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November 10, 2008

バブルの崩壊 その2

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シティだけではなく、巷にも不況風が吹く今日この頃である。

私が住んでいるのは 「中流住宅地」だが、数年前から、ところどころにポルシェだのフェラーリが駐車してあるのを見るようになった。成金サラリーマンがボーナスで買ったのだろうか。大きな家の車庫にあるのではなく、「貸家」という風情の家の前に停めてあるのを見ると、景気のいいボーナスやお手軽ローンで高い車は買えるが、さすがに家は高すぎて手が出ないというアンバランスな世情そのまま。

ずいぶん違和感があったが、いつのまにかそんなスポーツカーも消えてしまった。いったい、どこに行ったんでしょうねえ? 

と思っていたら、ポルシェの中古車がずいぶん安値でマーケットに出回っているそうである。
ローン返済ができず泣き泣き手放された車だったりすると、なんとなく世間への恨みの怨念が車に漂い残っていて、運が悪そうな感じがする。お払いのひとつもして、交通安全のお守りをつけてから乗ったほうがいいかもしれない。

ポルシェの車内に交通安全のお守りがユラユラ揺れているのを想像すると楽しいねえ。

「何でポルシェにお守りなんかぶら下げてるの?」
「前のオーナーが某投資銀行のディーラーだったんだって。ちょっと気になって・・・」
「なるほどね。で、ブレーキの横にある白い粉は何?」
「お清めの盛り塩。 投資銀行みたいにブレーキが利かなくて暴走すると困るからね」

友人は米系の金融会社に勤めているのだが、数週間前に 「今年のクリスマスパーティは中止」のアナウンスがあったそうである。毎年、500人以上が集まり、会場も豪華で家が遠い人にはホテルの部屋も用意されるというバブリーなパーティである。

友人は 「スレた勤め人」なので、今さらクリスマスパーティが嬉しいお年頃でない。
しかし、新入社員はがっかりしているそうだ。会社の金で飲み食いできるのはもちろんのこと、目をつけていた 「受付嬢」だの 「ハンサムな総務課のニューフェイス」に話しかけるチャンス。少々大げさにドレスアップしても、
「仮装行列?」と糾弾されることもなく、 「勝負服なのね。がんばれ」と励ましてもらえる。

この日ばかりは酒で勢いをつけ、同僚にダンスを申し込んでも許される雰囲気。何ヶ月も胸に秘めた思いを打ち明ける・・・はずだったのに。

さて、しばらくすると彼の会社はかなりの割合の従業員に対して 「依頼退職」の発表をした。クリスマスパーティの廃止で経費節減はもちろんだが、クビにした人たちをパーティに出席させるわけにもいかず・・・との考慮だったと思われる。

憧れの彼女にパーティで声をかける機会も仕事も失い・・・という人たちも多かったのでは。 (涙)

セレブなシェフの店がつぎつぎ倒産。お手軽な食事として外食のかわりにピザの宅配便が売り上げを伸ばしているそうだ。

イギリスといえばまずい食事でお馴染み。
離乳食のようにグニャグニャに茹でられたパスタだの、小麦粉をのばしただけみたいにとぼけた味のソースだの、つい最近まで野山を自由に駆け回ってましたーという牛の筋肉ガチガチのステーキだのがレストランで出されていたのは昔の話。
金のあるところに腕のいいシェフは集まる。レベルも上がったが、メニューの金額も上がった。

さらにワインも・・・。

「4人の同僚(これはB銀行のトレーダーらしい)がゴードン・ラムジーの店でランチをした。その勘定は5万ポンド」 というのは有名な話。そのうち食べ物は 「たったの数百ポンド」 (充分高いけど・・・)で、 残りの請求額はワインだったらしい。

ワインに情熱を傾けるソムリエも、(ワインの味もわからないくせに、がぶ飲みする成金の小僧ども)と思いながらサーブしていたのでは?

噂によるとこの4人は請求書をそのまま会社に回して首になったとか。山ほど稼いでいるんだから、ひとり1万ポンドくらい自分達で払ってしまえばよかったのに。

お金の流れを読み違えたということで、トレーダーとして失格ですね。 

投稿者 lib : 12:50 AM | コメント (0)

October 28, 2008

バブルの崩壊 その1

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リーマンブラザーズとメリルリンチとAIGの経営危機。

経済に興味のない人には馴染みのない名前で、 「マンチェスター・ユナイテッド・フットボールチームのスポンサー、AIGという会社がヤバイ」という新聞記事もあった。そういえば、赤いユニフォームにデカデカとAIGの文字。あれをそのまま、 「マンチェスターユナイテッドが身売り」と受け取ったフットボールファンも多いのでは。

リーマンは「買収の話が流れた」のニュースの後、あっという間に 「イギリス国内で従業員5000人が解雇(自宅待機?)」である。

新聞には私物を入れたダンボール箱を持った社員がカナリーウォーフのオフィスから出てくる写真が載った。アメリカ映画でよく見かける、首になったり、ボスと喧嘩して辞表を叩きつけた主人公がデスクまわりを片づけて、ダンボール箱を抱えて憤然と会社を去る、あのシーンだ。

さて、最初に思ったのは・・・。

(あのダンボール箱は会社の支給品だろうか?)ということだ。

全員解雇の前夜の重役会議で悲痛な表情のひとりが、
「・・・というわけで全員解雇は避けることができません。決定です。・・・さて、次の議題です。私物入れのダンボール箱の注文ですが、5000個でよろしいでしょうか?」
「いや、休暇や病欠の社員もいるから、4500個でいいだろう。非常事態だから、たとえダンボール箱の費用といえど、無駄使いはできないし」

と、一括注文されたのだろうか? そのわりには持っている箱の種類はバラバラだったような・・・。しかし、あの人数の箱がオフィスにころがっているとは思えない。

目端の利く連中がさっさとダンボール箱を集めると、一番高値をつけた同僚に売りつける、という 「転んでもディーラー」 の意地を見せる状況だったのだろうか? 買い付けた同僚もそれを転売し、サヤを抜く・・・みたいな?

