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December 22, 2005

クリスマス

career2.gif  会社のクリスマスパーティが終わると、家庭のクリスマスの話になる。

「日本でもクリスマスを祝うの?」とよく聞かれる。
「ショッピングセンターはクリスマス一色で、サンタクロースもいるし、ジングルベルの音楽が流れるけど、わざわざツリーを飾ったり、ケーキを食べるのは子供がいる家庭くらいかな?」と私は答える。
「日本ではクリスマスは休日じゃないから、みんな平常通りに働いてるよ」
そう言うとびっくりされる。

日本はキリスト教の国じゃないから当然ですけど・・・。
でも、それだと何故クリスマスを祝うのかと言われれば・・・どうしてだろう?
日本人の宗教に対するユルーイ観念が、
「お祝い事なら、どの宗派でもとりあえずOK。商売繁盛よろしく」の態度をとらせるのだろう。
そう言えば、恵比寿、大黒あたりのふくよか系の神様は、ひげと服装を変えればサンタクロースへ軽く変身できそうな感じでもある。

「クリスマスはどうするの?」と季節の挨拶。
クリスマスの準備というのは女性にとって、かなりのストレスになるらしい。
が、いろいろな人と話すうちに、これが会社での仕事ぶりや性格を反映していることがわかった。

日ごろから仕事の段取りがいい人は11月の初めから、
「クリスマスプレゼントの準備はもうできた。ターキーの予約も済んだし、ミンスパイの用意もしたし。あとはいつものところでツリーを買って・・・」と余裕のある口ぶりだ。

パニックに陥りやすく、そのくせ仕事の遅い人は、
「ああ、どうしよう? もう日にちがないのに何もできてない。プレゼントは誰にあげよう? どこで買おう? 料理は・・・。わー、どうしたらいいの、私?」と泣き叫ぶ。
会社でも、この手の人に重要な仕事をまかせることはできない。

ごくまれに、
「とりあえず、ターキーを焼いて、それでおしまい」
というリラックスした(なげやりにも思える)人もいて、もしかして複雑な事情があるのかも・・・という家庭環境を垣間見ることができる。

よく日本の女性週刊誌の相談コーナーで、
「私は長男の嫁ということで、正月の間、台所に立ちっぱなしなのに、義理の妹は手伝いません。不公平だと思います」
といった類の話が載っているが、イギリスのクリスマス期間も同じらしい。

イギリスの女性雑誌に載っているのは、
「金持ちの姉夫婦が高いプレゼントをするので、私たちの贈り物が貧相に見えて不満です」とか、
「私はベジタリアンなのに、何度言っても、夫の母は私の皿にソーセージを入れます。これは孫を産まない私に対するいやがらせなのでしょうか?」とか。

親戚縁者が揃ってのお祝いの席の陰で、壮絶な悪口大会が繰り広げられるのだ。

神よ、罪深い人々を許したまえ、アーメン。

投稿者 lib : 08:34 AM | コメント (2)

December 21, 2005

ケチか、倹約家か?

darling.gif  ダーリンは、靴を3足しか持たない。

コートは1着と、洋服も数少なく、ひどく言えばすり切れる迄着る。
靴下なんて、穴があいているものもある。
(日本製はめったにあかないけど、英国製は耐久力がないのですぐに破れると言い訳している)
どうしてそんなに服がないのかと聞くと、だってこれで充分だという。ふーん。
それに比べて私は、、、タンスで眠っている服もある。
始めの頃に言われた。「無人島にいたら、そんなに服を持つの?」
そう、洋服ってはっきり言って見栄なんだよね。

最近は、ちょっとだけダーリンがうらやましいと思う。
洋服を捨てる時は、悔いがなさそうだし、スペースも取らないしさ。
でも、知っているんだ。
誕生日でもらった洋服をいつもうれしそうに次の日に着ているのを。
やっぱり、うれしいんだよね。新しいお洋服。

