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February 28, 2011
収集癖
どの職業を持つ人間にも、その道にどっぷりと漬かるうちについた、癖みたいなものがあると思う。
教師7年目突入の私も、教師であるがゆえに染み付いてしまった癖はいくつかある。
そのなかのひとつが変な収集癖。
集めてしまうのはボールペン。
でも、わざわざ買うのではない、基本的にはもらい物のボールペン。
何かの景品で貰ったり、研修先で貰ったボールペン、さらには郵便受けに入っていた保険やさんやチャリティ団体のパンフレットについてくるボールペンまでも、すかさずストックしてしまう。
それもこれも、、、全ては生徒たちのため。
いや、、、私の余計なストレスを減らすため?
というわけで、事情を説明しよう。
実は、私の学校ではペンすら学校に持ってこない子供がいる(といっても多いときでクラスに2-3人)。
しかも、そういう生徒が年々増えているように感じる。大体9年生くらいにそういう子が多い。気が一番緩む学年だ。
私の勤務校は東ロンドンにある公立の女子校。学区もロンドンで一番低所得者層の多く住む地域にある。
じゃあ、その子供たちはボールペンが買えないほど貧しいのか、、、?!
いやいや、そんなことはない。ペンを持っていなくとも、彼女らのかばんとポケットにはちゃーんと携帯電話やMP3プレーヤーが常駐している。家にはもちろんコンピュータがある。MSNやFacebookは彼女たちの庭。
このペンすら持って来ない風潮。これは、単に彼女たち自身の「常識」と「向学心」の欠如の表れだろう。そしてそれに厳しく対応してこなかった大人たち(学校、親、われわれ教師)の責任でもあると思う。
他の学区、学校ではどうなのか知らないが、私の学校では授業で使う文房具のほとんどを学校が提供する(ということは公立の学校ではこれらのものは我われの税金から捻出されているということだ)。
生徒が使う学科ごとのノート(といっても日本の某文房具メーカーのキャン○スノートの十分の一くらいの質)、のりやはさみ、ポスター用紙、ホッチキス、色ペン、色鉛筆など、授業で使われるものは全て学部、学科の予算で購入し、生徒はペンだけ持ってくれば良いというわけである。
この国で教壇に立ったばかりの頃は驚いた。そういうものは保護者が購入して子供のために揃えると思っていたからだ。低所得者地域である東ロンドンならではの対応なのかと納得していたが、そうでもないらしい。
もちろん、自分で文房具一式持ってくる子もいるけれど、クラスの半数にも満たないのではないだろうか。
私がひたすらボールペンを収集するようになったのも、そういう彼女たちに対応するためなのである。
うちの学部で作ったルールに「文房具一式を持参する」という項目があったが、いつのまにかそのルールも消えてしまった。同僚たちもほとんど匙を投げてしまった。
同僚たちが「余ってるボールペン、常に教室に常備してるんだよね~」という話をしているのを聞いて、最初は「そんな対応でいいものなのか、、、」と思っていた。実際、二回続けてペンを忘れた子には居残りなどの罰を与えていた私。
それがここ一年ほどの間に、私自身も授業の始めにすばやく対応するためにボールペンをあらかじめ備えておくようになってしまった。
たかがペン、されどペン。こうやって規律は乱れていく、、、。教師である私としては情けない事態なわけだが、周りを見ると教師も生徒もこの状況をそう真剣に捉えている様子は見られない。
この問題について由々しきことであると声を大にして問題提起する同僚も最近はほとんどいない。生徒たちも文房具などただの使い捨てのものだと思っている様子が伺える。所有意識もないのか、あっさり持ってきたペンを置いていく生徒も多い。
それにしてもこの風潮を正すためにはどうしたらいいのだろうか。こういうものは、元来、強制し、忘れたものには罰を与えて持ってこさせるものなのだろうか、という疑問もある。
本来なら彼女たちの頭の中に、「授業に必須のもの=ノートとペン(私の学科では教材はこちらが用意する。低学年では教科書の持ち帰りも無い)」という図式がなければならないのに。
ここ数年で生徒たちの「向学心」「子供らしい興味、好奇心」が低下していることは目に見えており、それに対する懸念が同僚との会話でも顕著だ。経済の影響か、家庭環境か、それとも文化の影響か、、、要因は色々なところにあるだろう。
