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June 28, 2008

イギリスのバブルその3

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シティはビジネスの街。だから不景気風が吹くと精彩を欠く。
まるで曇り空で小雨のぱらつくハワイとか、暖冬で地面が露出しているスキーリゾートといった冴えない風情である。

やっぱり、ハワイなら抜けるような青空に熱い南の風。スキーリゾートなら豊かな積雪の上に降り注ぐパウダースノー。ビジネス街なら札束が下品に飛びかってほしいものだ。

日本でビジネスがいまいちの時はオフィスの細々したものから消えていくそうである。

例えば、リースの植木、自由に飲めていたミネラルウォーターのボトル、新聞とか。
いつものように会社の新聞を読もうとして、それがなくなったことで会社の経営状態に気づいたサラリーマンの心情を思うと涙がこぼれそうである。(嘘)

イギリスでは経費節減なら、人件費と接待費だろうね。

肩で風を切って歩き、1000ポンドものワインを自分たち用に頼んでいた連中も地味でせこい食事風景となるのだろうか?
「あ、スターターはなしでいいや。メインコースだけにするよ。一番安いのはどれかな? 飲み物? いらないよ。近くのオフライセンス (酒屋) でワインを買って持ち込んだから。グラスだけくれる? サービス料払いたくないなあ。ね、料理ができたら呼んでくれる? キッチンまで自分たちで取りに行くよ。だから、チップ置かなくてもいいだろ?」

こんな時期にはシティを離れたらどうするか、と同僚と話すことになる。
「田舎に引っ越して、家庭菜園で野菜を作り自給自足の生活をする」
「それがいい。それがいい。太陽の下で農作業なんて健康的だね」

・・・と思ったのだが、週末に芝生を刈り、庭仕事(の手伝い)を2時間したら、筋肉痛で歩行困難になり、階段の昇り降りですら苦労した。
これでは農業への転職は無理だな。

さて、転職と言えば、最近、気になる男がいる・・・。

ファイナンシャルタイムス風のミニ無料新聞 「シティAM」にヘッジファンドのスターの記事が載っていた。

「160ミリオンポンドのボーナスを蹴って、自分のファンド設立!」というのはC氏だ。彼の所属するXXXファンドと言えば、確か去年共同経営者のボーナスが400ミリオンポンドずつ、という記事を見た。生涯給金ではなくて、去年だけのボーナスだって・・・。

400ミリオンポンドって、イメージが湧かないなあ。 1、2ミリオンくらいだと、 「イギリスで買えるちょっと大きな家」って感じがする。(チェルシーとかケンジントンといった高級住宅地は除く。スペインのマルベラの別荘地も無理ね)

と思っていたら、400ミリオンポンドの豪華客船の記事が出ていた。
ふーん、ボーナスで客船が一艘もらえるのと同じか。

「まいどー、宅急便です。会社からボーナスのお届けです。家に入らないのでここに置いておきます。受け取りのハンコお願いします」
で、家の前には豪華客船が横付けされている。
「今年は豪華客船か。去年はジャンボジェット機だったねえ。景気がいいみたいだね、隣のご主人の仕事」なんて近所の人が噂したりする・・・わけないが。

C氏も経営者が400ミリオンポンドなのに、社員の自分はたった160ミリオンじゃ、嫌だ、と思って (当然だな) 転職することにしたらしい。

さーて、こんな話ならシティにはゴロゴロしているはず。が、なぜにこのC氏は特別なのか?

それは・・・彼がグッドルッキングだからである。おまけに若い!

見出しも大きかったが、顔写真もでかかった。
「おっ・・・」と思ったのはそのせいだ。 もっとも、その後に 「既婚、二児の父」と書いてあってがっかりしたのだが (何か、期待していたか、私?)

続く

投稿者 lib : 03:28 PM | コメント (0)

Title

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早いもので、僕のブログはもうすぐ2周年を迎える。これが72度目
の投稿となる。飽きやすい、いい加減な性格の僕が続けてこられたの
は、読者の皆様からのコメント・メールや、編集長の飲ませ食わせ戦
法のお陰である。ありがたや。そろそろ、ロゼの美味しい季節ですね
え、編集長っ。

ちなみに当社は設立から7年が経過した。先週土曜日、全社員の皆さ
んに休日返上で集まってもらい、社内セミナーを実施した。7歳にし
て、社員教育や、目的・理念の共有という、とても重要なことが、本
当に重要なのだと、ようやく理解し始めた。当社の設立は僕がちょう
ど40になった時だった。計算は簡単で、50まであと一歩。モトロー
ラという会社の理念に、常に若返りをはかる、というのがある。いや
はや、すごい理念を掲げたものだなあと思うと同時に、創立者達の鋭
い感性に思い切り共感する。当社はこの先50年100年と長生きし
着実に成長したい。そのための礎を築くことが僕らの当面の仕事であ
る。こんな面白い仕事にはそう簡単に出会うことはないだろう。まっ
たくラッキーであり、このおかしみを社員の皆さんと一緒に感じなが
ら、派手さよりは無骨さを好む組織を大きく育てたいと思う。

ところで、2年前から”社長5年生”というタイトルのままなのは、
やはりおかしいので、変えてもらおうかな、とつらつら考えてみたが、
なかなか浮かんでこない。どなたか良い名前をつけてやって下さい。
ちなみに、父親1年生というのは却下させていただきます。

投稿者 lib : 06:43 AM | コメント (2)

June 27, 2008

Freaky Fridays

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今日は週の半ばにもかかわらず教職員の研修日でした。

つまり、生徒にとっては学校はお休みで(といっても何かの用事で来ている生徒はちらほら)、校内には基本的に教師と事務員だけ。

うちの学校の本校舎は廊下が3階まで吹き抜けになっており、まるでドラマのPrison Breakに出てくる刑務所のような作りで(ってわかるでしょうか?)普段は生徒の声ががんがん響くのですが、今日は本当に静か。

こういった校内研修日は毎年数回あります。今年は特に9月から改正された中学生とA-levelの学習指導要領が導入されるため、それに備えて新しい指導案や教材作りが進められており、先月に続いて2回目の準備日でもありました。

