド手取りが減るそうである。 が、10万ポンドを節約するために、同じ大きさで2ミリオンポンド高い家に引っ越すのは足し算、引き算のできない人である。
50%所得税で、シティは何を失うでしょうか?
March 02, 2010
義理ママとの日本旅行 その7
香港は、これで3度目。といっても過去2回は、自由行動なしのパッケージツアーだったから、地理感覚はなく、何処に立ち寄ったか見事に何も覚えていない。今回の私とダーリンの目的は、弟家族に会う事と美味しい飲茶をはじめ、中華料理三昧だ。うーん。満腹感に期待いっぱい。
朝早い飛行機だったので、午後早くに香港へは着いた。送迎のバスは、12月の冬なのになんとクーラーが動いている。なんてこった。それだけ、香港は暖かいということだ。我々は、寒いロンドンから来ているから、厚手のコートを来ている。うー。暑いぞ!!
我々のホテルは、九龍サイドにある。ちょっと一服。そして、もっと薄着に着替えて、弟の家にいくことになった。彼らの家は、香港島にある。おなじみのフェリーに乗って香港島に行くと弟が待っていた。久しぶりといっても3ヶ月ぶりの再会だ。ここからは、タクシーだよ。と4人が乗り込んだ。まあ、こんな小さな島に驚くほどのビルが建っている。香港は、鉛筆ビルが多いよ。と誰かが言っていたが本当だ。小さなスペースなのに20階、30階の高さのビルが建ち並ぶ。地震がないからいいようなものだが、なんか不安定でコワイ感じがする。この島の主な交通手段はタクシーで、気軽に乗れて安いのはうらやましい。
弟に家は、40階だての19階にある。受付にはレセプショニストがいて、居住者以外が侵入しないように注意している。また、外出時には、ビルの外の特定の場所に立っていると自分で呼ばなくてもタクシーがすぐにやって来るという。なんともいいサービスだな。どうやら、小金持の住むビルのようだ。
弟の家は、3LDKとそう広くはないが、我々の生活とまったく違う点は、なんと住み込みのメイドがいること。台所の隣にメイドルームがあるそうだ。ということは4LDKか。
フィリッピン人の彼女は、他の多くの同国民とおなじように香港で働いて、生活を切り詰め仕送りをしている。掃除、洗濯、ご飯の支度から子供の面倒までなんでもしてくれる。しかし、こんなサイズの3LDKでメイドがいるかしら?それじゃあ専業主婦のジェマは何をするの?と不思議に思っていたら、子供の面倒を見るそうだ。
ふーん。と思ったのは、私だけではなかった。あとでママが言った。「なんて贅沢なのかしら?あんな小さな家で、メイドねー、、、、」と納得できない様子だった。
弟の嫁ジェマは、料理がまったくできない。私は、彼女が香港にいったら、中華料理に食べ飽きて、イギリス料理を食べたくなるだろう。そうしたら、仕方がなく料理を覚えるだろうと期待していたが、そんな必要はまったくないようだ。日頃は、このメイドが中華風の料理をつくり、飽きたら世界中の食品が揃う高級スーパーで好きな物を買えばいいようだ。どこまでいってもラーキーなジェマだなー。ちょっとジェラス。
私は後で知ったが、実はこの香港にはダーリンのパパの親戚が英国から赴任しているという。今晩は、その家で食事会があるそうだ。弟のフラットがあるこのあたりもいいエリアだが、親戚が住むエリアは、香港でも屈指の高級住宅地で、対面の九龍や下にある香港島の夜景が見渡せる絶好地だそうだ。弟いわく「おそらく彼らの家賃は、月2万ポンドぐらいするぞ。」「えっ!月2万ポンド(約290万円!)」いやー、行くのが楽しみだなー。(つづく)