そんな中、皮肉な出来事があった。実は私の学校にはアフリカや中東、アジアの何カ国かに提携校がある。一番交流があるのはケニアと南アフリカにある学校だ。
先月、文房具の不足するケニアの小学校にペンを送ろうという試みがなされ、学校側が生徒から各家庭で余っているペンの寄付を募ったのだ。生徒も何人かがそのキャンペーンに率先して参加した。学年集会では南アフリカ出身の同僚と次回、その小学校を訪問する予定の教師がプレゼンをおこない、その中でその学校の様子などが紹介された。そのなかには顔を輝かせて登校する生徒たちの姿、真剣に学ぶ姿を写した写真などもあった。
これを見ると我が校の生徒たちが恵まれた環境にいることは明らか。ペンすらない環境でも(いや、だからこそか?)一生懸命学ぼうとする子供たちの姿をみて、ペンすら持ってこないほど学習意欲の無い生徒たちは何を思ったのだろうか。
February 23, 2011
イタリアの憂鬱
イタリアの政界が揺れている。 首相ベルルスコーニのスキャンダルである。
「ブンガ・ブンガ・パーティ」 が最近、イタリア語の新しい語彙に加わったらしい。 きれいどころのお姉さん達をたくさん自宅に招いて、乱痴気騒ぎした首相が、未成年のモロッコ出身の少女、カリマ・エル・マフルーグと関係を持ったという悪名高きパーティだ。
未成年の少女が問題になったというのも、イタリアの法律によると 「売春していいのは18歳以上」 で、当時の彼女は 17歳だったとのこと。 「売春していいのは・・・」 って、いいのか、売春?
17歳と数ヶ月だったのか? 法律上、あと数ヶ月足りなかったのか?
彼女はこれをチャンスにインタヴューだの、下着で広告モデルだので、大もうけしているとか。 で、 「私はダンサーで、モデルよ。 娼婦じゃないわ。 失礼ね。 名誉毀損よ」 と言っている。
パーティの後で高額のお小遣いをもらったり、窃盗で逮捕されたら、 「私はエジプト大統領の隠し子なの。 私を釈放しないと外交問題になるわよ」 とを首相に泣きついたとか、17歳には思えない、なかなか大したアマで、将来が期待できる。 貧しい国の少女が泣く泣く身を売り・・・という状況には見えない。
普通、未成年の少女と中年のおやじというと、
少女=被害者 おやじ=加害者 という式が成り立つが、
今回は おやじ=被害者 少女=大物 という図である。
海千山千のベルルスコーニをもって、 「悪い女にひっかかったな・・・」 と同情させるなんて、大したものだ。
ベルルスコーニ首相の前妻、(元妻はまた別にいる) は元女優という美人だが、夫の女癖の悪さに、とうとう離婚。 シングルとなったベルルスコーニは大金持ちだ。 パーティ参加のお姉さんたちは玉の輿に乗ろうと彼を誘惑するべく、がんばっていたらしい。 がんばり過ぎて、みんなで服を脱いでプールに入った模様。
74歳には見えない若さはプチ整形と植毛手術のたまもの。 さすがは見た目を重要視するイタリア男だ。 イギリスの政治家も、もう少しルックスに気を使ってほしい。 ま、整形、植毛しろとは言わないが。
最近、イギリスのフットボール選手も、数人が娼婦スキャンダルで紙面を騒がせた。 素人さんは口が軽いけど、娼婦なら秘密は守られる、なんてことはなく、本来の仕事で収入を得た後、新聞にネタを売って、ダブルインカムを目指している様子である。
フットボールチームの監督は 「新聞に出るなら、ゲームで活躍してスポーツ面を飾るように。 スキャンダルをすっぱ抜かれて一面に出るな!」 とカンカン。
イタリア人は、首相のスキャンダルでイタリアが世界の笑いものになっている、と怒っているようだが、アラブ世界では独裁制に抗議して、死者まで出る騒ぎで戒厳令が敷かれているし、イギリスでは国家の債務をどうクリアするかと予算のカットで論争が起こっている。
こんな殺伐としたご時勢に、「ブンガ・ブンガ」 で大騒ぎとは、さすがはアモーレの国、いいぞ、イタリア!(7月にローマに行きます。楽しみ!)`
February 21, 2011
Life goes on…
今日の放課後、私に居残り(Detention)させられた生徒たちにお説教していたときのこと、、、。
トントンとドアをノックする音が。
ふと見ると、そこには懐かしい顔がありました。
ドアのガラス窓から覗いていたのは去年まで私が担任を持っていたクラスの生徒二人。