じゃ、ダーリンはお金を何に使うかというと
本とCD、レコード。
しかし、不要になるとebayや中古書店、レコード屋で換金している。

大きな買い物は、決断するのに時間がかかるし、
食料品などの決まった物以外にお金がでていくのは、好きでないようだ。
クリスマスは、みんなのプレゼントなどで出費が続く時期だ。
こんな時は、気持ちが悪くなるそうだ。

でも、美味しいもに目がないので、たとえばチーズを専門店で買う時には
金額をあまり気にしない。

聞けば、両親や祖父母から物をもらうのは、誕生日、クリスマスなどの特別な時だけ。
だから、洋服なんて、小さくなった。破れた。なんて時に新しい物を買ってもらっていたんだと思う。

そのかわり、夏には暖かい国で約2週間過ごしている。
まあ、家庭に入るお金をどういう内訳で使うかの違いだろうけど、
ちょっと日本とは違うようだ。

街を見回しても老若男女、すべての持ち物がピカピカしていない。
びしっとスーツを着ている紳士でも、クタクタのバックを持っていたりするしね。

友人の家では、ファイナンシャル会議を夫婦で週1回している。
2人は、早めのリタイヤーを目指して、いろいろ検討しているようだ。

お金との関わり方、考えさせられるなー。

投稿者 lib : 08:26 AM | コメント (0)

December 20, 2005

アーセナル VS チェルシー

football.gif  ロンドンダービー。

アーセナルは11シーズン振りのリーグ3連敗を阻止すべく、
またチェルシーの独走を阻むべく18日、ハイバリーに昨シーズンの覇者チェルシーを迎えた。

両コーチの紙上での争いも去ることながらスタジアムは異常な熱気に包まれ、
試合開始前から独特の雰囲気に。

しかしこの日はショックがあまりに大きい敗戦だった。

近頃ハイバリーでの試合を観るチャンスが多く、
すっかりアーセナルファンと化してきた私にとっても残念だが結果を受け入れなくてはならなかった。
アーセナルはトップを独走のチェルシーと20ポイント差をつけられてしまった。

チェルシーはカウンター攻撃ばかりでつまらないだとか言われたりしてるが、
とても魅力的なチームだと改めて思った。
しかし試合後にモウリーニョはベンゲルとの握手をせずにベンチを後にした。
どんな理由があるにせよプロフェッショナルとしては。。。

アーセナル。

残るカップ戦、特にチャンピオンズリーグに今度は期待したい。
1回戦はレアル・マドリー。。。

PS  今回の試合はプライベートで来英されていたベガルタ仙台の木谷さんとご一緒させて頂きました。
この後バルセロナ戦をカンプ・ノウで観戦され、日本に帰国するそうです。
今後も益々のご活躍を期待しております。

football_20dec05.jpg
試合30分前のハイバリー。この後一気にスタンドは満席に

投稿者 lib : 10:12 AM | コメント (2)

December 19, 2005

イギリスの公衆トイレ その2

mama.gif   さて先週のお話の続き。

初めて入った男性(Boys)用トイレで、背後を振り向いた私の目に飛び込んできたのは。

一枚の巨大なステンレス板だった。

ステンレス板。それだけ。人はそれを「便器」と呼ぶらしい。仕切りなんてない。そこに男の子達は、並んで滝を打ち付けるのだろうか。

あまりにも原始的なその「便器」に私は気を失いそうになった。中国本土を旅行した時に入った公衆トイレ以来の衝撃だ。

中国のその公衆トイレは、女性用であるにもかかわらず個室がなかった。コンクリートの床に一本の長い溝があり、その溝をまたいで用を足すシステムなのだ。前後に壁はない。つまり、前にいる人がペロンと出したお尻を、嫌でも凝視する格好になる。(和式の姿勢だと人は自然に斜め下を見るのだった。)文句を言ってばかりもいられない。後ろの人はやはり同じように嫌でも私のお尻を見ざるを得ないのだから。見苦しいものをお見せして申し訳ない気持ちで一杯になった忌まわしい過去。

