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June 29, 2006

隣の芝生は青い

career2.gif 雨の週末が続き、ガーデニングができなかった (しなくても、よかった)。
やっと週末に晴れる。 
ワーイと言いながら、テムズの川岸にある、レストラン、ワインバー、パブに出かけた。
次の週末も晴れる。 
やったーと、中庭や外にテーブルのあるレストラン、ワインバー、パブに出かけた。

で、ガーデニングなど自分に関係のない、遠い国の奇習と思い始めた頃、久しぶりに自宅の庭に出てみて、腰を抜かす。

数週間前までは、「芝生」 だったのだが、いつのまにか総丈が70-80センチもあり、「穂先」のついた草がボウボウと生えているではないか。
風が吹くと穂先がそよそよと揺れる。 爽やかな風に吹かれて草原の中にたたずむ私。 
気分は 「アルプスの少女」 あるいは 「サウンド・オブ・ミュージック」

・・・なんて、うっとりとしている場合ではなかった。 この植物はいったい何?

芝生が成長してこうなるはずがない。別の品種じゃないの?
・・・そう言えば、思い当たる節がある。
ヘンリー8世のハンプトンコートや名門ゴルフコースなどで見かける青々とした芝生には美と品格がある。 英国王室御用達、これぞ由緒正しい芝生の姿であり、うちの芝生に比べると色、つや、華やかさがまったく違う。 種類が違うのでは、という漠然とした疑問。
ひまわりを右手に、たんぽぽを左手に持たされ、「ほーら、同じお花でしょ?」 と言われているような納得がいかないものを今までずっと感じていたのだ。

偽物だったのか、うちの芝生? 「芝生もどき」だったんだな!

と、友人に話したら、これはやっぱり芝生が育ったものと、あっさり判明。
「でも、普通はそこまで伸ばしっぱなしにはしないよ」とバカにされた。
こうしてガーデニングが後手後手に回るのは 「肉体労働」 が苦手だからだ。
嘘、言い訳、丸め込み、悪だくみ、といった方面の 「頭脳労働」 は得意なのだが。

しかたがない。 ガーデナーを雇うか。

日本の両親の家には年に何度か、庭師のおじさんが来ていた。
「無口な庭師、職人肌の源さん (仮名)」みたいな人で、子分、ではなくて、見習いみたいな人とテキパキと仕事をし、葉っぱひとつ残さないように片づけて帰っていった記憶がある。

源さんに海外出張を頼めないので、現地調達しなければならない。

今までとった方法としては、
1. 家に配られてくるチラシの庭園業者に連絡する。
2. 近所の店の掲示板で宣伝しているハンディマン(便利屋)に電話する。
3. 自分で掲示板に 「庭仕事してくれる人を探しています」の張り紙をする。

その結果は、
1. 庭園業者はイギリス人だが、口ばかりでドタキャンが多く、当てにならない。
2. 使い方がわからなかったらしく、オーバーヒートさせて芝刈り機をおしゃかにしたスロバキア人。 植木はさみで刈ると言い張ったのはいいが、半分で力尽きてしまい、庭の半分を「虎刈り」にしたまま、姿を消したポーランド人。 ハンディマン(便利屋)が、雇い主にハンディキャップ (不利益)を負わせてどうする?
3. 張り紙をしたら、「ルワンダの出身です」「ソマリアから来ました」などと、こちらが泣きたくなるほど英語のできないエキゾチックな人ばかり電話してきた。 何語で仕事の指示すればいいんだろう?

いやな思い出が脳裏に浮かぶ。

と、モタモタしているうちに、芝生はさらにスクスクと育ち、すでに象の一家が棲んでいても不思議ではない「ジャングル」になっている。 
重い腰 (総重量4トン見当)を上げ、今回は自分でガーデニングをすることにした。

「花粉を通しません」という日本製の高性能マスク、目を守るサングラス、頭にはタオルという姿はどう見ても「反政府ゲリラ」。
(近所の人に見られたら、警察に通報されるかもしれない) とちょっと心配した。

小さな庭だが、「ジャングル」から「芝生もどき」の状態にするのに3時間。
しかし、その甲斐があって、芝刈り後特有の青臭い草の匂いがたちこめ、日本の夏、玄関先に「打ち水」をしたようなすがすがしい気分だ。 

芝生よ、芝生。 このまま二度と伸びないでね。 (無理か・・・)

投稿者 lib : 09:15 AM | コメント (1)

June 28, 2006

生活の知恵??

darling.gif  ロンドンでパトカー、救急車、消防車のサイレンを聞かない日がないくらい、
あちらこちらでそれらが走っている。
ダーリンは、車を運転しているときに、
これらのサイレンを聞いたら、すぐに何処にいるのか確かめ、
その車を先に行かすように道を譲るジエントルマンだ。

と言えば聞こえがいいが、実は、それらの車を先に行かして安心したいのだ。

サイレンを鳴らせばいいとばかりにすごいスピードを出し、暴走しているパトカーなどを見るが、
実は英国、これらの車による事故が大変多いそうだ。

そう、我々も目撃してしまったのだ。

昔、我々が学生だった時、二人して日本食品店で働いていた。
(うーん、懐かしいな。)

私は、魚カウンターでお客さんの相手をしている時に、
サイレンが聞こえ、パトカーが凄い勢いで何台も走って行った。
何かあったか知らないが、反対車線に入るわ、追い越しはするわ、
相当早く行かないといけない事件でもあったのだろう。