そして、もうひとつの目的は「Flexible Fridays」の計画。

9月から7年生に実験的に導入される企画で、毎週金曜日の半日(150分)を使って、生徒たちが普通授業から離れてプロジェクトワークをおこなうというものです。

大体240人ほどいる7年生の生徒たちは20人くらいのクラスに分けられ、それぞれのクラスがオリンピック選手、East London の歴史、Script writing(脚本を書くこと)、Healthy fun foodなど6つの違ったテーマを扱ったプロジェクトに参加します。

1つのプロジェクトの期間は6週間。1つのプロジェクトを終えると次のプロジェクトに参加するという仕組みで、一年後にはそれぞれの生徒たちが6つの全てのプロジェクトに参加したことになります。

さて、このプロジェクト、おもに二つの目的があります。一つ目は以前にも書いた「Learn to learn(学ぶために学ぶ)」、つまり子供が効果的に学習するための姿勢やスキルを学ぶ機会を与えること。そして二つ目は普通授業で個々の教科を単独に教えるだけではなくて、このプロジェクトを通して1つのテーマの中に色々な教科の要素があり、つながりがあるということを伝えようというものです。

例えば、歴史は地理や公民と切り離せないし、ディベートのしかた、研究の仕方、プレゼンテーションの仕方など学ぶべきスキルには共通点があります。そしてこれらの教科の理解を深めるには英語(こちらでは国語ですね)のスキルも必要、また、全ての教科の根底に多文化理解などの共通のテーマも存在します。

ただ、歴史を歴史として教えることは非常に大切であり、単なる子供の愛国心や市民育成の道具になってはならないというのが、歴史教育者の見解です。歴史を探求すること、探求するための理解やスキルを向上させること自体にちゃんとした意義があると信じるからです。

そのため、このプロジェクト導入がアナウンスされた当初は、それによって削られるであろう普通授業数とその影響への強い懸念がありました。現に歴史は二週間に与えられる授業数が150分から100分に削られてしまいます。うちの学科内でも「これでますます生徒の歴史や地理など人文学系の教科離れが進むのではないか」という批判がなされました。

とはいえ、学校がこういったプロジェクトを試験的にとはいえ導入することはすでに決められたことであり、私たち教員が決定を覆すことはできないのは事実。

「では、せめて歴史や地理特有の要素を強く持ったプロジェクトをせめて立てよう」

そういう思いで6つのプロジェクトの中のひとつは地元の歴史に焦点を当てたものになったのです。

私も一歴史教員として関わりたいと思いサポート員として関わることになったのですが、今日の会議では9月からはじまるというのにまだ各セッションの学習目標やトピックを決めた程度。

これから各セッションでどういう活動を生徒がするのかタスク設定をしたり、そこで使われる教材作りをするために我々教員が資料集めをしなくてはなりません。

骨のいる作業になりそうですが、関わった以上は何とか形にしなければなりません。

さて、この「Flexible Fridays」、このブログのタイトルでは「Freaky Fridays」となっていることに気づかれましたか?

実は同僚K(この間書いた、もうすぐ結婚を機に退職をする私の上司です)が文字ってこの企画をこう呼んでいるのです。

Freaky=Very strange, unusual、(日本語の辞書では)筋の通らぬ、風変わりな。

うちの学校はこういった企画が多数おこなわれるもののいまいち綿密な企画や準備が足りずに失敗に終わること多し。

「うーん、うまい!」

初めて聞いたとき、思わず感心してしまった私でした。でもこれからはこれに共感している場合ではないですね。

頑張らなければ、、、です。

投稿者 lib : 01:02 AM | コメント (0)

June 25, 2008

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体調不良につきお休みします。ごめんなさい。

投稿者 lib : 09:08 PM | コメント (0)

June 24, 2008

Objective

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何かしらの問題を解決せしめる際には、その本質を正確に捉え、自己
の主力を本質に集中し取り組むのが上策かと思う。このことにより、
派生する多くの小問題が一気に解決することもある。

日本の省庁オフィスを訪ねたことも無く、その仕事場の雰囲気も全く
知る由も無いが、タクシー接待問題の本質は、官僚のモラル云々とは
別のところにあると思う。24時間営業のジーンズショップの必要性
がどこにあるのか分からぬと思っていたが、官僚の皆さんが、連日の
ように夜中の1時を過ぎまで仕事をせねばならない組織の仕組みも同
様に僕には分からぬ。官僚の皆さんは知的能力が高く、であるからこ
そ、国家レベルの大変重要な仕事を進められている。そんな大事な仕
事をしている官僚の皆さんが、15時間を超える長時間の頭脳労働を
連日続けることに危険を感じる。無論、有事の際には、徹夜が何日続
いてでも、やらねばならない仕事はあるだろう。国会は有事のことで
は無い。睡眠不足や本人も気づいておらぬ精神的な病から、誤った判
断を導き出すことは無いだろうかと心配になる。

タクシー接待問題は民主党の議員が調査を求めたそうだが、なぜ官僚
の皆さんが深夜・朝方にタクシーに乗る必要があるのかという本質に
は触れていない。政権を取ったあかつきには、議員と官僚の関係・構
造を改革し、官僚の実質勤務時間をこれだけ短縮し、その結果タクシー
チケットは全廃する、などというようなクリアーなメッセージは聞こ
えるべくもない。そのオブジェクティブは、あら捜しというと言葉が
過ぎようが、現在のところ、問題の本質とは随分かけ離れたところに
あるのではないか。とは言え、よき一石を投じたと言えよう。これに
より、もし本質が議論され始めれば、会社組織であれば、社長が直接
取り組むべき大きな仕事となろう。官僚組織では誰が取り組むべきな
のか知らぬ。首相か大臣か誰か知らぬが、後進国でもありえぬような
悪文化は、誰かが変革を訴え、改善すべきである。いまどきの若者に、
長時間勤務はウケない。ウケない組織に若い優秀な頭脳は集まらない。

などと、書生のようなことをつらつら考えていたところ、橋下知事、
初の団交出席 - 職員「私たち悪いことした?」 というニュースの
見出しが目にとまった。改革とは、変化とは、かくも人の嫌うところ
かな。

投稿者 lib : 09:42 PM | コメント (1)

スポーツジム

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去年の暮れから訳あって、数ヶ月間忙しかったが、5月の半ばで一段落ついた。

息子の夏休みが始まるまで、約2ヶ月ある。
息子は学校の後、アフタースクールに毎日通っているので、9時前に家を出てから6時過ぎまで家に戻ってこない。5歳ですでにサラリーマン並みの生活である。
よって私は息子を学校に送っていった後は、6時まで自由時間になる。
この貴重な2ヶ月間をどうやって過ごそうか…と考え、「スポーツオタク」になることに決めた。