そのうちの一人は今でもうちの学校付属のSix form collegeに通っているのですが、もう一人は11年生で卒業後に他のSix Form Collegeへ進学した子。会うのは去年の7月ぶりです。(注:Secondary education、いわゆる中等教育終了後に通う学校。日本だと高校と大学のちょうど間に位置する教育機関)
その瞬間まで真剣怒りモード(まぁ、半ば演技なんですが)で7年生に淡々と話をしていた私ですが、思わず顔が緩んでしまいました。
この子達は7年生から11年生まで私がずっと担任として一緒に過ごした生徒たち。彼女たちの成長振りは目覚しく、再会するたびに「大きくなったなぁ」と思わされます。
そして、私もずいぶん遠くまで来たなと思うのです。生徒達はいわば私のマイルストーン。
ところで面白いのは、卒業生と会うと、あの頃の教師・生徒という関係からは外れたために話す内容もだいぶ変わること。
今日も話していたのは彼女達自身の近況と彼女達の仲良しグループのメンバーの近況。それぞれが違う学校に進学したにもかかわらず、連絡を取り合って、一緒に遊びに行くこともあるようです。
他のカレッジに進んだ方の子は、なんと、ダンスの道に進む決心をしたようで、学校だけでなく、プライベートでもレッスンを受けているのだとか。ダンスカンパニーとの契約をもらえるチャンスがあるかもしれないということで、難しい道だけれど頑張りたいと言っていました。17歳でしっかり前を向いて頑張ろうとしている彼女は本当にきらきらしていました。
今でこそ、こんなに和気あいあいと話が出来る彼女達ですが、実は10年生くらいの時にその子たちの仲良しグループの中では色々あり、そのうちの一人が結局違う学校に移る結果になったことがありました。その他に家庭の事情でだいぶ精神的に不安定な時期を送っていた子が二人。
今日遊びに来てくれた生徒の一人はとってもリーダーとなる素質のある明るい女の子なのですが、とても個性的で我も強く、9年生くらいのときは私も彼女や他の生徒達に関する問題をめぐってクラス運営に悩んだ時期もありました。
それが数年たって今日、すっかり成長した彼女達と交わす会話は本当に楽しいものでした。
グループのメンバーの一人だった子が実は妊娠中でもうすぐ臨月というのには驚きましたが。でも、彼女は幸せそうだと聞いたので、若くてもしっかりしたお母さんになってほしいと思いました。
この学校で働き始めてから6年経った私。自分が教えていた生徒はこうして年々増えていくわけです。実は元教え子が生徒の保護者として(といっても生徒の叔母にあたるのですが)、三者面談に来ることもあります。
それはとても不思議なことですが、教師として学校にいるというのはこういうことなんだなぁと思います。
毎年、新しい出会いと別れを経て、人間の成長を目の当たりにするわけです。時間の流れをほんとうに感じます。
私くらいの年だと1,2年経っても自分がそれほど変化していないように思うこともあるのですが、生徒達を見るとその間の成長振りに本当に驚くのです。
私も1X年前まではそういう成長の真っ只中にいたんですね。そして、今の自分がある。とっても不思議です。
これからも何十人、何百人、何千人という子供達と出会っていくのだと思うと、教師という職業がやはり特別なものに感じます。
去年、今年とまだまだ課題が山積みな自分。私も立ち止まらずに彼女達のように成長しなければ、、、!
ツイッター始めました!
やっと始めたツイッター。やれ、写真をどうしようか。名前もどうしようか。え?!これどうするの?といろいろ試行錯誤しながらデビューし1週間が経った。デビューしたとたん直ぐにフォロアーが付き驚いた。自分もいろいろフォローしないといけないと、ブリティッシュ・カウンシルをフォローした。すると直ぐにブリティッシュ・カウンシルからフォローされた。え?なんで??天下?のブリティッシュ・カウンシルが私をフォローするの?と思いきやどうもここは、フォローされるとフォローするらしい。
そして、知らない人がどうして私を見つけるのか解らないが、2人いた見知らぬフォロアーも私が1日ほど何も発せず静かにしていたら、 2人とも去って行った(笑)
そう、ツイッターはアクティブでないといけないのよね!まだまだ、システムが解っていないのでマゴマゴしていたりしていますが、ブログより単文でいいのがラクかな?でもどんどん発していかないとならないような脅迫感があるので 、どっちもどっちかな?