丁度その時、ガッチャーン!!という音が聞こえた。
見ると店の前に駐車している車にパトカーが正面衝突をしたではないか。
お客の一人が『あーあー、ついにやっちゃった。』と誰もが予感していたことをつぶやいた。

すると 一瞬おいて、目の前にいたお客さんが、
『あ!!俺の車だ!!』と慌てて出て行った。

『えっ!』と店にいた客が、自分の車でなくてよかった!!という気持ちとともに、
同情心で事の成り行きを見ていた。

ああ、やっぱり映画の用にカッコよくはいかないなー。
急いでいるはずの警察官は加害者になり、被害者にいろいろ説明している姿は、なんだか哀れ。

戻って来たお客様に聞いたら、連絡先ももらったし、警察だから大丈夫だろうと言うので、
そう、こんなに目撃者がいるのだから、大丈夫よ。と励まされていたな。
その後、警察からの連絡があり、車はすっかりきれいに修理してもらったそうだ。

これを見て以来、サイレン=暴走した車=ぶつけられる!!
というイメージがしっかり出来上がってしまった。
だから、サイレンを聞いたら、歩いていても、運転していてもしっかりと
それらの車を注意する習慣になった。
これも生活の知恵??

投稿者 lib : 09:39 AM | コメント (0)

June 27, 2006

ロンドンママ達の人生いろいろ フィオナの巻 1

mama.gif    以前、「生活保護受給系」シングルマザーの話を紹介した。(12月5日の「マンディの巻」)
しかしさすがに人材(?)の幅の厚いロンドン、人も羨む生活をしているシングルマザーもいる。

うちの隣の未亡人、フィオナがそうだ。
7ベッドルームの豪邸に、3人の美しい子供たちと住んでいる。
大きな庭は定期的にガーデナーが手入れし、生垣は常に美しく刈り込まれている。
誰が見ても「金持ち」と分かるフィオナ邸、これまでに何度も空き巣の被害にあったそうだ。
(お陰でうちは泥棒に入られる心配がない。隣があるのにうちに来る間抜けな泥棒もいないだろう。
金持ちの隣人を持つ事は、最大の防犯対策なり)

ブロンド、美人でスタイルも良いフィオナ、生活感など微塵も感じさせない。
着ている服はカジュアルだが、色使いや細かいデザインが気がきいていて、いかにも高そうだ。
車はほぼ毎年買い換えている。今の愛車はミニ、その前はレンジ・ローバーだった。
車選びからも垣間見える、このミーハーさも素敵だ。

そして、これが一番の謎なのだが、彼女がスーパーの袋を抱えて家に入るところを見た事がない
かと言って、オンライン・ショッピングの車が彼女の家の前に停まる訳でもない。
美人は食べなくても生きられるのか?

仕事は「TVコマーシャル・プロデューサー」だそうだ。
しかし毎日仕事に出ているわけでもなさそうだから、フリーランスなのだろうか。
それにしては生活が優雅だ。
おそらく亡夫が遺産を沢山残してくれたのか・・・下世話で申し訳ないが。

このように嫌でも目を引く彼女だから、当然ファンが多い。
しかも「未亡人」とくれば、近所の男達は、何か彼女の手助けができることはないかと日々、目を光らせている。

つづく

投稿者 lib : 09:54 AM | コメント (1)

June 22, 2006

インド人の逆襲 その2

career2.gif 私は冷静に会社の変更と契約のキャンセル、請求書について説明した。 
オペレーターはしばし沈黙したが、私の話なんか聞こえなかったように、
「お金を払ってください」と言う。
だから、と説明をくりかえす。
「私はあなたの電話会社の加入者ではありません」
今度の沈黙は少し長かった。 で、
「・・・マネージャーと代わります」
私はホッとする。 これで話が通じるだろう。

ところが・・・。 

「僕はマネージャーのX%&#です」
はい、はい、もう名前なんか、どうでもよろしい。

私はもう一度、ここ数ヶ月の状況を説明。 すでに 「口にタコ」 ができている状態だ。
「・・・と、いうわけで、私に請求書が来るのは納得できません」
彼の英語はわりと聞き取りやすかったが、またもや、おごそかにこう言い放った。
「早く、請求書のお金を払ってください」

あのね、うちの家には眠っている間に、大判、小判がわいてくる米びつはないのよ。 (日本人以外にはわかりにくい表現だな) お金が有り余っているわけじゃないのに、どうして加入もしてない電話会社の請求書を払わなければならないの?

「払わなければ、裁判所に行くことになります」
上等じゃないの。 出るとこに出て、はっきりと決着をつけようじゃない。 望むところよ。
「キャンセルを連絡した手紙のコピーはすべて保管してあります。 いつでも提出できます」
「手紙のことは知りません。 お金を払ってください」
「同封してあった封筒で、カスタマー・サービス宛に出しました。 それも一度ではありません。 内部の連絡ミスは貴社の問題であって、私の責任ではありません。 消費者協会に訴えますよ。 なぜ、キャンセルされていないのですか?」
「・・・とりあえず、お金を払ってください」
キィー! 
小学校のときに「質問の意味をよく考えてから、答えましょう」と習わなかったのか?