40を過ぎ、中年体型になる恐怖と日々向き合っている今日この頃である。
イギリスで暮らしていると、周りの方々がナンなので、ついつい、自分は「細い」と勘違いしてしまう環境もいけない。
先日、何も考えずにそこいらにあった服を気、何気なく鏡を見て、鏡に映った自分を見て驚愕した。
「私って、林真須美みたい…」(日本にしばらく帰っていないため、例えが数年前に世の中を騒がせた人物になっております。ご了承ください)
コーディネートの問題もあるが、その時の私は、たぷっとしたチュニックに、バギーパンツを合わせていた。
何も考えていなかったとはいえ、あんまりだ。
「上にボリュームのあるトップスを着たら、下は細めのジーンズやレギングで引き締めて、逆にバギーパンツなどボトムスがたっぷりしている場合には、ピタTシャツなどで上はすっきりと、引き算の法則よ」(byピーコ)
という、基本中の基本さえ忘れていた。
今まで、漠然と「おばさん臭い」と認識していたファッションだったが、林真須美ルックは、上も下もタップリした服を着たときに完成するのだということを偶然にも論理的に悟り、目からうろこが落ちた。(それほどのもんでもありませんが)

悟っている場合ではない。
いくら上下ダブダブでも、10代や20代の女の子が着れば、林真須美にはならないだろう。
アウターの重要さもさることながら、やはりその下にたるんだ皮下脂肪があってこそ、林真須美は完成するのだ。
ああ、本当は黒木瞳系の、素敵な中年に憧れていたのに(顔もスタイルも違いますが。まあイメージってことで)。
現実は厳しい。私はこのまま林真須美系へと、ごろごろと坂をころげおちてしまうのか。

前置きが長くなったが、そんな時、日本の友達が
「スポーツジムに入会して週5日エアロビに通ったら、ダイエットに成功した」と言う。

その言葉にも触発され、さっそく地元のスポーツジムの会員になり、2ヶ月間運動漬けになることにした。

つづく

投稿者 lib : 02:00 PM | コメント (0)

June 22, 2008

Road to China

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先週、同僚Nから教員全員へメールが送られてきました。

9年生の生徒Mが今年の夏、テーブルテニスのトレーニングとオリンピック観戦のために3週間中国へ行くというのです。

実はこの同僚N、Greenhouse Schools Project という公立学校やコミュニティでのスポーツ振興を目的としたプログラムを提供しているチャリティ団体から派遣されているイギリスのテーブルテニスのプロなのです。

私の学校ではこのテーブルテニスの選手育成プログラムが去年からスタートし、希望者や教師から推薦された子供たちがプロのコーチである同僚Nからほぼ毎日トレーニングを受けているようです。

生徒Mも当然そのうちの一人。去年、全く初心者の状態ではじめたわけですが、今では何千人もの子供たちの間から選ばれた中国に派遣される28人のうちの1人になるくらい素晴らしいプレーヤーに成長したのです。

実際、この間の放課後、体育館を通りかかったときに彼女がコーチと練習しているのを見たのですが、思わず窓にへばりついて見てしまいました。だって、彼女のストロークをする姿、まるでプロ並みなのです。

私は自分でもテニスをやるので球技する人のフォームって気になるのですが、本当に彼女のフォームは美しかった。一年前に初心者だったころの彼女のプレイを覚えているだけに本当に感動でした。

さて、日本にいる皆さんは、コーチに習って学校でスポーツをすることがそんなわざわざプロジェクトになるような特別ですごいことなのかと思われるかもしれません。

実はイギリスの公立学校には日本のような部活動がありません。教師が有志でおこなっている同好会のような活動はあるのですが、日本のように毎日週末も休まず練習する姿が見られることはないのです。もちろん、学費が一年で百何十万もする良い私立校に行けば、テニスクラブやクリケットクラブなど普通にあるのかもしれませんが、、、。

今、子供の肥満が社会問題として取り上げられるイギリスでは、政府が子供たちの間にスポーツを振興させようと必死です。実際、10年生、11年生でも体育がGCSEの必修科目になったりと政策での変化はあるのですが、それも二週間に一回授業があれば良い方で、子供たちが運動をする機会はほぼ皆無です。

特に私の勤務校は校庭も狭く、体育も敷地内の体育館や校庭では場所が足らず、学校から10分ほど離れた公共のグラウンドを使わなくてはならないほどです。

それに、私の生徒が多く住む東ロンドンは都心に近いので幹線道路が多くあり、車の交通量も多く、また、犯罪率も高いので小さな子供が自分たちで安心して走り回って遊べる場所は少ないのです。

また、親が子供にスポーツをさせない傾向もあるように思います。特に私の学校はムスリム家庭が大半の女子校ですから、水泳やサッカーを娘にさせることに抵抗感を持っている親御さんが多いのも事実。

ちなみにスポーツをするときはヘッドスカーフを安全上外さなくてはならないのですが、それもスポーツを積極的にさせない要因になっているのかもしれません。

そういう事情もあって、このテーブルテニスプロジェクトは、普段スポーツをする機会のない子供たち、特に親の経済事情でスポーツを定期的にやりたくてもできないような子供たちにチャンスを与える良い機会なのです。

さて、生徒M、渡航・滞在費用はGreenhouse Schoolsが負担するものの、これから夏までの間に自分でもFund raising(募金活動)をしなくてはならないのだそうです。先日、私のところにも来たので、いつもは数ポンドで済ませてしまう私もお札を渡しました。

アフリカ系のイギリス人である彼女、中国へ行くことも、家族(特に彼女の妹は同じ学校の8年生、それも同じプロジェクトに参加しています)と離れて3週間過ごすことも、オリンピックゲームを見ることも全て初体験。

彼女にとってこの旅が素晴らしい思い出になること間違いありません。そして、彼女がイギリスの代表選手となるのもそう遠い未来ではないかもしれません。

「あぁ、私もそんな体験がしたかったなぁ」と大人気なくも14歳の彼女を羨ましく思ってしまう私でした。

投稿者 lib : 12:22 AM | コメント (0)

