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November 26, 2007

駐在員の妻

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先日、いつもより早く帰宅したので、久々に家族揃って夕食を取ることが出来た。
さあ食べよう、というところでふと妻の皿を見ると、極端に量が少ない。
妻は日頃「ダイエット、ダイエット。。。」とぶつぶつ言っている割には
結構ダイナミックな食べっぷりだ。
さては今年も残りわずかになり「2007年今年の抱負」でも思い出したか?
と思い尋ねると
「今日はRITZのアフタヌーンティーに行ったから、お腹がいっぱい」と言う。
なに?!RITZ?!そしてその値段を聞いて二度ビックリだ。

しかしそんな私に妻はいつもの決めゼリフ。
「思い出、思い出」
曰く、日本に帰ってしまったら、もうそう簡単にはイギリスになんて来られないのだ、
ならば、あそこに行っておけばよかった、あれをしておけばよかった、等と
悔いを残すことのないようにしなければ・・・

そんな彼女の習い事は乗馬である。
確かに、東京都心で優雅に乗馬、など不可能だ。

「今、この瞬間を楽しもう!」がスローガンとなりつつある今日この頃、
妻の、ロンドン生活の充実ぶり、enjoy加減に思わず
「駐在員の嫁さんは気楽でいいなー。」と漏らすと
「なんですってー?!」と猛反撃。

私の出張中に車上荒らしに遭い、一人で駆けずり回った時のこと、
出張の多い私の留守中、夜中の物音がどんなに怖いかということ、
赴任当初、日々の食事の支度や子供の学校選びが
どんなに大変だったかということ、
さらに遡って、海外引越しをほとんど一人でこなし、
体重が激減(するも、その後瞬時に回復)したこと
・・・・以下省略・・・

はいはい、大変失礼しました。
駐在員の奥様方、日々お疲れ様です。

まあ、妻がハッピーだと子供も私もつられてハッピーな気になるので
良しとしますか。

その時、ふと私の脳裏に、いつか読んだサラリーマン川柳の一句がよぎった。

「昼ご飯 妻はセレブで 俺セルフ」

投稿者 lib : 10:16 AM | コメント (0)

October 17, 2007

父の一分(いちぶん)

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先日、息子の学校でオープン・イブニングがあった。
ほかにもペアレンツ・イブニングなどの呼び方もあるようだが、つまりは保護者面談のことである。

数日前から妻に、予約した時間に間に合うように帰ってきてくれと頼まれていたので、仕事を調整していつもより早めに帰宅した。
面談だったら、いつも送り迎えをしていて学校での様子もよく知っている妻が行ったほうが・・・とも思ったのだが、ここは一つ、「父の一分(いちぶん)」を見せようではないか!と、私が出席することにした。

息子の学校生活については、日頃妻から聞いているので大体は把握しているつもりだ。
が、悲しいかな、その内容の殆どは「今日は先生からこんな注意を受けた」というものだ。
息子はこの9月から近所の公立小学校のレセプション(子育てママさんの息子さんと同じ学年ですね)に通い始めたのだが、入学早々、それはそれは気の合う友達に巡り合い、彼のお陰で日々それはそれは楽しい学校生活を送っている。

・・・が、聞くところによると、どうやら余りに楽し過ぎて二人の世界に入ってしまい、先生の指示や注意が耳に入ってこなくなってしまうようなのだ。  
「今日もお迎えに行ったら“お母さん、ちょっとよろしいですか?”(英語)って呼び止められちゃったわよ~」と、妻はこのところ毎日こんな調子である。内容は大抵いつも、友達と大いに盛り上がってしまい、先生の話を聞いていなかったとか、そういった類のことである。
そんな調子なので、Thinking Chair(つまり反省椅子)もすっかり常連だ。しかし、実は当初彼はThinking Chairの意味さえ理解していなかった。

イギリスでは(ほかの欧米諸国でもそうなのかもしれないが)子供が言う事を聞かなかったりした場合、階段や部屋の隅の椅子などに一人で座らせて「そこで反省しなさい」という叱り方を割と小さい頃から行っているようだが、日本人にはそのような習慣が無い。
息子はThinking Chairに座りながら実は「みんなカーペットの上に座っているのに、今日はボクだけ椅子かぁ。ふふふ。しかもこの場所はみんなから離れてて静かだなぁ」などと考えていたらしい。Thinking Chairでくつろいでどうする!

日々こんな調子なので、面談では一体どんなことを言われるのか・・・と妻はビビっていたが、妻が恐れていたほど酷い内容ではなかった。現在の舞い上がり状態も、ハーフ
ターム明けには落ち着くでしょう、とのことだった。

日本ならまだ幼稚園の年中なんだし、先生もああ言っていることだし、まあ、男の子なんてこんなもんじゃないのか?と妻に言ってみるも、やはり日々のお小言がこたえるらしい。
朝に夕に、息子を諭してみたり、あなたはちゃんとできる子だと褒めてみたりしながら何とか落ち着いて先生の話を聞かせようとしている。

それが功を奏してか、はたまたそういう時期が来たせいか、このところ徐々に、息子の学校生活も落ち着いてきた様子である。妻が先生に呼び止められる回数も減り、Thinking Chairの話題も少なくなってきた。

集団生活を送る以上は、先生の指示を聞くことももちろん大切なことだ。しかし、親友の話を満面の笑みで語る息子を見ていると、友達と色々なことを企んでは、時に大人たちにとってはあまり喜ばしくないようなことをやっていた自分の子供時代を思い出す。振り返ってみるとそれは何か宝物のような、暖かい大事な思い出だとつくづく思うのだ。