結局、他の部署にもう一度連絡を取るから、そう言って、こちらから電話を切った。 
怒鳴りはしなかったが、頭から大量の湯気が出た。冷凍シューマイでも頭に載せていれば、ホカホカに蒸されているところだ。

もう一社の電話会社 (旧) はイギリス国内にコール・センターがある。 オペレーターにつながるまでに流れてくる 「グリーン・スリーブス」の曲を30回くらい繰り返し聞かされてから、やっとイギリス人オペレーターと話すことができた。 その人に調べてもらう間、さらに 「グリーン・スリーブス」 20回ほど聞いた。 やはり 「ダブル請求書」 問題は簡単な連絡ミスのせいだった。

友人や同僚に、「この前、インドのコール・センターでねえ・・・」と言うと、内容を聞く前から大笑いされることがわかった。 どうやら、たいへんな目にあっているのは、私だけではないらしい。 
「インドなまりの英語というよりは、英語なまりのインド語で、何を言っているのかよくわからないが、相手は自分が英語を話していると信じているので始末が悪い」
「手紙や書類がやたらと消えうせるが、知らぬ存ぜぬの一点張り」
「トラブルがあっても解決しない、する気なし」
コール・センターを開設する前に、スタッフ・トレーニングを徹底してよ、頼むから。

それ以降、銀行や業者を選ぶ際、「当社のコール・センターはイギリス国内にあります」という一文に注意することにしている。 
「グリーン・スリーブス」 が耳にこびりついてしまうのが難点だが。

と、ある日、またその電話会社 (新)から請求書が来ていた。 ただし、請求額はゼロ。 
他の電話会社 (旧)の加入者だとはっきりしたでしょ? 手紙を送るのはやめてくれる? 

このまま、一生つきまとわれるのはいやなので、次の新月の夜、この請求書をわら人形の中に封じ込めて虫ピンで刺し、とかげの黒焼きと共に庭の片隅に埋め、盛り塩をしておくつもりである。 

それでも、翌朝、土にまみれた請求書が枕元に戻ってきていたら・・・。
いやだなあ、こわいなあ。

投稿者 lib : 09:16 AM | コメント (1)

June 21, 2006

妊婦

darling.gif  知り合いの英国人が妊娠4ヶ月だ。
しかし、彼女のお腹はどうみても6ヶ月以上だ。
だれもが冗談で双子?三つ子なの??と聞いている。

しかし、スキャンをしても1人しかいないそうだ。
会うたびにどんどん大きくなっている。
大きなお世話だが、ちょっと心配だ。
そのせいか妊婦のお腹が気になり、最近は目の視線が人々のお腹にある。
こうして気にしてみうると英国は妊婦が多い国だ。
BBCのキャスターなんて妊婦ばかりだし。
日本のように少子化で悩まなくてもいいのはうらやましい。

しかし、お腹から視線を上に移すと、
どうみても子供を産める年頃でないオバさんやどうも妊婦でないただ腹がでっぱっている女や
オヤジや兄ちゃんがわんさかいるではないか!!
うーーん、妊婦ではない人間がこんなに大きなお腹をしていていいのだろうか。

いや、いけません。

肥満→成人病→成人病→病院に行く。となれば、
ただでさえ順番待ちの長いNHSシステムに問題が起こるし、
そのせいで税金が上がってしまうではないか!!
シングルマザーに、超肥満へのボランティアはごめんだ。
いつもこの国では普通の人が損をする。
肥満の問題は、アメリカの10年後を追っている英国だと言われている。
そう、10年たったら、ただでさえ狭い地下鉄が窮屈になるし、暑苦しくなるよー。

しかし、洋服のメーカーもいけない。
女性の洋服なんて、20号というサイズが、
国民的デパート、マークス&スペンサーには、当たり前の用に売っている。

先日は、40ストーン(約240キロ)の女性が、減量の方法として脂肪をとる手術のシーンをテレビで見せていた。

ダーリンは気持ち悪くなると言ってみなかったが、私は真剣に見ていた。
それは、鶏の皮をむくとたまに見かける脂肪の固まりと似たようなものが、
メスをいれた皮の下一面に広がっているではないか。

そうか、脂肪の正体はこうなっているのか。
ちょっとこれは大変ではないか!
と、そーとお腹に手をやると、まずい!!、 ダーリンと私も脂肪のあるお腹をもっている。

明日から間食を辞めようと心に誓うが、ストレスで食べる習慣を今度はなににしようか。
お買い物に走るのも家庭の問題崩壊を起こすし、お酒もアル中になるしね。
禁煙が難しくギブアップする人のように甘いものを辞めるのは難しいな。

しかし、あのテレビ以来、街で見かける超おデブちゃんをみると、
いろいろストレスがあってそうなったんだろうなー。と同情する反面、
あの脂肪を見せてあげたいなー!!

投稿者 lib : 09:48 AM | コメント (0)

June 20, 2006

イギリスのサービス業 カウンシル編 2

mama.gif カウンシルに枝を切る許可を請う電話をすると、なんと剪定の手配もしてくれ費用も持ってくれるという。

自腹を切らないといけないと思っていたので、これは嬉しい誤算だった。

もちろんお願いし、後はカウンシルからの連絡を待った。

しかし。

やはりお役所である。待てど暮せど連絡は来ず2ヶ月が過ぎた。

徒歩10秒の隣から、再び書留が届いた。

内容は言わずもがなである。
プレッシャーをかけられた夫がカウンシルに連絡した。
いつも通りの「順番待ちだからいつになるかわからない」という対応だったが
かなり強い口調で不平を訴えると、電話の相手が上司に代わると言う。

上司に事のあらましを説明すると、
「連絡してくれてありがとう。すぐに対処します」
との事。
お役所でも、上の方の人はやはり話が分かるのか?