しかしここは中国ではない。18世紀に産業革命を起こした大英帝国だ。あまり関係ないか。ならば、個人主義の発達した国イギリス、という切り口はどうだ。そう、ここは他人と肩が触れ合っただけで「ソーリー」を連発するイギリス人の国なのだ。しかもそこは、ポッシュで有名なHヒース内のプレイグラウンドだ。

どこの国よりもプライバシーを尊重する国民が、どうしてこんな便器に耐えられるのだろう。だって、隣の人のものが見えてしまうではないか。もしかしたら隣の水しぶきが飛んでくるかもしれない。想像するだけでおぞましい。

その後入った別の公園では、Boys用便器も独立型の白い陶器製で安心した。しかし夫に確かめると、ステンレス板仕様も一般的だという。ユーザーである当の男性はどう思っているのだろう。(男性の読者の方、イギリスの公衆トイレにおける陶器対ステンレス板の比率や使用感の違い等々、情報お待ちしております。)

男性だったら常識なのかもしれないが、男の子の親にならなければBoys用トイレに入ることも一生なかったろうし、巨大ステンレス板の便器の存在も知らなかっただろう。いやいや、壁一枚隔てたところに、未知の世界がまだまだあるものだ。


追記1.シモの話のついでと言ってはなんですが、五味太郎さんという絵本作家の代表作に、絵本史上でも類を見ない衝撃的なタイトルと内容の本があります。その名も「みんなうんち」。先日、その翻訳版をピカデリーの書店で見つけ購入しました。いろいろな動物(人間も含む)のうんちする姿がこれでもかこれでもかと登場し、私も初めは「どうかなー」と思いましたが、読めば読むほど味わい深く、今では母子のお気に入りの一冊となりました。一般的にタブーとされている話題を、こんなにラブリーな世界に創り上げる五味さんの自由な発想や技量、すごいです。ちなみに英語タイトルは「Everybody poos」ですが、息子はなぜか日英交じりで「みんなプー」と呼んでいます。

追記2.イギリスの冬は寒いです。で、今年のクリスマスはポルトガルに脱出することにしました。というわけで勝手ながら来週はお休みさせていただきます。皆さん、素敵なクリスマスと新年をお迎えください!来年もよろしくお願いいたします。

投稿者 lib : 12:31 AM | コメント (0)

December 15, 2005

クリスマスパーティ

career2.gif 恐ろしくもクリスマスパーティの時期となった。

酒が入ると本性が出るというのは万国共通のことだ。
日本の宴会は社会の縮図だから、「無礼講」といいながらも、本当に好き勝手やったら、将来の昇進に影響する。

イギリスのオフィスパーティの無礼講は、文字通り無礼講だ。(もしかして、うちの会社だけ?)

ロングドレスやディナージャケットに着替え、澄ました顔でクランベリーソースのかかったローストターキーなどを食べている最初の1時間はともかくてして、テーブルの上のワインがつぎつぎと空になるころには、みんなどんどんお行儀が悪くなる。

クラッカーを持って、こっそり人の背後に忍び寄り、パーンと鳴らして驚かせたり、重役の膝の上に乗って、一緒に写真を撮ったりする。(両方やったことがある)また、角砂糖やデザートについてきた生クリームを他のテーブルに投げて知らん顔をしたりして、(これは私ではありません)DJに叱られたりする。

しかし、なんといっても、ダンスフロアの光景はしらふでは見ることはできない、ものすごさだ。

60にもなろうとするイギリス人のおやじがハードロックの音楽にのって、真夜中まで踊りまくる。若い嫁入り前の女が、玄人はだしで、とても堅気には見えないような踊り方をする。もしかして会社の就業時間以降、別の仕事も持っているんじゃないかと心配になる。

