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October 28, 2008

バブルの崩壊 その1

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リーマンブラザーズとメリルリンチとAIGの経営危機。

経済に興味のない人には馴染みのない名前で、 「マンチェスター・ユナイテッド・フットボールチームのスポンサー、AIGという会社がヤバイ」という新聞記事もあった。そういえば、赤いユニフォームにデカデカとAIGの文字。あれをそのまま、 「マンチェスターユナイテッドが身売り」と受け取ったフットボールファンも多いのでは。

リーマンは「買収の話が流れた」のニュースの後、あっという間に 「イギリス国内で従業員5000人が解雇(自宅待機?)」である。

新聞には私物を入れたダンボール箱を持った社員がカナリーウォーフのオフィスから出てくる写真が載った。アメリカ映画でよく見かける、首になったり、ボスと喧嘩して辞表を叩きつけた主人公がデスクまわりを片づけて、ダンボール箱を抱えて憤然と会社を去る、あのシーンだ。

さて、最初に思ったのは・・・。

(あのダンボール箱は会社の支給品だろうか?)ということだ。

全員解雇の前夜の重役会議で悲痛な表情のひとりが、
「・・・というわけで全員解雇は避けることができません。決定です。・・・さて、次の議題です。私物入れのダンボール箱の注文ですが、5000個でよろしいでしょうか?」
「いや、休暇や病欠の社員もいるから、4500個でいいだろう。非常事態だから、たとえダンボール箱の費用といえど、無駄使いはできないし」

と、一括注文されたのだろうか? そのわりには持っている箱の種類はバラバラだったような・・・。しかし、あの人数の箱がオフィスにころがっているとは思えない。

目端の利く連中がさっさとダンボール箱を集めると、一番高値をつけた同僚に売りつける、という 「転んでもディーラー」 の意地を見せる状況だったのだろうか? 買い付けた同僚もそれを転売し、サヤを抜く・・・みたいな?

実情をご存知の方は一報ください。たいへん気になっているので。

もちろん、シティではリーマンの話で何日間も盛り上がった。

「人の不幸は蜜の味」とはいうものの、不幸にもカテゴリーがある。 「白血病の少女」の話をニコニコと聞く人はないし、「安い輸入品に押され、おもちゃ工場が閉鎖。60人が全員解雇」なんてニュースなら、「養う家族もあるだろうに、再就職は大丈夫だろうか・・・」と心配するのが人情だろう。

正直なところ、シティの勤め人の間でもそれほど同情されていない。(リーマンの皆さん、ごめんね) せいぜい 「うちの猫が子猫をたくさん産んだ。困った。引き取り手いないかな」という話を聞かされて 「あら、大変そう。いい人に貰われるといいわね。でも、誰も欲しくなかったらどうするの?」と言うレベルである。

そのうち、日本の某社がリーマンを買収して従業員をキープなんてニュースが流れると、 「ちっ、余計なことを。助けるなよ」と言う人も現れたくらいだ。

株価が急降下するとの予想は当然だから、Short Sellingに走るだろうな、と思ったら、FSAがそれを禁止。で、せっかくのチャンスを奪われたヘッジファンドがFSAを訴えるとか。 さすが、怖いものなしのヘッジファンドだ。日本なら金融庁にたてつく会社なんかないけどね。いいぞー、もっと、やれー。

ううむ、なんだかドラマを見ているようだ。ソープオペラでは短期間にカップルがくっついたり、離れたり、相手が変わったり、結婚したり、と話が急展開するものだが、この数週間は 「今日はどの銀行を誰と誰が欲しがって、最終的にどこに買収されるかしら?」と新聞を見るのが楽しみであった。

クレジット・クランチのニュースが最初に公になったのは、去年の夏。その前から株価や不動産の値段が高騰していたのを日本人の私たちは 「そろそろかな? いつ頃だろう? 懐かしいなあ、あの頃を思い出すねえ」と来るべきものが来るのを待っていたものだ。

あの頃の日本のバブルの崩壊のことなんて、イギリスやアメリカの誰もおぼえてなかったのかしらん?

続く


投稿者 lib : 11:57 PM | コメント (0)

アメリカの大統領選挙  coco

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あと1週間でアメリカの大統領の投票日。
英国に住む我々には、あまり関係ないが、もしかしたら、初の女性大統領、もしくは初の黒人大統領の誕生?なんて、今回はとても面白い展開で始まり、部外者の我々も結果を楽しみにしている人も多いのでは?。
先週 、ダーリンのアメリカの友人夫婦がロンドンにやってきた。彼らは年に1回は英国にやってくるので一緒に美味しい物を食べに行くのが恒例となっている。
今回も新しく出来たレストランを予約しておいた。このカップルは、どちらもハーバード大学の出身者だ。私もダーリンも出身校を重視するタイプではないが、この2人がそんな有名な大学の出身者でありながらも、気ままなミュージシャン生活をしている、その生活感がない所に興味津々。

食事をしながらふと見ると彼女のバッグに、今回の民主党の大統領候補オバマ氏のバッチを付けているではないか。「どうーしたの?」と聞くと、彼女は彼をサポートしてボランティアをしているという。今回の戦況は接戦らしい。どうしてもオバマ氏に勝ってほしいので、週末になるといろんな家を訪問してオバマ氏を支持するように頼んでいるそうだ。そう、週末を大統領候補のために費やしているのだ。
彼女は、相手方のマケイン氏が勝つ事がどうしても耐えられないという。その理由は、特に副大統領にあるらしい。ペイリン・アラスカ州知事を副大統領候補に選んでいるマケイン氏がもし勝ったら、そして70才を越え、持病を持つマケイン氏 に何かがあったら、彼女が大統領になるのよ。彼女がとても大統領としての仕事をすることは不可能だし、それにそうなったら、アメリカはお終りね。と説明してくれた。
日本も英国も直接選挙でないからここまで盛り上がらないけど、もしかしたら、自分たちが頑張れば、支持している人が勝つかも?という可能性があるアメリカならではの行動と発言だ。そして、今こうして自分がアメリカを離れてロンドンにいることが申しわけないと思っているそうだ。ここまで熱い気持ちにさせるものは、何だろうか?