実情をご存知の方は一報ください。たいへん気になっているので。

もちろん、シティではリーマンの話で何日間も盛り上がった。

「人の不幸は蜜の味」とはいうものの、不幸にもカテゴリーがある。 「白血病の少女」の話をニコニコと聞く人はないし、「安い輸入品に押され、おもちゃ工場が閉鎖。60人が全員解雇」なんてニュースなら、「養う家族もあるだろうに、再就職は大丈夫だろうか・・・」と心配するのが人情だろう。

正直なところ、シティの勤め人の間でもそれほど同情されていない。(リーマンの皆さん、ごめんね) せいぜい 「うちの猫が子猫をたくさん産んだ。困った。引き取り手いないかな」という話を聞かされて 「あら、大変そう。いい人に貰われるといいわね。でも、誰も欲しくなかったらどうするの?」と言うレベルである。

そのうち、日本の某社がリーマンを買収して従業員をキープなんてニュースが流れると、 「ちっ、余計なことを。助けるなよ」と言う人も現れたくらいだ。

株価が急降下するとの予想は当然だから、Short Sellingに走るだろうな、と思ったら、FSAがそれを禁止。で、せっかくのチャンスを奪われたヘッジファンドがFSAを訴えるとか。 さすが、怖いものなしのヘッジファンドだ。日本なら金融庁にたてつく会社なんかないけどね。いいぞー、もっと、やれー。

ううむ、なんだかドラマを見ているようだ。ソープオペラでは短期間にカップルがくっついたり、離れたり、相手が変わったり、結婚したり、と話が急展開するものだが、この数週間は 「今日はどの銀行を誰と誰が欲しがって、最終的にどこに買収されるかしら?」と新聞を見るのが楽しみであった。

クレジット・クランチのニュースが最初に公になったのは、去年の夏。その前から株価や不動産の値段が高騰していたのを日本人の私たちは 「そろそろかな? いつ頃だろう? 懐かしいなあ、あの頃を思い出すねえ」と来るべきものが来るのを待っていたものだ。

あの頃の日本のバブルの崩壊のことなんて、イギリスやアメリカの誰もおぼえてなかったのかしらん?

続く


投稿者 lib : 11:57 PM | コメント (0)

October 01, 2008

ボイラーの修理 その2

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イギリスのエンジニア(修理工)は1時間当たり50ポンドから200ポンドをチャージするそうである。転職しようかな・・・。

「それでは来週の火曜日にエンジニアを送ります」とガス会社。
火曜日って、今日は木曜日なんですけど・・・。5日後?

「需要の少ない夏にボイラーの点検を」というキャンペーンを張っていたわりに、ずいぶん時間がかかるじゃないの。これでは 「需要の多い冬」にエンジニアを頼むとどのくらい待たされるのだろうか? 数週間?

――イギリス在住の皆さんへ、ボイラーの点検はお早めに

本当にちゃんと来るだろうかとドキドキしていたが、火曜日にエンジニアはやってきたので、ホッとした。 噂によると予約を入れておいても 「来たり、来なかったり」だそうである。電話を入れて文句を言うと、 「そんな予約は知らない」と言われ、 「頭が怒りのボイラー」になるらしい。

エンジニアのおにいさんはさっさと仕事に取りかかった。 が、ボイラーのパネルがなかなかはずれないらしく、ブツブツ言っている。

(苦しめ、苦しめ、苦しめばいいのじゃー)と思いながらこっそりと見ていた。 
210ポンドも払うのに、エンジニアが簡単にパネルをはずして、
「あ、これが緩んでましたね」
と、あっさりネジを締めて5分で退場なんて許せないではないか。

が、20分も経つとおにいさんの口調が変わってきた。
「何だよ、これ。一体どうなってるんだ。何ではずれないんだよ・・・」
そのうち、SXXX だの FXXX だのといった言葉まで混じってくる。
・・・まずいかも。 直らなかったらどうしよう?

さっきまでの態度を改めた私は神様にお願いする。
(神様、お願いです。どうか、私のボイラーを直してください)
と、祈りが通じたのか、ボイラーのパネルがはずれた。

やっぱり、神頼みは効く。 特に 「病気の回復」や 「恋の成就」に 「受験合格」といったお願いは多くて順番待ちが長いが 「ボイラー修理」のお願いの数は少ないだろうから、処理が早かったらしい。

パネルがなかなかはずれなかったのは、数年前に頼んだ配管工のおやじの仕事が雑で金属部分が妙な角度で曲げられていたらしい。 あのおやじめ、1300ポンドもチャージしておきながら、いい加減な取り付けをしてくれたな・・・。

パネルははずれたものの内部を点検したエンジニアはあっさり言った。
「部品が壊れているので、それを持って明日来ます」
・・・持ってないの?
「大丈夫。明日ちゃんと来ますから」

私は働いているので、 「明日」なんて日はそう簡単には来ない。 「また明日」という日は 「またまた有給休暇の申請とそれに対する許可」というプロセスの後にやっと来るんですけど。

私はシクシクと泣きながら、
「ぜったい、ぜったいに明日も来てね。私のこと、忘れないで」と捨てられそうな女が恋人にすがるような態度でエンジニアのおにいさんに頼んだのであった。

翌日、また貴重な有給休暇を使い、やっとボイラーの修理は完了した。

それから数週間後、ゴゴゴ、ガガガガーという音と共にボイラーは停止。驚いてスイッチを切り、しばらくしてから恐る恐るスタートさせてみると、何もなかったように動き始めた。

・・・どうしたらいいんだろう? もう一度エンジニアを呼んだら、また210ポンド取られるのか? それとも、ちゃんと保証期間があるのだろうか?