イギリスの会社のクリスマスパーティは日本の忘年会と一緒で、仕事の延長よねー。なんて甘い考えがふっとぶイベントである。

硯と墨、毛筆をとりだして、

「この宴会に『無礼講』の真髄、見たり!」

と思わず書いちゃおうと思うくらいだ。(実際には、パーティバッグは小さいので書道セットは入りません。念のため)

投稿者 lib : 08:54 AM | コメント (0)

December 14, 2005

いろいろあった結婚までの道のり その3

darling.gif  呼び出しを受けた私たちを前にママの話が始まった。

私が反対してもあなたたちの意思は堅いでしょうけど,言っておきたいとこがあるという。
あなた達はいいけど、産まれてくる子供のことを考えたことはあるの?と聞かれた。
こんな田舎町だときっと差別されて、可愛そうな思いをするわよ。という。
はは〜ん、これは遠回しだけど私の事を言っているんだ。
日本では感じないけど、肌の色による差別をしっかり感じた。
悲しいけど仕方がない。夏の地下鉄に乗っているときに私でさえも感じた。
色白の私の肌でも、隣の人と比較するとうっすら黄色いのだ!! 
でも、隣の人は、白ではなく、ピンクなんだよね。白人なんてそう、めったにいないよ。
ニコール・キッドマンぐらいだよ。白人は。
実は、みんなピンク人なのに、白人と言い張っているだけだよ。
だからあんた達も有色人種なんだよ。私と同じだよ。といいたいのを、
英語ができずにただママの話を聞いていただけだった。
そして、たった一言意地で言ったのは、「そんなことにぶつかっていける子供に育てます!!」とダーリンに通訳してもらったな。

そして、結婚式は一般的なレジスターオフィス(まあ、区役所みたいなものか?)で
結婚式と登録を済ませ、パーティをした。
ここで驚いた事にママの大活躍があった。
フラワーアレンジメントの腕前を披露して各テーブルに花を自ら活け、
女性の招待客には小さなお菓子を置き,ケーキのデコレーションは、
日本の国花「さくら」がいいだろうと、写真を探して持っていきデコレーションを頼むなど、
すばらしいオーガナイズをしてくれた。
後で聞いたら,ママ自身の結婚のとき自分の母親に反対され、
とうとう結婚式に来てもらえなかった悲しい想い出があるそうだ。
きっとそんな思いを息子にさせたくなかったのだろうな。
それにしても、反対よ!!と言っていたのに、なんて切り替えが早いんだろう。
すばらしい、ママだ!!

次の日、ママは疲れて寝込んでしまったそうだ。ありがとう、ママ。
これ以後、私はママを一目置くようになったのはいうまでもないが、
やはり、嫁、姑。
まだまだ、いろいろあります。


投稿者 lib : 08:42 AM | コメント (2)

December 13, 2005

11才

football.gif  先日イタリア人の友人達とフットサルをしにスポーツセンターに行って来た。

天然芝と人工芝のグランド、体育館、スポーツジムが併設されている、
公共の総合スポーツセンターである。

私達が使う人工芝の横の天然芝のグランドで、
子供達がFOOTBALL の試合をしていた。
どのくらいのレベルなのかな…と思って見てみるとかなり上手い!!

父兄もワーワー言いながら応援していて、未来のスターに期待を託しているようだ。

パワーの問題もあるからかキックは迫力に欠けるのかと思っていたら、
シュートの時の力強さは半端ではなかった。
さらに大人顔負けのスライディングを見て、やはり天然芝は最高!!と感じた。

そして何より驚いたのがドリブルである。
まずファーストタッチの角度、そして足の使い方。
インサイド、アウトサイド、足の裏…、と変幻自在である。
以前にオランダの名門アヤックスの選手育成システムのビデオを見た事があるが、
まさにその子供達と近いレベルでのプレーであった。

