ロンドンの公共交通機関
公共交通機関
ロンドンの主な公共交通機関は、地下鉄、バス、ドックランズ・ライト・レイルウェイ(DLR)、オーバーグラウンド(Overground)、鉄道/ナショナルレイル(National Rail)。また南部では郊外へ向かうトラム路線がある他、テムズクリッパー(Thames Clipper)などテムズ川を利用した水上バスも利用できます。利用料金は、中心から1~9に分けられたZone(ゾーン)によって決まります。
英国でエスカレーターを利用する際は右側に立ち、左側は急ぐ人用に空け ておくのがルールになっています。
ロンドンの交通一般に関する情報は、www.tfl.gov.uk で。目的地への行き方や乗り物の運行時刻はもちろん、料金やトラベル情報全般がわかる、ロンドン交通局(Transport for Lon don)の便利なウェブサイトです。
乗車券
ロンドンの公共交通機関では、現金で切符を買うことがほとんどできなく なっています。事前にプリペイドカードであるオイスターカード(Oyster Card)を入手するか、銀行カードやクレジットカード(コンタクトレス)を 携行しましょう。
地下鉄
その形からチューブ(Tube)の愛称を持つロンドンの地下鉄(underground)は、全部で11路線あります。始発と終電の時間は路線によって異なりますが、 概ね月~土曜日は始発が5:00–5:30頃、最終はセントラル地区を24:00–1:00頃に発車(路線によっては金・土の夜は深夜運行あり。下記「ナイトチューブ」参照)、日曜日は始発が5:30–7:00頃、最終はセントラル地区を23:30–24:00頃に発車します。詳しくはこちらで確認を。
料金は乗車ゾーンと下車ゾーンによって決まります。繁華街や金融街のある中心部がゾーン1で、郊外に向けてゾーンの数字が上がります。詳しくは地下鉄マップをダウンロードして確認を。
原則として、車内にベビーカー(buggy)や折り畳み式の自転車を持ち込むことは可能です。ただし、混雑状況などによっては制限される場合もあり、 通常の自転車は、路線、時間、区間によっては持ち込みが禁止されています。https://tfl.gov.uk/modes/cycling/cycles-on-public-transport
ナイトチューブ
地下鉄の一部路線は金曜日と土曜日の24時間運行(Night Tube)を実施しています。現在、Victoria線、Piccadilly線、Northern線、Central線、Jubilee各線 の、一部を除く区間で深夜運行が行われており、オフピークの運賃で乗車できます。詳細はロンドン交通局のウェブサイトで確認を。
DLR
DLR(Docklands Light Railway)は、無人自動運転の路線で、シティ、ドックランズ、グリニッジなどを結んでいます。
オーバーグラウンド
オーバーグラウンド(Overground)は、主にゾーン2 より外側のロンドン郊外地域を結ぶ地上線。地下鉄網が走っていない地域をカバーしています。中心部を通らないので料金は地下鉄よりも安く、利用方法は地下鉄と同じです。
Highbury & Islington駅からNew Gross Gate駅までは、金曜と土曜の深夜運行サービスがあります。
ナショナルレイル
ナショナルレイルは中心部からロンドン外へと伸びる鉄道路線。この路線を利用して、新しくElizabeth線が2022年5月24日に開通しました。これはロンドン中心部と東西の郊外を結ぶ路線で、各地からヒー スロー空港までのアクセスが向上します。Elizabeth線のルートについては、こちらで確認を。
バス
土地勘がないうちは不安もありますが、地上で乗り降りできるバスは慣れると便利。特にロンドンでは住宅地の中を網の目のように走り、日常の足となっています。
バス前面のパネルにはルートナンバー、終点、いくつかの通過ポイントが表示されています。バス停には停車するバスのルート番号の他、行き先の地名、停車するバス停名、運行時間の目安などが表示されています。
バス停に「REQUEST」または「REQUEST STOP」とあったら、手を挙げて合図しなければバスは停まりません。