でも、また確実に有給休暇を使って、エンジニアを待つんだよな・・・。

PS.その後、もっと安い 「ボイラー保険」の宣伝が新聞に載っていた。 が、この保険に入っていても、エンジニアを呼ぶと一回50ポンドチャージされると小さい文字で書いてあった。恐るべし、イギリスの修理費。

投稿者 lib : 08:24 PM | コメント (0)

September 07, 2008

ボイラーの修理

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ボイラーが壊れた。暖房とお湯が我が家から消えた。

もうこの時点で、イギリス在住の方は同情心から目が涙でウルウルしていることであろう。 のんびりと日本にいる人なら、こう言うだろう 「ボイラーが壊れた? 修理すればいいじゃない」 それはもう、「パンがないなら、お菓子をお食べ」という発言にも等しい。この国での庶民の苦労を知らないのだ。

とりあえず先進国と称されるイギリスである。サミットなんかにも堂々と参加しちゃう国だ。飲み水の確保に数キロ先の井戸まで歩かなければならない土地ではないのだ。それなのに、物の修理に関しては国の格付け ZZZ- (S&P) である。

ボイラーはタイマーで作動する。それによって、セントラルヒーティングが入ったり、タンクの水が温められてお湯が使えるというのが私の家の、そしてほとんどのイギリスの家庭のシステムである。ついでに言うと、タンクの湯は日本人なら一回のお風呂で使い切る。で、次に風呂に入る人は1時間くらい待たされる。

ここ数ヶ月、ときどき時間になってもボイラーに点火しないことがあった。しかし、翌日には大丈夫だったりする。 うまく作動しなくなったので、数年前にこのボイラーを設置した配管工のおじさんに電話を入れ、修理に来てもらった。 と、なぜかそのときに限ってボイラーは問題なく動いている。

「ちゃんと作動してるじゃない。修理できないよ」
「今は動いてるけど、調子が悪いから見てくれる?」
おじさんは形だけボイラーのカバーのねじに工具を当てたが、面倒くさいと思ったらしく、
「壊れてないものを直せないよ」と主張。 結局、 ボイラーの外回りをちょっと眺めただけで「訪問検査費」として70ポンドふんだくって、そのまま帰ってしまった。

納得いかないが反論できないまま、数週間が経った。と、今度は完璧に作動しなくなった。
(今度はやる気のないおやじに頼むのはやめよう)と、大手のガス会社に電話を入れる。

イギリスの会社のコールセンターはインドか北イギリスあたりと相場が決まっている。
日頃、 「ガスボイラーの機械的不調」などという 「特殊な状況」を 「英語で説明する」ことは少ない。 おまけに電話の向こうは 「強烈なインドなまりの英語でマニュアルを読むインド人」 か 「強烈な北なまり英語を話す不親切なイギリス人」である。
さすがの私の頭の中にも 「躊躇」という言葉が浮かんだ。 が、ボイラー不調のままで冬を迎えるわけにはいかない。
「夏の間にボイラー点検」などとお気軽な宣伝を新聞でしているが、果たして私の役に立ってくれるのか?

「ボイラーの修理のためにエンジニアを寄こしてくれ」という簡単なメッセージを伝える前に 「ボイラー故障のための保険」の説明を延々と聞かされる。 なんとかそれを振り切った。 で、ハウマッチ?
「エンジニアの訪問は一回で192ポンドです。税金を入れると210ポンド」

脳内の為替機構が一瞬にして、 1ポンド200円として4万2000円という数字をたたき出した。 ボイラーの修理に4万2000円だとー?
「・・・そんなにするの? 新しくボイラーをつけたほうがいいかしら?」
「新しいボイラーは2000ポンド以上しますよ」

2000ポンド = 40万円以上? それで家庭用かい? 
いっそのことボイラー修理を頼まずに自分で見てみようと思った。しかし、
「イギリス在住の日本人女性、ガス爆発死。修理代をケチったため」なんて、新聞の見出しが目に浮かぶ。

「新しいボイラーは必要ありません。ともかくエンジニアを・・・」
と、ここでまたオペレーターが 「ボイラー故障のための保険」の売込みを始めた。
「エンジニアが直した後は12ヶ月の保証期間があるけど、また、壊れたときには210ポンドかかります。保険に入っていたほうがいいですよ」
「ボイラー修理から12ヶ月以降ね?」
「いいえ、12ヶ月以内でも、210ポンドかかりますよ」
「・・・? 12ヶ月の保証期間はあるのよね?」
「はい」
「でも、12ヶ月以内でもエンジニアを頼むと210ポンドかかるの?」
「はい」
―――それでは保証期間とは呼べないのでは?
「保険はいくらですか?」
「1ヶ月39ポンドです」 
                            続く

投稿者 lib : 06:15 PM | コメント (2)

July 09, 2008

イギリスのバブル その4

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(前々回の「イギリスのバブル その3」から続く)

新聞記事ひとつにしても、人間のサガというものを思い知らされることがある。

「女の子は若くてきれいでなくては値打ちがありません。仕事の能力? そんなことには期待してません」みたいなことをおじさんが言うらしい。 (ありがたいことに私の目の前で言った人はいない。なぜかというと・・・なぜだろう?)

