この夏、一人の日本人DFがアーセナルにやってきた。

彼の名は冨安健洋。日本代表不動のCBだ。

アーセナルは「右サイドバックの不在」という万年の悩みを抱えていた。そこに日本人が救世主としてやってきたわけである。

日本でも「名門アーセナルに冨安入団!」というニュースが全国を駆け巡り、ネットを検索し驚かれた方も多いと思う。

何故なら、アーセナルは、今季3試合終了時点で「3連敗9失点無得点」でダントツの最下位。昔は豪華客船だったアーセナルも今は泥舟化、とんでもない状況になっているのだ。

しかしそんな泥舟も、この夏新メンバーを迎え新たな船出。初勝利をかけた、いわばアーセナルの開幕戦ともいうべき試合で、この冨安が先発。

プレミアリーグという世界最高峰の舞台で、準備期間わずか1.5日で選抜出場はとんでもない偉業であり、それだけ信頼されているという証である。

その期待に応えるように、要所要所で驚異の防御力を発揮、崩壊寸前だったアーセナルの守備に安定を与えた。

代表戦直後のフライト12時間の即先発ということもあり、足を攣ったこともあり62分で途中交代となったが、スタンディングオベーションでベンチに迎えられ、あっという間にサポーターの心を掴んだ。

試合も、4試合目にして今季初ゴールを決めたアーセナルが1-0勝利。最下位20位のアーセナルが19位ノリッジとの最弱王決定戦をシュート30本という圧倒的強さで制し、今季初勝利をあげた。

また先週末のバーンリー戦でも先発出場、MoM級の活躍でアーセナル2連勝の立役者となっている。

心機一転、新たな船出をきったアーセナルの新規加入選手の平均年齢は22歳。

アーセナルは2年後、3年後の栄光を目指し、この荒波を大航海してゆく。

そして富安は、モーゼのように、海を切り裂くアーセナルの救世主となるのかもしれない。