住宅街を走るバスの中には、バス停がなく所定の場所で手を挙げて乗り降りする「Hail & Ride」区間のある路線もあります。この区間に入るときと出るときに車内アナウンスがあります。降りたい場所が近づいたら、停車ボタンを押しましょう。https://tfl.gov.uk/modes/buses/using-buses-in-london
交通事情などにより、乗車途中でルートが変更になることもあります。車内アナウンスに注意を払いましょう。
バスの支払い
現金払いはできません。あらかじめオイスターカードや、コンタクトレス機能の付いた銀行カードかクレジットカードを携帯しましょう。普段バスのみを利用する場合は、オンラインやニュースエージェント (Newsagent)などで購入できるバスパス(Bus Pass)がお得です。また、地下 鉄の定期券やトラベルカードを持っていると、ゾーンにかかわらずバスにも 乗車できます。
バスマップ
ロンドン中心部の最新のルートマップ「Central London Bus Guide」はwww.tfl.gov.uk/maps/busにアクセスし、「Key routes in central London」をクリックすればダウンロードできます。
ナイトバス
深夜12 時を過ぎると、昼間に比べて本数は減りますが、各方面へ朝までナイトバスが運行しています。ルートナンバーは番号の前に「N」が付くバス と、24時間運行のバスがあります。バス停にも表示があります。
運賃は日中と同じですが、同じナンバーでも昼間のルートとは異なる場合があるので確認しておきましょう。全停留所ともリクエスト・ストップに なるので必ず手を挙げて合図をし、乗り損なわないようにしましょう。
オイスターカード
オイスターカードは、地下鉄、バス、オーバーグラウンド、一部ロンドン 近郊の鉄道駅(利用可能駅のマップ)やトラム、テムズクリッパーなどに共通して使えるスマー トカードです。
1週間、1ヵ月、または1年間の定期券として使用できる他、あらかじめいくらかの金額をカードにチャージしておき、乗車するごとに運賃が差し引 かれるプリペイドカード(Pay As You Go)としても使えます。
オフピーク
Pay As You Goでロンドンの公共交通機関を利用する場合は、月~金曜日(祝日を除く)の6:30–9:30と16:00–19:00のピークタイムを避けると運 賃が安くなりお得です。
夕方のピークタイム(16:00–19:00)でも、ゾーン1以外の区間からゾーン1に行く場合はオフピーク料金になります。
キャップス(Caps)
Pay As You Goを使って1日に何度も乗り降りする場合、1日の上限額以上 は課金されないよう自動設定されています。上限額は、利用時間帯や利用 ゾーンによって変わります。コンタクトレスを使った場合には、月~日曜 日の7日間分の上限が決まったPay As You Go(7日間用のトラベルカードと同額)もあります。
オイスターカード利用の留意点
オイスターカードをプリペイドとして使用する場合は、乗車・下車の際にカー 利用の留意点 ドリーダーにしっかりタッチしないと、最大料金がかかるのでご注意を。詳細はこちらから。
料金はチケットマシンや駅の窓口で紙の切符を買うよりもかなり割安にな るオイスターカードを利用するのがよいでしょう。
旅行者用オイスターカード
有名ショップやレストラン、ギャラリー、その他の観光施設で特別割引を受けられる特典が付いた旅行者用オイスターカード(Visitor Oyster Card)もあります。出国前に購入する必要がありますが、トップアップ/課金(top up)はロンドンでも可能です。
新規でオイスターカードを購入する際は、£5.00のデポジット(カード返却 時の払い戻し可)がかかります。トップアップはタッチスクリーン式の自動 切符販売機やオイスターカードのウェブサイト、オイスターカードのマークのあるニュースエージェントで。オンライン登録をして、銀行口座から自動引落の設定をする方法もあります。
オイスターカードを紛失したら
オイスターカードをオンライン登録をしておくと、紛失してもカードの使用停止や再発行ができます。残高の払い戻しには£5の手数料がかかりますので、残高によっては返金されない場合もあります。詳細はこちら で。
