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May 30, 2008

初心にかえる

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今週はハーフターム。

普通の授業はお休みで、試験に向けた補習授業だけがおこなわれています。

私も金曜日は1コマ授業をおこなうのですが、一体何人来ることやら、、、。なにせ、去年は6人くらいの参加でしたから。

さて、ここから本題。

先週の金曜日は研修日(INSETと呼ばれます)でした。生徒は一日早くハーフハームホリデーに入り、この日は校内にいるのは教職員だけ。

研修の目的は、来年度(9月)から7年生に導入される新しい学習指導要領に基づく指導計画を各学科でおこなうこと。

歴史学科も私、同僚Mと同僚K,そして5月中旬から新しくAssistant Headteacher(副校長より1つ下の役職)に就任したベテラン歴史教諭でもある同僚Vで計画を立てることに。

新しい学習指導要領について説明するにはイギリスの歴史教育の概念なども説明する必要があるので、これはまたの機会(たぶん夏休み)に書きたいと思いますが、とにかく、この会議ではどのように新しい基準に合わせて授業をデザインしていくかが話し合われました。

日本の歴史科のように国の検定教科書を使って編年史を教えるわけではなく、中世、チューダー朝、産業革命時代などといくつかの時代をわりと掘り下げて教えるイギリスの歴史授業。しかも、教えるトピックの選択、課題のデザインなどは各学校で異なり、教師の自由裁量によるところが大きいので、一から全部作り上げていくのは大変な作業です。

なんとかここ数年で作り上げてきた授業の指導計画表、教材などを活かしつつできないものかと、同僚と朝9時半から午後3時までお昼の間以外、みっちり話し合いました。

色々な意見が飛び交い、時には同僚M・同僚Kと新しい同僚Vの間に意見の食い違いから微妙な空気が流れる場面もありましたが、なかなか充実した時間になりました。

実は私、教育実習のころから授業計画を立てて教材を作るのが好きです。当時(そして今も)英語は完璧ではない分、教材作りには時間をかけて自分で納得できる、自信のあるものを作れるようにしようと一番努力をしていた部分だったのです。今でももっと時間があれば色々作れるのにと思います。

今回、また、新しいアイディアを活かした教材作りができそうなので楽しみです。なんでも一から教材を作っていた実習生だったころの新鮮な感覚が蘇ってくるようです。

これからかかるであろう時間と労力を想像すると恐ろしいですが、、、。

投稿者 lib : 09:28 AM | コメント (0)

May 29, 2008

また、やられた その2

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※子供のハーフターム中につき、更新が遅れてすみません。


先日、近所のプールに泳ぎに行くと奇遇にも、マダムココとダーリンに遭遇した。
プールの隅で水につかりながら3人、しばらく立ち話(?)をしたが、そのうち私の「盗まれた楓」の話になった。

マダムとダーリンの話によると、「植木泥棒」の被害にあった話はよく聞くとか。
「鉢植えならまだしも、掘ってまで持っていくなんて…」
と憤慨していた私だったが、どうも、この国ではよくあることらしい。

そういえば、盗まれた当日、夫が
「これは植物に詳しい者の犯行だな…。なぜなら、BONSAI TREE (夫は楓をこう呼んでいた)の値段が高い事を分かっているのだから… 」

と探偵にでもなったかの様な推理をしていた。

普段はモノに執着しない夫が、流石に今回は気の毒だと思ったらしく私を慰めるつもりで出た言葉だっただろうが、盗まれたショックと怒りの収まらない私は、

「植物に詳しい者の犯行って、犯人はロイヤル・アカデミー・オブ・プラント(注・そんなものありません)の卒業生だとでも言うの!?植物の値段なんて、そこらへんのガーデンセンターに行けば一目瞭然よ!!」

と夫の説を一蹴した。

しかしマダムココとダーリンの話を聞いた後、改めて考えると、確かに「植物『専門』の泥棒」が存在するのかもしれない。
盗んだ植木を道端で売るわけにはいかないが、どこかに植木を買ってくれる場所があって、各地から集まった戦利品を、一括して卸す「闇の流通経路」があるのかも知れない。

盗む植物は当然、市場で「商品」として通用する品でなくてはならない。
「植物に詳しい者の犯行」というのも、あながち間違っていないかも。

ということは、私の楓は小さいながらも

プロの目に選ばれた一品

ということになる。

盗まれた当日、他の家も被害にあっていないか、念のため近所の家の前庭を一軒一軒チェックして回ったが、(私の行動の方がよっぽど怪しいという説もあり)、穴の開いている場所は見つからなかった。

隣のフィオナ邸も、お向かいのガーデニングが趣味の退職夫婦の庭も無傷である。

ということは、去年に引き続き、私の植物が近所の

プラント・オブ・ザ・イヤー」(選考委員:植物専門ドロ)

に輝いたってことか?

連続二冠ということで、「自分を褒めてやりたい」気持ちになった。

まあ考えてみれば、犯罪の被害の中でも、植物泥棒は最も軽くて笑い話にできる位の事だし、これで厄払いをしたと思えばいいか。

(あまりにも前庭が荒れ果てているので、単に「空き家」だと思われたのでは、という心の声は封印しておきます。)

投稿者 lib : 01:07 PM | コメント (1)

May 28, 2008

英国の不気味な虫(coco)

日本にいた頃、西洋映画を見て不思議に思ったのは、 人が住んでいない廃墟となった家屋や屋根裏部屋にあるおびただしい蜘蛛の巣とホコリ。
日本ではなかなかそんな凄い状態になることがないので、リアリティーがなかった。
しかし、英国に住んで納得した。この国では、あのような 蜘蛛の巣とホコリだらけの家になるのには、そう時間はいらないようだ。
そう、冬にセントラルヒーティングを使うので、ホコリが宙に舞い、天井に張られた蜘蛛の糸に付く。それが繰り返され、固まりとなり、何気なく上をみると天井からぶら下がっているのだ。

これからの原因となる虫の蜘蛛、これが何と種類が多いことか。
我が家がグランドフロアーに引っ越して来てからは、本当によく見る蜘蛛。特にバスルームによく出没する。
結構大きく、 脚が長い種類もいて、蜘蛛研究にはもってこいだが、私は、蜘蛛愛好家ではないので、やはりこんなのがいると無視できない。そこでダーリンにお願いして、退場をしていただく。
退治法はこうだ。下がしっかりしている所に蜘蛛を追い込み、上からガラスコップを被せ蜘蛛を捕獲。そして、ガラスコップを少し持ち上げ、堅い紙を少しずつ入れていき、コップに蓋をする。これで蜘蛛をすっかり生け捕りにしたことになるので、そのコップを家の外にもちだし、蓋をとり、野外に解放する。
これで、殺生したことにならないので、お互いに気分がいい。

英国は、日本に比べて虫が少ないので、虫嫌いの私は幸せだ。
なんていったって、私の一番の天敵は、蛾。これがいるともう大変。部屋中を逃げ回っている始末。もちろん、蝶も苦手。昔、蝶のふ化を趣味にしていた人がいたが、私にはまったく理解をこえている。しかし、なんでこんなに嫌いなのか不思議だ。カタツムリやナメクジは大きくてこれもやや苦手。