ここでダーリンに意見を聞くと、アメリカの選挙はいわば祭りだという。その昔、渡米したイギリス人もその状況に驚いていたとか。特に今回はブッシュの政権が8年も続き、戦争もあり、そして、彼の始めの当選もなんだかグレーな感じだったし、国民のお祭りである大統領選挙を今度こそしっかりと取り戻したいのだろう。との答え。
そうか、祭りかー。

さあ、来週の祭り本番が楽しみだなー。

投稿者 lib : 11:51 PM | コメント (0)

October 23, 2008

ES

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今年になって初めて体験するようになったことがあります。それはES dutyというものです。

ESとはEmergency Supportの略です。これはいわば、授業中の教師をサポートするシステム。Dutyは日本語だと義務、ですね。

普通、生徒の間で激しい口論がはじまったり、生徒の態度が非常に悪く授業にも悪影響を及ぼす状態など、教室で生徒が問題を起こした時には、いくつかのステップを踏んで解決することが教師に求められます。

大抵は、居残りをさせる・隣の教室に「送還」されるなど「今態度を改めないとこういう罰を受けることになるよ」という警告を与えると生徒も落ち着くものなのですが、それでも聞かない場合は落ち着かせるために廊下に少しの間立たせておいたり、その場で他の先生の教室に生徒を送ります(生徒はこれをされるのが嫌いです)。

それでもクラスが収まらない、学部内の教師同士の協力では状況が解決できない場合にその時のES Dutyを課せられた教師が教室に呼ばれます。

私の今年の時間割には私もこのESとして待機しなければいけない時間が二週間に一回あり、その時は学校が管理している携帯電話を校舎内で持ち歩いていなければいけません。そして、問題が発生したら携帯に電話がかかってきて呼び出されるというわけです。

私の場合、高学年しかいない校舎担当なので割りと授業は落ち着いている傾向にあり、しょっちゅう呼ばれることはありませんが、一度は学校内でも有名な生徒(もちろんネガティブな意味で)が教室で問題を起こしているということで呼ばれました。

瞬間湯沸かし器のような感情の起伏の激しい生徒、その生徒の感情を逆撫で無いようにしつつ、教師のESを呼んだ訳を聞き、生徒の言い分(大抵は頭ごなしに教師を否定するのですが)を聞いて状況を改善しなければなりません。とっても神経を使う瞬間でした。

まぁ、普通ESが呼ばれる状況になると生徒もこれ以上問題を起こしたら校長から居残りを貰うか、下手をすれば停学になるので大抵の生徒はそこで収まります。

昨日は再び私のES担当日。でも、穏やかな日でした。一人授業中に具合が悪くなった子がいて、その生徒を家に送り返すか否かを決定するために呼ばれたことはありましたがそれ以外は何事も無く。

で、私が取った行動。採点しなければいけない生徒のノートがあったのですが、いつもはオフィスに閉じこもってやるところを、思い切って屋外のベンチですることに。

だって、すごい良いお天気だったんです。雲がほとんど無い美しい晴天。ロンドンの秋は雨も多いですからこれは幸運なこと。昼間は普段ほとんど校舎に篭りっきりで、仕事を終えてでると外ももう暗いですから、久しぶりに日光浴をしながら効率よく仕事もできて大満足な私でした。

さぁ、次回のES Dutyはハーフターム後。何事もなく終わりますように、、、。

投稿者 lib : 06:30 PM | コメント (2)

October 21, 2008

スノッブ

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 届いた郵便切手にスタンプが押されていなかった。やった!!また使えるぞ。っと切手の部分をはがし、コレクションしている私。こんなことがよくある英国。いい加減も時にはいいなー。
この国の階級制度が生きているのか、合理的なのかはよくわからないが、切手には1stクラス、2ndクラスとあり、翌日に届いてほしかったら1stクラスの切手を貼る。もちろん2ndクラスより少し高い。企業では、これを使い分け、早く着いてほしい請求書などは1stクラスを使用し、自分にとって急ぎでない物は2ndクラスを使用すると聞いたことがある。
昔はきっと確実に翌日に着いたのだろうから、1stクラスの意味もあったと思うけど、最近の郵便事情を考えるとこのクラス分けがどうもうまく動いているとは思えない私。だって、2ndクラスの切手を貼っても翌日着くし、1stクラスの切手を貼っても翌日着かないもの。