コンタクトレス
銀行カードやクレジットカードもカードリーダーにタッチすることでオイスターカードと同じ運賃で利用できます。
トラベルカード
トラベルカードは1日、1週間、1ヵ月、1年など、期間とゾーンを決めて、 その限度内で乗り放題で利用できるチケット。ペーパータイプを購入する か、オイスターカードを「トラベルカード」として利用する方法があり、地 下鉄、バス、DLR、オーバーグラウンド、一部の郊外電車などで使えます。
定期券
定期券(Travelard Season Tickets)にはバス・地下鉄・鉄道共通、バス専用の バスパス(Bus Pass)、鉄道専用(Railcards)などがあります。最低週6日以上の往復または1日あたり3回以上の利用があり、かつ主にピーク時に利用する場合には、オイスターカードのPay As You Goよりも1週間有効の定 期券の方がお得になります。
乗り越し注意
バス、地下鉄、オーバーグラウンド、電車のいずれも、抜き打ちの検札があり、 乗車時に必要なチケットを携帯していないと罰金が科せられます。乗車する のに必要な額があらかじめチャージされているオイスターカードや定期券の 場合は問題ありませんが、利用ゾーンが固定のトラベルカードの場合、ゾーンを越えての移動は乗り越し清算できないシステムなので、そのときの移動 に必要な区間の切符を乗車前に購入しておく必要があります。
10歳以下は無料
料金を支払う大人が同伴する5歳以下の子どもの運賃は無料です。10歳以下の子どものバスとトラムの利用は終日無料に、地下鉄、DLR、オーバーグラウンドは大人と同乗するときのみ4人までが無料となります。子どものみの 場合でも、5~10歳用の写真付きの専用オイスターカード(5-10 Zip Oyster Photocards)を取得すれば、無料乗車が可能です。鉄道(National Rail)の無料乗車区間は、こちらで確認を。
11〜17歳も無料・割引に
11~15歳は、11-15 Zip Oyster Photocards を取得することでバスとトラムが無料に、その他の交通機関は子ども料金で利用できます。鉄道とテムズクリッパー・リバーバス・サービスも、いくつかの例外を除き大人の半額料金に なります。16・17歳は、16+ Zip Oyster Photocardを取得することで、バス、地 下鉄、DLR、オーバーグランド、鉄道(West Drayton とReading間を除く)が 大人のPay As You Go料金の半額になる他、ロンドン在住者はバスとトラム が無料で乗車できます。1週間、1ヵ月、またはそれ以上有効のトラベルカー ドやバス&トラムパスは子ども料金で購入できます。各Zip Oyster Photocardの詳細や作成申し込みは、こちらで。
その他の割引・無料カード
一定条件を満たすロンドン在住の18歳以上の学生や仕事の実習生(apprentice)は、18+Student Oyster Photocardを取得するとバス& トラムパス、トラベルカードが大人料金の30% 割引に、また60歳以上のロンドン在住 者が対象の60+ London Oyster Photocardを使うと、平日の9:00(鉄道は9:30)以降と週末・祝日はロンドンの交通機関の一部の利用が無料になります。詳細はこちらで。
タクシー
信頼できるのは、ブラックキャブ(Black Cab)と呼ばれるタクシー。フロントガラス上部のランプが点灯していたら空車の印。
ブラックキャブを止めたら車の窓越しに行き先を告げ、自分でドアを開けて乗車。料金は、時間帯、曜日、距離に応じて加算されます。時間や距離、 荷物の量、ドライバーに手を貸してもらった場合など、状況に応じて10%程度のチップを渡すとよいでしょう。降車してから窓越しに支払います。
予約・呼び出し
ブラックキャブの事前予約は、距離によって呼び出し料金が決まります。Com-Cab、Get、 Dial-a-Cab(DaC)は、年中無休の24時間営業。
ミニキャブ