で、内心は (ま、男の場合は違うけどね。男は仕事で決まる。顔や若さは関係ないもんね。どんな権力を握るか、どれだけ稼ぐか、がポイントさ)なんて思っているのだろう。

しかし、今回のC氏の記事で目からウロコが落ちた。

なーんだ、結局、ビジネスマンの男も 「顔と若さ」が重要じゃん、という事実である。

「自分のビジネスを設立するために160ミリオンポンドのボーナスを蹴って退職」というネタだけにしては、顔写真が大きすぎる。しかも、私服で歩いているところをパパラッチされた感じだし。

「セレブ・ヘアドレッサーによるスタイル」 だの、「住んでいるのはリラックスしたXXX」だのと同じ無料新聞でも 「ロンドンペーパー」か 「ライト」の芸能人ゴシップ欄のようなノリだ。

「鶏ガラのような爺さん会長」 「脂ぎったオヤジ社長」 「若い凄腕経営者、顔に難ありなのが残念」なんてビジネスマンとは違う。この人たちだと25ビリオンポンドなんてビジネスディールでも、証明写真程度の大きさしか顔が出ない扱いだ。

C氏は数週間後にも新聞に登場した。
彼の辞職によってXXXファンドから投資家が逃げ出し、株価が落ちているという記事だ。 で 「彼は130ミリオンポンドのボーナスを蹴って・・・」とある。

あれ? 160ミリオンじゃなかったっけ?

よく読んでみるとこのボーナスは会社の株でもらえる予定だったとか。だから株価が下がった今、その額も減ったのだろうか。30ミリオンの違いってすごいよね。 本人は蹴ったくらいだから気にしないだろうけど。

「おいしかったね。お勘定は割り勘にしようね。いくら? 30ポンドくらいかな? え? 60ポンド? マネージャーを呼べ!」
なんて30ポンドくらいで頭に血が上る私たちとは別世界の人だ。

私の周りにも自社株が目減りして、がっかりしている人は多い。もちろん、30ミリオンポンドも下がったという友人はいませんが。

さて、ここで謎々です。

「株価が下がってニコニコするのは誰でしょう?」 また 「人員整理の時期にニコニコするのは誰でしょう?」 はたまた 「家庭不和で離婚が増えてニコニコ・・・(以下省略)」

答えは 「弁護士」

イギリスのバブル期に 「ゴールドディガー」こと、 「これっぽっちも道徳心なし、バリバリに金目当て、必殺必中、玉の輿めざし女」の手中に落ちた男たちは、もうすぐ 「金の切れ目が縁の切れ目」という透かし文字が浮き出た便箋を弁護士事務所から受け取ることになる。

利益の追求に純粋なゴールドディガーは、シティ勤めの夫の資産が目減りする前にと弁護士事務所に駆け込んでいるとか。下手なファンドマネージャーより相場の動きには敏感だったりするし。

離婚の理由は 「性格の不一致」 とかになっているんでしょうねえ。まさか 「エマージング・マーケットの株価下落に加え、プライベート・プレースメントの収益減収とプロパティのポートフォリオ悪化のため」 なんて家庭裁判所に提出できないって。

クレジット・クランチでもゴールドディガーは元気いっぱいです。

投稿者 lib : 11:22 PM | コメント (0)

July 03, 2008

オペラ座の夜

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久しぶりにオペラに出かけた。

まずその前に、夏の恒例行事、ロイヤル・アカデミーでのサマーエクスビションに寄る。
今年はトレイシー・エミンが出展していて、一日キュレーターなんかもしたらしい。

いいなあ、トレイシー・エミン。顔がピカソしてるとこも好きだ。(すごい失礼)

さて、ずいぶんオペラに行っていなかった。というのも、オペラ友達の一人はド田舎に引っ越してしまい、もうひとりはボーイフレンドができて、私を誘う代わりに彼と出かけるようになったからである。

彼女は 「コベントガーデン 友の会」のメンバーで、シーズンが始まる前に演目のご案内があり、一般客よりも前に予約が取れるという特典を持っている。めぼしいのを選んで私に声をかけてくれていたのだが、最近は彼をお供にしていている。

ま、結構なことである。友達としては喜んであげたい。ただし、彼はあまり嬉しそうではないらしい。長いしね、オペラ。

今回のプリ・シアター・ミールはなんとカレー屋だ。今までもよく、安中華、安イタめし等を食べてから出かけていったが、10ポンドというセットメニューであった。
後で大変なことになるとも知らずに・・・。

久しぶりのロイヤル・オペラ・ハウス。もちろん上の方の安い席だ。
このあたりの席でも37ポンド。なんだか値上がりしてるなあ。原油価格のせいかしらん。

見回すとゲイのカップルがものすごく多い。
女の二人連れは 「ただの友達」という感じだが、男の二人連れは 「いかにも」のカップルだ。
幕が開くまで 「どちらが男役で、どちらが女役か。また、そう思った理由を述べよ」というゲームをして過ごした。

裕福そうなおじさんとサロンのマダムのような奥方が隣に座った。
「この人たち、常連さんよ。よく見かけるもん」と友達。

奥方はとても素人さんには見えない格好である。凝った雰囲気のドレス、どでかい指輪はパコンと蓋が開くような造りで、かのメディチ家秘伝の毒薬が仕込んであるような感じ。鉱山から掘り出したばかりの原石のようなネックレスは総重量が3キロはありそう。極めつけは直径7センチばかりの 「額飾り」

「額飾り」なんか着けて外を出歩いている人、生まれて初めて見た。

肩の凝り、指の凝り、額の凝り、が心配になるような着飾り方である。

「画廊の女主人」「宝石デザイナー」「ダンススクールの経営者」といった芸術方面のお仕事と見受けられる。 「税理士」「パン屋」「なまず養殖業」といった雰囲気ではない。

「ドン・カルロ」が始まった。スペインの王子と父王の後妻となった女の悲劇・・・に集中できない。というのも、脳天を打つような強烈な香水が漂うせいだ。その元は隣のマダム。なんだかデパートの化粧品売り場で深呼吸をしているような気分。

・・・が、そういう私もカレー屋経由でオペラハウスに来た身。
(隣の東洋人の女、滅茶苦茶、カレー臭いしー)とマダムも思っているかもしれない。

香水 vs カレー。 迷惑度としては同等か?