息子は今日も、大好きな親友のいる学校へ駆け足で登校して行った。
「楽しんで来いよ~」と背中に声をかけたら、「余計なことを言うな!」とばかりに隣の妻に小突かれてしまった。

投稿者 lib : 10:34 AM | コメント (1)

September 25, 2007

日英比較

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今年の夏は、実に両極端であった。

夏休み期間中に一時帰国したのだが、今年の日本の夏ときたら
まさに「灼熱地獄」と呼ぶにふさわしい酷暑である。
「地球温暖化」をひしひしと肌で感じた日本滞在であった。

最高気温36℃という、ほとんど体温状態から
ロンドンに帰ってみれば最高気温はなんと16℃。
息子はヒースローで空を見上げて、雪が降り出すのではないかと案じる始末である。

こんな、いかにも体に悪そうな極暑・極寒を体験しながら
今まで気づかなかった日英の違いを改めて感じた。

まずは人々の視線だ。

日本では、街中で他人と目が会うことはほとんど無い。
一方ロンドンでは。。。路上で道を譲られてはニコッ、
スーパーのレジでHallo~と言いながらニコッ、
同じエレベーターに乗り合わせてもニコッ。。。とまあ、よく目が合う。
これは背後に様々な歴史や文化の相違があってのことなので
一概にどちらが良い悪いとは言えないが、こちらのニコッに慣れてしまうと、
日本ではいささか寂しい気がするのだ。

まぁ、視線は合わなかったところで、ちょっとさびしいかなぁ、程度の問題だが
ロンドンでの日常生活において、時にかなりの精神的・物理的ダメージを引き起こす元凶であり、
日本人にあってイギリス人に無いもの、それは「労働者のプライド」ではなかろうか。

先日、ロンドンの家の配管工事を業者に依頼したのだが、
工事が終了した翌朝、真新しいパイプの継ぎ目から
盛大に水が噴き出し始めた。絨毯は水浸しだ。
こんなことがもし日本で起ころうものなら、担当の業者の胸中には
「プロとして何と恥ずかしいことを・・・」という気持ちが湧き上がってきはしまいか?!
しかしながら、我が家の担当者は(予想通り)
「あ~、ここがゆるんでた~。えいえい。これでよし。じゃ、バ~イ」と
鼻歌交じりに帰っていった。

「俺は○○でメシを喰ってるんだ!」という気負い、プライドがほぼ完全に欠落していると思われる。

車の運転も、こちらはかなり荒い。
片方切れたブレーキランプで、ウィンカーも出さずに強引な車線変更、
そして歩行者を人とも思わぬ、傍若無人な運転。
しかし、こと運転に関しては妻の意見は私とは少し違う。
日本全国、運転マナーワースト3の常連県の出身である彼女には
こんなイギリスの交通事情でも、すこぶる快適らしい。
(特に女性には)道をすんなり譲ってくれたり、
逆に譲ってあげれば、かなりの確立で「サンキュー」のサインが返ってきたりすることに
いたく感激している。

イギリスも、悪いところばかりではなく、良いところもあるよね、と
日英両国の生活が新鮮に見えた、今年の夏休みであった。

そして・・・「こんな殺人的な日本の夏には、もう二度と一時帰国はすまい・・・」と
心に誓った夏休みであった。

投稿者 lib : 11:16 AM | コメント (0)

July 17, 2007

保留サギ?

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やった!やっとだ!!
やっと我が家のインターネットが「(概ね)常時接続状態」になった!

JSTVに加入していない我が家にとって、インターネットは日本からの情報を得る
唯一の手段であり、また日本の家族・友人と連絡を取るのに欠かせない
大切な手段である。
それが、この数ヶ月、繋がっていたのは合わせてほんの数時間だった。

我が家の電話回線のプロバイダーは安さが売りの○alk○alkで、
インターネットはこれにおまけで付いてきたものなのだが
いや、それにしてもこの接続状況の悪さは尋常ではない。

これではさすがに辛いので、主に妻が、まるで日課のように
繰り返し繰り返しカスタマーサービスに電話をするも
全く埒があかない。
英語が達者でない上に電話での会話、しかもルーターがどうしたの
モデムがどうだのと専門用語が飛び出し、なかなか思うように
こちらの状況が伝わらない。
伝わっても「転送しまーす」と言われて10分、20分平気で待たされたり
「今、担当のテクニカルサポートが混んでるからかけ直してー」と言われて切られたり
「別の番号へかけ直してー」と言われてかけてみれば
「この番号は現在使われておりません・・・」と言われたり・・・

気分はさながら、賽の河原での石積みだ。

ただし、そんな中、まさに「地獄に仏」のように
20回の電話に1回くらいは さばけた(普通に仕事が出来る)オペレーターもいて
「今、生憎テクニカルサポートは混んでるけど後でかけなおさせます」と言われて
本当にエンジニアからかかってきたり、運良くオペレーターから転送してもらえて
そこのエンジニアが ちゃちゃっとものの2、3秒で直してくれたりすることもある。
(ただし、こんなラッキーはこの数ヶ月で1、2度だ。)

そんな時には 妻もテンションが上がり、すかさず「あなたの部署の外線番号を教えて!」とか
「エンジニアに電話が繋がったら、どう頼めば今のようにちゃちゃっと直してくれるの?!」とか
勢いあまって「あなたお名前は?!素晴らしいわよあなた!」などと
尋ねまくって次回につなげていたようだ。

そう、次回に繋げねばならないのだ。

なぜなら直してもらっても、3~4日でまたもとの状態に戻ってしまうからだ。
なぜだ?!なぜ4日しか持たないのだ?!と
本当に(特に妻が)ストレスフルな生活を強いられていたのだが
どうやらそれも終わったらしいのだ。
前回繋がってから、4日以上が経っている。
何事も起きていない。
これはもしかして・・・常時接続の実現か?!