実は、1つだけ気になる謎の存在の虫がいる。ダーリンに聞いても見た事がないというある生き物は、長さ1センチぐらいで、ともかく動きが速い。色はグレーで、大概は水回りの風呂場で遭遇する。どんなに小さくても気になる存在なので、すぐに発見する。大概は、シャワーを浴びようとするといるので、どうも解放という措置ができない。見つけると洗剤を吹きかけてしまうが、逃げるのが早くて、結構大変だ。
あまり近くで見た事がないが、どうも小さく黒い点があるので、目ではないかと思う。
この名前も知らない虫も嫌いだが、どうも気になる。我が家では、ニョロと呼んでいるが、どなたかコイツの正式名称をご存知でしたら教え下さい。

投稿者 lib : 12:04 AM | コメント (4)

May 26, 2008

イギリスのバブル その2

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シティの夕暮れ。

お下劣なまでに長い長い車体の白いリムジンが停車する。
と、中から人工的なブロンドをなびかせた巨大な女たちが降りてきた。

雲を突くような巨人に見えたのは高下駄のようなプラットフォームブーツのせいだ。胸を半分以上はみださせたトップにへそ下3センチ(嘘)くらいしかないミニスカートを履いている。幅3ミリもあろうかという太いアイラインは黒々と目を隈取り、テカテカと光るリップグロスはまるで焼肉を食べた直後の油ぎった唇のよう。

あっけにとられているシティの勤め人の中に散らばると、ブロンドのジャイアント女たちはチラシを配り始めた。
その中のひとりと目が合ったのだが、軽く無視された。女にはチラシをくれないらしい。

どうやら、アダルトエンタテーメントのPR。 ポールダンスのクラブだろう。テーブル(ステージ?)の上に消防署にあるような鉄棒が設えてあって、その棒につかまりながらセクシーなダンスをするアレだ。

男たちは興味なさそうな顔をしているものの、 「レストラン新装開店」のチラシと違って、シカトもせずに受け取って、さりげなくポケットに入れている。 
――後でこっそりと見るつもりだな。

ポールダンスクラブは後学のために(何の後学?)一度くらいは行ってみないといけないと思っていたのだが、なかなか機会がない。

誘われたことはあるのだが、そいつは評判の悪い男だったので断った。なんせ、ポールダンスクラブに連れて行った女をヘロヘロに酔っぱらわせたため、その女はテーブルの上に上がり自分も服を脱いで踊ったそうである。(実話。ふたりとも私の同僚)
えーっと、評判が悪いのはその男だったっけ? その女の方だっけ?

「で、殿方たちが好んでお出かけになるポールダンスクラブというのは、どのような場所ざますの?」と男の友人に聞いてみた。
「僕は別に興味はないけど、後輩が見てみたいというので」と前置きをしながら、とある場末のポールダンスクラブに出かけたときの話をしてくれた。

時間は平日の午後(おい、仕事しろよ、仕事)、某会員制のクラブらしい。といっても 「厳密に」は会員制でないようだ。ま、場末の店で会員制って言われたってねえ。

若くてきれいなおねえさんが順番に出てきて一曲ずつ音楽に合わせて「たいへん小さな衣装を身に着けて踊る」のを飲みながら「横目で見る」 一曲ごとにビールのパイントグラスが回ってきて、そこにチップとしてひとりが1ポンドずつ入れることになっている。次のおねえさんが出てくるとまた新しいグラスが回ってくる。
一曲3分として、半時間もいれば10ポンドばかり使う勘定だ。

20-100ポンド(店の格による)も出せば、ご指名のおねえさんが個室で 「あなただけのために」ダンスを踊ってくれるらしい。 「踊り子さんに触れてはいけない」かどうかは、これまた 「店の格」によるとのことである。

朝の4時にダンナがご帰宅。
ポケットにはポールダンスクラブのカード、で夫婦げんかもよくあるらしい。
「接待だったんだー。僕は嫌だったけど、クライアントのお供をしないと首にするってボスに言われたんだよー。本当だってばー」などと言い訳をする姿が見えるようだ。

もっとも、請求書は 「スィートキャットクラブ」なんて店の名前ではなく、「有限会社ジョーンズ・アンド・サンズ」みたいな会社名で出してくれるらしい。

さて、湯水のように使えた接待費にもさようなら。
アダルトエンターティメントでの接待も禁止にした会社も多いらしい。
バブルがはじけた今、ブロンドジャイアント女のおねえさんたちの将来はいかに? 

そういえば、日本のバブルでも 「XXXXしゃぶしゃぶ」なんてありませんでしたっけ?
接待にかこつけて、そっち方面に走る男の心理は万国共通。バブルでの行動も万国共通ってことですね。

PS. ポールダンスはセクシーなエクソサイズの一種として、女性向けのクラスが開かれている。サイズ16のおねえさんに脂肪をプルプルさせながら目の前で踊られると、見ている方が食欲をなくして痩せてしまいそうだ。

投稿者 lib : 04:58 PM | コメント (1)

May 24, 2008

Formal Logic 2

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吉田のBLOGは堅いぞ、とのご指摘を頂戴することが多い。普段ボケて
いるので、僕を見知らぬ読者の皆さんに多少でもカッコつけてみたい
、という田舎者の願望がモロに出ているのかもしれない。そういう反
省を含めて今回は柔らかい話にしよう。ついでに文体も変えてみよう
かいな。

最近、形式論理学のあまりの厳格さに慄き、悔し紛れに身近な命題で
遊ぶ事を覚えたのは、前回のBLOGで書いた通りです。それ、

ロンドンの地下鉄の正常稼働率は高い
ロンドンの地下鉄の正常稼働率は高くない

これはロンドン近辺に住む人や、旅行時に苦労したであれば、色即是
空の日本人とて、積極的に排中律の原則に従い、後者が真であり、前
者が偽であり、その中間は存在しないことに、ウンウン、とうなずい
てくれると思います。

そこで、地下鉄で尿意をもよおしたらどうするかという問題が発生し
ます。地下鉄に乗り込む前であれば、自宅で済ますなり、去る際にパ
ブで済ますなり、大きな問題とはなりません。しかし、乗りこんだ後
の地下鉄が、その後、正常に運転しなくなることがあります。信号系
統の故障が良い例ですが、これはいつ起こってもおかしくないのが現
状です。

信号系統故障の特徴として、のろのろ運転ではあるが、前に進むケー
スが多い。これに対する解決法は、ためらわず次の駅で降りることで
しょう。この際、地下鉄運賃の高額なことは涙をのんで忘れるしかあ
りません。降りなかったために大きな後悔をするよりは、降りたほう
がよろしい。しかし、もう一つ命題があります。それ、