英国のいろんな顔を紹介していきます。よかったらフォローしてください。名前はLondon_cocoです。
February 16, 2011
KISS コンサート
KISSのコンサートに行った。(2010年5月)ウェンブリー・アリーナである。
KISSというバンドを知る人は多いが、大ファンという人はあまり聞かない。 胸を張ってファンです、と言うにはちょっとノリが軽過ぎるということだろうか?
最近のコンサートはZZ Top とかBad Company とかで、コットンシャツとジーンズという気合の入っていない地味なおやじに客層が偏っていたが、今回は観客ウォッチングも期待できる。
さすがはハデハデ歌舞伎メイク、悪のりコスチュームバンドのコンサートだ。
グループで揃ってバンドメンバーをコピーしていたり、Tシャツ姿でも白塗りでKISSメイクをしていたり、とお祭りムードが満載だ。 素人メイクのため、途中から汗で、ドロドロになっていたのもご愛嬌。 コスチュームを決めてきた連中には他の観客が一緒に記念撮影をしたりして、楽しい雰囲気である。 ロックコンサートはこれでなくちゃね。
KISSは4人組だ。
メークとコスチュームは宇宙人、スターマン、モンスター、と 猫。 え、猫? もう一度、並べよう。 宇宙人、スターマン、モンスター、と 猫。・・・猫。 そうだ、ドラムスは猫男だったな。 なんだか、テーマに一貫性がない気もするが。 初代のドラマーはクスリに溺れてクビになり、現在のドラマーは二代目とか。 が、もちろん、厚塗りメークのため、ドラマー要員が数人いても区別はつかない。 疲れたからと途中で交代しても気づかれないだろう。
さて、この日に向けていつもの 「コンサート前の課題」である BEST HITSを購入しての予習をした。 さすがにポップバンド 「ああ、知ってるこの曲、これも、これも」と馴染みのメロディが流れてくる。 恥ずかしいディスコ時期 (メイクを取って演奏していた)のラインもある。
いやー、懐メロ・ポップソングだ。
チケットを取るときも価格と席に悩む必要はなし。 何せ、スタンディングも、二階席も、前の方も、後ろの方も、全席同一価格の45ポンド。 うれしいねえ、このファンへの心配り。
隣の席は 「息子の誕生日でね。これは誕生日プレゼントなんだ」 というお父さんと小さな息子。 子供にかこつけて、父親のほうが来たかったのだと思うが。 父親はロックコンサートに慣れていないのか、腕の振り上げ方が中途半端。 のめりこむには恥ずかしいのか、肘が伸びきらずにオドオドした態度。 恥ずかしそうに歌詞を口の中でボソボソとつぶやいている。 ははは、ウブだなー。
途中バースディボーイの息子は眠たくなったらしく、お父さんの膝でウトウトし始めたので、後ろ髪を引かれる感じで退場していった。お父さん、残念だったね。
一緒に行った友人は10年前だか20年前だかにKISSを見たことがあるらしい。 当時、バンド名とロゴを書いたたれ幕 (たれ幕だって!)をステージに張っていたような、タネも仕掛けも工夫もない地味なコンサートがほとんどだった中で、花火は上がるわ、火の玉が空中浮遊するわ、ギターからロケット弾が飛ぶわ、で度肝を抜かれたらしい。
そうか、彼らも結構キャリアは長いんだ。 ストーンズのメンバーの顔のしわはグランドキャニオンくらいに深いし、その昔スレンダーな長髪青年だったらしいバドカンのメンバーもKFCのカーネルサンダースそっくりになっていたのを思い出す。
「ロックスター、当時、そして今」 みたいな写真集があると、かつての 「長髪」 「痩身」 青年 がすっかり 「ハゲか白髪、ビジネスマンカットかイガグリ頭」 「贅肉たっぷり、二重あご」 おやじになっている。 若い頃の削げた顔立ちはドラッグのやり過ぎを心配させたものだが、今の垂れた頬っぺたはコレステロール値の高さを心配させる、おやじロッカー達だ。 長髪スレンダー青年がカーネルサンダースになってしまうのだから、悲しい。 まだ、普通のサラリーマンのほうが外見上のギャップは少ないよね。
その点、KISSはいいよな。 昔のそのまんまだし。 20年後を考えてのメークだったのか?