まだまだ油断は禁物だが、とりあえずは一安心、と
妻とこれまでの苦労を労い合っていたら、そこに○alk○alkから電話代の請求書が届いた。

金額を見てビックリ!
いつもの倍近い額だ。

そして通話履歴を見て2度ビックリ!!
通話先にはびっしりと「○alk○alk」の文字が並んでいたのだ。

ふざけるなー!!
お前のところのインターネットが繋がらないから仕方なく電話したんじゃないかー!
耳にタコが出来るほど保留音聞かされて なぜお金を払わなければいけないんだー!!
と夫婦で吠えていると、ふと妻が
「でも、最初はフリーダイヤルにかけるんだけど、音声ガイダンスに従っていったら
いつも途中から『ここからの通話は1分10pの通話料がかかります』って言われていたのよね・・・」
とポツリ。

こんな場合、
「そうは言っても、そもそもそちらの不具合のせいでかけた電話なのだから
私が料金を払うのはおかしい!」
とクレームレターを書くべきなのか。
一難去ってまた一難、新たな問題に直面している我が家であった。

投稿者 lib : 01:21 AM | コメント (2)

June 08, 2007

アラーム地獄

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先日夜中、突然家の防犯ベルが鳴った。

外出しているわけではないので、当然アラームはセットしておらず
鳴るはずがないので、軽くホラー体験である。
妻と二人、びっくりして飛び起きた。
暗証番号を押してすぐに解除したものの、
泥棒を撃退する(はずの)大音量と「なぜ鳴った・・・。」という疑問で
すっかり目が覚めて眠れなくなってしまった。

しばらくたってうとうとしかけたその時、またもや先程の大音量!
何なんだ、これは?!再び階下へ降り解除操作。
「いい加減にしてくれ」と怒りがこみ上げながら布団に入ると
ほどなくしてまたアラーム音。
それを2、3度繰り返す様は、まるで「ドリフのコント」である。
思わず笑えてきた。
人間、怒りを通り越すと、次に来るのは笑いなのだな、と
朦朧とした頭で考える。

朦朧としながらも、アラームの鳴る間隔が、
だんだん狭くなっていることに気づいた。
思わず妻が「・・・陣痛みたい・・・。」とつぶやく。
こちらも少々おかしくなっている様子である。

もはや布団に入っている場合ではない。
明け方から5分間隔で防犯ベルを鳴らされては
近隣の住民もいい迷惑だろう。
たまらずリビングに下りる。

鳴る→解除操作をしに行く→ソファに戻る→また鳴る→解除操作をしに・・・を
一体何度繰り返しただろう。
もう限界だ!
時計はやっと朝7時を回ったばかりであったが、堪らず不動産会社へ電話をする。
すると30分ほどでスタッフが来てくれた。
アラームの操作盤に出ていた表示を見た彼は一言
「ああ、バッテリー フォールトだね。」つまり電池切れ。

電池切れだと?!
それならそれで、もっと違う伝え方はないのか?!という
行き場のないクレームを胸に、1日が始まった。

結局その日の午前中にバッテリーを交換してもらい、一件落着。

さて、その日の夜、妻が「そう言えば2週間くらい前に一度
アラームが突然鳴り出したんだった~」と言い出した。
その時はそれ一度きりだったため、きっとありがちな誤作動か何かだろう、
と放置していたらしい。

あの明け方の悪夢は、アラームの訴える警告を無視した罰だったのか?
しかしアラームよ、2週間の間隔をあけた後、
いきなり10分間隔の報復に出るというシステムは、いかがなものか・・・。

投稿者 lib : 09:30 AM | コメント (1)

May 09, 2007

ロンドンで家探し

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我が家がロンドンに引っ越してきて、ちょうど1年が過ぎた。
その節目のせいか最近我が家では
「去年の今頃は○○だったよね~」という話題が多い。
その一つに「3泊5日の家探し」があった。

昨年4月のロンドン赴任に先駆けて、まずは家探しをしなければならなかった。
駐在員の家探しは

①会社所有の物件に、代々社員が入れ替わり立ち代り住む。
②不動産会社とのアポイントメントは会社が取ってくれるが
 後は自分で見て回る。
③とにかく自分で1から探す。

など、いくつかのパターンがあるが、うちの会社はパターン②であった。

総務からの「何時に○○社の△△さんと◇◇で待ち合わせ」というように
びっしりスケジュールの書かれた紙を渡され、ひたすら物件を見て回った。
その数、2日半で15件ほど。ロンドンの南西部を中心に見て回った。

我が家は家族3人で物件を探しに来た。
当初は、私一人で物件を探しに来ようと考えていたのだが
先に海外赴任していた同僚の奥さんが 妻に強く同行を勧めたのだ。
「男は窓からの眺めだのアクセスだの見た目だのしか見ていない」
というのだ。

私も物件は総合的に見た(つもりであった)のだが
「家事導線は・・・」「各部屋の使い勝手は・・・」「子供が遊んでる時に目が届くか・・・」
「メンテナンスは・・・」と、妻の細かいチェックの前に
私の気に入った物件はことごとく却下されてしまった。
妻曰く「あなたは駅からの近さと雰囲気しか見ていない」。
結局妻が一番気に入った家に決まった。
駅から距離がある為、決めた当初は少々不満があり、
「取りあえずここにするが、嫌なら引っ越してやる!」という気でいた。

