口座の種類

一般的には、まず当座預金口座(current ac­count)を開きます。無利子あるいは低利子ですが、キャッシュカードや小切手が利用できます。利子を付けたいなら貯蓄口座(savings account)を開きます。

非課税貯金

貯蓄口座にはさまざまな種類があります。特に個人貯蓄口座(ISAs:Individual Savings Accounts)は人気の金融サービス。利子所得や運用益が非課税になる貯蓄・運用口座で、毎税年度、上限額(2024/25年度は£20,000)まで積み立てることができ、非課税で運用資産が複利で増えていきます。

口座を開く

口座開設時には、申込書の他にパスポート等の身分証明書、住所の証明、場合によっては勤務先のレターや他口座の残高証明が必要です。口座開設を申し込んだ時点では、入金の必要はありません。なお、本人である証明が後日必要なときの確認事項として、母親の旧姓(mother’s maiden name)等を聞かれることもあります。

口座は申し込みから5営業日ほどで開設され、その後、キャッシュカード等が送られてきます。小切手帳は自動的には発行されません。必要な場合は、口座開設時に依頼しましょう。カードと暗証番号は別々に送られてきますが、その日数差はあまりありませんので、どちらかが届かない場合は念のために銀行に問い合わせてみましょう。

【配偶者名義の口座を作る】

個人名義で銀行口座等を開設する際に、住所の証明として氏名が掲載された書類が必要になる。駐在員の配偶者は、あらかじめ住民税や光熱費等の請求先の1つを配偶者名にしておくとよい。

口座取引明細書/ステートメント

ネットバンクを含むほとんどの銀行では通帳を発行していません。口座取引明細書/ステートメント(statement)は、郵送またはペーパーレス照会を選択することができます。残高は、現金自動預払機(ATM)、インターネットバンキングのウェブサイトやスマートフォンにダウンロードしたアプリでも確認できます。詳細は口座を持つ銀行に問い合わせましょう。

入金

小切手や現金で入金する際は、入金伝票(paying-in slip)に必要事項を記入します。紙幣と小切手は銀行内のATMでも対応が可能。特に小切手による入金は、窓口を使わずATMやアプリを使う方法が一般的になってきています。不明なことがあれば、銀行のフロアースタッフに聞きましょう。

現金引き出し

現金自動支払機(ATM)は24時間利用可能。取引銀行と提携している銀行であればどのATMを使っても手数料はかかりません。ただし、銀行以外の場所に設置されたATMでは手数料がかかることもあるので、画面で確認しましょう。

多機能ATM

銀行内には、入金専用機や、過去1ヵ月分ほどのステートメントの印刷ができる機械もある他、銀行によっては営業時間外でもカードで入口のロックを解除して建物内のATMを利用することができます。

暗証番号

カードを受け取った時点で暗証番号はあらかじめ決められていますが、ATMで任意の番号に変更することができます。

デビットカード

銀行口座と連動したキャッシュカードが、デビットカード(debit card)。支払い直後に即時決済されほぼ現金と同様に使えて便利ですが、預金残高額以上は使えません。銀行によっては預金残高を超える利用の際に、当座貸越し(overdraft)ができる口座設定もあります。その手数料や利子は銀行ごとに条件が異なりますので、問い合わせてみましょう。

コンタクトレス・ペイメント

コンタクトレス・ペイメント(Contactless Payment)は、暗証番号を入力することなく、専用読み取り機にデビットカードやクレジットカードをかざすだけで支払いが可能なシステム。右のようなマークが付いていれば、日本発行のカードも利用可能です(上限額あり)。ロンドンの地下鉄やバス等の交通機関では、オイスターカードの代わりにもなり便利。

自動引き落とし/自動振替

毎回請求額が変わる公共料金やクレジットカード会社への返済等の口座自動引き落としはダイレクト・デビット(direct debit)、家賃等定額を銀行口座から自動振替をするにはスタンディング・オーダー(standing order)を使うと便利です。通常はインターネットバンキングやアプリを使って手続き、設定することができます。

ダイレクト・デビットやスタンディング・オーダーを停止するときは、インターネットバンキングやアプリで、あるいは直接銀行で手続きできます。

書類の発行

残高証明等の書類やステートメントの臨時発行/再発行は有料です。また即日発行はできませんので、必要があるときは早めの手続きを。

取引支店の変更と口座解約

取引支店の変更は比較的簡単です。口座の解約は基本的には無料ですが、手数料がかかる場合もあります。

ペイオフ

英国にも預金者保護システム/ペイオフ(FSCS / Financial Services Compen­sation Scheme)があります。銀行が破綻した場合、金融サービス補償機構の保証制度によって預金額の£85,000まで(ジョイント・アカウントの場合は£170,000まで)は100%補填されます(2023年11月現在)。しかし、提携している複数の銀行にそれぞれ口座があり、2つかそれ以上の銀行が破綻した場合は、1つの銀行の口座のみが保証の対象となります。