 ある時、どうしても1stクラスの切手が欲しかった。私のコレクション(?)には、2ndクラスの切手しかない。ダーリンに聞くと持っていると言う。
「そう、じゃあ2ndクラスの切手と交換して?」というと、ダーリンは「いらない。」という。「え!どうして?」と聞くと「スノッブだから、2ndクラスの切手は使わなーい。」と笑って答えた。
 ふーむ。スノッブか。たしかに2ndクラスの切手を貼ると「私は安い切手を選んで貼っていますよ。」となるな。このスノッブという言葉「紳士気取り。地位・財産を崇拝。自分の愛好する趣味や学芸を至上のものと考え、鼻にかける」などなどとあまりいい意味では使われないが、まあよく解釈すると「こだわり」かな?
 私には、ダーリンのこの「こだわり」がよくわからない。だって、いいじゃん。急いでいないのだから、安い2ndクラスの切手を貼ってもさー。ダーリンって見栄っ張り??かも。
でも、ダーリンがすべてに対して高いものを選ぶのかっていえば、そうでもない。どちらかというとケチだ。お金はできれば使いたくないタイプ。お金を使いすぎると気分が悪くなるらしい。(笑)
 そういえば、ダーリンのママもスノッブだと思う。チャリティーショップ(寄付されたものを販売し、その売上げを寄付する仕組み)へは寄付するが、決してそこからは買わないなー。私?そりゃー、お金に苦労していた学生時代にはよくお世話になりました。最近は、あまり掘り出し物もないので行かないけど、まだ掘り出し物がある田舎のチャリティーションプを見かけたらついつい立ち寄ってしまうだろうなー。

 私と、ダーリンたちの違いはなんだろう。私の勝手な想像だが、ここに階級制度の感情支配が働いていると思う。2ndクラスの切手やチャリティーションプ、これを利用するのはある意味、お金にこまっている人々だ。というイメージが彼にはあるから利用できないのだろう。つまり、ダーリンの2ndクラスの切手を使わない心境は「武士は食わねど高楊枝」と似ているのかな??
私はよそ者だから、その感覚がまったくない。仏壇をインテリアの1つとして飾ってしまう外国人のようなものだろう。
 英国のなんとなくある階級意識、そこにはそれぞれのこだわりがあって、それぞれ自分のクラスが一番いい!!と思っているのが英国らしくおもしろい。なので、昔、近所に住んでいた3畳一間のアパートに住んでロータス車に乗っている日本人っていうのは、この国では多分理解出来ないだろうなー。

投稿者 lib : 06:33 PM | コメント (0)

October 19, 2008

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すみませーん。何とか書こうとおもいましたが、仕事に追われて今週はgive up,ごめ
んなさい。coco

投稿者 lib : 11:47 PM | コメント (0)

October 16, 2008

SATsの終焉。

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一昨日、フォトコピー室で教材準備をしていると、同僚のVがやってきました。「BBCのニュース聞いた?」と私にたずねる彼女。

一体何のことかと首をかしげていると、驚きの情報が飛び込んできました。何とKey Stage 3のSATs(サッツ)が廃止されるというのです。

Key Stage3というのは7年生から9年生までの三年間の過程で、日本でいうと中学校にあたります。

SATsというのはイングランドのNational Curriculum(学習指導要領)に基づいた数学、英語、理科の全国統一試験(過去には情報処理のテストが導入された年もありましたが去年廃止)で、小学校6年と中学校3年の時点での受験が求められます。

ところが今回、この中学校3年、つまりイギリスではKey Stage3の最後の学年で受験されていたSATsが廃止されることになったのです。

元々このSATs、子供から学ぶ楽しみを奪っている、スキル重視になりテクニックさえ身につければ点が伸ばせるため、学力試験としての信頼性が低下しているなどとその弊害・欠点が多く語られ、教師の労働組合から毎年批判が寄せられ、廃止が叫ばれているテストです。

子供の学力低下を危ぶむ政府としては断固として廃止にはしないとは思っていましたが、今回、夏にSATsの結果発表が全国各地で大幅に遅れた批判が相次いだこと、もともとKey Stage3のSATsはGCSEなどと比べると結果が重んじられることも少ないため、今回の廃止に繋がったようです。

それにしてもイギリスで「イギリスの子供はヨーロッパ一、試験漬けにされている」とよく聞かれますが、中学校受験からはじまり、中学高校と学期末試験、学年末試験と学力が頻繁に数字ではっきりと評価され、大学受験に至るまでかなり勉強漬け、テスト漬けな日本の教育を受けた私から見たら、「そんなにすごくもないのでは、、、」と正直思ってしまいます。試験漬けがいいのか悪いのかという議論はここでは置いておいて。単に個人的な試験量比較です。

実際、日本の試験のフォーマル度(?)から比べたら、我が校でおこなわれる各教科の試験は非常に曖昧なものに思えます。試験期間というものは学年末に一応存在していますが、厳しい試験の時間割があるわけでもなく,歴史科では特に一学期に一度ほど、何らかの形で生徒の学習到達度を評価していればOK。

最後の学年末の試験も一年でやった全ての内容を細かくカバーして無くてもよく、実際、悪い点をとっても「どうせGCSEで歴史取らないし」と堂々と開き直る子供の姿も見られるほどです、、、。なんというか、「試験」=「必死に頑張らなきゃいけないもの」という図式が成り立っていないというか、とにかくフォーマル性に欠けるのですね。

こういう状態でSATsが無くなると、もちろん数学、英語、理科の教師のプレッシャーは大幅に軽減されますが、一体、生徒がどのように反応するのやら。ここは東ロンドンの公立。生徒の間で「なーんだ、SATsがないならそんなに勉強しなくてもOKじゃん」なんてことにならないといいのですが。