しかし、この家でよかった。

家の間取りや雰囲気、庭の広さもさることながら
何が良いって、家の管理会社が最高だったのだ。

借家の場合、その家の快適さは、大家がどのくらいよく働いてくれるか
に掛かっているといっても過言ではない。
こちらの家は古いので、しょっちゅう問題が起こる。
その時に、うちの管理会社は(日系なのだが)すぐに動いてくれる。

「すぐに動く」。日本なら「それが仕事なんだから当たり前だろう!」と言うところだが
ここはロンドン。
「1週間待たされて音沙汰無し」とか
「やっと修理に来たかと思ったら道具が無い、と帰っていった」とか
「ガス臭いのに(!)”大丈夫”と言って取り合ってくれない」とか
悲惨な話は枚挙に暇が無い。

これから物件を探す方は
①多少無理をしてでも奥さんを同行されること
②大家さんの人間性をよーく観察すること
を、強くお勧めいたします。

投稿者 lib : 09:06 AM | コメント (0)

April 18, 2007

イースターホリデー ~我が家の場合~

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イースターホリデーを過ぎた途端に、ロンドンはもうすっかり夏の陽気である。
赴任前、「イギリスの冬は暗く、長く、うつ病人が続出」などと聞かされ
その話のせいでうつ病になりそうであったが、予想以上に冬は短く
春は早くやってきた。聞けば「今年の冬は全然ロンドンらしくなかった」そうだが
赴任1年目はこれくらいで勘弁して欲しい。

さて、間もなく日本中がそわそわし始めるゴールデンウィークのような大型連休も無ければ、
お盆休みも無く、祝日が少ない英国での貴重なイースター4連休、これを逃してなるものか!
との(妻の)気合により、我が家はスイスに飛んだ。

そそり立つ山々を行く登山鉄道、美しい湖にカウベルの音・・・
ポストイットに縁取られたガイドブックを片手に
妻は出発前からハイテンションである。釣られて息子もハイテンション。
私はというと、遠い昔に一度行ったことがあるのだが、たいして記憶に残っておらず、
まあ、その程度のもんなんだろう、というテンションの低さ。

チューリッヒ到着後、妻の指示するままに列車に乗り、山麓の村に到着。

とにかく山が近い。そして恐ろしく高い。「山」というより「巨大な岩」という感じで
勾配があまりに急で雪も積もっていない。
この山々で、これまでに何人ものアルピニストが命を落としてきたのだな・・・と
神妙な気持ちになっていたら、妻が横で、明日は登山鉄道に乗って
一気に3000M以上上ってしまおうと言う。

3000M?!ちょっと待て。

以前のメキシコ出張での悪夢がよみがえる。
メキシコシティ滞在中ずっと正体不明の偏頭痛に悩まされたのだ。
あれはいわゆる高山病だったと睨んでいる。
(妻は「高山病は3000M以上じゃない?」と信じないのだが)
あんな思いはもう二度とごめんだ。

結局、翌日は登山鉄道の終着駅、3000Mを超えるユングフラウヨッホには行かずに済んだ。
家族が私の体を案じて・・・くれた訳ではなく、
途中の乗換駅がゲレンデのど真ん中にあったせいで
家族一同、そのゲレンデに吸い寄せられてしまったのだ。

気づけば、3人でレンタルスキーウェアに身を包んでいた。

今回の旅の目玉とも言うべき(恐怖の)ユングフラウは拝めなかったが
雪の斜面を、満面の笑みでソリで滑り(息子はかなりのスピード狂)
黙々とソリを引いて上がってきてはまた滑りを繰り返す息子を見ながら
「こやつ、前世では犬ぞりを引いていたに違いない・・・」と
新たな一面を発見しつつ、家族で大自然を満喫し、良い汗かいたイースターホリデーであった。

旅の最終日、妻がどうしてもカウベルが欲しいと言い出し、一つ購入した。
息子が早速、家の玄関のドアノブに取り付けた。

ドアを開け閉めする度に♪カラ~ンコロ~ン♪と長閑な音を奏で、その度に妻と息子は
「わ~、スイスの山を思い出すねぇ」
「ほんとね~ また行きたいね~」
「次はボクもソリじゃなくてスキーしたーい!」と、大盛り上がりである。

しかし・・・
ユングフラウで私の(自称)高山病は一体どんなことになってしまうのか、
そしてスピード狂の息子がスキーを履いたら、一体どこまで行ってしまうのか・・・
一人、顔の引きつる私であった。

投稿者 lib : 05:35 AM | コメント (0)

March 23, 2007

電話やっと開通

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先日、我が家の電話がやっと繋がるようになった。
実に1ヶ月ぶりである。

我が家は、どうも電話に関しては「ハズレ」の物件のようである。
電話が本格的に通じなくなったのは、この1年足らずの間にこれで2度目である。
(本格的でない一時的な不通は、何度もあったが。)

1度目は、自宅前道路の一斉街灯工事の際に、
地中の電話ケーブルを誤って切られてしまった。
(うちのだけ。)
そして今回。数ヶ月前から雨の日には電話が通じないという状態が続いていた。
日本の家族も仕舞いにはこれに慣れて
「あ、繋がらない。ロンドンは雨かぁ」などと、天気予報代わりに使われる始末である。
それがある日、天候に関係なく全く繋がらなくなってしまった。

電話会社に連絡するも、なかなかすんなりエンジニアをよこすと言ってくれない。
「ここは担当の部署ではない」と散々たらい回しにされた挙句
「ちょっと確認します」と20分以上も待たされることもしばしば。
仕方が無いので、直るまでの間 受信した電話は
妻の携帯に転送するよう依頼した。