さて、3幕目のこと。胃が鳴った。
しかも、 「クー、グルルー、キュルルルー」という、いかにも 「胃が鳴ってます」という音なら良かったのだが、カレーのせいか、
「バフッ、ボッスーン、パスー」といった、まるで XXX のような音だ。

隣の香水マダムが身を硬くするのがわかった。まずい。もしかして、私が XXX をしたと思っているのでは?
(この東洋人の女。カレー臭いだけでは飽き足らず、XXX まで・・・)

違う、違うのよ! 私は XXX なんかしていません! 舞台の上のソプラノのように叫びたい気分だった。が、誤解を解こうにもオペラ中に私語は禁止。

濡れ衣を晴らせぬわが身の不幸に嘆き悲しむ、オペラ座の夜であった。無念。

投稿者 lib : 12:34 PM | コメント (0)

June 28, 2008

イギリスのバブルその3

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シティはビジネスの街。だから不景気風が吹くと精彩を欠く。
まるで曇り空で小雨のぱらつくハワイとか、暖冬で地面が露出しているスキーリゾートといった冴えない風情である。

やっぱり、ハワイなら抜けるような青空に熱い南の風。スキーリゾートなら豊かな積雪の上に降り注ぐパウダースノー。ビジネス街なら札束が下品に飛びかってほしいものだ。

日本でビジネスがいまいちの時はオフィスの細々したものから消えていくそうである。

例えば、リースの植木、自由に飲めていたミネラルウォーターのボトル、新聞とか。
いつものように会社の新聞を読もうとして、それがなくなったことで会社の経営状態に気づいたサラリーマンの心情を思うと涙がこぼれそうである。(嘘)

イギリスでは経費節減なら、人件費と接待費だろうね。

肩で風を切って歩き、1000ポンドものワインを自分たち用に頼んでいた連中も地味でせこい食事風景となるのだろうか?
「あ、スターターはなしでいいや。メインコースだけにするよ。一番安いのはどれかな? 飲み物? いらないよ。近くのオフライセンス (酒屋) でワインを買って持ち込んだから。グラスだけくれる? サービス料払いたくないなあ。ね、料理ができたら呼んでくれる? キッチンまで自分たちで取りに行くよ。だから、チップ置かなくてもいいだろ?」

こんな時期にはシティを離れたらどうするか、と同僚と話すことになる。
「田舎に引っ越して、家庭菜園で野菜を作り自給自足の生活をする」
「それがいい。それがいい。太陽の下で農作業なんて健康的だね」

・・・と思ったのだが、週末に芝生を刈り、庭仕事(の手伝い)を2時間したら、筋肉痛で歩行困難になり、階段の昇り降りですら苦労した。
これでは農業への転職は無理だな。

さて、転職と言えば、最近、気になる男がいる・・・。

ファイナンシャルタイムス風のミニ無料新聞 「シティAM」にヘッジファンドのスターの記事が載っていた。

「160ミリオンポンドのボーナスを蹴って、自分のファンド設立!」というのはC氏だ。彼の所属するXXXファンドと言えば、確か去年共同経営者のボーナスが400ミリオンポンドずつ、という記事を見た。生涯給金ではなくて、去年だけのボーナスだって・・・。

400ミリオンポンドって、イメージが湧かないなあ。 1、2ミリオンくらいだと、 「イギリスで買えるちょっと大きな家」って感じがする。(チェルシーとかケンジントンといった高級住宅地は除く。スペインのマルベラの別荘地も無理ね)

と思っていたら、400ミリオンポンドの豪華客船の記事が出ていた。
ふーん、ボーナスで客船が一艘もらえるのと同じか。

「まいどー、宅急便です。会社からボーナスのお届けです。家に入らないのでここに置いておきます。受け取りのハンコお願いします」
で、家の前には豪華客船が横付けされている。
「今年は豪華客船か。去年はジャンボジェット機だったねえ。景気がいいみたいだね、隣のご主人の仕事」なんて近所の人が噂したりする・・・わけないが。

C氏も経営者が400ミリオンポンドなのに、社員の自分はたった160ミリオンじゃ、嫌だ、と思って (当然だな) 転職することにしたらしい。

さーて、こんな話ならシティにはゴロゴロしているはず。が、なぜにこのC氏は特別なのか?

それは・・・彼がグッドルッキングだからである。おまけに若い!

見出しも大きかったが、顔写真もでかかった。
「おっ・・・」と思ったのはそのせいだ。 もっとも、その後に 「既婚、二児の父」と書いてあってがっかりしたのだが (何か、期待していたか、私?)

続く

投稿者 lib : 03:28 PM | コメント (0)

May 26, 2008

イギリスのバブル その2

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シティの夕暮れ。

お下劣なまでに長い長い車体の白いリムジンが停車する。
と、中から人工的なブロンドをなびかせた巨大な女たちが降りてきた。

雲を突くような巨人に見えたのは高下駄のようなプラットフォームブーツのせいだ。胸を半分以上はみださせたトップにへそ下3センチ(嘘)くらいしかないミニスカートを履いている。幅3ミリもあろうかという太いアイラインは黒々と目を隈取り、テカテカと光るリップグロスはまるで焼肉を食べた直後の油ぎった唇のよう。

あっけにとられているシティの勤め人の中に散らばると、ブロンドのジャイアント女たちはチラシを配り始めた。
その中のひとりと目が合ったのだが、軽く無視された。女にはチラシをくれないらしい。

どうやら、アダルトエンタテーメントのPR。 ポールダンスのクラブだろう。テーブル(ステージ?)の上に消防署にあるような鉄棒が設えてあって、その棒につかまりながらセクシーなダンスをするアレだ。

男たちは興味なさそうな顔をしているものの、 「レストラン新装開店」のチラシと違って、シカトもせずに受け取って、さりげなくポケットに入れている。 
――後でこっそりと見るつもりだな。

ポールダンスクラブは後学のために(何の後学?)一度くらいは行ってみないといけないと思っていたのだが、なかなか機会がない。

誘われたことはあるのだが、そいつは評判の悪い男だったので断った。なんせ、ポールダンスクラブに連れて行った女をヘロヘロに酔っぱらわせたため、その女はテーブルの上に上がり自分も服を脱いで踊ったそうである。(実話。ふたりとも私の同僚)
えーっと、評判が悪いのはその男だったっけ? その女の方だっけ?