June 18, 2008

おばあちゃんの葬儀で。<その1 20年間の秘密>

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ダーリンのおばあちゃんが亡くなった。
8月で95歳になるはずだったので、長生きの人生だった。ここ5年は、ややボケが始まったおばあさんの面倒を日中誰もみられないので、老人ホームに入所していた。歩けないので、ホームでの生活は、自室内だけの行動。施設の誰かがスイッチを入れ、そのテレビを一日中、ボッーとしてソファーに座り、見て過ごしているだけだった。家族の喜びは、いつも無反応なのに、ある日いきなりいつもの調子で話しだし、昔のおばあちゃんに戻ったときだろう。

延命治療はしないということだったので、脳梗塞を起こしてから1週間後に他界した。
世話をしていた義理ママやその兄は、もちろん寂しいと思っただろうが、おばあちゃんにとって、いい人生の幕引きだったと他のみんなは思っている。

ダーリンは、葬儀でスピーチをしてほしいと頼まれた。大概このようなスピーチは、おばあちゃんの息子、叔父さんがするはずなのに、なぜか依頼がダーリンにきた。ダーリンは困っている。冠婚葬祭のスピーチは、褒めることが鉄則だ。しかし、このおばあちゃん、私も知っているが、厳しい。というイメージしか思い浮かばない。ダーリンは、表面的に褒めることをためらっている。というのも葬儀に参列する人もおばあさんの厳しさ、頑固さを知っているのに、ただ、いい人だったと褒めても嘘がわかるからだ。頭を抱えているダーリン。そこへ弟がアイディアをくれた。

当日のスピーチは、こうだった。 手作りのジャムやクリスマスケーキ、アップルパイなどを孫に用意してくれていた祖母。今でも時々その味を懐かしく思い出す。それは、厳しいだけだと思っていた祖母が、実はいつも暖かく孫たちを迎えていてくれたことなんだと、今頃気づいた。 そして、両親が遠出で留守をした日、14歳の弟は友人と羽目を外し、家で初めての酒を飲み、吐いて家を汚した。面倒を見るように依頼されていた祖母が、家に来た時、弟の行動を見て厳しく叱ったが、ママには言わなかったそうだ。ママに言えば、さらに叱られるのは、目に見えている。もう、1度叱ったのだから、それでいいという事だろう。

このことは、20年経ったこの日までママも知らなかった事実だった。
葬儀が終わった後には、参列者からいいスピーチだったと言われていたが、これは、おばあちゃんの人柄を今になってみんなも知ったからだろう。人が去って初めて知るその人の良さってこんな時では、ちょっと遅いし残念だったなー。

投稿者 lib : 05:07 PM | コメント (0)

June 15, 2008

Excuse

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本Blogの読者の皆さんから、コメントやメールを頂戴することがある。
こんな駄文を読んでいただいているのだなあと、とても嬉しい。この
場をかりて、改めてお礼申し上げます。

最近頂戴したものに、同居人という表現は配偶者に対して失礼千万、
100発位殴られるのではないか、とのご意見を頂戴した。まことに
仰る通り。同居人はもとより、親御さんに知れたら1000発位殴ら
れるのではないかと、ひそかに危惧していたのは事実である。

妻、家内、ワイフ、カミサン、とまあ、男が配偶者を表わす単語は人
により様々である。関西の人はヨメと言うケースが多い。僕は昨年、
新郎が仲人と間違われるような結婚式を東京で行い、晴れて家族持ち
となった。本Blogでは、社長5年生というお題があり、家族の話は避
けようと心がけていたが、まあ、そう力む必要も無いか、とも思い始
めた。僕の近頃の仕事は、物を考え、それを文章やシステムという手
段で表すことにあり、そのことに関しては気合が入る。すなわち、本
Blogで配偶者をどう表現すべきか、思い悩むことになるが、その答え
は既に決まっていた。同居人。

僕は函館生まれの、がさつな男であり、ヨメはん、ヨメとはまずまず
書けない。妻というのはなんだか鼻持ちならぬような気がする。家内
というのはどうも偉そうに感じてしまう。配偶者というのはよそよそ
しすぎる。カミサン、カアチャンあたりが、良いと思うのだが、文体
によってはそぐわない。

というようなことを、100倍上手に、かつ弁解がましくなく表現さ
れているのが、五木寛之氏であり、氏のエッセイでは同居人という単
語を貫かれている。僕に文章の感性が多少でもあるとすれば、それが
氏に共感し、猿真似したものなのであります。

そして、赤ん坊が生まれた。またまた思い悩むことになった。これに
関する氏の表現は全く記憶になく、エッセイ本もどこぞへいってしま
い見つからない。考えた挙句、ミニ同居人となった。これは、なにか
可愛い感があり、かつ同居人との一体感も表現できて、我ながら秀作
ではないかと思うが、如何であろうか。

以上、ミニが大きくなって、いつか僕の Blog を読むことがあったと
きに、父ちゃんを100発殴りたくならないよう、この場をお借りし
て下手な弁解をしておこう。

投稿者 lib : 04:36 PM | コメント (1)

Akihabara Attack

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2週間の出張があって、ロンドンに戻ってみると、我がフラットの庭
の緑が濃くなり、咲く花が一段と綺麗になっていた。一番変わってい
たのはミニ同居人で、表情がちっと男らしくなり、動きがやんちゃに
なっていた。2週間というのは、短いようで長いのだなあと思う。

本社オフィスは御茶ノ水から5分、インターネットで探してみると、
秋葉原に最近できたホテルがあり、ここをベースとした。宣伝どおり
確かに多少部屋は広い。とはいえ、やはり狭い。東京のホテルは安く
狭い。もっとも高級ホテルは広いのだろうが、その中間が無い。この
狭さに2週間ぶっ続けで宿泊するのは辛いので、週末を実家のある函
館で過ごすことにした。

前日の金曜夜は本社スタッフの若い皆さんと酒を飲みにいった。みな
意見を持っており、それを伝える意思も強く、なんだか嬉しくなって
飲みすぎてしまった。最後は朦朧、タクシーで降りたはずが、ホテル
がどこなのかわからなくなり、20分ほど真夜中の秋葉原駅周辺を千
鳥足で散策をしてしまった。午前2時位だったと思う。翌日起床した
ら、飛行機が離陸する30分前だった。あっはっは、目覚ましかける
のを忘れていた。ま、休暇のことなので、是非も無し。次便に無事乗
れた。

