外出先で

レストランやパブで、椅子の背に鞄を掛けるのは危険です。足元に置くのも油断できません。また、脱いだ上着のポケットに貴重品を入れたままにしないこと。常に自分の周囲に意識を向け、バッグや携 帯電話を放置しないようにしましょう。

通りに面したレストランの屋外テーブルでは、荷物は膝 の上か、通りを歩く人から手の届かないところに置き、 テーブルには物を置かないこと。

路上やレストランでソフトクリーム、ケチャップなどをわざと人につけて、 それを拭いている間に財布を抜き取るという事件も報告されています。

高額なスマートフォンのひったくりが多発しています。歩きスマホをして いたり、バスを待つ間にバイクや自転車で近づき一瞬の間に取られる被害が後を絶ちません。カフェのテーブルの上で操作する場合もそれとなく周囲に注意を払うなど自己防衛しましょう。

道も注意してください。多少遠回りでも、できるだけ人通りのある道を選 びましょう。自宅前で自動車を降りたところを襲われるケースもあります。

鞄やハンドバッグを持ち歩くときは、ファスナーを閉め、それだけで安心 せず、しっかり脇に抱えるなどして持ち物を守りましょう。また、デイパックを背負うと、背後から開けられる危険性があるので注意が必要です。

ひったくり犯を避けるために、道を歩くときは荷物を車道側の手に持たな いようにしましょう。バイクや車の運転者や同乗者によるひったくりは、 背後から襲ってくる場合が多いので、荷物は体の前方でしっかりと持ってください。また携帯電話を使用している最中に、手から抜き取られるケースもありますので要注意です。

デパートのエスカレーターやエレベーター、バスの乗降エリアで、他人の体が不自然に触れたりしたときは、すぐに貴重品を確認してください。

列車に乗って出発を待っていると、ホームにいる人が窓ガラスを叩いてきたのでそちらを見たスキに、隣に置いておいた鞄 をその仲間に盗られたというケースもあります。どんなときでも鞄から目を離すことは禁物です。

公共交通機関のドア付近に立っている人の荷物をドアが閉まる直前にひったくり、そのまま降車して逃げるケースもあります。乗り物のドア付近に立つのはなるべく避けま しょう。混雑時でドア付近しかスペースがない場合は、荷物をしっかり持っ て、スキを見せないようにしてください。

公園で女性が深刻な犯罪に巻き込まれる事件も発生しています。特に、早朝や夜の公園を1人で歩くことは避けましょう。

偽警察官

観光客が集まる博物館などで、見知らぬ男が話しかけてきます。その男に受け答えしていると、私服の警察官と名乗る男が現れ、警察バッジを見せ「麻薬(drug)の取締りをしている」と告げ、その男に職務質問。男が自称警察 官に身分証明書(ID)や財布を提示し、カードの暗証番号(PIN number)を 言います。次に、偽警察官は日本人に「お前も身分証明書と財布を見せろ」 と言い、カードの暗証番号を聞きます。偽警察官は、手品のように現金やカードを抜き取ってから財布を返却、捜査終了として立ち去ります。その直後 に抜かれたカードが多額な不正使用をされてしまいます。

警察官と言われて無条件に信用したり、反対にやましいことはないのにオドオドしたりすることで、注意が散漫になるスキを狙われます。見せられ た警察バッジをしっかり確認することはもちろんですが、警察官がカード の暗証番号を聞くことはありません。見知らぬ人に話しかけられたら警戒 し、暗証番号は相手が誰であれ絶対に教えないように。警察官に不審な点 があれば、「日本大使館に連絡する」などと言って、毅然とした態度で冷静に対処することが大切です。

ATM付近で

路上に面したATMで現金を引き出していると、「5ポンド落としましたよ」 と後ろから声をかけられる。地面を見ると本当に5ポンド札が落ちている。 その5ポンドに気を取られているスキに、犯人はATMから出てきたお金と カードを盗って逃げ去る、という手口もあります。

ATMの操作中に後ろから声をかけられても、応じないように。現金を引き 出す際は、できるだけ銀行内に備え付けのATMを利用しましょう。

住まいの防犯

新居に引越しをする場合、既存の鍵の複製が他人の手に渡っている可能性 を考えて、直ちに玄関と裏口の鍵を新しいものに付け替えると安心です。 また、玄関近くに家や車の鍵を置いたり、鍵穴に鍵を差し込んだままにすることはやめましょう。