「で、殿方たちが好んでお出かけになるポールダンスクラブというのは、どのような場所ざますの?」と男の友人に聞いてみた。
「僕は別に興味はないけど、後輩が見てみたいというので」と前置きをしながら、とある場末のポールダンスクラブに出かけたときの話をしてくれた。

時間は平日の午後(おい、仕事しろよ、仕事)、某会員制のクラブらしい。といっても 「厳密に」は会員制でないようだ。ま、場末の店で会員制って言われたってねえ。

若くてきれいなおねえさんが順番に出てきて一曲ずつ音楽に合わせて「たいへん小さな衣装を身に着けて踊る」のを飲みながら「横目で見る」 一曲ごとにビールのパイントグラスが回ってきて、そこにチップとしてひとりが1ポンドずつ入れることになっている。次のおねえさんが出てくるとまた新しいグラスが回ってくる。
一曲3分として、半時間もいれば10ポンドばかり使う勘定だ。

20-100ポンド(店の格による)も出せば、ご指名のおねえさんが個室で 「あなただけのために」ダンスを踊ってくれるらしい。 「踊り子さんに触れてはいけない」かどうかは、これまた 「店の格」によるとのことである。

朝の4時にダンナがご帰宅。
ポケットにはポールダンスクラブのカード、で夫婦げんかもよくあるらしい。
「接待だったんだー。僕は嫌だったけど、クライアントのお供をしないと首にするってボスに言われたんだよー。本当だってばー」などと言い訳をする姿が見えるようだ。

もっとも、請求書は 「スィートキャットクラブ」なんて店の名前ではなく、「有限会社ジョーンズ・アンド・サンズ」みたいな会社名で出してくれるらしい。

さて、湯水のように使えた接待費にもさようなら。
アダルトエンターティメントでの接待も禁止にした会社も多いらしい。
バブルがはじけた今、ブロンドジャイアント女のおねえさんたちの将来はいかに? 

そういえば、日本のバブルでも 「XXXXしゃぶしゃぶ」なんてありませんでしたっけ?
接待にかこつけて、そっち方面に走る男の心理は万国共通。バブルでの行動も万国共通ってことですね。

PS. ポールダンスはセクシーなエクソサイズの一種として、女性向けのクラスが開かれている。サイズ16のおねえさんに脂肪をプルプルさせながら目の前で踊られると、見ている方が食欲をなくして痩せてしまいそうだ。

投稿者 lib : 04:58 PM | コメント (1)

May 06, 2008

イギリスのバブル その1

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「バブル? ああ、シャンパンの泡のことね。ワインを選ぶ前にグラスでいただきましょうか。 グラスで一杯20ポンド? 構うことはありませんわ。 何せ、これは接待。支払いは会社持ちですもの。 おーほほほほほ!」

・・・なんて時代はついに終わってしまった。

「イギリスのバブルはじける」 のニュースが続いている。新聞によると

Northern rock          2000
Citigroup             1000
UBS                 900
Bear Stearns            800
Merrill Lynch            400
Royal Bank of Scotland       300
Dresdner Kleinwort        300
Goldman Sachs           300
Bank of America          200
Credit Suisse            200
Morgan Stanley           200

お馴染みの会社名に続くこれらの数字は解雇の予想人数だ。

ヒュー、ヒュルルルー・・・・ (不況の風がシティを吹きぬける音)

シティでは約35万人が働いているそうだ。 
で、もしかすると2万人から4万人、つまり10%もの人員整理があるかもしれないと言われている。

もちろん、その他の経費も削減される。

某銀行の内部メモによると、

 タクシーではなく、普段は地下鉄で移動する。
 交通ストのときでもタクシーが経費で落とせるのは事前に許可を得たときだけ。
 2時間以内の電車での移動は二等車のみ。
 早朝に空港に着いたときもホテルの利用は禁止。

笑ってしまうのが次だ。

 ランチはひとり52ポンドまで。それ以上は事前に許可を得ること。
 アダルト・エンタテーメントの接待はいっさい禁止。

52ポンドのランチ?
シャンパンのグラス一杯が20ポンド。ミネラルウォーターがボトルで10ポンド。サービス料が17%取られるレストランが多いから、注文できるのはピーナッツかオリーブの皿くらいか? レストランからパンが無料で配られるのを期待したい。

あるいは数人でボトルを一本だけ頼む。この場合、水や食べ物はなし。誰がどのくらい飲むかで、殴りあいに進展する可能性もあるので注意が必要。

ほんの数ヶ月前までは某証券会社では
「ワインを注文するときはボトルが500ポンド以下のものを心がける」なんてルールがあったくらいだ。しかも、ボトルの数については上限なし。

あっぱれ、バブルな時代だったよなー。

日本でも 「金箔入りの酒」なんて流行りませんでした? 今でもあるのかな?