ロンドンには公衆トイレが十分ある
ロンドンには公衆トイレが十分ない

こちらも、後者が真であることに異をはさむ方は、まずいないと思い
ます。しかし、焦ることはありません。以下は女性にも適用可能な解
決法です。

駅を出たら、まず近辺にパブが見えるでしょう。トイレはまず地下か
1st Floor にありますので、直行します。パブによっては、公の場で
あるという良識の希薄な、セコいパブもあり、 'Customer only' な
どと店員に言われることもあるでしょう。この際も、こやつのセコさに
議論を吹っかけたりする時間は惜しみ、とりあえずカウンターで見せ
金しつつビールをオーダーし、断ってからトイレに急ぎましょう。そ
の後、きちんと金を払い、勝利のビールを飲んでから再び地下鉄にの
るかどうかは、個人の良識次第。パブ以外には、マクドナルドなどの
ファーストフード・レストランも、強力な助っ人となります。

しかし、これで解決できないこともあります。それは、乗り込んだ地
下鉄が、途中でウンともスンとも前に進まず、それが駅と駅の間であ
り、ひたすら待つしかない状態である時に、じわじわと、もしくは意
外な程、急激に尿意が高まる状態です。これは悲惨であります。解決
法は、ただ一つだけあり、死んだ気になって我慢する事でございます
。尿意にも2種類あり、所謂、大の場合と小の場合でございます。前
者の方が我慢が利きにくい、という特徴を持っていますが、前者は、
更に2種類に詳細分類されます。所謂、固いほうと、柔らかい・・・

僕はここにおいて、襟を正し、人の名誉と尊厳について考えざるを得
ず、おのずと文体も堅くならざるを得ない。前者の場合であり、かつ
詳細分類が後者である状況と、地下鉄がウンともすんとも動かないと
いう、極度の不運かつ絶望的な状況に置かれ、死ぬ気になっても、ど
うしても解決せしめることが出来なかった悲惨さを思ふてみよ。詳細
な予想描写は差し控えるが、当事者、周りの乗客。地下鉄はウンとも
すんとも動かない。赤子は激しく泣く。真夏のセントラル・ラインの
車内は40度近い。日本ではまずありえない事故だが、ロンドンであ
りえないとは言えない。幸い僕はこれまでにそうした惨状を目撃した
ことは無い。ちょっと危険な状況になったことはあったが、自分が最
終的当事者になったことも無い。しかし、過去にそうした現場に出く
わしていたなら、その後の僕の人生は、もう少し哲学的なものになっ
ていたかもしれぬ。ウーン、柔らかいのは怖い。

投稿者 lib : 10:35 PM | コメント (3)

May 22, 2008

弾丸トーク

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弾丸トークという表現、今でも使われるでしょうか。要は弾丸のように間髪入れずにしゃべりまくることをいうのですが。

で、なんでこんな言葉をテーマにブログを書くのかというと、、、。

今日の私がまさにその弾丸トーク実践者だったからです。

うちの学校では各学年で一年に一回、生徒と保護者が各教科担当の教師と三者面談をする機会があります。放課後におこなわれるのでよくParents’ eveningと呼ばれます。

今日は7年生の保護者・生徒との三者面談の日でした。

3時半から7時までの間、ほぼノンストップで面接をおこないました。5分ずつのアポイントメントですが、あまりにも面談しなくてはいけない生徒が多いので1つの時間枠に無理やり二人予約をいれたりもしました。

面接ではこちらがその子供の普段の学習態度や成績について話したあと、今後の目標について話したりするのですが、その間、保護者から積極的に質問したり、生徒の様子などを話してくれることはまれです。

英語が母国語でない親も多いので、どうしても私の弾丸トークで終わってしまうことも多いのです。生徒に通訳してもらわないとなかなかこちらのいうことも伝わらないことが多いです。

そして、文化なのでしょうか、イギリス生まれでないバングラデッシュ系の生徒のお母さん方は途中で意見を求めたり、質問があるかたずねてもひかえめな反応です。最後にかすかに微笑んで「ありがとうございました」というのみ、な場合が多いのです。

どちらかというと男親、白人・黒人イギリス人の母親のほうが色々質問をしてきます。

教師生活も4年になると、保護者との面談もだいぶ慣れました。でも、生徒も色々、親も色々で、普段はやんちゃなのに親の前だと借りてきた猫のようになる生徒もいれば、ここぞとばかり自分の正当性を主張したりする子もいます。

まれに面と向かって教師を批判してくる子供も(過去二回ほどこういう場面に遭遇しています。私から見れば全く持って責任転嫁なのですが)。

そんなわが子を前に親の反応も様々。子供を律することが出来ずに途方にくれる親、目も前で子供を叱るものの子供は上の空な親、子供の主張を真に受けて子供の肩ばかりもつ親、、、。

とはいえ、私の勤務校の保護者は総じて理解があり、サポートする姿勢を見せてくれる人々ばかりです。

子供の気持ちを汲もうと努力し、我々学校側の人間を理解しようとしてくれる姿勢のある親御さんには本当に感謝しています。

なかには実際に学校でアシスタントをしていたり、私と同じように教師をしている親もいますのでそういう保護者と話すと大抵は、「わかるわよ、あなたの気持ち。お互い色々あるわよね」となります。

ただ、今日の面談は低学年である7年生の生徒とその保護者ですから、前々回の9年生の三者面談とは趣きがかなり異なりました。7年生はまだ総じて素直で純粋な学びへの好奇心が強いので、授業も楽しんで頑張ってくれる生徒がたくさんいます。

特に今年教えている2クラスは教えてるこちらも本当にやりがいがあり、リラックスして教えられます。向こうの瞳がキラキラ輝いていると私も頑張らなくてはと自然に思わされるのです。

こういう純粋さは8年生になると薄れることが多く、9年生になると本当に個性が出るというか、まとめるのは難しくなっていくものですが。

とにかく今回も無事に終わりました。弾丸トークの末に声はガラガラになりましたが、有意義な時間であったと思います。

明日は久々の研修日。授業がないので喉をゆっくり休めます。

投稿者 lib : 11:54 PM | コメント (0)

May 21, 2008

BBCのニュースを楽しむコツ? (coco)

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何て言ったって英国の地上テレビは、5局しかない。
朝は、GMTVというワイドショーか、子供番組か、朝からテレビドラマか、なんて選択だったら、やはりBBCのニュース番組を見てしまう。それに、天気や交通情報も聞けるし、なんて言ったって天下の国営テレビなのにもかかわらず番組の気軽さがいい。
番組を見ていて、気がついたことがある。ここ最近は、白人のアナウンサーの使用が多いが、2年ぐらい前迄は、黒人のモイラおばさんがメインのニュースを読み上げ、ローカルな情報を流す際には、インド系、中国系アジア人を使う等、人種を意識した出演者の選択が凄いなーと感心したものだった。
最近は、男女メインの司会者がソファーに座り、ニュースも読み上げるなど、リラックス感を演出しているようだ。ともかく日本のニュース番組とは違うなー。
ある時は「今日は彼の誕生日です。」「あら、おめでとう」なんて個人的なことを話題にしてしまうし、 BBCの他の番組のためにダンスを習得し、その奮闘ぶりを披露したり、 気軽さが見える。
BBCだけでなく、どのテレビ局でも同様で好感を持てることに1つに、妊婦(それも臨月に近い人も多い)になってもそのまま画面にでて、そして、「明日から産休にはいります。」 なんて、言っても許される状況だから、この国は少子化で心配するのはまだ先の話だろうなー。