実家のテレビのニュースで秋葉原で事件が起きたことを知った。恐る
べし、相手にしてくれない世の中、という社会を対象として、無差別
殺傷をプロット、実行に移した。その過程を携帯電話からWebサイト
にアップロードしていたというから驚く。数ヶ月前にも同様な事件が
茨城で発生した。

実家の家族には羽田行きの最終便で戻ると伝えておいた。たっぷりと
函館の海産物などを楽しみ、酒を楽しみ、会話を楽しみ、最後は熱い
温泉で体を清め、東京に戻る時刻となった。最終確認と思ってチケッ
トを見ると、飛行機が離陸する10分前だった。またか?唖然としつ
つ、調べてみると、函館人にとって羽田行きの最終便というのは、J
ALの7時40分が該当するということが判明した。うーん。僕が何
の疑いも持たずに言った最終便は、日に4便飛んでいるANAの最終
便のことで、これが6時55分である。そもそも函館にJAL便があ
ることなぞ忘れていた。是非も無し。とりあえず空港に向かったら、
そのJAL便に空席があった。僕は幸運な奴だなあ、とまた思うと同
時に、僕の馬鹿さ加減は歳と共に増加の一途であり、もう一人では何
もできないなあとも思う。

秋葉原に着いたのは夜10時過ぎだったが、街では何事もなかったよ
うに、ペアがいちゃつき酔っ払いがふらふら歩いていた。僕もコンビ
ニでカップヌードルとビールを買い、翌週の作戦を練りながら、狭い
ベッドにもぐりこんだ。まどろんでいると、東京勤務時代に夢中にな
っていたロックバンドの、”東京シティーは風だらけ”という曲が頭
の中で聞こえ始めた。20年前の当時も社会は風だらけだったのだろ
が、若者達はしなやかさを備えていたように思う。被害者とその家族
の悲嘆を思う。合掌。

投稿者 lib : 08:06 AM | コメント (0)

June 12, 2008

チョコレートの国

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先週は、前回のブログに書いたように歴史旅行の引率で9年生とベルギーに行ってきました。

7時15分にコーチ(大型バス)に乗って出発し、Channel Tunnel のシャトル(ものすごく大きい電車に大型バスがそのまま載るのです)を利用してまずはフランスへ。そして、目的地のベルギーのフランダース地方へまた再びコーチにて向かいました。およそ3時間半くらいの旅だったでしょうか。

今回の旅の目的は第一次世界大戦の戦場をめぐることです。イギリス連邦やドイツ軍の戦没者墓地や保存されている塹壕、博物館などを訪ねます。

イギリスでは膨大な犠牲者が出た第一次世界大戦の追悼が大規模で、特に戦争が終結した11月11日に向けて毎年さまざまなイベントがあります。

その時期に限らず、大戦で亡くなった兵士たちの家族たちや退役軍人たちが年間を通してフランスやベルギーの墓地を訪れるようです。また、現役の兵士たちも軍教育の一環として戦場ツアーに参加することが必須だそうです。

私自身、このベルギー旅行は4年続けて参加していますが、墓地へ献花に訪れている人々を多く見かけてきました。

ちなみにいくら引率する私たちが歴史教師とはいえ、大戦の知識は限られますので、毎回知識豊富なツアーガイドさんに同行してもらっています。私たちがいつもお願いしているのは退役した元軍人の人たちなのですが、今年はなんと現役の軍人さんが担当になりました。

去年はアフガンで任務についていたそうですが、今年はイギリスで待機しており、副業として訓練中の兵士や学校向けのガイドの仕事を引き受けているそうです。

私も生徒も現役軍人と接するのは初めて。イギリスが現在関わっている戦役についてここで詳しく語るのは控えますが、とにかく彼は現在も軍事行動に関わっているわけです。

私自身、第二次世界大戦後、ベトナム戦争も幼少時に終結した世代に生まれた人間ですから、戦争というのはどうも本やテレビの向こう側という感覚が拭えません。それが今回、実際に戦場で自分の命を危険にさらしている人と接し、不思議な気持ちになりました。

たぶん彼は30代後半か40代だと思いますがとても明るい人で、生徒を自分の話に引き込むのが上手。今まで一番子供と接するのに慣れているガイドさんだったと思います。実際、戦闘に出たことのある人物の言葉は子供たちの心にもいつもより響いたようです。私たち教師は「来年もあの人にお願いしたい」と思ったほどです。

周りで人が怪我をし、死んでいく恐怖、悲しみについて、ちらりと語ってくれましたが、とても良かったのは彼よりもずっと若い部下が書いたという詩。

9年生も授業で第一次大戦中に兵士たちが書いた詩(War poem)を勉強しており、かつての兵士たちの気持ちと今も戦っている兵士たちの心の中にたくさんの共通点を見出したようです。

それからこのツアーの目的のひとつに、イギリス連邦のなかでもインドやカリビアンから戦場に送られた中央アジア人・アフロカリビアン、そして男性兵士だけでなく、看護師として戦場に赴いた女性たちについても学ぶこと、というのがあります。

私の学校の生徒は大半がバングラデッシュ系移民の子供たちですから、曾祖父の世代までたどればもちろんインドともつながりがあります。それでも第一次世界大戦が自分たちの祖先と関わっていることをなかなか実感する機会はありません。

どうしてもキリスト教、白人イギリス人の戦争というイメージを強く持っているようです。それがこの旅の中でイギリス軍にシーク教徒やイスラム教徒もいたことを発見し、驚きを隠せないようでした。

さて、ツアーの最後にはYpresという街を訪れます。生徒にとってはお待ちかねの自由行動の時間です。毎年街の中心にあるチョコレート屋に立ち寄って、それから一時間ほど生徒だけで買い物にいそしむのです。その間に私たちは近くのレストランで夕ご飯。

実はその街を訪れる理由は他にあります。そこにはイギリス連邦の兵たちを追悼する大きな門(Menin Gate)が立てられており、1929年から毎年ここで(ナチスドイツ軍が占領していた4年間を除いて)一日も途切れることなく午後8時から10分ほどの追悼式(The Last Post Ceremony)開かれています。

毎年私たちが訪れるときは生徒数人に代表になってもらい、儀式のなかで献花をおこなっています。他にも観光客やイギリス各地から訪れている退役軍人のグループでいつ訪れても人で溢れ返ります。