具体的な日にちは提示されなかったものの、この上司は信頼できそうな印象だったので一安心し、
私達は買い物のため家を空けた。

2時間ほどして戻ると、家の塀の前で、なにやら例の大木を双眼鏡で見上げている男達がいる。
聞くとカウンシルから派遣されたという。
なんだ随分早いな、やっぱり上に話をすると違うな、などと夫と喜びつつ、
装備も整っているようだしすぐに仕事を始めてくれると思いきや。

男「今、視察をしていたんだが、木の上に鳥がいる」

私「木だから鳥くらいいるよね、それが?」

男「その鳥が巣を作っている。」

私「だから?」

男「条例により鳥が巣作りをしている時は木を切ることができない。だから帰る。」

なにいい~~~!

せっかくここに、作業員と装備が揃っているのに帰るだと?
ここで彼らを帰らせたら、また呼び戻すのに何ヶ月かかるか分からない。
必死で引き止めたが、何を言っても「条例だから」「条例だから」と呪文の様に繰り返し、彼らは去ってしまった。

事前連絡なしの突然の来訪は、うちが留守であることを願っての奇襲作戦だったのだろう。
なんくせ理由をつけて、仕事しないで帰ろうと初めから計画していたに違いない。

夫がカウンシルに電話し再び強く苦情を述べると、またもや
「なるべく早く対処します」
との返事。

具体的な日程は言わないので、また待つしかない。

Xデーは、その数週間後に来た。

ある日の早朝、爆音で目が覚めた。
何事かとカーテンを開けると、目の前に、木の上で枝を切っている男がいた。

またしても予告なしの奇襲作戦。
運悪くその日はゲストが止まっていたのだが、爆音で起こされた彼女も目を丸くしていた。

作業を終えた男たちはさっさと引き上げていった。

まあやる事はやったのだからいいとするが、全く彼らを働かせるのは大変だ。

次回は、木で食事中のミミズ、昼寝をするリス、出産中のアリなどの有無を確認し、避難勧告を出した後、万全の体制で奴らと渡り合う所存である。

投稿者 lib : 10:58 AM | コメント (0)

June 15, 2006

インド人の逆襲 その1

career2.gif イギリスにはインド系の人が多い。 
もちろん、バングラデッシュ出身とか、スリランカ出身とか、パキスタン出身とかを 「インド系」 と、ひとくくりにするのは宗教上の問題もあって乱暴なのだが、基本的に「あのあたり」の人たちだ。

私は最初に住んだ「外国」はアメリカだったので、イギリスに来て、 「インドの人が多い」 と素直に驚いたものだ。 アメリカにはヒスパニック系の人がたくさんいたが、インド系の人にはほとんど会わなかった。

そのうち、イギリスに住むインド系の人が私にとってどれだけ重要な仕事をしているのかがわかった。

まず、インディアン・レストラン。 イギリスのインドカレーはコリアンダーがきいているらしく、慣れるまでには少し時間がかかったが、すっかりはまっている。 会社では女性だけが所属する 「カレー友の会」があり、1、2ヶ月に一度カレー・ランチを楽しんでいる。 午後は全身からスパイスの匂いがプンプンして、誰もそばに寄ってこない。 おかげで仕事を頼む人もなく都合がいい。

オフ・ライセンス (酒屋)。 なぜかインド系の経営が多い。 友人によると、営業時間が夕方以降にかかるような商売をイギリス人はいやがる。 で、働き者のインド系の人たちがどんどん進出してきたのだそうだ。 たしかに夕方5時に酒屋が閉まっては、私の人生に大きく影響がある。 近所の酒屋もインド系の人たちがやっているが、私の顔を見ると何も言わずにいつものワインを棚から取ってくれる。
(きょうはビールにしようかな) と思っても、7ポンド99のワインがすでに袋に入っていて、いまさら99ペンスのビールを頼みにくいような、うむを言わせぬサービスである。 

ニュース・エージェント (新聞、雑誌、お菓子の小売店)もインド系のオーナーが多い。 会社のビルの隣の店のおじさんもそうだ。 ランチをダイエットのためにサラダにするとお腹がすく。 で、栄養補給のためにお菓子を買いに行ったりする。 (無意味で不毛な行為といえるな)
このおじさんは、「うちで売っているチョコレートはノー・カロリー」 と、女心のすきまに入り込むような嘘をつくので、たいへん気に入っている。

このようにして、インド系のイギリス人とは友好関係を築いていると信じていたのだが、とんでもない出来事があった。

ガス会社が2社、電力会社が2社、電話会社が2社からダブルで請求書が届くようになってから数ヶ月。 (3月16日と22日のブログを参照のこと) 何度も手紙を出しているのだが、請求書が送られてくる以外には連絡がない。 文通 (ただし一方的)にもすっかり飽きてしまって、しばらく放っておいた。

と、ある日、自宅に電話が入る。
「こちらは@¥会社です。 #&様ですね」
「は? どちら様で?」
「@¥会社です」
「・・・よく聞き取れませんが、どちらの会社ですか? どちらにおかけですか?」
「@¥です。 #&様ですよね」
「?」
インド系の人独特のくせのある英語なのは顔を見なくてもわかる。 が、何度聞いても会社名も私の名前も聞き取れない。 それでも、何となく、オペレーターは正しい相手と話していることに確信を持っている感じである。

「今日は @¥::$&#¥? ところで &&$%@+¥@# でしょうか?」
な、な、何なんだ??? 
「雰囲気は英語」 だが、実際に耳に聞こえてくるのは 「他の言語」。 まるで、漂ってくる香りは 「バラの花」 だが、鼻先に突きつけられているのは 「たまご豆腐」 というシュールな違和感がある。 

(あなたの英語はよくわからない)と、のど元まで出かかったが、しょせん、こちらも外国人。 じゃんけんで相手のパーに対して、チョキを出さずに同じくパーを出してしまい、「だって、おあいこじゃないの」 と言われる情けない立場になりかねない。

「*&$¥ 請求書 *%$#¥*+%?」
そのうちに請求書という言葉が聞こえた。 どうやら電話会社 (新) が「未払い」になっている請求書にしびれを切らしてかけてきたらしい、と「推測」する。 試しにその電話会社名を出すと、そうだと言う。
・・・どうして会社名が聞き取れなかったのだろう?