さて、BBCの話に戻ると、私が気になる人物達がいる。
司会者は、数人いてローテーションをしているが、中でもダンスを披露して一躍有名になったビルは、きっと視聴者のファンが多い、 熟年の司会者だろう。(写真を見て。)そして、隣の女性はシャン。
結構、この2人の組合せをよく見るということは、ここ最近の朝のメインの司会者達なのだろう。どうも私の勝手な憶測だが、彼女は彼に大変、好感を持っていると想像している。
だって、いつも彼を見つめているし、それも意図的に、そして、ちょっと甘えた風で、ついつい近くに寄っていくし、他の男性の司会者と何処となしに対応が違うのだ。それが気になりだしてから、つい、ついニュースを聞き逃して、彼女の態度を観察してしまう。これは女の直感です!!
彼女は、ビルが大層、気になる存在ですよー。
彼は、意外だが、なんと皇室関係も通うイートン校という名門バプリック校の出身者。一方、彼女は、元々は裏方で番組の制作を手がけていたキャリアウーマンだったが、ひょんな事から、表舞台にスカウトされたようだ。 どちらも子供もいる既婚者。この2人のこれからの進展?が楽しみだ。

もう1人気になるのは、8時30分になるとロンドンのローカルニュースのワクで紹介されるBBCラジオ、パーソナリティーのバネッサだ。
このオバさん、話をしているときに顔がつっぱっている不思議な人だ。そうか、きっと整形をしてシワをとったのだろう。まったく不自然な話かたなのだ。その上、彼女の喋り方、態度は、どうも好感が持てないと思ったら、ダーリンが曰く、彼女はかなり人々から嫌われているそうだ。嫌われているけど、ラジオのパーソナリティーって、何か矛盾な気がするけど、ようするに注目度があるってことかな? 某サッカー選手の奥様と同じ??
少し可愛そうだが、彼女はブランドキラーと呼ばれ、彼女が持ったブランド品を人々は持ちたくないとかで、売り上げが減るとか。ブランド会社は、普通有名人に使ってもらうために、いろいろプレゼントするが、彼女には、お金を支払って自社のブランドを持たないで。と懇願しているのだろうか? まさかね。
こうして、ニュース以外のことでも楽しませてくれるBBCのニュースって、結構楽しいわよ。

投稿者 lib : 12:22 AM | コメント (0)

May 20, 2008

また、やられた

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先日の朝、玄関を出て前庭を見ると、直径40センチ程の穴が掘られているのが目に入った。

(あれ?何だろう、この穴……)

今まで、こんな穴はなかった。
5秒ほど考えて、気がついた。

無い!無い!
その場所に植わっていたはずの、「楓」の植木がない!!!

最近、イギリスでも日本の赤い葉をつける楓が人気で、ガーデンセンターでは”Japanese Maple”とか “Acer”とかいう名で売られている。
「指」の部分が細くて長い、繊細な葉が美しい。
割と高い値段が付けられているが、見るたびにノスタルジックな気持ちになるので、昨年、小さな苗木を買ってみた。

前庭の、空いている部分に植えた。
(一応、植物によって適している土だとか日当たりだとかがあるらしいが、私はそんな細かい事を気にする性格ではないので、ただ単に『空いている』場所に植える。はたして育つかどうか、ギャンブルの様なものである。)

こんな大雑把な植え方でも、一応、新しい場所で、植物が落ち着くかどうかは気になる。
「この場所は気に入った?ハッピーかい?」
と人目を盗んで楓に話しかけたりもしつつ、(近所の人に見られたら、とうとうホームシックで頭がおかしくなったと思われるので要注意である)苗木の新生活を気にかけていた。

そのうち冬が来て、赤い葉が全部落ちて、枝だけになった。
枯れてしまったのか、寒いから単に落葉しただけなのか、素人目にはよく分からない。
長い長い冬の間、じっと固まったように前庭の隅にぽつんと植わっていた。

少し暖かくなってきた頃。
一冬越した楓を見ると、枝の間から、小さな赤い芽が吹き出していた。
「おおっ生きていたか」
小さな芽はどんどん広がり、あっという間にまた綺麗な赤い葉をふさふさとつけた。
「新しい住処を気に入ってくれたみたいだな」
まだ小さいが、去年よりは一回り大きくなったような気もする。
家に出入りする度に、楓の姿を見るのが楽しみになっていたところだった。

そういえば、去年の今頃も、「丹精こめて育てた…という訳でもないが、それなりに愛着のあった鉢植え」(手のかけかたが微妙)を2鉢、玄関の前から盗まれた。

盗まれた時の気分が悪いので、それ以来、玄関に鉢植えは置いていないが、まさか土に直接植えてある植物を掘ってまで持ってかれるとは思わなかった。

恐るべしイギリスの泥棒。何でも持って行きます。
それはそうと、私の楓ちゃんは、新しい場所できちんと根付く事ができるんだろうか。

つづく

投稿者 lib : 01:18 PM | コメント (2)

May 19, 2008

Formal Logic

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お客様は神様である (AはBである)
お客様は神様ではない (AはBではない)

最近読んだ数学の本が面白かった。上の例は、基本を確か中学校で習
ったはずである。僕の場合は、パチンコやバイク等の余暇に、もう少
々難しい背理法などを習い、その後すんなりと情報処理学に進んだ。
仕事人になってからは、さらにデジタル回路設計やソフトウェア開発
を通じて、いやがおうにも true か false しかとりえな世界で仕事
もした。

この2つの命題は、論理的に共に成立することができない。共に成立
しないこともできない。できない論理は議論の対象になりえず、その
場でポイされる。数学や西洋哲学の世界では、論理は絶対であり厳格
である。

日本人が、論理性を重んじる人達(欧米人が代表格)と一緒に仕事や
交渉を行う際、論理性に関するベースの違いが、しばしば問題となっ
て現れる。

いったい、何を言っているのか、よく分からないと言われる。Yes/No
がどうしてはっきり言えないのか。または、言ったあとで、どういう
論理で後で翻すのか。これを、聖徳太子の時代まで遡り、日本人の思
考ベースにあるものを懇々と説明しても、徒労に近い作業となるであ
ろう。なぜなら、我々は資本主義社会の中で仕事や交渉を行っている
のであり、それは厳格な論理性に基づいてのみ成り立つ社会だからで
ある。そのような社会で、色即是空などと言い出だしても、残念なが
らポイっと捨てられる。中学で習った数学を思い出し、論理的な説明
と行動に努めるしかオプションは無いだろう。