式が終わると帰りのシャトルに間に合うようにすぐにコーチで帰途へ。イギリスに戻り、学校へ到着したのは11時半ごろでした。全ての生徒が無事保護者に迎えられ帰宅の途についたころにはすでに12時近く。ずっと気を張っていて疲れましたが今回も無事に終わりました。

毎年同じ場所を訪れるとはいえ、参加する生徒も違うし、ガイドさんも変わるので私自身新しい発見が毎回あります。今回もとても充実した旅になりました。来年もまたどんな発見があるのか、、、楽しみです。

投稿者 lib : 11:21 PM | コメント (1)

June 11, 2008

地下室に続く謎のドア 

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今、うちでは玄関先の工事をしている。

イギリスにお住まいの方にはお馴染みだと思うが、こっちの家は、門から敷地に入り、階段を上った所にドアがある家が多い。(3~4Floor ある、比較的古い建物の場合)
なぜ地面と同じレベルに玄関を作らないかと言うと、Basementという半地下の階があるので、Basementの天井(つまりGround Floor-日本で言う一階の床)の地点まで階段を上り、Ground Floorから家の中に入る仕組みだから(だと思う)。

という訳で、Basementの部屋に住んでいる人は、半分地中で暮らしていることになる。
なぜ、シンプルに地上に建物を建てず、こんな複雑な構造にしたのかはよく分かりません。(ご存知の方は教えてください)
ちなみに家は4階建てで、下の2Floors(Ground floor とBasement)には他の家族が住み、私達はその上の階に住んでいる。
下に住んでいる家族は引越しして出て行き、今現在は空き家となっている。

何はともあれ玄関の話に戻すと、門から階段までの3メートル位の通路(ドライブウエイというのか?)と階段がひび割れてきて危ないので、表面のコンクリートを外して新しく作り直しているのだ。

工事の人は、階段を少しずつ壊していって、今は階段の姿は残っているが、側面に穴の開いた形になっている。
(説明するの難しいですねー)
で、毎日の様に昇り降りしていた階段の「中身」をその側面から初めてのぞいた。

階段の「中」ってどうなってると思います?

中は空洞で、鉄の支柱でドアの前の踊り場(というのか?)を支えてあった。
「へえー、中は空洞だったんだ」
素人には小さな発見だった。

先日、近所のニッキーが遊びに来ていた時、家の中で遊ぶのにも飽きて、玄関先で息子と二人、遊び始めた。

職人さん達は帰った後だったが、「工事現場」は子供達にとってはとっても面白く発見の多い遊び場だ。
「危ないかな…」とは思いつつ、二人で喜んで遊んでいるので、そのままにさせておいた。

するとしばらくしてから、ニッキーが興奮した様に家の中に入っていて、

「ねえ!階段の下に、Trap Door があるよ!」

と報告しに来た。

「Ah?Trap door? そんなもん、ある訳ないじゃん」

と相手にしなかったが、あまりにニッキーが本当だ本当だとうるさいので、私も外に見に行った。

膝を曲げて、側面の穴から中を見ると…
確かに、ある。
てっきりただの空洞だと思っていた階段の「中」に、Basementの部屋から続くと思われる「ドア」がある。
しかも、割と新しそうである。

一瞬血の気が引いて、先月オーストリアで発見された「実娘監禁事件」を思い出した。

「ほ…ほんとにあるよ…」
「僕達の言ったこと、うそじゃないだろ?」

ニッキーと息子と私、3人通りに向かってお尻を突き出す形で、穴から内部のドアを観察していると、夫が仕事から帰ってきた。

「3人で何してるの?」

「お、おかえりなさい。この中にね、地下から続くドアがあるのよ…(顔面蒼白)」
「ええ?ちょっと見せて」

夫もお尻を突き出して、中を見る。

「確かに、あるな…」

「ね?あるでしょ?そういえば、下からなんか臭い匂いが漂ってきたことあったよね…(顔面さらに蒼白)」

「しかし、これは物置として使うのでは?」

「はい?」

というわけで、「監禁部屋疑惑」は夫の一言により、あっけなく払拭された。

「なんだーニッキー、驚かさないでよねー」

とやんややんやと家に入ったが、また数分すると、ニッキーが家に上がってきて、

「脇の小窓から、Dead Bodyが見えたよ!中にDead Bodyがあるよ!」

と報告しに来た。

「事件」でなくてがっかりしたのは分かるけど、人の家(性格には階下の家)を勝手に「監禁部屋」にしないでよね。

とりあえず、

「あの家の地下にはTrap doorがあって、中にDead Bodyがあるのを見たよ」

とか近所で言いふらさないでよね…と硬く口止め…いや、注意し、ニッキーを家に返した。

もし「北ロンドンのある家の地下に、監禁部屋に続くドアがあり、中では実の娘とその子供達を監禁している鬼畜夫婦がいる…だが妻はその事実を知らないと言い張っている」

とか尾ひれがついて噂が周っていたら、それ、嘘ですから。信用しないでくださいね。


投稿者 lib : 12:55 PM | コメント (0)

子猫騒動(coco)

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土曜日の朝5時頃、裏庭で小さく何かが鳴く声がした。
眠い目を開けて見るとなんと庭に子猫がいるではないか。ドアを開けると中に入ってきた。
みゃーみゃーとなくので、冷蔵庫を見るとミルクもなにもない。
そうだ!とツナ缶を開けて皿にだすと、ガツガツと食べ始めた。
毛並みもいいし、人間にも慣れているので多分、何処からうっかり脱走してしまったのだろう。
以前からネコか犬を飼おうかと相談をしていたので、 近所に張り紙がでて飼い主が見つかる迄、我々で面倒をみることにした。まあ、これもいいお試しの機会だ。しかし、私は猫を飼った事がないし、ダーリンは妹が飼っていたけど、自分では世話をした事がないのでどちらも素人だ。なんせ相手は生きているので、待ったナシだ。
すがる気持ちで友人に頼んで来てもらって、 餌のこと、人間のミルクはいけない、トイレのこと、、、いろいろ助言を得た。助かった。