ステージングが大掛かりなため、前座バンドの後、準備に少し時間がかかったが、大歓声を上回るド派手な開幕だ。エコロジーに反する大量のライティングがまぶしい。普通のコンサートなら1-2度スモークや花火があがるくらいだが、KISSの場合、毎曲ごとにこれでもかの大サービス。
大量の花火とスモーク、ギターから発射されるロケット弾、血を吐き、火を噴くジーン・シモンズ、ワイヤーで空中を飛び回るというお約束プレイが次々と披露される。 ジーン・シモンズが舌をベロベロするのは知っていたが、本当だ。 それも、たまにではなくて、2時間近く、ずーっとベロベロやっていた。舌が疲れて痙攣したりしないのかしらん。 ちょっと心配になった。
「わざわざチケットを買って、このコンサートに来てくれた君たちのために、うーんと長いコンサートにするぞ。アンコールなんて聞いたこともない位、何曲も演奏するからな。 覚悟はいいかな? いいかい、世界はいやな事や大惨事に溢れているんだ。せめてこのコンサートに来ている3時間だけは、つらい事を忘れて、たっぷり楽しんでくれ!」
ショービジネスプレーヤーの鏡だねえ。
噂によるとベースのジーン・シモンズはロックミュージシャンには珍しくクスリをやらないそうだ。おまけに酒もタバコもしないとか。 が、グルーピーだけは例外で、来るもの拒まず。 で、笑ってしまうのが、ワンナイトスタンドの相手の写真を必ず撮るらしい。 で、写真のコレクションがあるという噂である。
なぜ、写真を撮るのか? 何のためにきちんと収集するのか? 几帳面な性格なのか? 確か60に近い年齢のはずだが、いまだに継続しているのか? 昔はポラロイド写真を撮っていたそうだが、現在はデジカメと推測される。 写真は年代別になっているのか、国や都市で分けているのか、名前のアルファベット順か、気になるところだ。
そういえば、最近、シンプリーレッドのボーカルが 「売れていた頃、何も考えずに1000人ものグルーピーと寝た。 彼女たちに謝りたい」 とインタビューで話していたが、うーむ、あのご面相でそんなことをしていたのか? 赤毛の男はあまり異性に人気がないと聞いていたが、ショービジネスは侮れないものである。 もっとも、この発言は謝罪ではなく、自慢ではないかとも言われている。
ポールの約束とおり、コンサートは長時間で帰りの電車の時間が気になるほどだった。が、曲目が多いほど、お得感も高い。花火の回数も多かったしね。
ウェンブリーを出ると道端で売っているKISSの海賊版Tシャツを買った。 10ポンド。外で着るのは恥ずかしいので、パジャマにしている。
February 07, 2011
2011年
2011年も1ヶ月が過ぎた。 新年の誓いである「ダイエット」「禁煙」「不倫の解消」等々も破られつつある今日この頃ではないだろうか?