続く

投稿者 lib : 08:06 AM | コメント (0)

June 14, 2006

ワールドカップ

darling.gif  サッカーの世界大会が始まった。
私はこのお祭り騒ぎが嫌い。
だって、何処かの国が勝てば車のクラクションを鳴らしぱっなしで走るわ、
馬鹿なファンは、ビール片手に電車、街、店の中と所構わず騒いでいるからだ。
そう、だからサッカーというスポーツは好きなのに、
サッカーにまつわる人がイヤでドンドン嫌いになっていく。

あるアンチサッカーファンが言った。
「今の時期は、運転しやすいわよ。」

「なんで?」

「だって、どの車を避ければよいかすぐ分かるもの。」

「????」

「国旗をつけている車よ。1つつけていれば、脳の半分がやられているし、2つ以上つけていれば全損ね!!」

ふーん。英国人でもここまで嫌いな人もいるんだと、ちょっとうれしかった。

理解できないのは、なんで皆と一緒に観戦するのか。
すごいのは、ドイツまで行っているのに会場外で観戦していることだ。
その人の数は凄く、水を買うのにも1時間30分も並ぶとか。
ご苦労なことだ。

英国内でも、いたるところで特設会場が設けられみんなで観戦しているようだ。
一体感が好きなのは、わかるけど、
誰と見るかで家庭内をもめさせるサッカーって、いたったいこの国のなんなの??

どうもこの異常な騒ぎは英国だけではないようだ。
日本では、時差があるので日本の試合が明け方になる日がある。
そんなテレビ観戦の極意なるものが新聞に掲載されていた。
観戦の前に仮眠と、昼間の仮眠で仕事を乗りきり、これ以降量より質の睡眠ライフスタイルにしよう!!
とまでポジティブにしている始末。

ああ、みんなはこうした言葉や雰囲気に乗せられて、
旗を買い、公式シャツやグッズを買い、高いチケットを購入して
世界の経済に貢献していると思いきや
ただ一部の人の利益に協力しているのを理解しているのだろうか??

幸いダーリンもサッカーにまったく興味がないので、
我が家は、静かな夏を送っている。

投稿者 lib : 09:43 AM | コメント (0)

June 13, 2006

イギリスのサービス業 カウンシル編 1

mama.gif   我が家のフロント・ガーデンに大木がある。

ロンドンの都心に近い場所だが、リビング・ルームの大きな窓から見ると、「小さな自然」のシアターの様である。
リスや鳥が遊びに来たり、夏は緑の葉が生い茂り気持ちをなごませてくれる。
外からの目隠しにもなるし気に入っている。

だが長年ほったらかしにしているので、枝が張り出してきている。
強風が吹くと、ゆっさゆっさと揺れて今にも窓を突き破りそうだ。

剪定をしなければなるまい。

だが緊急でないことは後延ばしにする性格で、「そのうちに」「そのうちに」と思いつつ、数年が過ぎてしまった。
(同じようにそのうちに、と思いながら手をつけていないことが家の中のところどころにある。見ないふりをしているが)

ある日、一通の書留が届いた。

隣家からの手紙だった。徒歩10秒の隣から書留郵便。
何事かと思い読むと、例の木に対する苦情だった。

要するに、我が家の敷地内にある木が、隣家のプロパティにダメージを与えかねない。
即刻しかるべき処置をとるように、そしてこの手紙はコピーをとって保険会社にも転送するように、ということが、えらくフォーマルな文面でしたためてあった。

普段、普通に挨拶を交わしている隣人からだったので驚いたが、まあどうせ、やらなければとは思っていたのでいい機会だと思い、よっこらしょと思い腰を上げることにした。
剪定してくれる業者を探さなければ。
いったい幾らかかるんだろう。

しかし木を切る前に一つ、やらなくてはならない事がある。

我が家のある地域は、コンサベーションエリア(保護管理地区とでもいうのだろうか?)に指定されていて、自分の敷地内の木であってもカウンシル(役所)の許可なしでは、枝一本切ることができない。
ちなみに家を改装するのも許可がいるそうだ。

この手続きが面倒くさいのも剪定を一日のばしにする原因のひとつだったのだが、仕方がないのでカウンシルに許可を請う電話をした。

つづく

投稿者 lib : 10:01 AM | コメント (0)

June 08, 2006

ライフ・コーチ

career2.gif 「ライフ・コーチ」 の 「セッション」 を受けてきた。

パーティで会った50代の女性で、名刺に 「ライフ・コーチ」 と書いてあったので、何をする人なのか聞いた。 精神科医でもなく、人生相談でもない。 人生の問題点を見つけたり、将来の方向性を一緒に探ったりする仕事だそうだ。 
・・・よくわからない。

