サッカー男子日本代表は、パリオリンピックをかけたアジア最終予選準決勝でイラクを2対0で破り、決勝戦を待たずして、8大会連続のオリンピック出場を決めた。

決勝は5月3日、ウズベキスタンと対戦する。

ところで、このオリンピック男子サッカーの出場資格には、「本大会開催前の12月31日時点で23歳未満」という年齢制限が存在するが、と同時にオーバーエイジ枠というものも存在する。

これは「24歳以上の選手を3人使える」という特別ルールで、どの国も「最強の助っ人」を3人まで招聘できるという仕組みだ。

この日本代表の最強助っ人に名前の挙がっているのが、アーセナルでDFを務める冨安健洋。現在優勝争いをしているアーセナルでスタメンを張る、世界屈指の守備能力を誇るトッププレーヤーだ。

しかし残念なことに怪我がち。今季も3分の2は怪我で欠場している。

オリンピックは国の威信を懸けて臨む大会。当然冨安のような選手は必要だが、決勝まで勝ち進めば間違いなく来季アーセナルのスタートダッシュに支障が出る可能性もあり、当然怪我のリスクも負うことになる。

実際、年明けに参加したアジアカップ日本代表で負った怪我により、アーセナル帰還後は3ヶ月の離脱を強いられ、現在もそのポテンシャルを最大限発揮出来ずにいる。

これがヨーロッパの選手だとさらに事情が複雑化してくる。

今年のオフシーズンはヨーロッパで大きな大会が2つ控えている。一つは先にも述べた、7月24日から8月9日に行われるオリンピックサッカー。そしてその直前の6月14日から7月14日までの約一ヶ月間は、欧州最強決定戦とも言われるEURO2024が開催される。

選手によっては、オフシーズンを潰しこの両大会をハシゴすることになり、その場合、所属クラブの来季開幕戦に間に合わないという可能性も出てくる。

国の威信か、クラブへの貢献か。

選手はもちろん両方を全力でプレーしたいだろうが、サポーターにはもどかしい夏が訪れそうだ。