まぁ、今までSATsが終わると同時に反動で歴史を含めたほかの教科でも一気に学習意欲をなくしてしまう子供が少なくなるは有り難いことですが。

ところで今朝、今年の夏にSATsを受けたばかりの10年生である私のクラスの子供たちが発した言葉。

「私たちがSATsを受けたことに一体何の意味があったの?!」

、、、疑問に思うのも不思議はありません。大人の決め事に一番振り回されたのは子供、本人ですからね。さて、SATs導入、そして廃止、本当に意味があったのかなかったのか、これから数年で明らかになるのでしょうか。

投稿者 lib : 11:56 PM | コメント (0)

October 12, 2008

M-Word 再び

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今年も始まりました。

M-word連発の日々(過去ブログ「M-Word」参照)、つまり怒涛のマーキングの日々が(泣)

このマーキング日本語だと「採点」と訳されますが、実際、7年生から9年生までの 歴史では課題やテストを数字で評価をする場面は少ないです。

歴史を教えれば教えるほど、点数を付けることが困難な教科だと痛感します。

今、最優先でやらなくてはいけないのは9年生の生徒のノートのマーキングですが、授業で与えた課題、宿題として与えた課題を含めて全部いわゆる記述式の解答です。


生徒に課題を出す際にはあらかじめ生徒が目指すべき到達目標、教師が評価する際の基準を示しておきます。例えば、エッセイならばどのくらいの史資料を使わなければならないのか、どういった語彙を使わなければならないのか、史資料はやみむもに丸写しせずに、自分できちんと理解し、情報を選択した上でしっかりと生徒の文章の中に表現されているかなど、明確に示しておきます。

これは教師にとって注目すべきポイントがあると客観的にしっかり評価できるので重要ですし、課題をやる生徒にとっても含めなければいけないポイント、注意すべきポイントがわかるのです。

今回、9年生に出した課題は、奴隷制・三角貿易に関連し、アフリカ人がどのように奴隷となりアメリカに渡ったのか、奴隷船の様子はどんなものだったかなどを史料を使って、まるで奴隷自身が書いているかのように手紙式に生徒が表現するというものでした。

もちろん、当時奴隷となったアフリカ人たちが実際にこのような手紙を書いたはずも無く(元奴隷の書いた伝記はありますが)、ましてやアメリカへ向かう奴隷船の中で自分たちの体験をその場で直接表現する機会はなかったので、こういった課題を出すには生徒が間違った認識をしないように注意が必要ですが。

それでも生徒はこういった形(手紙形式や日記形式、もしくは実際に自分たちで演じてみるDrama形式の課題など)で自分たちの理解・知識を表現するのが好きなのでよく歴史の時間ではこういった課題が出されます。

さて、この課題はそれぞれの生徒がノートに2ページ近く書いているのでそれを一つ一つ読んで評価をつけるとなると一冊のノートをチェックするのに最低10分から15分ほどかかります(大体ノートチェックは6週間ごとにされます)。

課題の評価にはよくイギリスのナショナルカリキュラム(学習指導要領)に基づいて作成された「Level descriptor」と呼ばれる到達可能レベル表が使われます。例えば、あまり史料を用いずに書かれたものは到達レベルが3や4、もっと積極的に多様な史料が効果的に使われ、なおかつ明確に説明されていればレベル6や7など、生徒の課題をレベルで評価するのです。

ただレベルだけを記すだけでは生徒がなぜそのレベルしかもらえないのか、上のレベルに到達するにはどんなところを頑張ればよいのかがわかりませんから、レベル表にはそれぞれのレベルの特徴が明示されており、教師もそれをもとに生徒にアドバイスとしてコメントを書きます。

初めはこのレベル付けが私の苦手な分野で、1つ上のレベルを上げるべきか否かなど、判断に迷うこともしばしばありましたが、最近はその作業も早く自信を持ってできるようになってきたとは思います。

なんとも骨の折れる作業なのですが、生徒がどのように課題の目的を理解して取り組んでいるか、このレベル表を使うと手に取るように分かります。忠実にやっている子、自分の知識(と想像力)だけを使って到底歴史的事実と合わないことを書き連ねてしまう子、実に様々です。

ところで、本日採点したノート冊数20冊。再来週の水曜日までに採点するノート、約100冊。

100冊×(かける)15分、、、思考停止。

うーん、長い道のりに気が遠のきそうです。

投稿者 lib : 11:39 PM | コメント (0)

October 08, 2008

休暇のイタリアで。(その2)

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我々が宿泊したのは、B&B.
ダーリンがサイトで評判のいい所にしたので、かえってホテルよりロケーションもいいし、快適だった。ここは4部屋しかなく、オーナーが40歳ぐらいの独身?イタリア女性だ。
名をレナータといい、B&Bのオバさんというより、その辺にいるお姉さんと言った感じ。