上の例は、矛盾律(the law of contradiction)という基本原則である
が、これに続くのが排中律(the low of excluded middles)という原
則である。

お客様は神様である
 または
お客様は神様ではない

以外にない、という原則である。即ち、「神様でもあり、同時に神様
でもない」とか、「お客様は神様と神様でないところの中間にある
」という曖昧さは、一瞬にしてポイっと捨てられるという、それはそ
れは峻厳な原則である。形式論理学とは、近代資本主義とは、ここま
で厳くせなあかんのかいな、とぼやきたくなる。まさに、是非も無し。

悔しまぎれに、身の回りで矛盾を感じていることを、形式論理学的に
吟味して遊んでいる。

同居人は権力者である。
同居人は権力者ではない。

家族や友人との社会、即ち契約の必要性が薄い社会では、排中律でポ
イっとするのは無理があろう、と思うのは日本人だけなのだろうか。

投稿者 lib : 10:06 PM | コメント (2)

May 16, 2008

バナナパワー

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先週は9年生のSATsテストがありました。

SATs(サッツと読みます)というのは、Englandの学校でおこなわれる英語、数学、理科の3科目の学力テストのことで、国の定めたNational Curriculum(学習指導要領)に基づいて全国統一の問題が出題されます。

初等教育の後期課程にあたるKey Stage 2と中等教育にあたるKey Stage3の最後におこなわれるテストです。学年でいうと6年生と9年生で受験します。

このSATs、子供に試験のための詰め込み式の学習をさせることになるため、子供が本来持っているはずの「学ぶことへの意欲・学ぶことを楽しむ心」を失わせ、授業も点数を取るためのテクニックばかりが偏重されるようになり、現在の教育問題の根源だとして廃止を求める声も多いテストです。

しかしながら、現実問題として学校として良いスコアを出さなければ学校の評判は落ちるわけですから、各教科を教える同僚たちは必死です。

結果がはっきり点数に出てしまうテストですから彼らにかかるプレッシャーは計り知れません。何度も補習・復習授業をやったりと、先週までの同僚たちの苦労は相当なものだったと思います。

さて、SATsの週は9年生は毎日試験のため、当然、私の担当する歴史も含めて他の教科の9年生の授業がおこなわれません。

代わりに試験と試験の合間にある授業時間に普段担当しているクラスの復習を手伝ったり、試験監督をしている先生の代わりに代理で授業を担当したりします。

手伝うといっても専門外の教科だと本当に教えるのが大変で、実際、理科の過去問題を解くのを手伝いましたが、英語で理科の専門用語を知らなかったりとかなり冷や汗モノでした。楽しい経験でしたが。

ところで、表題の「バナナパワー」って何だと思います?

ある日の放課後、理科の学科主任である同僚Jが職員用の廊下でバナナが何十本も入っているダンボール箱をチェックしているので「何なのそれ?」とたずねたら、「明日は9年生が理科の試験だから朝にこれを配るんだよ」と。

確かにその日の朝、うちのクラスの生徒が「理科の先生が試験の日にバナナをくれるんだ!」と言ってましたっけ。そのときはそんなこと本当にするのかなぁと半信半疑だったのですが(ごめんなさい、J)。

なんと彼は各クラス20本ずつほど、計160本ものバナナを生徒のために買ってきたというのです。

バナナはとても良いエネルギー源で、実際に頭の働きや集中力を高めてくれるらしいです。朝食をちゃんと食べずに(って私は人のこと言えないのですが)朝からスナック菓子ばかり食べがちな子供たちになんとか健康なものをと彼が考案したこのプレゼント。

「スーパーで全部レジに持っていったら数が多すぎて最初清算拒否されたんだよ」とバナナを買いに行ったときのエピソードを笑顔で披露するJ。生徒を思いやる先生の鑑ですね。

これから夏学期もあと二ヶ月ありますが、9年生はSATsが終わるとどうしても気が緩みます。「試験終わったから夏まで勉強しなくてもいいじゃーん」と。

そんな緩みきった9年生の脳をどうやって活性化させられるか。

、、、私もバナナ配ろうかな。

と、ちらりと考えた私です。

投稿者 lib : 11:16 PM | コメント (0)

May 13, 2008

義理ママがやって来た!! その3(coco)

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義理ママは、65歳を過ぎている。
まだまだ元気で動けるけど、リタイヤーしている。
今は、飼っていた猫も死んでしまって、1軒屋に1人暮らしだ。
近くに住むボーイフレンド(離婚したあとの50歳を過ぎてからできたボーイフレンド。これってすごいよね。見習わないとねー。)は、心臓にペースメーカーを入れて、もう生きる元気がないと愚痴をこぼすので、つまらない。とママからあまり交流を持たないようにしているそうだ。
ママの日課は、老人ホームに入っている自分のママ(95歳を超え、少し惚けている)の訪問がメイン。そして、暇があれば友達と一緒にブリッジというカードをして遊び、セカンドハウスのあるスペインへの旅だ。(英国人は、スペインや南フランスなど日光恋しさにセカンドハウスを持つ。だから、ママの家がある南スペインの一部は、スペインでありながら英国人のみが住む団地になっている。まあ、これもスペインの経済を助けているそうですが。)

嫁の口だす事ではないが、惚けないためにも何かしたほうがいいのでは?と聞いてみた。
「そうね。母がいるうちは、私も忙しいけど、それがなくなったら、暇になるわね。ボランティアで老人の送り迎えでもしようかしら?」と考えているらしい。
若い老人が年配の老人のお助け。こんな構図だろうか。

若い若いといっても、やはり歳なのだろう。
ママに少しでも日本のことを知ってもらったほうがいいだろうと 夕飯を食べた後、家にあった「Lost in Translation」の映画を見せて、笑ってもらおうと思ったが、笑っているのは我々で、ママを見るとソファーで気持ちよくうたた寝をしている。
うーん。仕方がないな。いろいろ動いて疲れたのだろう。

それと1つ気になった事がある。到着した日にお土産といって私にくれた香水は、去年の私の誕生日にくれた香水と同じ品だった。私は、思わずバスルームに駆け込み、そこにおいてある同じ品を隠してママの体面を保った。ホッ。

しかたがないよね。年寄りだから。と言ってはいられない。これはいずれ自分の将来だと思うと、気が重くなる。
英国では、2世帯住宅などといった同居などを考えることは一般的ではないので、ありがたいが、しかし、ママが惚けたら、誰が面倒をみるのだろうか。

私の実ママは、幸いに妹が文句もいわずに見てくれるので、たまには妹に御礼をしないといけないと年に1回、小額だがお金を送っている。
みんなどうーしているのでしょうか。
特に英国に住んでいると親に対してできることに限界があるので、悩みます。
ああ、暗いエンディングになりましたが、義理ママは気持ちよく帰宅したようだ。
そして、普通の英国人のようにサンクスレターがママから届いた。そこには、またロンドンに来ると書かれていた。え、、、。また来る?! 
そうか、来るか。
今度は、その日に備えて普段から掃除をマメにしておこうと決心したが、
またいつものように緊張感のない家になってきている今日この頃だ。