私の会社は接待の席ですら、30ポンドくらいのワインを選んでいるようだ。
て、ことは小売価格が10-15ポンドのレベルのワインだな。マネーマーケットでなければ、シティでもこんなもんだよ。

レストランで 「金に糸目はつけないぜ」 って感じの連中が派手にやっているのを見て、よく私のボスは

「ふん、下品な若造どもだ。あー、やだ、やだ。成金のガキめ。あいつらのナイフとフォークの持ち方を見てみろよ。お里が知れるね」

と毒ついていたが・・・ねえ、もしかして、それって、彼らの収入に対する嫉妬じゃない?                       続く

投稿者 lib : 11:21 AM | コメント (0)

April 17, 2008

私をフットボールにつれてって その2

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一度、フットボールの試合を観に行きたいと思っているのだが、なかなかチャンスがない。

フットボールファンではないし、それほど、スポーツ観戦には興味がないのだが、スポーツニュースでよく見る大観衆の興奮ぶりを目の当たりにしてみたい。

やったことがないことはやってみたい。見たことがないものは見てみたい。

もちろん、 「F1レースでルイス・ハミルトンと競り合う」 だの 「プライベートジェットで世界一周、シャンパンとキャビアつき」とかは、不可能だし、
「黒魔術用、生け贄のヤギ、解体実践講座」 とか 「ヤXザの組員の皆様と覚せい剤でトリップ体験」なんてのは、チャンスがあってもお断りするが。

とはいえ、興味本位の観戦だ。
寒い中を震えながら数時間も観戦するほどの熱意はない。血の気の多い連中に囲まれ、乱闘に巻き込まれないように、大柄でボディガート代わりになる男の友人のエスコートも必要。
どうせ行くなら有名なチームの試合がいいな。あまり名前の知られてない、しょぼいチームの試合はイヤ。

というわけで、友人が 
「マンチェスターユナイテッド対アースナルの試合をボックス席で観たい?」という話を持ってきたときには飛びついた。

マンチェスターユナイテッドといえば、その名の通りマンチェスターの勇。
そして、アースナルといえば・・・えーと、確かこれも有名なチームだ (・・・どこのチームだか、よく知りません。どこかにアースナル市というのがあるのか?)

なんてったって、 「ボックス席」というのがいいねえ。

・・・ところで、ボックス席というのは何ですか?

と聞いたところ、観客席の中ほどに設えてあるガラス張りのルームだそうだ。

フットボールの観客は 「シーズンチケット」を持つ会員が中心になる。これが9割とかを占めるので、 「一見さん」なんかの手に入るのは微々たる席数。 

ボックス席も企業が年間契約で借りるらしい。誘ってくれた友人は接待するはずのクライアントがキャンセルしてきたとかで私に声をかけてくれたのだ。
年間契約金を払うのに、そこで観戦するには、ゲームごとにさらに金がかかるという。
フットボール選手に大金が払えるのは、こういう仕組みか。

彼の会社の持つボックス席は20-30人収容でき、ゲームの30分前からホットビュッフェとドリンクがサービスされる。試合が始まるとその外にあるテラスで観戦。外に出なくてもルームの中には大きなスクリーンもある。

スーツ着用の必要はないが、フットボールシャツとスニーカーは禁止というドレスコードだそうだ。 「一般の観客とは違うのよね、僕たち」というスノッブ感覚と思われる。 ふん・・・労働者階級のスポーツのくせに。

一人につき250ポンド、しかも飲み物は別料金というゴージャスな席だ。
試合後1時間までは使えるので、スタジアムを出る観客の混雑が収まってから席を立つ、なんて優雅なこともできる。

ん、まー、素敵。と思ったのだが、前日になってキャンセルしたはずのクライアントがキャンセルをキャンセルするという事態が発生し、残念ながら、今回の試合観戦のチャンスははかなくも消えた。

「今度、連れて行ってあげるよ」とは言ってくれたものの、有名なチームの試合はチケットがなかなか手に入らない上、一番安い席でも50ポンド以上という。汗臭い男たちがボールを蹴りあうのを見るのに50ポンドも払うのか? オペラにだって、もっと安い席はあるぞ。

250ポンドのボックス席でタダ見ができそうだったことを考えるとちょっとがっかり。

まあ、スタジアムの臨場感を正式に味わうのは 「外野席」 (野球と混乱している私)が一番なんでしょうけどね。

というわけで、フットボール観戦は未経験ざます。一体、いつになったら行けるのか?

投稿者 lib : 09:41 AM | コメント (1)

April 09, 2008

恐怖の税務署

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今年の初夢は 「古タオルを干すもう一人の私」 (1月9日のブログ)。洗濯物を干す私。では、それを見ている私は誰? と、それを象徴するような出来事があった。

この時期、税務署から税金関連の書類が送られてくる。そこには 「内容を確認して、もし、間違いがあれば連絡するように」と書いてある。

日本では、 「税務署」 「銀行」 「保険会社」 「役所」からの書類をわざわざ確認することはしない。店で受け取るお釣りやATMから出てくる紙幣だって数えなおさなかった。

が、ここはイギリス。

なーんたって、ミスが多いのだ。自分の身は自分で守らなければ。

えーっと、住所、氏名、生年月日・・・で、所得が違うじゃないの。
なぜか、 (あー、これだけあればいいわね)という額が書いてある。これだけくれるのならともかく、これをベースに追加の税金なんか取られてはたまらない。

書いてある番号に電話したら、珍しく、すんなりとつながった。

「書類を受け取ったのですが、間違いがあるので電話しました」
「それでは、本人かどうかの確認をします。まず、名前からお願いします」
と、オペレーターの質問に次々を答えていくと・・・

「こちらにあるデータと一致しませんね。これ以上、進めることはできません。もう一度、かけなおしてください」と言う。
何か、言い間違えたっけ?