好きな選手のプレーを真似ているのだろうか、
そのプレーの1つ1つにおいてすでに個々でスタイルが確立されているかのように
そのフォームもまた格好が良かった。

近くで試合を観ていた男性にこの子供達の年齢を聞くと、何と11才という事だ。
素晴らしいプレーだった。

少し体が大きい子供もいたが、ほとんどの子供は特に体格が良いとは思わなかった。

この子供達は、日本のように土のグランドでプレーするなんて考えたことも無いだろう。
天候に恵まれたこの地では、冬でも青々としている芝がどこでも見る事が出来、
スポーツをする環境は最高だ。

その場を立ち去ろうとした時、丁度近くでスライディングをした子供がいた。
良いタックルだな、と思って立ち上がったその子供を見ると女の子だった。
女子サッカーが強いのも納得だ。

football_13dec05.jpg
冬でも青々とした天然芝

投稿者 lib : 08:33 AM | コメント (2)

December 12, 2005

イギリスの公衆トイレ

mama.gif   生まれて初めて男性用トイレに入った。といっても子供用(Boys)の話ですが。

息子のオムツがとれると、どこへ行ってもまず最初に確認するのが、トイレの場所になった。ロンドンのプレイグラウンドには大抵、子供用のトイレが設置されていて、ご丁寧に「Boys」「Girls」と別々に設けられている。(しかし大人が使おうとすると、管理人のおばさんに「大人はダメ!」と宣告され、はるか遠くの大人用トイレまで走らなければならないのが難だ。私はおばさんの目を盗んだり、子供をダミーに使いちょくちょく利用させてもらっているが。)

息子が「ちー!」または「ぴー!」と叫ぶ、もしくは言葉にならずとも、股間をおさえてもぞもぞしているのを見たら、事態は一刻の猶予も許さない。手遅れにならないうちに、トイレに誘導するのが私の役目だ。このために、事前のトイレの位置確認はかかせないのだ。

初めて息子を、Boys用公衆トイレに連れて行った日。

すべり台で遊んでいた息子が「ちー」と言うので、あわててBoys用トイレに連れて行った。今まで自分の用事の時はGirls用に入っていたのだが、その時は息子の用なのでごく自然にBoys用のドアを開けた。そんな自分の律儀さに気づきちょっとおかしかった。

中に入るとすぐに、かわいい子供サイズの便座の並ぶ個室が目に入った。個室のドアは開けたままで子供を座らせて、「ちー」。間に合った。やれやれと思ったその時だった。

私の背後をどやどやと、やや年長(声の調子からして6,7歳だろう)の男の子たちが入ってくる気配がした。大声でふざけあっている。どうも3,4人はいるらしい。入った時には気づかなかったが、どうやら私の背後にスタンディング用?の便器もあるらしい。

子供とはいえプライバシーは大切だ。というかガキの連れションなんか見たくない。水しぶきの音を聞きながら、私は息子を便器に座らせたそのままの姿勢でじっと固まり、彼らが事を終えるのを待った。

彼らが再びどやどやと出てゆくと私は息子のズボンを上げ、おもむろに後ろを振り返った。

そこで私は衝撃的なものを目にしたのだった。

(次回につづく)

投稿者 lib : 01:02 AM | コメント (0)

December 08, 2005

就業時間

career2.gif  うちの会社の就業時間はシティでも特別なのだろうか?