もはやライフワークのように修理依頼の電話をかけ続けた甲斐あって(?)
ようやくBTのエンジニアが来てくれた。
原因は外壁に取り付けられた配線のボックスの中にあったらしい。
配線を雨風から守るために取り付けられたはずのこのボックス、
しかし蓋を開けてみれば、中は埃だらけで 枯葉なんかもくっついている。
配線はボロボロだ。
我が家のライフラインが こんなにお粗末だったとは。

何はともあれ、自由に電話を使えるというのは
本当にありがたい!
(日常生活に求めるレベルがだんだん低くなっていく・・・)
先月は電話が使えなかったから 電話代はタダかもね
なんて話しながら請求書を見て驚いた。
いつもよりも高いじゃないか!なぜだ?!
そしてその通話履歴はすべて 妻の携帯あてだった。どういうことだ?!

ここに「転送」の落とし穴があった。

「転送」= 自宅に電話がかかってくる
          ↓
       うちの電話から妻の携帯に電話をかける状態になり
          ↓
       妻の携帯で相手と話せる

というからくりになっていたのだ。

闇に葬ったはずの敵に、最後に復讐された気分である。

こんなに電話に呪われた家も そう無いかとは思いますが
皆さんも「転送」にはくれぐれもご注意を!

投稿者 lib : 08:28 AM | コメント (0)

March 12, 2007

ロンドン進学事情 ~我が家の場合~

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日に日に暖かくなって日もずいぶん長くなり
ロンドンももうすっかり春だ。
日本のものとはやはり風情が異なるが、ここロンドンでも
あちこちで桜の花が咲いている。

日本人にとって春は入学・進級・卒業・就職・転勤(我が家も
ちょうど1年前の今頃だったなぁ・・・)など、人生の節目の
何か特別な季節だ。
しかしここではそんな趣はあまり感じられない。
日本と違って学校が9月に新学期を迎えるせいもあるが
その時にも入園式や卒園式のようなものは無く、
クラス替えも無く、淡々と新学期が始まった。

そんなナーサリーに昨年9月に入園したばかりであるが、今年の9月から
現地小学校のレセプションに移ることになった。
レセプションというのは、小学校入学前の1年間通うところで
それぞれの小学校に付属している。
ナーサリーに通っている同級生たちもそのコースが一般的らしい。
しかし我が家の場合は紆余曲折の末の決定といった感じであった。

レセプションからはもう読み書きや簡単な算数が始まるという。
日本で言えば幼稚園の子供にそんなことが必要か?
それよりも今はまだ遊びの中から色んなことを学ぶ時期ではないのか?
渡英前は「英国=教育システム天下一品」というイメージであったが
先頃のユニセフの「欧米の子供幸福度ランキング」の最悪な結果も頭をよぎり
何となく英国の教育システムにも懐疑的になっている。
いずれ日本へ帰るのだから、小学校は日本人学校がいいのではないか?
それなら入学までこのままナーサリーに居座るか?
(そんな子は居ないのだが。)

そんなことを話し合っていた矢先に息子が突然
「えーっと、ファイブ プラース フォー イクォール・・・」などとつぶやき始めた。
何だそれは?!尋ねてみればナーサリーでもうそんな事をやっているらしい。
(現地校では参観日が無いため、ナーサリーで何をやっているのか
息子の自己申告で知るところが大きい。)
なんだ、レセプションで算数が始まるどころでは無いではないか。
また、このままナーサリーに通っても中心メンバーは2~4歳であり
同級生も居ない中では寂しいだろう、ということもあって
結局レセプション行きを決めた。

日本ならば地域によっては幼稚園にはいくつかの選択肢があるものの
小学校は公立ならば学区が決められており、迷うことは無い。
また幼稚園でも、保育時間は当然全員一律だ。
そこへいくと英国のナーサリーでは、この子は月・水・金だけ一日保育で
あとは午前保育、あの子はいつも一日保育、という具合に各自バラバラである。
親が、習い事との兼ね合いや本人の体力、家庭の方針などに沿って
マネージメントしなければならない。
小学校も私立校の数は日本よりも多く、また現地校か日本人学校かの
選択もあり、幅広い。
決められる、与えられることに慣れてしまっている日本人はなかなか
頭を悩ませるところである。

我が家の場合、レセプション以降は未定だ。
きっとまたその時に家族で悩むのだろう。
そしてきっとこれは、多かれ少なかれ駐在員家族共通の悩みだろう。
親はその時々で悩んだ末に、今の時点ではこれがベストだ!と信じた道を選ぶのだが
その時の選択が正しかったのかどうか(正誤なんか無いのかもしれないが)は
子供たちが大人になってからしか、あるいは一生分からないのかもしれない。
しかし、苦労があったとしても後で振り返ってみて
「あの時は本当に大変だったなー」と子供たちが笑って話せるような
そんな人生であって欲しいと願ってやまない。

投稿者 lib : 10:12 AM | コメント (0)

February 26, 2007

見慣れないもの

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先日、1週間の出張を終えて帰宅してみたら
家に見慣れないものが2つ。

まず一つ目はキッチンにあった。

黒いプラスチックの 四角い筒状の箱のようなものが隅に置いてある。
手に取り振ってみると なにやらカラカラと音がする。

引き出しを開けてみたら、そこには紙製のテント状の物が。
よく見るとネズミのイラスト入りだ。なになに、
≪強力な糊がネズミをキャッチ!≫
これはもしや噂の・・・ネズミ捕りであった。
前者の黒い箱には餌としてチョコレートが入っていた。
チーズでは罠に掛からないらしい。
ジェリーの好物はチーズのようなので、ネズミにもお国柄で嗜好の違いがあるということか。
何となく国民の嗜好と似通っているようで可笑しい。
こちらはネズミが入ると蓋が閉まって捕獲するタイプ、
そして後者のテントはゴキブリホイホイタイプのものであった。
以前このブログでもネズミ捕りが話題に上っていたが
とうとう我が家にも・・・

