« 街はサッカーとセール、、、、、 | メイン | ギリシャ旅行 その2 »
June 24, 2010
義経千本桜 ロンドン公演
ギリシャの話の途中だが、エビゾー(呼び捨て御免)ロンドン公演である。
ニナガワ(呼び捨て御免)のシェークスピア原作の歌舞伎公演のときは、バービカンで最後部の端っこ席だったため、イギリス人の友人は字幕を見ることができず、図らずも居眠りをさせてしまった。 今回は良い席を予約しようとの決意である。
場所はサドラーズ・ウェルズ。 馴染みのないホールなので、どのあたりが良い席なのか、今ひとつ不明である。 早めの予約を心がけたが、かなりの席がすでに埋まっている。2階席、つまりイギリス風には1階席の前の方を取った。
と、前日に行った知り合いから、
「上の階だったので、花道が見えず、がっかり」との情報を得た。
しまった、下の階がよかったのか! が時すでに遅し。 どうも、席運が悪いな。
公演が始まるまで、近くの公園で待機(駄洒落です)。
つぎつぎと日本人が劇場に到着。 着物姿の人もいて、いい雰囲気だ。 いいなあ、着物。 関係者? みたいな紋付(だよね?)一群もいて、期待は高まる。
実は双眼鏡を持っていった。 私たちの席から舞台全体はよく見えるものの、役者の表情まではわからない。 が、これがあれば例の 「目での演技」までよくわかる。 見得を切る場面になると友人に渡して、 「目、目!」と目演技チェックを強要。 歌舞伎鑑賞トレーニングを施したのだった。
双眼鏡のおかげで役者の鬘までしっかり見えた。 で、質問があるのだが、あの鬘は何でできているのだろうか? 女形のほうは髪の毛っぽかったが、男のほうの質感が ? で、材料は謎。 夜店で売っているお面のようなペコペコ感があったのだが・・・。 ご存知の方はご一報くださり賜れば、この身の幸せにござりまする。(偽、歌舞伎語)
私は歌舞伎に詳しくないので、友人への説明も適当だが、イギリス人向けのイヤホーンの内容はなかなか優れものだったらしい。 私自身は日本語でセリフを聞いていても、半分も理解できず、さらに歌になると、
「えー、&^#*X 静はぁ、あん、うぉー、 X!@ええッ#$%^&*」としか聞こえない。 (静御前が何かをしたか、したかったか、するつもりか、のどれかだろうな)程度を推測するのみである。 イヤホーンを聞いていた友人のほうが情況を把握していたかもしれない。
一幕目は派手な立ち回り、二幕目は舞踊中心、三幕目は早変わりと神出鬼没で客席を沸かせた。
歌舞伎の衣装は赤、紫、緑、金とド派手である。 隈取もグロくて、かっこいい。 わざわざ舞台を見るなら、やはり、ケバケバしいほうが楽しい。 しっとりとした弦楽四重奏ではなく、金管楽器がバリバリに入ったフルオーケストラ、オペラなら、トゥーランドットみたいなグランドオペラの華やかさだ。
「XX屋!」とかけ声をかける人もいる。 (風邪ひいてた? それとも、あれが地声?)
友人には先に説明をしておく。 つられてオペラみたいに 「ブラボー」なんて声を上げられたら恥をかく。 何せ、すべてがお約束の世界ですからね。 前列には5-6人のイギリス人が座っていて、掛け声がかかるたびに、何事だろうと、ギクッとふり返るのが可笑しかった。 日本人は当然のごとく受け止めて、動揺していないのを見て、そのうち、何となく、慣れてきたようだが、ときどき、
「・・・ジューイチダイメ・・・?」 とつぶやいていたのには受けた。
十一代目だよーん。 エビソー(呼び捨て御免)は。
友人は女形という伝統は理解していた。 が、ミュージシャン(三味線と歌の人たちね)もほっそり体型なので、演奏がないときには、女形をやっているのかとの質問だ。
「さっき出た人と顔が同じ気がする」
おい、あれだけの白塗りで顔の区別がつくのか?
「歌舞伎は伝統芸術でそれぞれの役回りに長い年月の練習と訓練を必要。 だから、掛け持ちは無理、無理」 と説明。 座長がモギリや照明係も兼ねる、ドサまわりの劇団じゃないんだからね。
エビゾー(呼び捨て御免)からはスペクタルなオーラが出ていた。 役者だねえ (そのまんまだ) おまけに3幕目はハードル走、平均台演技、連続ジャンプ、床運動に飛び込みの連続という みごとな 「お狐」 ぶりだ。 うっとりしましたぜ。
友人は 「見得を切る」のにすっかりはまってしまい、身体をカクンカクンと動かし、「よーぉ」などと言って嬉しがっていた。 楽しんでもらえて、連れて行ったかいがあった。 が、「目の演技」は無理。 20年早いわ。
投稿者 lib : June 24, 2010 10:04 AM
コメント
私も、歌舞伎見に行って来ました。日本では行った事がないので、おっ!安い!私も、頭の中は ?????でした。横に座っている、ダーリンはイヤホーンを聞いているので、通訳してもらいましたが。見てても楽しかった。最終日に行ったのですが、最後の宙に浮かぶのが失敗!ワイヤーが思うように引っ張れず、飛ばずに終わり。 さおり
投稿者 Anonymous : June 24, 2010 11:36 AM
そうそう、最終日には宙吊りができなかったそうですね。 ま、目玉は宙吊りではなく、エビゾー(呼び捨て御免)の演技だったので、よろしいのでは。 しかし、 「静はー、えー、ええー、ハッ、うぉーん、おおーッ、えー、うぉーん」 としか聞こえなかったのには自信喪失しました。 日本を離れて長年で 「浦島太郎化」が進んだのか、それとも、単に教養のなさか・・・でも、ビジュアル的には1000%楽しみましたぞ!
投稿者 十貴川 洋子 : June 25, 2010 01:44 PM
私もエビッち(タメ口)観て来ました。
前から2列目の席で、エビりん(友達扱い)のほとばしる汗まで見えました。
でもあまりにもエビ(省略)の細部まで見えすぎてそれに集中しすぎてしまい、全体をよく見えていなかったことに気づいたので、後日またチケットをとってこれは最後列で観て来ました。
お狐エビちゃん(モデルと混同)、チャーミングでしたね。
投稿者 子育てママ : July 26, 2010 11:27 AM