よくわからないので、一度セッションを受けることにした。 目新しいことは一通りやってみる主義である。

渡された住所に行ってみると・・・すごい高級住宅地。 大邸宅が並ぶ通りできれいに手入れされた前庭が美しい。 家を出たときは元気いっぱいで、何ひとつ問題を抱えていなかった私だが、金がうなる音がゴーゴーと聞こえるような界隈を歩いているうちに、だんだん 「貧乏人コンプレックス」 が形成されていくのがわかる。 なんだか、本末転倒だけど。

「あら、いらっしゃい」 と、にこやかに迎える姿は裕福なイギリスの主婦そのもので、
(この人、お金なんか有り余っていて、本当なら働かなくてもいいんだろうなあ) と余計なことを考える。

さあ、どうぞ、と通されたリビングルーム。 インテリア雑誌に出てくるようなおしゃれな空間で、私の家が一軒すっぽりと納まった上、たたみの2、3畳ぶん、おつりが来てしまいそうな大きさだ。

優雅にハーブティーを入れてもらったあたりでは、物見遊山の気分も消えて、自分の生活レベルがすっかりイヤになってきていたぞ。 
「あなたはお金持ち、私は庶民。 この格差はどこから来ているのでしょう? 不条理ではありませんか。 私の人生設計は間違っているのですか?」 と、思わず涙ぐみながら相談しそうになった。

が、私は人間性に深みがなく、物事を浅く考えるタチなので、すぐに立ち直る。(回復に要した時間は約3秒)
それから、彼女の資格や生活ぶりとか、どんな人が 「教えを受けに」 来るのか、いろいろ質問した。

イギリスにはいろいろな個人向けコンサルタントが多く存在する。 ビジネス・コンサルタント、ファイナンシャル・アドバイザー、スピーチ・コンサルトント、マナー・コンサルタント、ファッション・コンサルタント、ショッピング・アドバイザーと、いろいろある。 
専門家による大人のための家庭教師みたいなものか? ライフ・コーチもこの延長線上にあるように思われる。

しかし、ちょっと考えさせられた。

占い師         (学歴不詳、霊感持ち)1時間 30ポンド
パーソナル・トレーナー (体育系の学位持ち) 1時間 40ポンド
ライフ・コーチ     (博士号持ち)    1時間 60ポンド

彼らに共通しているのは、知らない人 (クライアント) がやってきて、悩みを打ち明ける。 占い師の場合は恋のゆくえとか、パーソナル・トレーナーの場合は万年デブを治したいとか、ライフ・コーチの場合は昇進するための処世術とか。
で、自分の専門知識を使って、クライアントにいろいろとエラソーなことを言うのである。

似たような仕事にもかかわらず、この料金の違いというのは?  人間、学歴ではないというが・・・。 受験生に聞かせるとプレッシャーを大きくしてしまいそうだ。

さて、このライフ・コーチによる私という人間の評価は、
「やりたい事がわかっていて、そのために何をやるべきかもわかっている。 ライフ・コーチは必要ない」 ということであった。 
・・・わざわざ何しに行ったんだろう、私。

「幼児期のトラウマにより、金魚とミドリ亀が怖いですね? これを分析すると、あなたには南の島に住んで漁師になりたいという隠れた願望があります。 その夢を実現させるために、まず、トロール船の操縦免許を取りなさい」 などと予想もつかないことを言われれば面白かったのに。

前世療法、催眠療法、精神分析などの他に、白魔術、黒魔術、霊媒による霊おろしなどの「セッション」に参加し、主催者の学歴と資格に対する、料金との相関関係表の作成をしようかと密かに考えている。

投稿者 lib : 08:16 AM | コメント (3)

June 07, 2006

ロンドン歌舞伎公演

darling.gif  ダーリンのおかげで今ロンドン公演をしている歌舞伎のレセプションに連れて行ってもらった。
今回は、市川海老蔵がメインの公演で「藤娘」「かさね」の2本立て。
舞台が終わってからのレセプションには、お父様、団十朗も参加した。

実は、 団十朗の大ファンのわたし。
こんなロンドンで、いやロンドンだから会えたのだ。
他人に割り込む隙を与えず、話はさせてもらうは、サインはもらうは、
写真も一緒に撮るなどファンとしては大満足な一日だった。

しかし、やはり父として、母として舞台に立つ、息子を見るのは、常に心配なのだろうなー。
という人間的な部分も見えた。

お母様が
「お客様の反応はどうでしたか?」
とずうずうしくもその場を離れない我々に聞くので、

「こちらの人は、感銘を表現するのが日本とちがうけど、最後に立ち上がってまで、
歓声と拍手をする人々を見てもかわりますが、大成功ですよ」

というと、ちょっと目のあたりがウルウルしていたように見えた。

梨園に住む。という人々を勝手に想像していただけに、
息子を心配する普通の母親と変わらないので、なんだか嬉しかった。

団十朗もとてもファンへのサービスが上手で、よくお話してくれた。
さすがだ!!