始めは、借りて来た猫のような態度だったが、走る、走る、遊ぶ、遊ぶ、狭い所に入り込むなどだんだん暴れん坊将軍のようになってきた。 一方、かまってほしくなると周りをうろつくので、前足を2回ほど踏んでしまった。2回目は、ぎゃーと行って逃げて行った。今は、まず足下を見てから私は移動をしている。始めはこちらも全力集中で見ていて疲れたけど、なんとなくルーティンが見えて来たので、少しホッとしている。
今も私の膝の上で寝ている。
猫の名前は、ミンミン。耳が大きいのでミミ、と呼んでいたがなぜかミンミンの音の響きが気に入った。家に生き物がいるとなんか凄い物だと思う。
朝と夜が活発なので、朝起きて少し遊んであげてから、出勤するようになり、帰ってくるとまずは、「ミンミンは?」と聞くようになった。ダーリンも同じで、いつも何処にいるか気にしている。
そして、日本語でいろいろ話しかけている。
まだまだ一人立ちしていないので、何処にでもついてくるし、同じ目線が好きなので、コンピュタにタイピングしていると、キーボードの上を歩くし、マウス!のコードに興味を持つし、どこでもおかまいなしに乗ったり、噛んだりする。大事なものは、出しておいてはいけないなーと思いつつも、もし、壊されてもしかたがないのかなーと寛大な気持ちになるのは不思議だ。
猫が来て4日。いったい何処から来たの?と猫に聞いているが一向に話してくれない。
さあ、来週迄ミンミンは、我が家にいるでしょうか??
(すでにご存知の方もいるでしょうが、ダーリンが見つけたピアニスト猫のビデオは最高ですよ。)http://jp.youtube.com/watch?v=TZ860P4iTaM

投稿者 lib : 12:26 AM | コメント (0)

June 06, 2008

(Please)

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明日は早朝から9年生の歴史旅行の引率でベルギーに向かいます。

彼女らはちょうど今、第一次世界大戦について授業で学んでいる最中です。この旅行では、フランダース地方のtrench(塹壕)跡や、戦没者墓地、博物館を巡ったりします。

旅程表や大型バスの手配、ツアーガイドの手配などは完全に旅行会社にまかせるので楽なのですが、それ以外の準備は私が担当です。

今年は準備期間も一ヶ月しかなかったので、例年のように最初にある程度希望者を募るのではなく、一クラスから5人ほど選びました。来年、GCSEで歴史を選択した子、いつも授業で頑張っている子、最近、すごく伸びた子などを基準に選びました。

その後は、それぞれの生徒から保護者の許可証、Medical form(生徒の健康状態、疾患などを保護者が申告するための書類)を提出させ、旅行費用の生徒負担分である10ポンド(約二千円)を集金し、コピーをとるためにパスポートの回収します。

問題なく提出してくれた生徒はいいのですが、「親が許可をくれない」「パスポートが切れてていけない」「単に行きたくない」など、辞退する子供が10人ほど現れ、さらに困ったことに、その辞退した生徒たちのかわりに旅行に行きたいばかりに「Miss! Can I go? Can I go?」と毎日のように私に会いに来る生徒が続出。

私が担任として持ってるクラスの生徒Tもその一人。毎朝朝礼に来ると「Miss, is there any place left for the trip?」と聞いてきます。他にもうちのクラスに希望者は3人ほどいたのですが、その中でも彼女が一番積極的。

その時点では選ばれた生徒からの参加表明は全部そろってはいないものの、リスト上では空きのない状態。行けるよとは言えません。

しかも、そのTは過去3年間、度々その勝気な性格から喧嘩をしたり、授業中の教師への態度の悪さが問題になったりした生徒。

普段の授業で態度が悪かったりする生徒はもちろんかなりの注意を要する海外旅行へは連れて行けないので、どんなに本人が行きたいといってもどの子にチャンスをあげるのかは慎重に考えなくてはいけません。

ただ、この機会をあげることによって態度が好転したり、授業で頑張りだしたりする子がいるのも事実。Tも最近だいぶ成長して落ち着いてきたことに違いはないのですが。

そんな風に色々考えていた矢先、旅行に参加するはずだったうちのクラスの一人、Kがパスポートの期限が切れていることに気づいたため突如辞退しました。

さぁ、誰がかわりに行くのか。希望者の子供たち数人の目が急に輝きます。「放課後までには決めるからね。遅くとも明日の朝には教えてあげるね」とその場をおさめましたが、内心焦り。そう言った以上、私が決断しなくてはいけませんから。

結局、希望者の生徒たちの普段の態度、今まで参加した旅行の回数の多さなどを考慮した結果、Tにチャンスをあげようと90パーセントくらい心に決めた私。

そして帰り支度をしようと、オフィスの自分の机をふとみると、小さな小さなメモ(というよりも指でちぎられた紙切れ)が置いてありました。

そこに一文。

「Can you call my house if I got a space for Belgium trip?」

そして、その隅に明らかに付け加えて、(Please)と括弧付きで書いてあります。

うちの学校の生徒って「Please」と付けないで教師や友達に物を頼んだりしてよく叱られるのです。書き終わってからPleaseを付けないとまずいと思ったのでしょうね。思わずにんまり笑ってしまいました。

しかも読み終えた瞬間、誰が残していったのか直感で分かりました。Tに違いないと。

案の定、裏を見たら彼女の名前が。

これで10パーセントの私の迷いは消えました。括弧つきのPleaseに手で適当にちぎられた紙切れのメモ。彼女のなんというか、ちょっと中途半端な情熱表現に負けたというか、、、。

その後、電話越しで彼女のとても嬉しそうな声を聞いて、この子は当日も大丈夫かなと思いました。もともと参加したい動機が歴史への興味ではなく、ベルギーでのチョコレートショッピングであることは彼女の言動から明らかでしたが、まぁそれには目を瞑ってあげて。

とにかく、明日出発です。(旅行記は来週のブログで)

投稿者 lib : 11:25 AM | コメント (4)

June 03, 2008

映画「Sex and the City」を観てきました。(coco)

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子育てママから反感?を買ってしまいそうですが、
アメリカの人気テレビ番組だった「Sex and the City」の映画が公開されたので、観てきました。ふふ。
なんと!英国が世界で一番はじめの公開国だそうです。本来ならアメリカが先でしょうが、景気の悪さが映画に反映するとイメージが悪いし、興行成績にも影響がでるので、景気のいい英国?を先発にしたそうです。
嫌がる?ダーリンを同行して映画館へ。賑やかな周りの雰囲気に高揚したのか、久しぶりにオーソドックスにポップコーンでも買おうと思い、どれにしよかと値段を見てびっくり。ポップコーンに飲み物がプラスされて6ポンドもする。(8ポンドのタイプもある)
えっ!? あのポップコーンと気の抜けたような飲み物がなぜ?なぜに??そのような値段に? 映画館に依っては、荷物検査もあるとか。つまり食べ物、飲み物の持ち込みを禁止するためだそうです。そう、映画館は映画よりもこのような備品?で儲けるようです。
私は、さすがに6ポンドなるポップコーンは、買わなかったけど、周りを見ると多くの人がこの高価なポップコーン様を持っている。うーん。やはり景気のいい英国のようだ。