ブラックキャブに比べて割安のミニキャブ(Minicab)は、一般の車を使っ たタクシーサービス。ブラックキャブとは異なり街を流して客を拾うことはできないので、利用の際はライセンスを持つ業者のオフィスに直接出向 くか、ウェブサイトや電話、アプリを使って予約を。大手にはAddison Leeがあります。予約時には料金の確認も忘れずに。
配車サービス
ロンドンをはじめとする都市部では、アプリを使って配車サービスを注文す る「ウーバー(Uber)」や「フリーナウ(FREE NOW)」、「ボルト(Bolt)」など があり、割安なことから利用者が増えています。支払い方法などを初期設定 するので現金なしで乗車できて便利ですが、一般の人が運転しているケースが多いので、夜間の利用は自己責任で。詳細は各社のウェブサイトで確認を。
レンタサイクル
ロンドンにはレンタサイクルのサービスがいくつかあり、中でもロンドン交 通局が運営しているSantander Cyclesでは、市内各所に800ヵ所以上ある駐 輪場(Docking Station)から1日24時間いつでも自転車を借りることができます。利用は、駐輪場で利用時に料金をカード払いして利用コードを取得するか、事前に会員登録して専用キーを入手する方法(年会費を支払う方法と、年会費不要のPay As You Rideメンバーとなって利用ごとに支払う方法)があります。詳細はこちらで。
電動スクーター(electric scooter)
2021年6月7日より、ロンドンでも限られた地域でのみトライアル乗車が 開始された電動スクーター(electric scooter)。合法的に使えるは、Lime、 Dott、TIERの3社いずれかのレンタルに限られ、利用場所も制限されていま す。違反者には£300の罰金と罰則ポイントが課せられます。詳しくはウェブサイトで確認を。
【席を必要としている人が、あなたの隣に】
ロンドンの公共交通機関利用中や、駅構内で、「Please offer me a seat」や「Baby on board」と 書かれたバッジを付けた人を目にすることがあるだろう。これは目には見えにくい病気や障害を抱える人たち、あるいは妊娠中の女性が公共 交通機関で席を譲ってもらえるようロンドン交 通局が配布しているも のだ。バッジが必要な人は、ロンドン交通局にオンライン申請するだけ で入手することができる。付けていると親切な人が席を譲ってくれるだろう。
【地下鉄やオーバーグラウンドでWiFiが使えます】
主要な携帯会社の利用者は、「WiFi Zone」の マークが付いた地下鉄やオーバーグラウンド の駅でWiFi を使うことができる。(主な提携会 社はVirgin Media、EE、Vodafone、O2、Three。その他のネットワークの利用者でも、Virgin Media WiFiが提供する「WiFi Pass」を利用すれ ばネットにつなげることができ る。利用するには初期設定が必要。契約している携帯電話会社のウェブサイトなどで事前にパスワードを設定し、駅で最 初にWiFi サービスを利用する際に登録すると、その後は自動的に接続される。
【ピンク色のオイスターカードリーダー】
ロンドンの地下鉄、DLR、鉄道駅に設置され たピンク色のカードリーダーは、 通ったルートをオイスターカードに記録し、 正しくチャージするためのもの。例えばゾー ン1を避けて目的地に行った場合、ゾーン1を通ったときより料金が安くなるが、その証明として、乗り換えの際に ピンク色のカードリーダー にオイスターカードをタッ チすることが必要となる。ピンク色のカードリーダーにタッチしないとゾーン1を通過したと見なされる。
【1時間以内なら1回のバス運賃で乗り放題「ホッパー・フェア」】
ホッパー・フェア(Hopper Fare)は、ロンドンでバスまたはトラムに乗車する際にオイス ターカードやコンタクトレスのPay As You Goを使うと、最初にカードをタッチしてから1時間以内なら£1.55の運賃で何度でも乗車でき るお得なサービス。その1時間のうちに、途中で地下鉄やオーバーグラウンド、一部の郊外 電車などに乗車した場合でも、バスやトラム でホッパー・フェアが適用される。ただし最初に乗車した時点でカードの残高がマイナス になり、1時間以内に入金されなかったり、違うカードを使った場合には、このサービスは 適用されないので注意。