舞台には、花道も設けられ、狭い舞台をうまく使っていた。
「藤娘」は、オープニングのパッとした艶やかさと音楽と踊りが見物。
2つめの「かさね」は、クライマックスに迫力があり、観客も大変満足したようだった。

ちなみに歌舞伎の特徴『かけ声』、この公演のかけ声をやられている人は、日本人ではないそうだ。
このかけ声、実はタイミングが難しい。
これがはずれるとなんともカッコわるいし、役者も気分が乗らない。
だから、歌舞伎をかなり知っていないとかけられない。
日本の文化のひとつ、歌舞伎にこれほど精通している人が外国人だなんて、
頭が下がる思いだ。

実は、私も恥ずかしいが、ダーリンのお陰で歌舞伎を見始めた。
これが見始めるとハマって行くんだよねー。
難しいとか分かりにくいとか言われるけど、実は歌舞伎は江戸時代の大衆文化。
始めにストーリさえ、何となく分かっていればおもしろく見られる。
日本で観劇するより安いので、この期間にぜひ、見に行ってみは?
最終日は6月11日です。

僭越ながら演目と簡単な解説です。

「藤娘」
踊りの演目。衣装が数度変わること、海老蔵が女形として演じることが見所です。

「かさね」
恋人の与右衛門(市川海老蔵)を追いかけて木下川堤で追いついたかさね(市川亀治郎)は、一生懸命に恋心を訴えます。
川に流れてきたドクロとお塔婆。
これは、かさねの父のもので、与右衛門が殺害したとこがわかってしまいます。
父親の怨念がかさねに乗り移り、彼女の顔が醜く変貌。
そして、かさねをも殺害する与右衛門は、典型的な色男だが悪役さをたっぷりと演じています。
また、この場面を通して流れる清元の旋律が名曲だそうです。
クライマックスは、殺しの場面における橋上での数々の見せ所。迫力があります。
 

投稿者 lib : 09:29 AM | コメント (0)

June 05, 2006

オリ専な人々 その3

mama.gif  怖い話もある。

BBCプレゼンターのジル・ダンドーが数年前に自宅前で射殺された事件があったが、この犯人もオリ専だったらしい。
「僕はフレディ・マーキュリーの従兄弟なんだ。」と言って自宅に連れ込むのが常套手段だったそうだ。
彼の前妻は日本人で、この事件があった頃に新聞のインタビューを受けていた。

またもや友達の友達の話だが、(センターポイントオヤジの件とは別人)この犯人が事件を起こす前、彼に遭遇したことがあるそうだ。
道で声を掛けられ「フレディ・マーキュリーの私物が沢山あるから見に来ない?」と誘われたという。
幸い彼女は、フレディに対して、
「全身タイツのゲイオヤジ」
程度の認識しかなかったので、「そんなもの、見たくないわ、ボケー!」と言って撃退したそうだ。

彼が逮捕されたとき、TVで彼の写真を見て
「あっ。あの時の!」
と驚いたという。

実は私は中学生時代、クイーンファンだった。
声を掛けられていたのがもし私だったら、へらへら付いていってしまったかも。
危ない、危ない。
(一応断っておくと、クイーンの音楽性の高さが好きだったのであって、レオタードが好きだったわけではない。ちなみにルックス的に好みだったのはブライアン・メイです。どうでもいいんだが。)

話はかわるが、そういう訳で、ブリティッシュ・ロック好きだった私にとって、今回のポール・マッカートニー翁の離婚は痛ましい限りである。
メディアも慰謝料の金額ばかり詮索して、なんだかなあ。
おまけにヘザーはTVでインタビューに答えることを考えているそうではないか。
翁もとんでもない女に捕まったものだ。

ポールよ、ブロンド女ばかり追いかけるからいけないのだ。

次は黒髪にしてみたらどうでしょう。オリエンタルはいいよーっ。
て、勧めてどうする。

投稿者 lib : 09:44 AM | コメント (0)

June 01, 2006

ご近所(その1)

darling.gif  我が家は、グランドフロアー(日本でいう1階)に住んでいる。
2階の住人は、2人の子供を抱えたシングルマザー。
3階は、なんと17才で子供を産んだこれまたシングルマザーだが、ボーイフレンドと住んでいる。
2人の共通点は、家をタダで借りていることだ。

この国は、恐ろしいほどシングルマザーに寛大だ。
家は供給するし、食べるためにお金も差し上げている。いいなー。

以前、TV番組を観ていたら、
子供が6人いるが両親は無職なので、カウンシェル(市役所みたいなもの)から結構な金額をもらえると言っていた。
正確な金額は憶えていないが、
一般の夫婦共稼ぎの収入と同じくらいを何もしなくて貰っていたぞー。
どうもこの国では、働くよりも子供をドンドン産んだほうが、儲かる仕組みになっているようだ。

だから、ご近所2組を見ていると、うらめしいし、時には腹が立つ事も多い。
まずは、一日家にいるのだから、
もっと家の中を綺麗にしてもいいかと思うけどできない。
共同スペースだって、お菓子のくず、自転車の泥などなど汚し放題!!
そして、綺麗に使っている私が毎週掃除機をかけている。
だって、我が家が1階だからねぇー。

偏見だが、概してこういう人たちちょっと変わっている。
2階のママは、考え方がヒッピーだ。
11才の子供に鍵を持たせない。どうも合鍵を作っていない。
だから子供はちょっと近くの店に買い物に行くときは、フロント玄関を締めて出かけない。
風なんてあったら、どうぞいらっしゃい。とばかりにドアが全開している。
10分、時には20分、ドアは開いたままだ。

ちょっと、ここは、ロンドンだよ。それも決していいエリアじゃないのよ。
以前だって、自転車が盗まれたし、
あんたたちのベビーカーだって、置いてあるじゃないのよー。
それなのに、なんで玄関を締めてでかけないの??