シートにつくと、観客がどんどん入ってくる。それもほとんどが女子のグループだ。どうもヘンナイト(結婚式前に女だけ集まって騒ぐパティー)と勘違いしているグループもいる。
席は、一杯となり、ふと見ると98%は女性だ。男性は、数えるぐらい。可哀想なダーリン。

最後のテレビ放映から4年?は経っているので、出演者は年をとっている上に大画面のアップ。これは、さすがにショックだった。うう、あのキャリーが歳をとったし、ビックだって、始めは誰か分からなかった。サマンサだって、もう裸体での勝負は難しくなってきていた。
でも、この失望もだんだん消えていき、懐かしさで食い入るように見ている私。
ここに来ている観客は、ほとんどがテレビを見ているので笑いのツボが同じ、何だかこの一体感がなかなか気持ちいいーー。サッカーの観戦と同じ。まるで同窓会に参加しているみたい。

映画の内容は、やはり見てのお楽しみにしておきましょう。でも、ストーリーにちょっと無理もあったような気も、、、、。1つだけ暴露するなら、キャリーはウエディングドレスを着ますよ。しかし、、、、、、。それと、サマンサが飼う事になった犬の好演?(調教)が笑えます。

さて、子育てママの質問、「セックス・アンド・ザ・シティ」ファンの方がいたら、その魅力をぜひ教えて下さい。の回答をいたしましょう!!私は、友人からCD(18枚)を借りて、復習を兼ねて全エピソードを数日で観ましたもの。
さて、何処がいいか。

根底は結構まじめなテーマを扱っているんですよー。始めは、よくある若い子のように、なんでもカッコよさを一番重要視するんですけど、最終的には自分に取って何がいいのか、何が大切なのかを突きつめていくんです。このストーリーの中には、親のボケやマザコンの夫、ゲイの友人、恋愛や結婚感や子供を持つ事の意味など、普通の人達の日常を扱っています。しかし、それをストレートに真面目に表現するのではなく、まあ、ちょっと遊び心でファッション性を高く(まあ、比重はかなり高いけど)取り入れての演出なので、誤解を与えてしまうかもしれませんね。
ファッションをエッセンスに取り入れた点と女性の最大の感心事の恋愛を4人の性格の違う女性(しかも婚期が迫っている!!)を扱った点で女性の共感を取れたのでしょう。

サラは、美人でないという話もあるけど(私は好きですよ。だって隣のちょっとカッコいいお姉さんって感じが)あんな愛らしい演技ができる女優もめずらしのでは?。キャリーは彼女のはまり役でしょうね。アリー・マクビールのキャリスタ・フロックハート(ハリソン・フォードの現・奥さん)のように。

まあ、好き、嫌いは宗教と同じで、平行線の論議になりますので、これくらいにしておきしょう。

投稿者 lib : 11:37 PM | コメント (2)

「セックス・アンド・ザ・シティ」

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映画「セックス・アンド・ザ・シティ」の全米興行ランキングが、「インディ・ジョーンズ」を抜いて第一位になったそうだ。

「セックス・アンド・ザ・シティ」のTVドラマの人気があるのは知っていた。
でも、私は一度も見たことがない。

だって……、サラ・ジェシカ・パーカーの顔がどーしても、どーしても、好きになれないんですう!

イギリス人にも‘Horse-faced’(馬ヅラ)とか言われているが、私はどうしても渋谷駅待ち合わせ場所に鎮座していた(今でもあるのか?)「モアイ像」を思い出してしまう。
庶民としては、やはりスクリーンやブラウン管の中では、「美しい女優」を見て、非日常の世界を感じたい。 (まあこれは主観的な問題ではありますが)
この手のごっつい顔を、どうも鑑賞する気になれないのだ。

「登場人物が身にまとう華やかなファッションや靴も見所のひとつ」
であるらしいが、40過ぎてミニスカートを履き、NYの街中で白昼堂々、ロイヤル・アスコットみたいな帽子を被って張り切っている姿は、どうしても「痛いおばさん」としか私の目に写らない。(それとも「馬」にかけたのか?)
何でも、サラ以外の3人の中の誰かは50歳を過ぎているそうで、まあそれはそれとして、お見事ではありますが。(誰なのかわからないけど)

という訳で、ドラマや映画のパブリシティがいくら氾濫しようとも、見て見ぬフリをしてきた私だが、「インディ・ジョーンズ」を抜くほどの人気だったととは知らなんだ。
(どうも興行的に、「セックス…」と「インディー…」の一騎打ちのような話になっているらしい。「中年女」と「初老男」の戦いか。私なら、中年女がHの話ばかりする映画よりも、初老男が体に鞭打って演ずる、夢と冒険の物語を観たいなあ)

「セックス・アンド・ザ・シティ」がターゲットとする観客は、25歳以上の女性だそうである。
私はターゲットに当てはまるばかりでなく、登場人物と同世代でもある。

世の女性にこれ程までに支持されている「セックス・アンド・ザ・シティ」。
その魅力が分からず、単なる「チンドンヤ四人衆」としか写らない私の目は、女として失格なのか。
それとも、
「どうせ外反母趾の私の足にはあんな靴は履けないしぃ、あんなドレス着ていく場所もないしぃ…」
と現実から目を背けているだけなのか。
もしくは、
「彼女たちの着てる服のセンスがちっとも良いと思わない」
と思う事自体、私自身がファッション音痴の「おばさん」になってしまった証か。

少し心配になって、夫に
「ねえ、ゴツ美…いや、サラ・ジェシカ・パーカーって可愛いと思う?」
と聞くと、
「馬ヅラだと思う」
と、典型的な男性視聴者の答えが返ってきたので、その人気の秘密に迫ることはできなかった。

という訳で、「セックス・アンド・ザ・シティ」ファンの方がいたら、その魅力をぜひ教えて下さい。

投稿者 lib : 03:10 PM | コメント (4)