私の「ダイエット計画」は細々と続いている。細々と、というのは、まだ諦めてはいないが、胸を張って続けていますとも言えない、微妙なラインをウロウロしているという意味だ。
夏にローマに行くのだが、4スターホテルでアウトドアプールつきが安く予約できた。この時期に夏の予約をすれば、航空運賃もホテル代もバカ安ということで、友人がさっさと決めてしまったのだ。
「プールということは、水着姿を人前にさらすということですか・・・」とそれなりのプレッシャーがかかっている。友人とは、「じゃ、これを機会に、ゴージャスなビキニボディを目指しますか?」と新年のシャンパンにどっぷりと浸ったバブル頭でなければ、思いつかない無茶苦茶な目標を立てたのである。
かの地ではおいしいイタリアンフードを食べるので、やせた分は旅行中に取り戻すことになるはずだ。
知り合いの2011年の幕開けがおもしろかったのでご紹介する。
毎年、ビッグベンが12時を告げ、1月1日となった瞬間にロンドンアイでドーンと花火が上がる。数年前まではたいした規模でなく、花火大国から来た日本人の目からすると、「新年のお祝いにしては、しょぼい」という印象を持ったものだが、最近はそれなりに金をかけ、大掛かりになってきた。知り合いの彼女およびその友人は数名で花火鑑賞に出かけたそうだ。
私も声をかけられたが、たかが15分の花火のために、場所取りに何時間も前から出かけ、寒い中を震えながら待ち、トイレの心配をしたり、混雑に巻き込まれたりする元気はない。暖かい家の中で、ガブガブとシャンパンを飲みながら、11時45分頃にテレビをつけて、各国の新年のお祝い中継を見た後でロンドンの花火を画面で楽しみ、そのままベッドにもぐりこんでしまう、というのがいい。
日本にいたときも、初詣は元旦を避け、混雑も収まった頃にゆっくりと出かけたものだ。「その場にいて、リアルタイムで見たい」というこだわりさえなければ、人間、いくらでも楽をして生きていくことができる。
さて、知り合いの話だ。
ロンドンアイはウォータールーの駅から徒歩5分だ。花火も終わって、大群衆は駅に向かって歩く。歩きたい、というか、歩くつもりはあるのだが、何せ、大群衆だ。グループ5人で、はぐれないようにソロソロと進むが、ほとんど身動きは取れない。
ふと、気がつくと回り中は見渡す限り「外国人の男たち」だったらしい。肌の色が違い、外国語を話す男たちに取り囲まれている。新年を迎えて嬉しそうなのはいいのだが、その喜びを周りにいる「見知らぬ女性たち」と分かち合いたいと思っているようだった。
それも・・・痴漢行為によって。
新年の瞬間は、回りにいる人と抱き合ったり、頬にキスをしたり、と日ごろは許されない行動に出ることが多い。が、痴漢はないだろ、痴漢は。
あちこちから手が伸びて、胸は触られるは、お尻は撫でられるは、ひどいのになるとスカートの中に手はつっこまれるは、と「新年の喜び」を共有するには相応しくない状況だったらしい。
カップルで来ていても女のほうは安全ではなく、ボーイフレンドが体を張って守らないといけなかったとか。
キッと振り返り怒鳴りつけても「Happy New Year!」とニヤニヤして言うばかりで、今日だけは無礼講で、気にするほうがおかしいとでも言いたそうな、ずうずうしさだった態度。途中で警戒中の警察官に訴えても、「あー、はいはい。それはいけないね。殴ってやれば?」 と無責任なことを言うばかり。お巡りさんのほうはナイフで刺されただの、銃を持っている人がいるだのといった、「A級危険犯罪行為」以外には興味がないらしい。
小さい子を連れてきている人もいて、あまりの混雑に怪我をしてしまうのではないかと子供を抱きかかえながらも真っ青だったらしい。子連れはやめましょうね。
徒歩5分のロンドンアイから駅の構内にたどり着くまで1時間かかったらしい。分速20センチくらいの速度、かつ痴漢と戦いながらという、すがすがしくない新年だ。
さて、ホッとして電車に乗り込むと酔っ払いで満員。おまけに乗客の数人が「ドラッグでハイ」状態だったとか。話している内容も支離滅裂で、そばに寄ると危ないので、なるべく離れるようにしていたという。
最近、政府系のテレビコマーシャルで「ドラッグを使用しながらの運転は、飲酒運転と同じです」というキャンペーンがあった。
「ドラッグと飲酒は同じレベルかい?」と不思議な気がしたのだが、このコマーシャルに出てくる「ドラッグ使用者」がまるで漫画の登場人物のように顔の4分の一を占めるまでの「極端に見開いた大きな目」をしているのだ。 で、警察は漫画目の運転者を見て怪しいと思い、その車を止めて、取り調べるという筋だった。
「テレビで見た、あの大きな目をしてたから、すぐにクスリをやってるってわかった」とのことである。政府系のコマーシャルも、実生活に役に立つことはあるのね。
電車から降り、住宅地を歩いていると、とある家から数人が表に走り出てきた。
なぜか全員が下着姿。しばらく口論が続いていたが、一人がクリケットのバットを持ち出してきて、中年男の頭を殴りつけ始めた。ゴム製のおもちゃかと思っていると、鈍くも重たい音がしている。 本物だ・・・。
なぜ、下着姿なのか?なぜ、クリケットのバットがあるのか?なぜ、ボコボコに殴られているのか?はともかくとして、下手をすると死人が出かねない状況である。
が、その横を通り抜けないと家に帰ることができない。さあ、どうする?