営業のほうは本当にバラバラだ。外に出ている時間も長いし、クライアントの面倒を見たりするので、オフィス内にじっとしているほうが悪いという風潮もある。これはわかる。

事務職のスタッフも勤務時間がいろいろだ。
基本的には9時-5時なのだろうが、仕事により、というよりは家庭の事情で勤務時間が違うらしい。小さい子供がいる女性は週に3日で、4時過ぎには会社を出るとか、年寄りの父親がいるので週に数日は自宅で働くとか。各自が会社と交渉して、曜日や時間を組み立てるらしい。
会社の規則だから、と一方的に決まった時間以外は認めないということはないようだ。

私は9時半から5時半の勤務だ。帰りはなるべく5時半を過ぎないようにする。ボスに5時以降は新しい仕事を言いつけないように躾けてあるので、よほどのことがない限りは残業しない。
この躾には最初の数ヶ月を要したことを覚えている。
「4時半になりました。デスクや書類のチェックをして、今日中に仕上げなければならない業務の確認をしましょう。気づいた用事はすみやかにアシスタントに報告する義務があります」
「5時です。この時間より後の仕事のリクエストは受付のみで、明日以降の出来上がりになります」
「就業時間外での作業を承りましたが、この報酬につきましては、来週以降のランチを要求します。よろしいですか?」
軌道に乗せるまではそれなりに苦労をしたが、そのかいがあって、ダラダラした仕事の流れはなくなった。

ロンドンで働くようになってから「残業」という経験がすっかりなくなった。夕方6時を過ぎても働いているのは、ざっとフロアを見渡してみても・・・私のボスくらいだ。

彼は日本とアメリカにビジネスがあるので、朝早くから日本時間に合わせて働き、午後から夕方にかけてはアメリカのクライアントのために働く。

えらいなあ。 (賞賛の声)

最初はアシスタントの私も同じく残業させようとしたのだが、
「私は日本の担当で、アメリカのクライアントは関係ありません」と優しく宣言したので、その野望は砕かれた。
ボスの言によれば、「あまり優しい言い方ではなかった」ということだが、10年も前のことなので、きっと覚え間違いをしていると思う。

このようにして、労使関係の不条理はきちんと説明すれば、すんなりと受け入れられるものである。

投稿者 lib : 08:14 AM | コメント (0)

December 07, 2005

いろいろあった結婚までの道のり その2

darling.gif  そして、春になったときママに変化が起きた。

やはり息子に会えなかったことが、ショックだったのだと思う。
イースターに私を連れて戻ってもいいという。
やっと態度が軟化したと思ったのは、早とちりだった。

ダーリンのホームタウンは、英国の北部。
空港に降り立つとダーリンによく似たママが立っていた。
簡単な挨拶をして、家に向かった。
英国は、北に行くほど英語のアクセントが強くなるので、
ただでさえ英語ができない私は、聞き取れない。
だって、まだ中級の下の下の英語学生だ。
日本語を話すダーリンがいなかったら、ただ笑顔で終わっていたな。
そう、ダーリンは、日本語が話せる。書ける。読める。
みんなは羨ましがるけど、英国に住んでいる私の英語は、おかげで進歩ゼロだ。
はじめは、英語と日本語のチャンポンだったのに、
いまではすっかり日本語が我が家の標準語になっている。
時々、英語しか話せないボーイフレンドを探そうかと思うこともある。

 さてさて、家に着くとあの頃はまだ、少年少女だった弟、妹に紹介された。
そしてちょっと年をとったラブアドール犬がいたな。
リビング、ダイニングと3部屋の寝室がある2階建ての一軒家。そして庭もある。
ダーリンのママは、細くて背が高く、きっちりとした身なりをしている。
仕事をしているせいもあるけど、テキパキとお茶の用意をしてくれる姿をみていると、
手強そうな印象だ。
皆の好奇心の中で、何をしているのか、なぜ英国にきたのか、学校はどこにある、
親は何をしているのか、等などイミグレよりは、厳しくないがいろいろ質問をされた。
そして、最後に「夕飯を食べたら、あなたの宿はとってあるからそこへ連れていくわね。」
と言われた。
どうもこの家には、泊めてくれないらしい。
まあ、ダーリンも泊まるし、お客の私が泊まる部屋はないなーと納得していた。