夜、妻がリビングで本を読んでいると、部屋の隅で小さな黒っぽい物体がうごめいていたらしい。
一瞬「なぜロンドンにゴキブリが?!」と凍りつくも、そーっと見てみると
そこには小さなこげ茶色のネズミが。
妻が驚くとネズミはもっと驚いたようで、ものすごいスピードで逃げて行ったそうな。
「昆虫と哺乳類のパワーの違いを見せ付けられたスピードだった!」と
興奮冷めやらぬ妻。
翌日家のオーナーに連絡したところ、それは庭などに住んでいる野ネズミで
(庭にネズミが住んでいるのか。)
キッチンなどで食べ物を荒らすネズミは、いわゆる鼠色をしてる、
野ネズミはフレンドリーだが、もし気になるなら一応キッチンにネズミ捕りを置いておこう、
ということになったらしい。
オーナーは、バチンと挟むタイプの罠が手っ取り早くていいのだが・・・
と言ったらしいのだが、妻がびびり、結局無傷で捕獲する罠に落ち着いた。

幸い(?)まだ罠は空っぽのままである。

そして見慣れぬもの2つ目はガスの請求書。

届いた請求額は3か月分で£470。3ヶ月で10万円?!
真冬とはいえこの額はいかがなものか。
何しろ初めての冬なので相場が分からない。
早速同僚に聞き込みをすると「そんなもんだよ。」
うむ。ロンドンでは金銭的に余裕がないと越冬できないのだな。

暖冬とはいえ、ヒーターなしでは身がもたない。
そう考えると先日の野ねずみにもかすかな同情が湧いてくる。
食べ物を荒らすわけじゃなし、「ぐりとぐら」だと思えば 1匹くらいはいいかもな、とつぶやくと
それは実際にあの恐怖を体験していないからだ!と
妻から激しく責められた。
この勢いで野ねずみに大騒ぎしていたなら、野ねずみの方もさぞかし怖かったであろう・・・。

投稿者 lib : 03:45 PM | コメント (5)

February 04, 2007

危機管理

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近所の日本人宅に空き巣が入った。
一時帰国して戻ってみたらパソコンやDVD、それに車まで取られていたそうだ。
楽しい思い出いっぱいで帰ってきたところにその仕打ち。何とも酷い話だ。
先だっての我が家の車上荒らしの件もあって、私も一時帰国から戻る時には、何事も起こっていませんようにと少しばかり祈った。
幸い、何事も起こってはいなかった。防犯対策として、月並みだが向かいに住む知人に留守中気をつけて見てもらっていたことと、室内の電気を自動で点灯・消灯させるタイマーを付けていった。

海外にいると、日本では滅多に遭遇しないようなことに時々出くわす。

例えば小切手帳。
日本では個人レベルで小切手を使うことはまず無いが、こちらでは、ナーサリーの授業料なども小切手で支払うなど、活用頻度が高い。
そして小切手の残り枚数が少なくなってくると、自動的に銀行から新しい小切手帳が送られてくるのだが、それはある日、手紙なんかと一緒に普通郵便で届くのだ。
銀行の封筒で、横長の手帳状のもの。中身は小切手であるとバレバレである。何と無防備な、と思っていたら知人の小切手帳が手元に届かず盗まれて、どこぞの誰かの出たら目なサインでごっそり使われてしまった。
今回は不正に使用されたと証明できた為、全額返金されたらしいのだが、聞けばこれはそう珍しいことでもないようだ。小切手の不正使用分を弁償するくらいなら、最初から小切手帳を書留か何かで郵送すればいいのにと思わずに入られない。

出たら目なサインで使い込まれてしまったかと思えば、友人はパブでの支払い時にクレジットカードを使ったのだが、後日「このサインはどうも怪しい。不正使用の疑いあり!」と、クレジットを止められてしまった。
確かに多少酔ってはいたが、それは間違いなく彼自身のサインだ。なかなか事情を理解してくれない電話口の係員に、彼はかなり苦労していた。酔っ払ってもサインはきちんと!という教訓を得た。

最近使用方法が厳しくなったオイスターカードも要注意だ。
電車に乗る際、オイスターカードをタッチし、「ピッ」と音がしてゲートもちゃんと開いたにも拘らず降りた駅で不正時の罰金£4が取られていることがある。
特にうちの近所のセントラルライン某駅で多発しているとの情報あり。どうもカードの読み取りが甘いらしい。日本のように機械だから間違いないだろうという概念は通用しない。
こちらも状況を説明すればあっさり返金してくれるらしいのだが、£4取られていることに気づいていない人もきっといるだろう。
「あなたは先日不正使用し、£4徴収されましたね。次回から気をつけてください」という内容の手紙が届いた人もいて、そこで気づく場合もある。
が、これも届いたり届かなかったりで当てにならない。こちらも手紙なんか出す暇あったら大元の改札をどうにかしろと思うのだが、「原因究明」という概念がやや不足気味らしい。

思えば、日本では、電車の乗り降りや道を歩く時や、あるいは職場での言葉遣い(渡英間もない頃、日本人スタッフと話した直後に、英国人スタッフにうっかり日本語で話しかけてしまい、「差別だ!」と大事になった経験があるのだ…)にこんなに気をつけたことはない。
日本ではすっかり退化してしまっていた危機回避本能がここロンドンではあちこちでフル活動である。

