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December 22, 2011
Governance
僕の名前は吉田卓弘と書く。父親は国語の教諭であり、次男のはちょ
いとひねってやれと思ったのであろうか、[たく]ではなく、 [たか]ひ
ろと無理やり読ませた。僕と同じ綴りのTakahiro Yoshidaさんにめぐ
り合ってはいないが、数ヶ月前、全く同じ綴りの方、但し随分若そう
な方から、僕のFacebook にリクエストが来た。どうしたものかと思っ
たが、面白そうだったので Accept した。その後、何が起こるでもな
く、メッセージも来ないし、整理のついでに消去したが、先方も単に
なにかあるかもしれないと思ってリクエストしたものであろうか。ち
なみに、Facebookはそれを知る為にアカウントを作った。月に何度か
思い出してはアクセスする程度である。毎日数時間を費やす若者がい
るそうだ。何が面白いのやらとんと分からぬが、こうした新媒体は次
々と出現するのであろう。企業がこれらをすばやく勉強し、PRの新手
段として取り組まねばならぬのは明白であることはよく分かるが。
2年前、長女の名前を決めなければならなかった。その読み音(即ち
英語表記にもなるが)は、わりとすんなりと決めたが、日本語での書
き表記に悩み、結局2文字のカタカナのままで大使館に登記した。僕
の祖母は明治生まれで、[コト]という、なんとも可愛らしい名前だっ
たが、その体系。良い漢字が見つかったら、変更すればよろし。と思
っていたが、これを彼女の祖父、即ち僕の父親に伝えたところ、名を
変更するのは、相当な理由がないと無理であろうという。知らなかっ
た。長女が将来、どの国で永く住むことになるものか、見当もつかぬ
が、それが日本であった場合には、名について多少珍しがられるであ
ろう。父親に似て字が下手だったら、カタカナで計4画というシンプ
ルさが襤褸隠しにはなるかもしれないけど。
まあ、名前なんぞは背番号みたいなもので、なんでもよいと思う。4
9番でも打つ人は打つであろう。数年前に長男ができたとき、画数云
々という事を言うてくれた人もあり、少々インターネットで勉強して
みた。苗字を変えるわけには参らぬから、さっそく尊敬する吉田茂や
吉田松陰の画数を調べたところ、ほぼ最悪の姓名判断結果であったに
て、考慮に値せず。結果、長男は英語で3文字、漢字では1文字、そ
の画数は3。数字を覚えるのに桁数は少ない方が容易であろうが、似
たようなものであろう。父親の勝手な視点では、気に入っている名で
はある。
さて、名こそ惜しけれ。無論、一個の人格を指しての惜しけれなので
あって、その名がトニーであってもタカヒロであっても、そんなこと
はどうでもよい。昔の日本の武士階級の人々が、男も女も子も、かく
仕事すべし、かく生きるべし、というポリシーを示したものである。
人の上に立つ人々の中にも、大いに勘違いしている輩、昔もかほどに
多かったのであろうか。すなわち、名と職位をあべこべに考える。職
位こそ惜しけれ、そして、惜しけれの意が180度反転している。肩
書きに恋々とし後世にゆずらぬ、地位を乱用して公の資産を私の資産
に移動する等々、話題に事欠かない。丹羽中国大使の受け売りだが、
そんなに地位が大事なのなら、毎朝たすきを肩にかけて、私はどこぞ
の社長であるとか、どこぞの元頭取だったと大書してモナコのカジノ
街あたりを歩けばよい。なにが面白いのだろう、全く分からぬ。
ガバナンスという単語を新聞などでよく目にする。カタカナで書いて
しまうと、日本のメディアの使い方からか、順法性を主に指すような
印象を受けるが、本来は広い範囲での”組織統治全般”にあると思う。
軍隊でいうと、”左翼がやばい、援護!”とトップが号令すれば、参
謀が、”中央後方転換、リスクはB”、”よしっ、やれっ”と、トッ
プの判断が前線の兵隊まで迅速かつ正確に行き渡り、かつ実施できる
組織のありようが、強いガバナンスの指すところだと思う。企業も同
様である。”ここ3ヶ月、事業Aは多少手抜きで良し、事業Bにフォー
カス!”。”世間に説明できぬような、ぬるいことはするな!”。トッ
プの意思が前線部隊まで、いかに効率よく正確に伝達され実施される
か。どうそれを計測して素早くPDCAを回すか。様々な組織論がトップ
の頭を悩ますわけであるが。
会社組織のガバナンスでは、取締役会がその組織を統治することが最
初の仕事。今話題になっているカジノファンが元会長だった会社組織
のガバナンスは、きっと平均以上の強さを備え、運用しているのだと
予想する。その一部事業の圧倒的シェアが物語っている。問題は、取
締役会自体を誰がどのように統治するか、というところにある。現代
の年一度の株主総会はワークしないことは事実が物語っている。社外
取締役とか委員会設置会社などという手段もあるが、これを決定す
るのはトップである。名こそ惜しけれという意思を欠いた者がトップ
に着くことから、こうした事件が発生するのだから、解決の本筋には
なれないだろう。日本男児の末席に位するもの、このような子供じみ
たスキャンダルを世界に発することは以後皆無としたい。第一歩とし
て、名なぞ惜しくないという人物を上場企業のトップに据えることを
日本国では断固違法とした、とはできないか。上場会社または売上ウ
ン十億以上の企業では、法律でもって世襲を禁止。優秀な2世だった
ら、他の会社でも出世し、会社や日本国の為に良き仕事をしてくれる
であろう。
投稿者 lib : December 22, 2011 10:46 PM