連れていかれた宿泊先はB&Bだった。
B&Bはもちろん今でも利用するが、泊まったB&Bは、
どうも短期で仕事をしている人が常宿にしているタイプ。
若い?女の子が泊まるのはちょっぴり寒い。
部屋も狭いし、テレビもない。
テレビは居間にあるが、肉体労者の男性ばかりの中には入り込めなかった。
朝食は、しょっぱいベーコン(肉体労働には塩分が必要!)、
味が単調で食べられないソーセージ、冷えたトースト。
しかたなくシリアルだけをお腹に入れるだけの朝食だった。
今なら自分でもっと気に入った宿を探して、さっさと移ってしまうが、
その頃はそんな勇気も金もなく三日間をそこで過ごした。

しかし、街を歩けば、いろいろ奇麗で普通のB&Bがあるではないか?
なぜ、あんなところをママが選んだのだろうか?一番近いから??
それとも私を受け入れたくないという、ママの意思表示なのだろうか???。
疑問は募るばかり。いまだに不明だ。

そんな思いをして戻ってきてからも、私とダーリンの付き合いは順調に進んだ。
そして、ダーリンが日本に1年間住みたい!!といいだし、
何かの拍子で結婚しようと決めてしまった2人。
まあ、そのほうがダーリンも日本に住みやすいしね。
なんて、結婚に冷めていた私。
しかし、このことを二人で決めてからママに報告するには時間がかかったなー。
やっぱりダーリンもママが怖いのだろうな。
だんだん、日本に行く日が迫ってきた。
そろそろ、話をしないと間に合わない。。。。。とブツブツ言っているダーリン。
そして、遂に決心をし電話で報告した。
「あの日本人と結婚したい!!」って。
もちろん、呼び出しが来て、再び2人でママの家に向かうことになった。
(つづく)

投稿者 lib : 09:35 AM | コメント (0)

December 06, 2005

ボルトンサポーター

football.gif  ボルトン戦を観に3日、リーボックスタジアムへ。

中田は出なかったがボルトンの勢いがアーセナルをかなり上回っており、
2-0でホームのボルトンが勝利、スタジアムは盛り上がった。

しかしながらプレミアリーグ、チャンピオンズリーグと調子を上げてきたかに見えたアーセナルのパフォーマンスは酷かった…。


ボルトン側で観戦していた私の席はアウェー席のアーセナル側に近かった。
その為、私の周囲は特に歌や声援でアーセナルサポーターに挑発し、
そしてまたアーセナルサポーターも受けてたっていた。

しかし立ちっ放しで暫く放送禁止用語を連発していた私の近くの男性(おそらくかなりビールを飲んでいると思われる)が警官に注意を受け、しかし勢い収まらず警官にも暴言を吐いた模様。

警官はすぐに近くにいた会場のスチュワードに報告。
スチュワードはその男性を5人くらいで取り囲み連行。
思ったより大人しく連行されていったが、その後一緒にいた夫人が抗議に。
しかし好転する訳も無く、残された家族は一家の主を失ったまま観戦。
しかもボルトンが点を入れた後で勝っているにも拘らず。。。

周囲には子供も多かったが、応援歌を良く覚えていて、
大人と同様にアーセナルサポーターに向かって挑発的。
しかも連行された父親の子供達なんて、
それを誇りに思っているかのようにその後はますますエキサイトしていた。
酒が入っていなくとも、もはや関係の無いことなのか。

そんな大人達に囲まれてハイレベルのフットボールを観て声援を送り、
年中青々とした天然芝でボールを追いかける事が出来る環境がある。
子供にとっては最高だ。(一部の激しさを除いて)

勿論それだけではないだろうが、会場には杖を持ち足元がおぼつかない老紳士が、
その奥様と思われる白髪の女性に付き添われながら席に辿り着き観戦していた。

会場に来ている年齢層の幅の広さは、本当にこの国のFootballに対する歴史を感じられる。
私も歩けなくなるまでハイレベルのFootballを楽しみたい!!