住まいは、セキュリティ・システムを設置する、ロックを二重に付けるなど、 できる限りの防犯対策をし、鍵のかからない窓があれば、家主に取り付けてもらいましょう。

外出時には浴室などの小さな窓でも閉め忘れのないように気を付けてください。これを怠ると家財保険などの保険金支払いが困難になることも。

ハシゴなどの置き放しは厳禁です。必ず車庫などに入れること。また、ドリルや工具など道具類のたくさんある車庫には鍵をかけることもお忘れなく。

共同のメインエントランスがあるフラットに住む場合は、セキュリティが希薄になりがちです。非常階段などを使って一旦屋根に上がり、ベランダ から部屋に入り込まれる可能性もあるため、上層階に住んでいても窓の施錠を忘れないように。

侵入者は明かりを嫌います。暗くなると自動的に点灯し、朝になると消える外灯や、人の動きで点灯するセンサーライトを家の外壁に設置するとよいで しょう。

来訪者

予定のない来訪者(電気・ガスのメーターチェックや修理など)のIDは必ず見せてもらいましょう。戸別訪問によるチャリティーの募金集めを装った悪戯や空き巣の下見もないわけではありません。

玄関のドアを開ける前には必ずのぞき穴か窓から確認し、安易にチェーンを外さないこと。また、予定のない来訪者は決して家の中に入れてはいけません。

貴重品

警察では、万一の盗難に備え、貴金属品などは製品番号を控え、大きさや特徴がわかるような写真を撮っておくように指導しています。また、所持品リストは、家の中ではなく、貸金庫(Safe Deposit Box)などに保管しましょう。

貸金庫の利用

まとまった現金や証券は、銀行や民間業者の貸 金庫に預けるか、会社などの頑丈な金庫などに 保管し、自宅には置かないようにしましょう。

家財保険

家財保険(House Contents Insurance)にも加入を。家財の破損、電気や水道 の事故、盗難などがカバーされます。

旅行中の防犯

旅行などで家を空けるときや留守がちな時間などをむやみに口外しないよ うに。数日以上留守にするときは信頼できる隣人に一言伝え、長期の留守 中は知人に様子を見にきてもらうとよいでしょう。定時刻に照明やテレビが点くようにタイマーを設置するのも有効です。

滞留した郵便物が外から見えないように工夫するか、知人に頼んで収集し てもらうようにするとよいでしょう。

空港までのタクシーは信頼できる会社を選ぶことはもちろん、予約の際に は家番号を告げず数ブロック先の角などでピックアップしてもらうとよい でしょう。また、旅行バッグには自宅の住所を記したタグを付けるのは危険です。荷物の紛失に備えたい場合は、滞在先の住所を記しましょう。

自動車の防犯

自動車には必ずセキュリティ・システムを付け、車の中には何も残さないようにしましょう。特に取り外し式のカーナビは、必ず車から持ち出すか、 車外から見えないところに隠します。

わずかな時間でも車から離れるときはエンジンを切り、ステアリングのロックも効かせておきましょう。窓に隙間が開いていないかの確認も忘れずに。

駐車するときは見通しの悪い路上は避け、人通りが多く、人の目が行き届いた場所を選びます。CCTVが設置され、カメラが向いている方面に停めるのが理想的です。

可能であれば、ダッシュボードの中を空にして扉を開けておくなど、車の 中には何も取るものがないと見せることで窓ガラスが破損されるなどの被 害が防げます。

カード犯罪

カードに標的を絞った盗難や詐欺も手口が巧妙になっています。電話やインターネットでカード支払いをする 場合は、信用のおける会社のみにしましょう。

万が一財布などを盗まれたときのた めにカードの番号、カード会社や銀 行の電話番号を書いたメモを財布と は別に持ち歩きます。できればメモのコピーは家族とシェアしておきましょ う。また、カード番号はアラビア数字ではなく、ひらがなで記しておくとより安心です。

個人情報を守る

銀行の口座番号や、カード番号・暗証番号など、重要な個人情報が書かれた書類は、必ずシュレッダーにかけてから捨てるようにしましょう。また、 暗証番号は定期的に変更することが奨励されています。

クレジットカード会社や銀行を装って、メールやテキストでカードや銀行口座の番号などを聞き出す詐欺が増えています。クレジットカード会社や 銀行は、このような方法で情報を聞くことは絶対にありません。対応に迷ったらいったん断り、直接問い合わせましょう。

(協力:英国セコムSECOM PLC