投稿者 lib : 10:56 PM | コメント (2)

May 08, 2008

嵐のあと。

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ついこの間春休みが終わり、夏学期が始まったと思っていたらあっという間に3週間が過ぎてしまいました。

実は先週までの2週間は11年生のGCSEコースの必修課題(Courseworkと呼ばれています)の成績提出を試験機関にするための作業に追われていたのです。

GCSEは日本でいう高等学校レベルの二年間コースなのですが、歴史コースでは最終学年である11年生の夏に行われる4つの試験の受験に加え、二年間の間にエッセイなどの個人課題を2つ終わらせて提出することが必須です。

試験と課題、両方の成績から最終的なグレード(A*から下はGまで。それ以下の成績だとU-Ungradedとなる)が決まるのです。課題が占める割合は25パーセント。結構な比重ですね。

イギリスの教育制度は日本とかなり違い、それを分かりやすく説明するのは難しいのですが、国の定める基準をもとに、OCRやEdexcelなど複数ある試験機関がそれぞれカリキュラム・シラバスを作成し、試験問題も作成します。

それぞれの学校・それぞれの学科がどの試験機関を選ぶかは自由で、特に歴史教科ではどの時代・トピックを教えるか、我々に比較的広い選択肢が与えられています。学校が違うと教えている内容が全然違うなんてことはよくあるのです。

課題のエッセイトピックなども選択肢の中から学校が選ぶのですが、Edexcelを使っている私の学校ではVotes for Women(イギリスの女性参政権運動)とIndian Independence(インド独立)の二つを課題のトピックとして選んでおり、それに合わせて生徒の指導しています。

さて、去年・今年と今の11年生に課題を提出させるまで色々ありましたが、それもようやく済み(といっても結局提出できなかった生徒もいるのですが)、いよいよそれを評価する時期が来ました。課題の評価をするのは私たち教師の仕事です。

まず、それぞれの生徒の課題をマークスキームと呼ばれる採点基準をもとに評価し、点数を出します。それから、採点に関わった教師全員でModerationという作業をします。

Moderationというのは、一人の教師が採点した課題を他の教師が読み直し、与えられた評価が妥当なものかチェックする作業です。評価の均質化とでもいえばいいでしょうか。

歴史の課題はすべてエッセイなど生徒がそれぞれ書いたものですから、もともと教師にとって点数を出すことは決して容易ではありません。それに加え、自校で評価が行われるわけですから評価の公平さが非常に重要なのです。

同じ課題を採点しても評価をする教師が違えば評価自体に多少の差が出てくることがたくさんあります。評価の偏りや不公平さを限りなくなくすためにModerationをしっかり行うことが大切なのです。教師が自分の生徒の課題を贔屓目で評価することはあってはなりませんから。

ですから、Moderationが終わると生徒全員の点数をEdexcelに提出すると共に、我々の評価の公平さを証明する目的で、Edexcelに無作為に選ばれた何人かの生徒の課題をサンプルとして外部の採点官に送らなければならないのです。
そこで再度評価さて、我々の評価に問題がないと判断されて初めて提出した評価が認められるわけです。

そういうわけで、5月上旬の締め切りに間に合うように、今年も春休み後の一週間の間、授業の合間や放課後、週末の時間を使って課題の採点をおこない、二週目の最初に丸一日使って同僚とModerationをおこなったのです。一日中エッセイを読み続けなくてはならないので毎年これはとても疲れます。

この作業が終わると、一日でも提出が遅れてはならないので、Edexcelに送る成績表と、外部の採点官に送る課題とそれに添付して送る書類や、Moderationをおこなった証拠となる文書をチェックします。不備があると大変なので緊張する作業です。全て整ったことを確認し、先週半ばやっと私の学校の試験オフィスに持っていくことが出来ました。

放課後にそのオフィスで働く同僚から「ちゃんと郵送しておいたよ」といわれたときは本当にほっとしました。まさに嵐が過ぎたといった感じ。毎年毎年繰り返すことなのですが、何度やっても緊張する作業です。

お世辞にも要領がいいといえない私はきっと来年もどたばたすることでしょう。

投稿者 lib : 11:21 PM | コメント (2)

May 07, 2008

義理ママがやって来た!! その2(coco)

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お昼ということでママとイタリアンを食べることにした。
チェーン展開をしているCARLUCCIO’Sは、手軽でそこそこ美味しいイタリアンの店だ。
ママとの会話ははずむが、何度も聞き返される場面が多いに気がついた。
そう、私の英語の発音に問題があるのだろう。ロンドン人は外国人アクセントの英語でもすんなり聞き分けてくれるが、外国人が少ない地域に住んでいる英国人には、この普通でない発音を理解するのは結構むずかしいようだ。
そうだ、私はバリバリの(威張っても仕方がないが)ジャパニーズアクセントの英語で、ママとズート話している事になる。しかし、めげずに話している。
だって私は日本人なんだもん。ママも負けずに聞き返す。へんてこな関係だ。

そして、お昼はママのゴチだった。ラッキー。

その後、やれ靴屋だ、食器がみたいなど、2人で店をいろいろ冷やかした。
夕方に、ダーリンンと合流して、ミュージカルのシカゴを観た。
インターバルになるとママったら、隣の人が席をたった後、席に残されたプログラムを勝手に見ている。ああ、これで買わなくてもいいわね。と、すました顔で言う。
大物かオバタリアン(もしかして死語?)か。
ママは、このミュージカルを堪能した模様で、すっかりご機嫌がいい。よかった。よかった。

我々は、予約をしてあったレストランへと向かった。
テーブルに案内されると、何処ともなく日本語が聞こえて来た。
我々の隣の隣だ。
ああ、悲しいかな日本語だと遠くからでも耳に入ってしまう。
その点、英語は聞きたくないと思うとシャットダウンができるという修行が足りない私。
だって、ダーリンは日本語で寝言も言うし、彼にとって日本語は耳に入ってきたらシャットダウンできないという。やられた。

その日本語の主たちは、 50代のちょっとおしゃれな男性と30代前半の女性。
その女性の格好がノースリーブのワンピース。
うーん。どう見ても普通のカップルに見えない。それに単なる知り合いにも見えない。と好奇心、いやのぞき趣味?で興味津々。
ああ、耳がそっちに向いてしまって、話の内容が聞こえて来てしまう。
いや、聞いているのかもしれない。
女「このワインおいしいですね。いい選択ですね」
男「みんな白ワインというとシャブリを選ぶけどね、これはね、、、、、、、」とワインの講釈をしている。

男「それで食欲がないんだって?」
女「ええ、本当、もっと食べたいのですけど、ぜんぜん食欲がわかないんです。」

我々は、スターターとデザートはシェアーだったのに。
でも、この2人、スターター、メイン、デザートをしっかりオーダーしていた。
それに残している様子もないぞ。そう、しっかりチェック済みの私。
彼女は何度も席を離れた。
おっと耳だけではなく、横目で観察する私。

その謎が溶けた。私がデザートの前にLoo(ルー。化粧室のこと。ブリテッュマナーでは、トイレと言ってはいけないそうです。)にいくと、その女性が化粧を直していた。
この人、鏡の中の自分に夢中でトイレに入りたい私の邪魔をしている。
しかたがないので、Excuse meと言ってトイレにはいりましたわ。
そう、こういう時って日本語でいいていいのか、困るのよね?
だって、もし日本語で話したら、なんか彼らの話を聞いていたみたいで悪いしさ、
こんな時は中国人に間違えてほしいけど、きっと日本語アクセントの英語で日本人って
バレバレよね?