しかしながら今節の試合のマンチェスター・シティーの1点目をアシストしたバッセルのファースト、セカンドタッチは最高だった!!
実況でも言っていた。

“Lovely first touch!!”

football06dec05.jpg
ボルトンのリーボックスタジアム

投稿者 lib : 08:18 AM | コメント (2)

December 05, 2005

ロンドンママたちの人生いろいろ - マンディの巻

mama.gif  ロンドンに住んでいて有難いと思うことの一つに、チャイルドケアの充実ぶりがある。学校に通う前の子供を遊ばせることのできるプレイグループと呼ばれる場所は、私の家からでも徒歩圏に知っているだけで10はあるだろう。殆どが無料か、有料でも一回50ペンスから1ポンド程度の利用料も有難い。

私のお気に入りのプレイグループは自宅から徒歩10分の場所にある。ナイジェリア出身の女性が主催していて、彼女のフレンドリーで底抜けに明るい性格もあっていつも大盛況だ。(余談だが、「底抜けに明るいおばさん」というのは黒人に多い。日本人にもいる。でもイギリス人では見たこと無い。私が知らないだけか。「底抜けに」明るいイギリス人おばさんをご存知の方は、下のコメント欄からご一報下さい。)

このプレイグループはカウンシルフラット(公営住宅)に囲まれた立地からか、集まるママたちも複雑で謎の多い人生を送っていそうな人が多い。

マンディは、このプレイグループの主ともいえる存在だ。元夫と離婚して以来、女手ひとつで4人の子供を育てている英国版肝っ玉母さんだ。子供は17歳を筆頭に、15歳、13歳、一番下がまだ3歳。皆母親似なのでそれぞれの父親が同じかどうかは不明。余計なお世話だが。

このマンディ、基本的には3歳の末娘を遊ばせるためにプレイグループに来るのだが、謎なのは、17歳の長女も一緒にかかさず付いて来ることだ。それもオープンする9時半きっかりに入り、母娘でおもちゃを出したり場所を整えたり、スナックタイムにはキッチンに入り料理などの手伝いをし、終了する頃には部屋をかたずけ掃除をするなど、まあかいがいしく働く。きびきびしているし、あまりにも場を仕切っているので初めは雇われているスタッフかと思ったほどだ。ある日、本当のスタッフが、気が利かないとマンディに怒られていた。怒られた彼女は次の日から来なくなってしまった。(こういった職場は子供と遊んでいればいいのかと思っていたが、それなりに大変なのかも。)

そして長女だけでなく、2番目、3番目の二人の男の子もかなり頻繁に現れる。15歳の長男はパソコン室にこもってゲームをしていることが多い。次男は子供達と遊んでいる。要するに、一家総出でこのプレイグループに通勤通学(?)しているのだ。

おそらく、17歳の長女はプー太郎(今の言葉で言えばNEETか)、男の子二人は何らかの事情で不登校気味なのだろう。確かに、何もしないでぶらぶらしているよりは通う場所があった方がいいだろう。おそらく、手伝いをする代わりに大きな子供達も通わせてくれ、という事で主催者に了解をとってあるのだろう。一応「4歳以下」のための施設なのだが、この家族については暗黙の了解になっていて他のママたちも何も聞かない。イギリス人の懐の深さを感じる一例だ。

ただ、学校不登校の二人はともかく、長女は義務教育は終わっているし、なかなかてきぱきしているし、十分社会でも通用しそうだ。どうせ9時半にここに通うなら、どんな仕事でもいいから働いた方がいいのではないか。

そんなことをぼんやり思っていると、私の気持ちを見透かしたように、他のママが言った。

「家族全員が失業者でいた方が、ベネフィット(給付金)が多くもらえるでしょ。」

はあ。そういうポリシーか。確かにそんな家族政策も・・・・この国では少なくはなさそうだ。

投稿者 lib : 09:52 AM | コメント (1)