そんなことを妻と話していたら、「全くそのとおり!」同感のようだ。

「スーパーで割れてる卵を平気で売ってるから、いちいち卵パックを開けて確かめなきゃいけないし、この間牛乳買って帰ったらなんと内蓋が開いてたのよ!交換してもらったけどね。それから4個入りの電球買って帰って付け替えようと中を見たら、誰かに1つ取られてて、代わりに古い、切れた電球が入ってたのよ!何でも確かめなきゃダメね~」

主婦は主婦なりのトラブル回避能力を磨いているようである。

投稿者 lib : 04:27 PM | コメント (0)

January 09, 2007

明けましておめでとうございます

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ここロンドンでは、お屠蘇気分はあっという間に消えていく。
何しろ仕事始めが1月2日だ。とは言うものの、我が家は
渡英後初のお正月を日本に帰国して過ごした為、
年始は有休を取って1月4日から出社した。
紅白にお節に初詣。実家では大雪に見舞われ、息子は大興奮。
日本の良さを再認識し、充実したお正月を過ごすことができ、
家族全員大満足。
こうして穏やかな新年を迎えた我が家であったが、昨年末の忙しさは
今思い出しても 遠い目になってしまう。

連日のパーティーに飲み会。よく内臓が持ちこたえてくれた。
その数々のパーティーのうちの一つに社内のクリスマスパーティーがあった。
このパーティーは我が家にとって始めての「夫婦同伴のパーティー」であった。
駐在するとこのような機会があると聞いてはいたが、
その機会は案外早くやってきた。私は「行く行く」と幹事に二つ返事であったが
妻に「行くよね」と尋ねたところ・・・そこから妻の一大事が始まった(らしい。)

まずは4歳の息子をどうするのか。今まで夜親から離れて寝たことなど一度も無い。
幸い近所に住む先輩がよく頼んでいるという日本人のシッターさんが
3家族、計4人の子供たちを一緒に見てくれることになり 一件落着。
別れる時はエビ反りで号泣の息子であったが、夜中1時に迎えに行った時には
ぐっすり熟睡。後日感想を尋ねたら「みんなで寝て楽しかったよ」と余裕の発言。
しかしこんな事はもう二度と真っ平ごめんだ、というのが本当のところであろう。

そして妻。洋の東西を問わず女性がパーティーに出席するとなれば
その最大の関心ごとはズバリ「ファッション」である。「である」などと偉そうに書いているが
幹事に二つ返事の時点では、私の頭の中には 妻の衣装のことなど
これっぽっちも浮かんではこなかった。
妻にパーティーのことを伝えてそこで初めて「で、みんな何着ていくの?」と質問されるも
どうも私の答えが的を得ていなかったらしい。
英会話の先生にも尋ねてみたようだが「パーティーには肩を出すドレスよ!
ミニかロングのどちらかね」などと言われ、妻は考えた。
肩を出すドレスなど持っていない。買いに行ったところできっとサイズが無いだろう。
(妻は・・・小さい。)
結局彼女は着物で出席した。自分で着たのだが、実はこの着付け
海外赴任が決まってから渡英するまでの数ヶ月間で、
気合で習得したようなもの。「付け焼刃」とは正にこの事である。
「途中で帯が解けて”あ~~れ~~~”とクルクル回ってしまうかもしれない」と
恐ろしいことを言っていたが、何とか最後まで回らずに済んだ。
あれだけ悩んでおきながら早くも来年が待ち遠しいなどと言っている。

今年も、海外赴任している時にしか体験できないことを
たくさん見つけて、充実した1年にしたいものです。
(ブログも充実させるべく・・・心入れ替えてがんばります。)

本年もブログにお付き合いのほど よろしくお願い申し上げます。

投稿者 lib : 03:16 PM | コメント (2)

November 21, 2006

レゴランド魂

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ウィンザーのレゴランドがハーフターム(学校の中休み)の終わりとともに
冬季休園期間に突入してしまった。
次の開園は来年の春休みの始まり、3月末である。

レゴランドとはいわゆる遊園地であるが、乗り物のほかに
本物のレゴブロックで作られた特大恐竜だの動物だの
モアイ像だのストリートパフォーマー(ちゃんとパフォーマンスもする)だのが
園内の至る所に散りばめられているのである。そして特筆すべきは
このレゴランドの目玉、メイン会場といっても過言ではない”ミニランド”。
文字通り”小さな世界”なのであるが、ここではヨーロッパ各国の名所が
ブロックで忠実に再現されている。レゴランドを訪れるまでは
「レゴランド?ふ~ん、ブロックの遊び場か」程度の認識で、期待感などまるで無しであった。
が、しかし、実際に訪れて、この目でミニランドを見た時には、
軽く感動すら覚えたのであった。(いや、これほんと。)
その精巧さ、芸の細かさには職人魂を感じずにはいられない。
ビッグベンは小さいながらも本物さながらの迫力であり、その建物の脇では小さな警官たちが
立ち話をしているという芸の細かさ、バッキンガム宮殿では衛兵が音楽に合わせて
行進もしている。道路には車も走り、線路には電車だって走っている。駅に入れば
”Mind the gap!”のアナウンスも忘れない。大人でさえ目を見張るこの街に
子供が心を奪われないはずが無い。予想通り息子はミニランドに魅せられ、
ここから動かなくなってしまった。
レゴランドのエントランスをくぐって坂を下り、まずここに立ち寄ってしまったものだから
結局この日はほとんど乗り物には乗れなかった。しかしそのお値段、
家族3人でしめて£86!
子供の遊び場でこの値段。東京ディズニーランドもビックリである。
しかしもっとビックリなことに、この夏私たちが訪れたときは
8月の入場券を持って行ったらなんと9月はタダで入場できたのである。
(毎年のことなのかもしれないが)
我々が9月も訪れたのは言うまでも無い。
そして2度目は息子ばかりか妻までもが(そして実は私も少し・・・)
レゴランドの虜になってしまっており、かくして我が家族3人、
レゴランドのアニュアルパスホルダーとなったのである。
しかし・・・Annualとは言いながらも、年間の3分の1以上閉園とは。
休日、天候に恵まれると「レゴランド行こうか!」が口癖になってしまった息子を
何とか説得し続け、やっと最近この口癖も消滅してきたかに思えていた矢先、
なんと蒸し返すようにレゴランドから手紙が届いた。
「もう行っていいんじゃない?!」と目を輝かせる息子に届いたその手紙には
「もうすぐクリスマス♪クリスマスの時期だけ、ショップだけOPENするから
(乗り物は一つも動かないよ)、君もパパやママと一緒においでよ!」と書いてあっ
た。
商魂も素晴らしいレゴランドであった。