我が家は、1階なのでハラハラしている。
住んでいるのは、あんたたちだけでないんだよ。

ある時、見かねてダーリンに手紙を書いてもらった。
面倒だが,安全のために鍵をかけてね。って。
そしたら、そういう気持ちを持つと泥棒を呼ぶ。って、反対に意見をされてしまった。
・・・・・・・
まあ、その後は鍵をかけて、出かけてくれるけどね。

だからといって決して我々と仲が悪い訳ではない。
家にちょっと呼ばれて話をすることもある。

始めてあった時には、
今は、こうして子供を育てているシングルマザーだけど、私は芸術家よ。といって作品を見せてくれた。

見せてもらった絵の印象? う〜ん、芸術は難解だなー。って感じ。

彼女が越してきたときは、まだお腹は大きくなかったが、
だんだん大きくなり、男の子を産んだときは、お父さんは何処?というほど、
誰も尋ねてこない静かな家だった。
いろいろ話を聞いていると、子供はもう一人いるらしく、別のところに住んでいるそうだ。
そして、子供のお父さんは全部違うとか。

ふーん。

あるときは、庭に紙が落ちていた。
何だろうと思い、悪いけど読んでしまったが、
それは、彼女の娘への手紙だった。

娘が親のボーイフレンドについて文句をいったらしい。
どうも、数が多いって!!

母親の答えは、あなたがそんなことを言う資格がありません。という内容だった。
手紙は、どうも娘が窓から捨てたらしい。
親が親なら、娘も娘、
外にはいつも掃除夫が待ち構えていると思っているのかしら??

自由恋愛大好きのピッピーなあなたは、芸術家で子供を作るのもうまい!
あなたは、いまのような人生を選んだ。
しかし、それを誰がサポートしているのだろうか、
そう、同じカウンシェルに住み、働いて税金を支払っている我々よね?!
我々は、そんな人をサポートしません。って選べない。

ああ、納得がいかないなー。
寛大になれないなー。

投稿者 lib : 10:31 AM | コメント (2)

酔っ払い

career2.gif  イギリス人は日本人に比べると酒に強い。

これはアルコールを分解する酵素の含有量の違いだそうだ。 ランチタイムにパブで軽く1、2杯ビールをひっかけても平気な顔をしているのでもわかる。 パイントグラスは半リットル近くあるから、空腹時に1リットル飲んでも大丈夫ということか。

でも、まったく酔わないのかといえば、そうではなくて、大量に飲めばやはり酔っ払いができあがる。 その行動も酔っ払い独特のものである。 
元々の性格がパワーアップされ、しつこい同僚は同じ話を何度も繰り返すし、女好きの同僚は近くにいる女の人に、やたらと話かけて、迷惑な顔をされている。

酔っ払って信じられない行動を取るのはどこも同じ。
私の知る限り、一番すごかったのは学生時代の友人。 目が覚めたら部屋の中に黄色と黒のテープがトラトラに巻いてある棒がある。 よく見れば、数メートルもある踏み切りの竹ざおだ。 なぜ、そんなものが部屋にあるのか、まったく記憶にない。
 
前夜、何者かによって運び込まれていたようだ (何者というのは、たぶん本人)

ちなみに、この人は当時、某、芸術大学の学生で20歳の女性である。 それをどう処理したのかは聞き忘れた。

私が酒を飲み始めたのは数年前からだ。 
おかげで誰もが持っている 「酒の上での武勇談」 とか 「若気の至りによる大失敗」 はない。 学生時代から飲んでいたら、どんなことになっていたのかは知らないし、知りたくもない。 

きちんと分別のついている現在 (?) みんなと飲んでいる間は大騒ぎをしているのだが、帰り道でひとりになると自己防御機能が働くらしく、降りる駅を乗り過ごしたり、持ち物をなくしたことは一度もない。

実を言うと、親指と人差し指でまぶたを引っ張って電車に乗っている。 乗り合わせたイギリス人はギョッとした顔をするのだが、その時間帯の電車の乗客なら、酒に関しては私と同様の状態になっているので、すぐに見知らぬ東洋人の女の奇妙な行動には無関心になり、トロンと目を閉じていく。 (そんなことをしていると、寝てしまうぞ、いいのか?)

私は人の目を気にするよりは、乗り過ごさないという実務的な利益を取ることにしている。 (反論が多いかもしれない・・・)

酒を飲んだ翌朝にいやだなあと思うのが、記憶にない前夜の行動だ。 
たんすの引き出しの中が整頓されていたり、メイク用のおしろいパフやブラシがきれいに洗ってあって、丁寧に並べて乾燥させてあったりする。
 
・・・いったい誰の仕業? もしかして、私?

当然のことであるが、ちゃんとお風呂に入り、パジャマに着替えて、歯磨きもすませて寝ている。 

・・・本来の私は几帳面な性格なのか? 日ごろ抑圧されている、もうひとりの自分が酒によって解放され、黙々と部屋のかたづけをしている図を想像すると、ちょっと怖い。

さて、「帰巣本能」 は誰にでもある。 
日本の場合、家に帰って靴を脱いだ瞬間に玄関で眠り込む、というのをよく聞く。 靴を脱ぐという行為が、「外と内」 の境界線を越え、無事に安全地帯に戻ってきたという区切りになるのかもしれない。
イギリス人は水を飲もうと思うのか、トイレに行こうとするのか、とりあえずバスルームまではたどり着くらしい。
朝、目覚めるとバスルームだった、というのが多いと聞いた。

なるほど、イギリスの七不思議のひとつ(本当は、もっとあるけど)
「なにゆえ、イギリスではバスルームにカーペットが敷いてあるのか?」 という疑問の答えがここにあった。 
水を使うバスルームにカーペットは合理的でないと思っていたが、酔って帰った夜はこの床で爆睡することを考えれば、その理由が説明できる。

やはり、行動様式に合った家のつくりになっているのだ。 なるほどね。

投稿者 lib : 08:51 AM | コメント (0)