朝食。ちょっと肌寒かったけど、ここの自慢のテラスで食べた。
客が座ると、レナータがスローな感じで物を運んでくる。スローなのは太っているからではなく、彼女のリズムのようだ。
まずは、シリアルやパンなどを持って来てくれた。その次にジュースやヨーグルト、ハムにチーズ、そして、甘いお菓子だ。
さて、シリアルを食べようと思ったらミルクがない。しかたがないので、違う物から食べ始めたが、まだこない。シリアルはやはり先に食べたい。ダーリンがちょっと席をたち、小さな台所に行くと、「今持っていくから、慌てないで。」と諌められたようだ。
パンも半分食べたら、レナータが「あ、バターいる?」と聞いた。
我々は、「もちろん。」と言った。(しかし、このバターはこれが始めで最後で、どのテーブルにもでなかった。)
コーヒーがうまい。「このコーヒーはなんでうまいの?」と聞くと、彼女が使っているコーヒーの袋を持って来て、「ここの地域のコーヒーよ。」と自慢げに教えてくれた。
「今日はどうするの?」と聞くので、「隣町の海辺に行く。」と言うと、「あら、ここの街の観光のほうがいいわよ。」となんでそんな街にいくの?なんて言いたげだった。

次の朝、ダーリンは早く外出したいので、朝食は早めにしてね。とお願いしてあったが、
土曜日のせいか、その時間になっても彼女はいない。しかたがなくダーリンは外で食べる。といって出かけていった。
レナータは最近、近くに家を買ったそうで、そこにもっと親近感を持ちたいから、寝泊まりをそこでしているという。だからB&Bであっても、一日中いるここにわけでもないようだ。
ダーリンが出て行った後、レナータが出勤してきた。

次の朝、日曜日でも開いている美味しいレストランがあるか訪ねてみた。すると1つ教えてくれた。そして、私に何処から来たのか聞き、ロンドンからだというと、「我々は年に数回ロンドンにいくので、いいレストランがあったら教えて!」という。「いいわよ。」というと、「おいしい寿司もいいわね。それと、中華もいいわね。それから、、、」と彼女のオーダーが続く。私は彼女の気迫に押されないようにやっとの思いで、我々のここでのレストランの2つ目の名前と場所を教えてもらった。

次の朝食。シリアルは来たのに、ミルクがこない。昨日諌められたのでダーリンは、なんとシリアルにヨーグルトをかけて食べている。朝食は同じ内容だが、甘いものが我々のテーブルにはない。まあ、あまりお腹もすいていなかったので催促もしなかった。
そして「今日はどうするの?」と聞くので、「街をまたブラブラするわ。」といったら、「そうねー。近くの街にいけば?ここもあまり見る物もないし、飽きるでしょう?」という。
そうか、3日もいれば飽きるよね?!彼女は、気まぐれか、正直か、なんなんだろうか??

その日の午後、ダーリンの知り合いが我々と同じB&Bに泊まるのでやって来た。が、なんとレナータはいなかった。幸い客が居間にいたので、その客がドアを開けてくれた。
友人は、「ちゃんと伝えてあったのに。」と文句を言った。だって、運が悪ければズーとB&Bの外で待っているはめになった訳だから。しかし、レナータは、開けてくれた客がいてくれてよかった。よかった。と言うだけだ。
うーん。我々が到着したのは夜の10時。もしその時も彼女がいなかったら、、、、とダーリンに言うと。ダーリンもすでにその予感があったようで、 前日に再度、連絡をいれておいたそうだ。さすが、ダーリン。偉い!!と感心してしまった。やはりイタリア人につきあうならこのぐらいの読みはしないといけないのだろう。

次の朝食。同じようにミルクがこない。急いで出かけたい友人もダーリンもシリアルにヨーグルトをかけて食べていた。私は休暇なので、ゆっくりモード。イタリアはトマトの味が違うというので、店で買ったトマトをスライスして食べていると、レナータが「ちょっと待って。」といって塩とオリーブオイルを持って来てくれた。
そう、彼女はケチでもないし、ビジネス、ビジネスという冷たさもない。

最後迄、ミルクとシリアルのタイミングは直らなかったし、バスタオルは毎日内容がバラバラで、バスマットはないと思っていたら、最後の日にでてきた。
しかし、ダーリンの仕事仲間で他の場所に宿泊した人々は、あまりいい思いをしていなようで、我々はかなりラッキーだったと言われた。
帰りにB&Bから空港迄行くタクシーをレナータに頼んだら、なんと彼女によく似た姉妹と彼女の彼氏が運転手だった。しかし、他の仲間から聞いたら、空港まで頼むタクシーの値段がかなりボラレタ金額でレナータはあれで良心的だったんだなーと思った。
同じB&Bに泊まったダーリンの友人に「今度またここの街に来たら、他の場所に泊まるの?」と聞くと、「いやー、またレナータの所にしようかな?」と答えていた。
そう、この私も同じ答え。なんだかすっかり彼女が気に入ってしまったから、不思議なものだ。あ、そうだ。彼女と約束したロンドンのレストラン情報を教えないと、「いい加減な日本人」と言われてしまうかな?

投稿者 lib : 08:41 PM | コメント (0)

October 05, 2008

Bath

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ささやかな至福の時、というのは人によって千差万別であろう。人並
みに僕にもいくつかあるが、一つは長風呂で読書というのがある。お
かげで書棚の本は水をかぶって殆どへろへろ、ぼろぼろであるが、読
めさえすれば姿はどうでも良しと思ふている。最近、”逆読書法”と
いう本を読んだ。最終章だけはアゲインストであった。すなわち、本
は大切に扱うこと、そうした親の姿勢を見て子供は本を読むようにな
る、とのことであるが、僕は本をある程度大事にしている親の姿は見
ていたが、子供の頃には一切本は読まず、まともに読み始めたのは単
身上京し社会に出て、人並みに困ったことが発生しはじめてからのこ
とだった。この章だけは僕にとっては一般解とはなりえないが、とて
も面白い本だった。

