退去時の清掃

入居時にプロの清掃業者による掃除がされているのであれば、退去時にも同様にプロによる掃除をしなくてはなりません。入居時のコンディションはインベントリー・チェックイン・リポートに記載されているので、これを参照し、必要であれば退去時の掃除の手配をします。

普段から掃除されていない物件については、退去時にプロの清掃業者を入れても汚れがひどく、全ての汚れが落ちないケースもあります。普段からの掃除は不可欠です。

水回り

英国の水は硬水なので、水道の蛇口、シャワーヘッド、電気ケトル(電気湯沸しポット)の内側に、石灰が溜まりやすくなります。水道の蛇口やシャワーヘッドに関しては市販されているライムスケール・リムーバーが役立ちます。

電気ケトルに薬品を使用することに抵抗がある場合は、酢と水を同量ずつ混ぜて電気ケトルに入れ、丸一日放置します。すると翌日、通常通り内部を洗うだけでライムスケールが取れます。

レースカーテン、ネットカーテン

レースカーテンやネットカーテンは、手洗いしてアイロン掛けをせずに自然に乾かします。これを半年に1度行ってください。これらはデリケートな材質なので、取り扱いには十分注意しましょう。

食洗機

食洗機(dishwasher)を使用するには硬水を軟水に替えなくてはなりません。そのためには専用の塩(ソルト)が必要となります。この塩は通常 スーパーマーケットで購入することができます。

塩の挿入口は、通常、食洗機内側の底か横側に付いています。毎日使う場合は1~2ヵ月に1回はチェックし、塩が減っていれば足しましょう。

塩なしで洗浄した場合は、食洗機内部が石灰で真っ白になり、この石灰は、製品を故障させる大きな原因になります。

食洗機には、内部底側の排水口にフィルターが付いており、食器に付着していた汚物が流れ込まないよう設計されています。このフィルターも頻繁に洗浄しなくてはなりません。この作業を怠ると、排水が詰まり、水が流れなくなるので注意が必要です。

洗濯機

英国の洗濯機は、横型挿入タイプが主流です。通常、洗剤注入口は洗濯機タイマー横の引き出しにあります。

汚れがひどい場合に2度洗いができるよう、メインの洗剤注入口と2度目用の洗剤注入口があり、柔軟剤注入口もあります。洗濯を開始するとここに水が入り、洗剤が洗濯機内へ流れ込み、洗濯が始まる仕組みとなっています。

この洗剤注入口は水が流れるため、水垢が溜まりやすくなります。水垢が洗剤と一緒にドラムに入ってしまうと、洗濯物にシミが付くなどの支障が出る場合があります。時々洗剤注入口の引き出しを引き抜き、歯ブラシなどでこすってきれいにすることをお勧めします。

洗濯後は洗濯物挿入口の丸いドアを開け放しておかないと、ドア本体部分のゴムの内側にカビが生えてしまいます。ゴムがなかなか乾かない場合は、タオルなどで軽く乾拭きするとよいでしょう。

フローリング

一般的なラミネート・フロアは水に弱く、水分を吸収すると膨らんで浮き上がったり、継ぎ目が外れてしまいます。洗面所などにこのラミネート・フロアが使用されている場合は、ラグなどの敷物を使用し、水によるトラブルを防ぎましょう。

ラミネート・フロアに上記のような問題が起きてしまった場合、同じ色のフロア・ボードを探すことや、部分的に張り替えることは非常に難しいので、退去時に家主から全面張替え費用の請求をされることがあります。

ラミネート・フロアは非常に薄く、傷が付きやすいので、小さい子供がいる家庭では、玩具などで傷をつけないよう注意しましょう。なお、サンディング(研磨仕上げ)はできません。

もっと厚みのあるオリジナル・フローリング(家が建てられたときに敷かれたフローリング)は、耐久性に優れていますが、ラミネートと同じく水分に気をつけて、市販されているクリーナーやワックスでメンテナンスを行いましょう。

(協力:ジェイエイシーストラットンズ www.jac-strattons.co.jp