英国の賃貸物件は日本と異なる点があります。家具付き住宅を賃貸した場合は、退去時に損害賠償請求されるのを防ぐため次のことに注意しましょう。

ベッド

マットレスに付けてしまったシミが原因で退去時に家主に賠償や買い替えを請求されることがあるので充分注意しましょう。ベッドのマットレスには内側に鉄製のスプリングがあるため、スチーム・クリーニングをすることができません。小さい子どものいる家庭では、おねしょをしたり、飲み物をこぼしたりのアクシデントがつきものですが、マットレス・プロテクターを購入して使用すれば、これを防ぐことができます。

テーブル

テーブル等に直に熱いものを置いて付くヒートマークや、濡れたものを置いて付く水シミは、損害賠償請求の対象となります。日本では鍋敷や茶托、ソーサー等を使用することが多いですが、英国でも例外ではありません。

高級なアンティーク調のテーブル等にヒートマークや水シミを付けた場合、これを取るために専門の職人を使って修繕作業を行うことになります。1つ取り除くのに数百ポンドかかるケースもあります。

カーペット

アイロンでカーペットを焦がしてしまうこともよくあります。最近はフローリングの物件も増えてきましたが、現在も家中にカーペットが敷かれてる物件も多く存在します。安全対策のためにアイロン台を使うか、厚手の敷物/ラグ等を敷いたその上でアイロン掛けをしましょう。

カーペットは一度焦げてしまうと、張り替え以外に元に戻す方法はありません。部分的な張り替えを嫌がる家主が多いので、その部屋全部のカーペットを張り替えることになるケースもあります。

バスルーム

カビの問題も見逃せません。一番カビが生えやすい場所はバスルームです。蒸気で壁の隅やバスタブの周り、天井等にカビが生えてしまうことがよくあります。

カビの原因となる湿気の排除はテナントの義務です。「換気扇が付いていない」、「通気が悪い」は、残念ながら言い訳になりませんので、テナント自身が日々換気を行う必要があります。

シャワー後やお風呂上りに壁やタイルが湿気で濡れていたら、こまめに拭き取る等、日々の心掛けがカビの予防につながります。

居間や寝室

冬場はセントラルヒーティングを使用するので、室内と室外の温度の差により結露が生じ、室内湿度が高くなります。窓枠、壁、天井等にカビが生えるのを防ぐため、どの部屋も窓を開けて十分な換気を行いましょう。

壁は入居時の状態に戻すこと。ほとんどの家主は、賃貸物件の壁にポスターや絵画等を無断で飾ることを禁じています。

契約書には家主に許可を取らなくてはいけないことが記載されていますが、たとえ許可を取っていても、退去時には壁を装飾したことで付いた跡を消したり、穴をふさいだりすることが要求されます。退去時に小さな跡があるだけでも壁全体、部屋全体のペンキ塗装代を請求されるケースもありますので、穴を開ける場合は、あらかじめ家主と書面にて合意を交わし、状態復元に関する詳細も確認しておく必要があります。

(協力:ロンドン–東京プロパティーサービス