風呂の入り方というのも人により千差万別であろう。日本から英国に
越してくると、はて、どうしようかと考えてしまうモノの中に、風呂
はまず筆頭の位を占めるのではないだろうか。湯船の深さは浅く、縦
に長く、寝そべるようにして入浴する。洗い場が無い。不衛生なこと
に、厠が隣に鎮座する。しかし入浴せぬわけには参らぬから、各員、
創意工夫することであろう。

開発過程は省くが、僕の風呂を紹介しよう。まずはスーパーに行って、
Dettol Liquid という液体を購買する。いまどきはカラフルなものも
売っておるが、オリジナルの、茶色のものをお勧めする。次に、風呂
用の塩を購買する。家に戻ったら、欧州式湯桶にお湯を貯め、水が8
割ほど溜まったところで入浴用の塩を適量注ぎかき回す。次に、
Dettleをキャップ一杯分を湯桶に注ぐ。すると、あら不思議、茶色の
液体が白濁する。この刹那にて、僕の入浴法は多分、半数の方には嫌
われるであろう。なにしろ、懐かしいクレゾールの臭いがするからであ
る。

こうして準備ができたら、ざぶりと入り、めがねをかけて、本を読む。
手の届く範囲にタオルを置き、曇っためがねを拭う。なるべく体は動
かさぬほうが良い。動くと湯が冷めるやすい。近頃は、いつでもお湯
が出る瞬間湯沸器によるボイラーも多くなったが、まだまだタンク式
のものも多い。この場合、一度湯を貯めると、小一時間待たぬと湯が
でない。なので、じっと湯に浸かりながら、ひたすら読書する。これ
を小一時間も続けていると、耐えられなくなるぐらい湯が冷える。し
かし、その頃にはタンクの湯も熱くなっており、余裕で足し湯が可能
となるものである。こうして長風呂し、足の裏が白くヘロヘロになっ
たころ、読書で目も疲れていることであろう。ここで石鹸なりをつか
って湯船の中で体を洗い、水を抜きながらシャンプーする。全てが終
わる頃には、水位が随分落ちているので、シャワーでほぼ全身の石鹸
を落とすことができる。Dettolの邪道な使い方であろうが、体は消毒
され、なぜか風呂上り後も暖かさが継続する。世の中うまくできてい
る。

投稿者 lib : 11:07 PM | コメント (0)

神に救われた日、、、?

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今週の火曜日はイスラムのラマダン(断食月)明けを祝う聖なる祭日、Eidの日(正式にはEid ul-Fitr)でした。

ムスリムの生徒たちにとっては気分はクリスマス。新しい服を新調してもらったり、長いラマダンが明けて美味しいものをたっぷり食べれる日なのです。

実はこのラマダン、太陰暦に合わせて毎年来るため、毎年始まりがずつずれます。

去年もラマダンについて書いたのですが、日付を見てみると何と12月でした。今年のラマダンは9月初頭からでこの次期はまだ日も長いので、断食する人たちは去年より大変だったことでしょう、、、。

さて、ラマダン明けがいつなのかは何とイスラムの高僧が月の満ち欠けを見て判断をするそうで、毎年、普通のカレンダーで見て29日目に来るのか30日目にくるのか微妙に変わります。

今年のムスリム教徒の同僚の予想ではちょうど30日目に当たる火曜日でしたが、なんど行政区の判断では10月1日水曜日。

イスラム教徒が90パーセントを占める我が校ではEid当日は登校する生徒がほとんどいなくなってしまうので水曜日は休校になるというアナウンスがされました。

ところが月曜日の夜の発表でEidは火曜日に(まぁ、同僚の予想が当たったってことですね)、、、。

私はそんなことを知らずに火曜日に登校したのですが、なんと朝一で緊急スタッフミーティング。登校してくると予想される生徒が一学年で30人くらいづつしかいないので(本当は一学年240人)、特別編成授業がおこなわれること、水曜日は予定通り休校ということが説明されました。

どうやら学校側、行政側も、仮に火曜日を休校にしていたとしても、Eid翌日の水曜日も欠席者が大半になるはずだと予測していたそうです(つまり、結局休校にするのはどっちの日にちでも良かった)。

さて、予想は当たり、火曜日は一学年30人にも満たない出席率でした。バングラデッシュ系、ソマリア系、、、とにかくイスラム教徒の教師も生徒も全くいない状態なので必然的に学校は白人の生徒、アフロカリビアン系の生徒、少数ですがアジア人でもヒンズー教徒、そしてベトナム系・中国系の生徒だけとなりました。

普段は80パーセント以上がバングラデッシュ系のアジア人ですから私にとってはなんだか異様な光景でした。
人文学部では1,2時間目に9年生全員を集めて授業、3,4時間目には7年生を集めて授業をすることになり、私は同僚二人とともに7年生の担当をしました。

授業といっても普通のカリキュラムを教える授業はできないので、生徒みんなで人文学系の教科(歴史、地理、宗教など)について話し合いをした後、グループでポスター作り。7年生なので皆夢中になってやってくれました。9年生の授業になると「なんでうちらだけ学校来て授業受けなきゃいけないのー?」という空気が漂うものですが。

私としてはTeam teach(複数の教師がチームを組んで授業をすること)をしたことのない同僚と授業をやれたし、何よりも授業のあるはずだった1,2時間目、午後もかなり溜まっていた授業準備をたくさん進めることが出来たので満足でした。