運のいいことに、男の人がふたり通りかかって、女の子が数人びびって立ち尽くしているのを見て、一緒に歩いてくれたそうだ。「なるべく、あっちを見ないで、知らん顔をするんだよ・・・」と囁かれたとか。
家にたどり着いたら、全員、安心と疲れからぐったりとくずれおちたそうである。今年もよい年でありますように・・・。
February 02, 2011
ご無沙汰してすみませんでした!
すっかり怠け癖が着いてしまった私です。
ブログもこんなに休んでしまって、本当にごめんなさーーい。
さて、書かない間にいろいろあったダーリンの家族のことからお話ししましょう。
ダーリンの妹がご懐妊です。義理ママは、晴れて内孫が産まれるとあって、大はしゃぎ。
妹は、現在スコットランドに住んでいる。ママの家からだと車で5、6時間とかなり遠い。ご近所なら、毎日行けるのになーと残念がっているママ。そこでママが提案したのは、孫が産まれたら2週間毎に妹の家を訪問するというのだ。つまり2週間娘の家に滞在し、孫の面倒と娘の家事を手伝いいろいろヘルプをする。その後、2週間、自宅に戻ってリラックスし、また娘の家に2週間出向くと言うアイディアだ。
妹の家は、小さいが一軒家。しかし、子供が産まれて、ただでさえ大変なのに、じっとしていられないママがいたら、さぞかし大変だろうと思う。私なら、耐えられない(ゴメンね。ママ。)しかし、実の娘なら違うのだろう。と思ったら、妹の反応は「No Thank you!」。
がっかりしたママ。ダーリン曰く、ママがダーリンを出産したとき、近くに住んでいた母親に手伝ってもらい、とても助かったそうだ。妹が住む場所は、親戚も家族も近くにいない。誰も手伝ってくれる人がいないのだから、自分が行くのが当然ということで提案したという。しかし、妹は自分だけですることを選んだ。
でも、ママはめげていない。出産は4月。標準をすべてここに合わせ始めた。ママは、毎年スペインに何回も行く。それは、早く予約すればチケットが安いので、どんどん予約をしてしまう。以前、ロンドン行きの飛行機が往復で10ポンドというキャンペーンがあった時、我々の予定も聞かずに速攻で予約をしていた。彼女のアイディアは、もし、我々の都合が悪かったら、チケットを捨ててもいいと思ったそうだ。
こんな感じなので、今年のバカンス用にすでにチケットをいろいろ購入していた。妹の出産日前後の旅行があったが、キャンセルをし、すでに待機万全の状態にしている。
そんな妹から、クリスマスに電話があった。ちょっと出血していると言う。ママを心配させたくないから、まだ伝えていない。イギリスのクリスマス時期は、病院であっても休みなので、そこまで緊急でない彼女は病院に行けずに不安がって、なぜか、ダーリンに電話をしてきた。聞けば、玄関前の雪かきをしたと言う。おい、おい妊婦がなんでそんな事をしてしまうの?と言いたくなるが、妹は軽—い気持ちでやってしまったらしい。
いったいあなたの亭主は何をしているのか?!と聞いたら、最近購入したボロ屋を直しに出掛けてしまったという。妹のダンナは、ともかくDIY(自分で作る)が大好き。昨年は、カヌーの一種、カヤックを自ら木を削り、塗装をし、防水をし、作ってしまった。(出来あがったものを見せてもらったが、これが凄い!感心した。)だから、ボロ屋は彼に取ってみれば、新しい玩具みたいで、最近は暇さえあれば、そこで時間を潰していると言う。
しかし、雪かきぐらいしてあげてよ。と注意してあげたい。この家は、いろいろ彼のポリシーが反映されている。まずは、旅行はなるべくキャンプで過ごす。ホテルに泊まらないのだ。ケチと言う理由もあるが、彼がこのようなワイルドなコトが好き。まあ、お金をセーブしてしたので、彼は家を2軒も貸しているしっかりものだ。
さらに、家にはテレビがない。彼がテレビ嫌いで買わないのだ。もし、映画を見たければDVDを手に入れて、PC で見ればいいと言い張る。妹もそれでいいらしい。子供にとっては、テレビがないと友達と共通の話ができなくなるのではないかしら?
いや、もうその頃はテレビという概念はないかもしれないなー。
幸い、妹の出血も大事に至らず順調に大きくなっているようだ。春はもうすぐだな。