6月11日、コロナ禍の影響で1年遅れで開幕した『ユーロ2020』。通常1都市開催のこの大会だが、これまたコロナ禍の影響を受け、準決勝と決勝こそウェンブリーで行われるものの、そこまでは欧州11都市での分散開催となる。

このユーロは「裏ワールドカップ」と言われるほど、右を向いても左を向いても競合のみ!という欧州最強、否、ある意味世界最強を決めるトーナメントと言っても決して過言ではない大会だ。

ロンドン住みの個人的な見どころは、2018年ワールドカップ優勝国のフランスはもちろん、無敵艦隊スペイン、ワールドカップ上位常連のドイツ、セリエ擁するイタリアと、どこが優勝してもおかしくないメンツの中で、世界最高峰のプレミア率いる我らがイングランドがどこまで食い込むことが出来るのか?だが、実はそれだけではない。

「フットボールは団体競技」と言われるほど、必ずしも個の力だけでは勝てないのがフットボール。2004年のユーロは、圧倒的ダークホースのギリシャが大番狂わせを演じ、決勝ではクリスティアーノ・ロナウド率いるポルトガルを破り優勝、改めて組織力の恐ろしさを世界に知らしめた。

この大会、フランスにはワールドカップ若手MVPを獲得したムバッペ、ポルトガルのCロナウド、ベルギーのデ・ブライネ、ドイツのキミッヒ、ポーランドのレヴァンドフスキー、そしてイングランドのハリー・ケーンなど、そうそうたるスーパースターを抱える強国が大注目なのは間違いないが、オランダの復権、そしてフィンランドやスウェーデン、トルコ、そして初出場となる北マケドニアなど、小国の大物喰いこそが、この大会の醍醐味なのだ。

さぁ、7月11日のウェンブリーに戻ってくるのはどの国か?決戦の火蓋は切って落とされたばかりだ。