そして翌日水曜日は休校で学校も閉まっていたので自宅でゆっくり過ごし、溜まっていた疲れも取ることができました。これは本当に助かりました。

全く本来のEidの意味とかけ離れてますが、私までちゃっかりアラーの神の御加護を受けてしまったわけです。

不謹慎にも「神に救われた日」でした。

投稿者 lib : 08:08 PM | コメント (0)

October 02, 2008

Bailout

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三越ロンドン店が閉鎖になるそうだ。日本人旅行者には、なかなか便
利だったし、地下レストランのざる蕎麦が抜群においしかったので、
大変残念に思っている。

9月には大手の金融企業が複数破綻した。米国を中心に、英国やベル
ギー、アイスランド等でも大手の金融企業がばたばたと倒れ、政府や
民間の救済を受けることとなった。価値の無くなった株の保有者には
まことに気の毒なことだが、どこの株主にも免れないリスクであり、
是非もなし。

以前にも書いたことだが、金融投資は、FSA等の政府系機関が監視の
睨みを利かせても、更にリスキーで複雑な金融メニューが日々作り続
けられ、その利用者が増え続けてきたのでだろう。例えばShort
Selling という方法があり、他人様の落ち目を利用して金儲けができ
るという。これは漸く禁止令が出たそうだが、逆に言うとこれまでは
野放しだったのであり、こういうところに早期に制限をかけることは
できないものであろうか。

産業界では、戦後だけでもオイルショックや円高等、数度の危機を切
り抜けてきた。ところが、サブプライムという単語が飛び回りはじめ
てから、1年以内にばたばたと大企業破綻が発生する。これも僕には
分からぬことだが、金融界というのは、本質的に脆いプラットフォー
ムの上で商売をしてきているような感じを受ける。そういう宿命を背
負っているのだろうか。

毎年クリスマスシーズンになると、その年のシティーの外資金融企業
のボーナスがニュースとなるが、目が飛び出るような数字の羅列とな
る。報酬なので、一度個人の懐に収まれば、その先会社が潰れようが
どうしようが知ったことではない。結局、税金を使って救済が行われ
る。その税金を払っているのは、国民と潰れていない企業である。確
かに儲けるときは儲けるのだろうが、その儲けの前提のあたりで、既
にリアリティーを失っているような感を受ける。

比すると、10年前から数々のbailoutや統合を経てきた日系金融企
業が現在持つリアリティーに力強さを感じる。外資金融に比べて利益
率の低さが指摘されるが、本来どのあたりが、今どきの言葉でいえば
”sustainable"な、適正な利益率なのか、リビューの必要を感ずべき
時なのではないか。

投稿者 lib : 02:20 PM | コメント (0)

October 01, 2008

ボイラーの修理 その2

career2.gif
イギリスのエンジニア(修理工)は1時間当たり50ポンドから200ポンドをチャージするそうである。転職しようかな・・・。

「それでは来週の火曜日にエンジニアを送ります」とガス会社。
火曜日って、今日は木曜日なんですけど・・・。5日後?

「需要の少ない夏にボイラーの点検を」というキャンペーンを張っていたわりに、ずいぶん時間がかかるじゃないの。これでは 「需要の多い冬」にエンジニアを頼むとどのくらい待たされるのだろうか? 数週間?

――イギリス在住の皆さんへ、ボイラーの点検はお早めに

本当にちゃんと来るだろうかとドキドキしていたが、火曜日にエンジニアはやってきたので、ホッとした。 噂によると予約を入れておいても 「来たり、来なかったり」だそうである。電話を入れて文句を言うと、 「そんな予約は知らない」と言われ、 「頭が怒りのボイラー」になるらしい。

エンジニアのおにいさんはさっさと仕事に取りかかった。 が、ボイラーのパネルがなかなかはずれないらしく、ブツブツ言っている。

(苦しめ、苦しめ、苦しめばいいのじゃー)と思いながらこっそりと見ていた。 
210ポンドも払うのに、エンジニアが簡単にパネルをはずして、
「あ、これが緩んでましたね」
と、あっさりネジを締めて5分で退場なんて許せないではないか。

が、20分も経つとおにいさんの口調が変わってきた。
「何だよ、これ。一体どうなってるんだ。何ではずれないんだよ・・・」
そのうち、SXXX だの FXXX だのといった言葉まで混じってくる。
・・・まずいかも。 直らなかったらどうしよう?

さっきまでの態度を改めた私は神様にお願いする。
(神様、お願いです。どうか、私のボイラーを直してください)
と、祈りが通じたのか、ボイラーのパネルがはずれた。

やっぱり、神頼みは効く。 特に 「病気の回復」や 「恋の成就」に 「受験合格」といったお願いは多くて順番待ちが長いが 「ボイラー修理」のお願いの数は少ないだろうから、処理が早かったらしい。

パネルがなかなかはずれなかったのは、数年前に頼んだ配管工のおやじの仕事が雑で金属部分が妙な角度で曲げられていたらしい。 あのおやじめ、1300ポンドもチャージしておきながら、いい加減な取り付けをしてくれたな・・・。

パネルははずれたものの内部を点検したエンジニアはあっさり言った。
「部品が壊れているので、それを持って明日来ます」
・・・持ってないの?
「大丈夫。明日ちゃんと来ますから」

私は働いているので、 「明日」なんて日はそう簡単には来ない。 「また明日」という日は 「またまた有給休暇の申請とそれに対する許可」というプロセスの後にやっと来るんですけど。

私はシクシクと泣きながら、
「ぜったい、ぜったいに明日も来てね。私のこと、忘れないで」と捨てられそうな女が恋人にすがるような態度でエンジニアのおにいさんに頼んだのであった。

翌日、また貴重な有給休暇を使い、やっとボイラーの修理は完了した。

それから数週間後、ゴゴゴ、ガガガガーという音と共にボイラーは停止。驚いてスイッチを切り、しばらくしてから恐る恐るスタートさせてみると、何もなかったように動き始めた。

・・・どうしたらいいんだろう? もう一度エンジニアを呼んだら、また210ポンド取られるのか? それとも、ちゃんと保証期間があるのだろうか?