投稿者 lib : 07:42 PM | コメント (2)

November 01, 2006

ジンクス

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ロンドンに赴任してからというもの、私は度々海外へ出張するようになった。
短いもので1泊、長いものだと1週間ほど家を空ける。
そして今、我が家には「私が1週間以上家を空けると何かが起こる・・・」という
不吉なジンクスが出来上がりつつある・・・

まずは第1回目の出張。
日本への出張で私が1週間ほど家を空けている間に
息子が渡英後初の熱を出した。
まもなく4歳になる息子は、有難いことにこれまでほとんど熱を出したことがない。
国際電話で妻からそのことを聞かされた私は
すぐさまドラッグストアで冷えピタシートを買い占めた。
幸い息子は翌朝には熱も下がり、日本から大量に持ち帰った冷えピタは
まったく出る幕ナシであったが、大事に至らずによかったと胸をなでおろす。

そして第2回目。
私がロンドンを発ったその翌日に
なんと自宅敷地内で車上荒らしにあってしまった。
前日の夕方、いつものように自宅敷地内の玄関前に車を止め
翌朝玄関を出てみたら、愛車が無残な有様になっていた。
(以下 妻・談)
ロックしてあったドアの上部に何かを差込み、テコの原理でグイッとこじ開けたらしく
ドアの上部が10cmほど開いてしまっていた。
そして3ヶ月前に買ったばかりのカーナビがダッシュボードの中から消えていた。
動揺しつつも息子をナーサリーに送り、その足で警察に向かい状況説明。
小1時間ほどで番号が発行され、今度はその番号を保険会社へ連絡(警察発行の
この番号がないと保険が下りません)
そして修理会社に修理を依頼して代車の手配をした・・・
(以上 妻・談  要約)

そして私はというと代車が届いた翌日に帰国。
タイミング良すぎて ごめんなさい。

そして先日、11月末に3回目の出張の予定が入ってしまった。

ハロウィンの悪霊達と共に、このジンクスも消え去ってほしいと願うばかりである。

投稿者 lib : 09:23 AM | コメント (0)

October 25, 2006

みなさん、はじめまして

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みなさん、はじめまして。
このたび、日本企業の駐在員という立場からブログを書かせていただくことになりました。
文章には全く自信が無く、このようなサイトに載せるのは大変恐縮なのですが、
これから駐在予定の方やそのご家族の不安や心配が、このブログで少しでも解消されれば幸いです。

私はこの4月に東京からロンドンに転勤になり、駐在生活がスタートしました。
6月には家族も渡英してきて、仕事・生活・学校とひとまず落ち着いてきた今日この頃です。
生活習慣も言葉も違う異国の地で仕事をするというのはもちろん大変なことではあるものの、
東京にいた頃のように、日夜仕事に忙殺されることなく、
家族と過ごす時間が増えたことは非常に喜ばしい。

そんな私たち家族が渡英後初の遠出に選んだのは、
Mid-Hants Railwayの
「Day Out with Thomas(トーマスとその仲間の格好をした本物の機関車に乗ろう!というイベント)」
でした。

当初妻からこのイベントへの参加を聞かされた私は「所詮子供用のイベントだろう」とたかをくくっており、
実のところ全く乗り気ではありませんでした。
しかし・・・行ってみると、それはまぎれもなく本物の「機関車トーマス」!
本物の機関車の迫力に、気付けば3歳の息子より大人のほうが喜んでいる有様でした。
4つの駅の間を片道小1時間ほどかけてのんびり走るこの列車、
たまに「ポーーーッッ」と汽笛の音を聞きながら、車窓からののどかな田園風景を眺めていると、
そこだけタイムスリップしたような、不思議な時間が過ぎてゆくのでした。

Ropleyという駅では「トーマスVSディーゼル」のレースが行われたり、
本物そっくり(らしい)の「トップハムハット卿」と記念撮影をしたり、
予想以上の楽しい1日となりました。
「あ!トーマスだー!」「こっちはディーゼル!」「ジェームスもいるよ~!」と、
機関車たちの名を連呼する息子の傍らで「トップハムハット卿」の名すら覚えられない私でしたが、
そんなお父さんでも大丈夫!きっと楽しい1日となるでしょう。

毎年、英国各地の保存鉄道で開催されているこのイベント、皆さんもぜひ一度お試しあれ!

投稿者 lib : 07:09 PM | コメント (4)