少ない情報だが、勝手に推測してみた。多分、女はロンドンにある日系のクラブに勤務していて、同伴出勤のお客様とお食事をしていたのでは?と。
ダーリンも気になっていたようで、後で聞いてみたら私と同じように思ったそうだ。
あっ、いけない。この間、ママの話を上の空で聞いていたわ。
私の気になる2人組は帰ったので、しっかりママの話に集中しないと、嫁として失格よね?(つづく)

投稿者 lib : 10:25 AM | コメント (3)

Johnson Wins

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ここ10年ほど、一つの腕時計を年中使っている。IWCの入門機だそ
うであり、そう高いものではなかったが、僕にはこの入門機が気に入っ
ている。いや、他に欲しいものを見つけられない、というのが2個目
をなかなか入手できない原因になっている。

骨細であり、手首も例外ではない。悔しいかな、直径の大きな腕時計
や、金属製のごついバンドは、全く似合わないことを認めざるを得な
い。これは腕時計コレクターになるには致命的な欠陥ではなかろうか。
直径が小さ目で、皮バンドのみ、という条件に合う腕時計となると、
女性用を除いては、選択肢があまり無い。同居人が、黒い文字盤だと
大きめでもなんとかなるという。しかし、更に汗かきである。どちら
かというと痩せ型なのだが、発汗はげしく、テニス仲間をしばしば驚
かす。汗と金属のコンビネーションはどうにも僕には耐えがたく、短
距離陸上選手が金のネックレスなどしているのが、不思議だと思って
しまう。結局、小さめ皮バンドに戻ってしまう。どなたか良いお勧め
がありましたら教えてくだされ。

時計を探しに行った訳ではないが、同居人に押されてビスター・ビレッ
ジというアウトレットに行かされた。バンクホリデーの最終日に、家
を11時に出たというのがそもそも間違いであった、というのが後で判
明した。近辺までは、M40モーターウェイもすいすいだったが、ラ
スト5マイルに1時間かかった。結局、所要時間2時間半。同居人は
母乳の影響か、腹が減ると、どうにもならぬらしい。ミニ同居人は、
飽きて泣き出す。やっと着いたが、レストランが満席で、長いキュー
が出来ている。この二人には地獄のキューであろう。機転を利かせて
入ったつもりの、アウトレットの外にあるレストランで、今度はオー
ダーからたっぷり1時間待たされた。結局、家を出てからショッピン
グらしきものを開始するまで5時間が経過していた。ショッピングに
2時間。帰りはわりと順調で1.5時間。ガソリン代が数十ポンド。
僕にはどう考えても、さっぱりわからぬ。家に戻って、腕時計を見て、
結局9時間がかりのショッピングだったなあ、と言うと、そんな時間
なんて気にしないのっ、と言う。わからぬが、やらねばならぬ事なの
であろう。是非も無し。

連休明けの翌朝、いつものように East Putney で地下鉄に乗った。
信号系の故障で遅れが出ている、と通知版に書いているが、割とあっ
さりと電車が来たので乗り込んだ。4つ先の駅に到達するまで40分
かかった。そして、その駅でさらに停車状態が10分程経過した。ロ
ンドンに住む方は皆うなずいて頂けると思うが、こういうときの英国
人は、実に忍耐強く、乗客一人一人が立派な殿様に見えてくる。小者
の僕は耐え切れなくなって電車を降り、次の乗換駅である Earls 
Court へ徒歩で移動した。他の地下鉄線を選んだものの、時計を見る
と既に9時前のラッシュアワーだ。来る電車全て満席で降りる人も少
なく、なかなか乗れない。3台目になんとか乗り込むが、次の乗換駅
でも同じことを繰り返さねばならなかった。

ようやくの思いでオフィスについて腕時計を見ると、家からの所要時
間2時間弱。ロンドン恐るべし。先週、みごと当選した新ロンドン市
知事のジョンソンさんに申したし、時は金なり。週明け朝の地下鉄の
遅れは、その一週間の士気をおとしめ、市の経済的損失たるや莫大な
ものでござる。なにとぞ地下鉄の信号システムを根本的に見直し、改
良して下され。

投稿者 lib : 08:15 AM | コメント (2)

May 06, 2008

イギリスのバブル その1

career2.gif
「バブル? ああ、シャンパンの泡のことね。ワインを選ぶ前にグラスでいただきましょうか。 グラスで一杯20ポンド? 構うことはありませんわ。 何せ、これは接待。支払いは会社持ちですもの。 おーほほほほほ!」

・・・なんて時代はついに終わってしまった。

「イギリスのバブルはじける」 のニュースが続いている。新聞によると

Northern rock          2000
Citigroup             1000
UBS                 900
Bear Stearns            800
Merrill Lynch            400
Royal Bank of Scotland       300
Dresdner Kleinwort        300
Goldman Sachs           300
Bank of America          200
Credit Suisse            200
Morgan Stanley           200

お馴染みの会社名に続くこれらの数字は解雇の予想人数だ。

ヒュー、ヒュルルルー・・・・ (不況の風がシティを吹きぬける音)

シティでは約35万人が働いているそうだ。 
で、もしかすると2万人から4万人、つまり10%もの人員整理があるかもしれないと言われている。

もちろん、その他の経費も削減される。

某銀行の内部メモによると、

 タクシーではなく、普段は地下鉄で移動する。
 交通ストのときでもタクシーが経費で落とせるのは事前に許可を得たときだけ。
 2時間以内の電車での移動は二等車のみ。
 早朝に空港に着いたときもホテルの利用は禁止。

笑ってしまうのが次だ。

 ランチはひとり52ポンドまで。それ以上は事前に許可を得ること。
 アダルト・エンタテーメントの接待はいっさい禁止。

52ポンドのランチ?
シャンパンのグラス一杯が20ポンド。ミネラルウォーターがボトルで10ポンド。サービス料が17%取られるレストランが多いから、注文できるのはピーナッツかオリーブの皿くらいか? レストランからパンが無料で配られるのを期待したい。

あるいは数人でボトルを一本だけ頼む。この場合、水や食べ物はなし。誰がどのくらい飲むかで、殴りあいに進展する可能性もあるので注意が必要。

ほんの数ヶ月前までは某証券会社では
「ワインを注文するときはボトルが500ポンド以下のものを心がける」なんてルールがあったくらいだ。しかも、ボトルの数については上限なし。

あっぱれ、バブルな時代だったよなー。

日本でも 「金箔入りの酒」なんて流行りませんでした? 今でもあるのかな?