でも、また確実に有給休暇を使って、エンジニアを待つんだよな・・・。

PS.その後、もっと安い 「ボイラー保険」の宣伝が新聞に載っていた。 が、この保険に入っていても、エンジニアを呼ぶと一回50ポンドチャージされると小さい文字で書いてあった。恐るべし、イギリスの修理費。

投稿者 lib : 08:24 PM | コメント (0)

休暇のイタリアで。(その1)

darling.gif 
遅い夏休みを取った。南イタリアに6日間の旅だ。
あまり暑い夏が好きでない私でさえも、ノースリーブが活躍しない今年の英国の夏の天気は寂しく、この旅行に期待をしていた。
行く1週間前の天気予報では、最高気温30度と夏を楽しめるいい気温と喜んでいた。しかし、行く当日になったら、いきなり最高気温20度と英国並になってしまった。がっかり。それでも、気持ちが先行してしまったのだろう、持って洋服は半袖が多く、 寒い。寒い。を繰り返し、ついに耐えきれずに衣類を買ってしまった。
ああ、夏はどこに。

さて、今回の旅行はダーリンと2人きりではなかった。ダーリンは、仕事関係で出掛けるので私がついていく形。そのため私が知っているダーリンの仕事仲間と会えるので、ちょっと楽しみ。
行きの飛行機では、以前にも紹介した足を骨折したイタリア人女性が一緒だ。我々に会うなり開口一番、洋服のことを話し始めた。出掛ける間際に以前買ったジーンスをはいて気づいた。丈の調整を忘れていたそうだ。いつもの靴では、丈が長すぎてひきづるらしい。時間がないので、現地でなんとかするのでと、折ってはいてきた。しかし、このままではイタリア人には馬鹿にされるそうだ。なんとかしないと、しきりに言っている。彼女は英国にいるときは、気を抜いているが、いざ、イタリアに行くとなると、どうもそう言う訳にはいかない。と言う。
聞けばイタリアでは、他人の衣服にチェックがはいるそうだ。
なるほど、、。と聞いていた私だが、到着してみて、彼女の言う意味がよくわかった。ともかく皆がジロジロとお互いを見るのだ。
外人ということもあるかもしれないが、ともかくその視線が痛い。どうもファッションにチェックが入るらしい。いままでイタリアには各地を訪れていたが、こんなに見られるのは、始めてだなー。
そう思って見ると、確かにいろいろ気を使っていて皆、お洒落だ。女は、年齢に関係なく太っていない。英国とはえらい違いだ。
男は特に凄い。眉をトリミングし、スタイルもいいし、全員がゲイかと思うほど、バッチリとファションを決めている。見ていて気持ちがいい。
同行したゲイの男性に「ねぇ、イタリアの男性、本当にカッコいいよね?!」と言うと彼も「本当だね。」と嬉しそうだった。

私もイタリア人の彼らと同様に、ジロジロと見ることにした。
ある晩、みんなでバーに行った。
(もちろん10時以降にならないと混んでこないけどね。)

観察していると男も女も数人のグループでやってくる。しばらくするとどちらも異性のグループと合体している。それが素早いのだ。
そこに目立つカップルがいた。男、歳は40代後半か50代。やはり日焼けは欠かせないファッションのようで、肌はしっかり小麦色。ちょっと古いけどプレーボーイのフリオ・イグレシアス(彼はスペイン人だが)に似ている。連れの女は彼の娘?というぐらい若い女だ。ちょっと冷たく、笑顔が似合わない。でもスタイルがよく美人系。店のオーナー風の人と一緒に食事をし、オーナーが手招きしていた車に乗り込みサッサと帰っていった。

次の日、美味しいと言われているレストランで、アルデンテに仕上がったパスタを旨い。旨い。といいながらランチを楽しんでいると、なんと昨晩の2人が店に入って来た。
顔を隠したいように大きなサングラスをかけている2人。ここでも店のオーナーと親しそうに話し込んでいる。どうもこの地域のセレブ?だろうと勝手に想像する。そして、彼らに出された料理はメニューには載っていない特別なもの。
うーん。このサービス、こんな昼間からレストランに彼女と来れるぐらいの時間があるのは、仕事をしなくてもいいってこと?=お金持ち?などなど詮索していると、大きなサングラスを外した彼女は、涙を拭っていた。そうか、女を泣かせる金持ちのフリオか、、、

こうして、ジロジロ見る、見られる。という事は同じように私のプライバシーもなくなるってこと?とブツブツ言っていると、まあ、それはある程度の人たちでしょう?と軽くダーリンに突っ込まれてしまった。イタリアのお話はまた次回も。(つづく)

投稿者 lib : 08:21 PM | コメント (0)