私の会社は接待の席ですら、30ポンドくらいのワインを選んでいるようだ。
て、ことは小売価格が10-15ポンドのレベルのワインだな。マネーマーケットでなければ、シティでもこんなもんだよ。

レストランで 「金に糸目はつけないぜ」 って感じの連中が派手にやっているのを見て、よく私のボスは

「ふん、下品な若造どもだ。あー、やだ、やだ。成金のガキめ。あいつらのナイフとフォークの持ち方を見てみろよ。お里が知れるね」

と毒ついていたが・・・ねえ、もしかして、それって、彼らの収入に対する嫉妬じゃない?                       続く

投稿者 lib : 11:21 AM | コメント (0)

男のプライド 2

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親が知らないうちに、5歳の息子にも「男の小さなプライド」の様なものが芽生え始めているようである。

息子と友達を遊びに連れて行った帰り、車の中で2人でTVの話などをしていた。
運転しながら後ろの話を何気なく聞いていると、始めはパワーレンジャーの話で盛り上がっていたが、その内友達が
「Little Britainて観たことある?超クールだぜ」
みたいなことを言っている。

息子は
「うん、知ってるよ」
と答えている。

あれ、Little Britainなんか観たことないと思うけどな…と思いつつ、黙って聞いていると
「家で、マム(友達の前ではマミーじゃなくて、マムと呼ぶ、これもプライド?)がいない時に見たんだ。本当だよ」
と、運転席の私を意識して、アリバイ作りまでしている。

この友達は息子と同じ年だが、お兄ちゃんがいるのでちょっと早熟だ。
たかがTV番組でも
「知らない」
というのは子供ながらに男のプライドが許さないのかな、とこれまた笑えた。

そういえば、自分の周りの人を考えると、知らないことを素直に「知らない」と言えるのは、女性の方が多いような気がする。

例えば私の夫と一緒に歩くと、初めての場所に行く時もどんどん歩いていくので
「あ、道を知っているんだな」
と思ってついて行くも、しばらくたったところで
「道に迷った」
と言い出すことがある。

車を運転している時も同様で、自信ありげに運転しているのですっかり安心していると、突然
「道に迷った」
と宣告される。
気づいたときにはもう遅い、Middle of nowhereから帰り道を探すのが大変である。

道が分からないなら「どっちだと思う?」と聞くなり、ナビゲーターを頼むなりしてくれた方がかえって助かるのだが、どうも「わからない」というのが言えないらしい。
これはいったい何なんだろう、と思っていたが、やっぱり男のプライドか。
「わからない」=「相手に弱みを見せることになる」と本能的に思うのかも。
戦国時代じゃないんだから、「わからない」と素直に言った方が物事が合理的に進むのに、と思うのは女の発想なのだろうか。

ロンドンに来たばかりの頃、街で人に道を聞くと、自信満々で教えてくれるのでその通りに歩いていくと、全く違う方向だった事が良くあった。
これも男性に聞いたときによく起こったような気がするが、知らないなら「知らない」と言ってくれた方がよっぽど親切なんですけどね。

ちなみに夫に、
「道が分からないとき、どうして素直に『分からない』と言わないの?」
と聞いてみると、
「どうしてなんだろう。分からない…」
とこれは素直に悩んでいた。

投稿者 lib : 09:14 AM | コメント (0)

May 02, 2008

着物デビュー

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今日はタイトルそのままのお話です。

そう、先週の金曜日、私の勤務校で着物デビューしました。

実はここ数年、母の若いときの着物を譲ってもらったのをきっかけに着物に興味がでて、ロンドンでも機会があれば着るようになりました。

といっても着付けは初心者で袋帯を使った帯作りはお太鼓さえ自分でやったことが無いので作り帯でしのいでいる状態ですが。

さて、数ヶ月前のある日、私の教室に8年生の生徒たちがやってきました。

「先生、ファッションショーにでませんか?」

その子たちは私のJapanese Clubにも来てくれていて、思いやりのある真面目でよい子達。彼女たちのクラスでチャリティイベントとして教師と生徒がモデルとなって出演するファッションショーを企画しているというのです。

数年前にも中央アジアの衣装を着て生徒が企画したファッションショーに出たことはありましたが、今回は国際色に富んだショーになるとのことなので私にも着物で出て欲しいと依頼されました。

もちろん、チャリティのためならと即OK。それに生徒と授業以外で交流できるのは本当に楽しいのです。彼女らの違う面も見れるし、逆に私の教室以外での姿もちょっと見て欲しいという気持ちもありますし。

で、いざ引き受けたものの、冷静になって考えるとちょっと心配に。なぜなら、ショーは平日金曜日の放課後とのこと。

「一体、どんな着物を着ればいいのか、、、」

せめて、小紋くらい着れたらどんなにいいかと思うのですが、なにせ着付け初心者の私にはこれは大仕事。以前、初めから自分で着付けたときも着物を着終えるのに二時間はかかったのです。作り帯を使ったとしても完成までに3時間は時間に余裕をもたせないと駄目な私です。

とてもじゃないですが、一日中授業があって忙しい金曜日にそんなことできるはずありません。ショーも4時半からですし、急いだって間に合いそうもないですし。

となると簡単に着れるのは、、、浴衣。

4月に浴衣なんて常識から考えたら変なのですが、もうこれしかありません。

というわけで、着ました。季節はずれの浴衣を。

しかも、母が着付けを習っていたときに使っていた本当にベーシックな柄の紺色の浴衣です。自分の手持ちの浴衣よりも色使いや柄が女の子受けしそうなかわいらしいものだったので決めました。そして帯はトンボ柄が入ったからし色の半幅帯。

着付けに費やした時間-約10分。

人生で最短です。おはしょりの出方が多少均等じゃなくてもいいやー、と半ば投げやりな気持ちで着付けました。帯結びも一番簡単な文庫結びで。誰も着付けの上手い下手が分かる人が観客にいないので相当大胆になっていました。

さて、肝心の私のキャットウォークパフォーマンスですが、同僚3人(彼女らはサリーやカミーズなどのアジアの衣装で)と一緒に手短に動きも打ち合わせていたのでスムーズにいきました。歓声を浴びるのって結構気持ちいいものですね。

ステージの中央では「なっ、なんか日本人っぽいことをしなければ」と日本式にゆっくりとお辞儀をしておきました。そういう動作ってうちの学校の生徒は見慣れていないので良い意味で面白く思ってくれたようです。

ショーでは他にもオーストラリア人の同僚たちが国旗を身にまとってラグビー技を披露したり、音楽教師のAが一人で登場してなかなかセクシーなキャットウォークを見せてくれたりと盛りだくさんでした。

学校で着物。また機会があれば着たいものです。ちょっとあれで授業をするのは不便でしょうけれど、、、。

投稿者 lib : 12:47 AM | コメント (0)