しかたなく、もう一度、かけなおした。今度はしばらく待たされた。
今度も本人確認のため、同じ質問がされた。
で、「データと違います。ここで終了します」とオペレーター。
ちょっと、待ってよー。
「私、間違ったことを言ったかしら? どこが違います?」
「それは申し上げることができません」
ま、それはそうだよね、本人を騙った他人に個人情報を渡すことになるもんね。

でも・・・本人が本人の情報を答えているんですけど。

「えーっと、どこが間違っているのかわかりません。貰った書類の内容を訂正したいんだけど、どうしたらいいのかしら?」
「もう一度、かけなおしてください」
「でも、同じ質問をされても、同じ答えしかできないし。本人なので正しい情報を答えているんですけど」
「でも、こちらで記録されている情報と一致しません」

だから、そっちが持っているデータが間違っているんだよー。私が本人なんだよー。信じてー。

しかたなく、もう一度、かけなおす。今度はもっと待たされた。
で、また同じことの繰り返し。
「かけなおしてください」
「何度、かけなおしても同じです。どうしたら、自分自身の情報にアクセスして間違いを訂正できるの?」
「・・・かけなおしてください」

―――この不条理はカフカの世界か、それとも筒井康隆か・・・。

こんなとき、受話器をたたきつけてはいけない。そんなことをしていては、イギリスでは電話をいくつ持っていても足りないからだ。
それにオペレーターはマニュアル通りに話しているだけだろうし。

私はため息をつきながら、給料明細書やその他の書類を一式コピーし、学生時代にやったように蛍光マーカーペンであちこちに線を引き、ところどころに赤ペンで説明をつけ、税務署に送った。こっそり書類の片隅に 「バカタレ」と日本語で書いてやろうかと思ったくらいだ。

日本で働いているときには年末に経理の人がさっさと調整してくれていた記憶がある。私は自営業の経験はないので、税金関係の書類なんか、いつも人まかせだった。

なんで、こんなことまでやらされるのか、イギリスで働く会社員! ついでに言わせて貰うが、高いぞ、税金!

投稿者 lib : 11:25 PM | コメント (0)

March 12, 2008

催眠療法 その3

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さて、この催眠術CDのメッセージの内容だが、健康的な食べ物を食べましょう。お腹が空いたときだけ食べましょう。お腹がいっぱいになったら、食べるのをやめましょう。適度な運動をしましょう。といったごく一般的なものだ。
痩せた自分をイメージしてみましょう。大好きな人の目に映る自分の姿はどうありたいですか? というのもあった。

何度か聴いたが、全部を通して一気に聞いた覚えがないので、たぶん25分のうちの数分は 「寝ている」のだと思う。そのため、10分くらいの長さに思える。

トリックとしては、ときどき、右側と左側のヘッドフォーンに別のメッセージが出ていることである。同時に話すので、ぼんやりしているとどちらも聞き取れない。
気をつけて聞いてみると、
「これから4週間は体重を量らないこと」なんて、秘密の指示が隠されていた。

・・・って、確か、 「聞き流せ」って言ってたよね?

でも、無理。

なぜって、中学・高校と英語のリスニングで、
「一語ずつ、きっちり聞き取り、意味を理解する」練習をしてきたではないか。

「リピート・アフター・ミー」なんて、懐かしいフレーズを思い出した。
ピー、なんて音がして、その後、しばらく無音状態。で、そこで前のセンテンスを復唱する、ってやりませんでした?
「ピーターは羊飼いの少年です。ピー・・・・」
「メアリーはゾンビの少女です。ピー・・・・」

メッセージの中に知らない英単語が出てきたりすると、
「えっ? えっ? 今の単語の意味、何だったっけ?」とあせったりするのだ。
前回、聞き取れなかった部分が明確に理解できたりすると、うれしかったりもする。
そういえば、300から逆に数えるのはどうなったっけ? と、時々思いだすが。

(これは英語の聞き取りテストではないんだから・・・)と、いくら自分に言い聞かせても、中学・高校で叩き込まれた習慣を簡単に変えることはできない。

なるほど、イギリスの催眠術の大家でも、日本の英語教育の厚い壁の前には無力なのだな・・・って、ダメじゃん、せっかくのダイエットなのに。

しかし、この25分というのが、つらい。

寝る前にCDを聞いてみたら、最後に、
「それではカウントダウンをします。これを聞いたら、目が覚めます。5,4,3・・・。さあ、うーんと伸びをして・・・」
という終わり方なので、目が覚めてしまい、また寝つくまでに時間がかかることがわかった。

朝、まだベッドにいる間に聞くと、目覚めようとする脳と眠らせようとする催眠術で相殺効果が働き、なんだか 「効かない」感じがするし。

一番いいのは、夕方。

しかし、仕事から帰って、夕食の準備をして食事をすませ、お風呂に入って・・・などと寝るまでの貴重な数時間のうち、半時間も取られるのは、正直、つらい。
なんとか短縮できないもとかと工夫をしてみたが、催眠状態にもっていくのに最低それだけの時間は必要なのだろう。

CDを効き始めて2週間、これをくれた友人とご飯を食べた。

「どうだった? CD聞いてる? ダイエットはどう?」
「なんだか、食欲が抑えられてきた気がするんだよね。あ、アタシ、デザートはテラミツね。ところで、禁煙はどう?」
「・・・今は吸ってる。でも、また禁煙するつもり。簡単だよ、あのCDを聞けば、すぐにでも禁煙できるからね。全然、心配してないんだ」
「そうだよね。あのCDで、私もダイエットできる。心配ないよね」

―――まったく心配していないふたりなのであった。

というわけで、このCDはダイエットに効くのか効かないのか、よくわかりません。

ホリディに行くので2週間お休みしますね。

投稿者 lib : 08:29 PM | コメント (0)

March 05, 2008

催眠療法 その2

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大丈夫だろうか、催眠術。

素人の催眠術はかけるまではいいものの、解くことができず、危ないという噂だ。プロの監修なしに家で聴いていて、そのまま 「眠り姫」になってしまったら?

催眠術をかけられて、自制心が効かず、いらない事をペラペラ話してしまうかと不安だ。

泉鏡花の 「外科室」ではないが、
「私は恋人に誠実な女です」などと言いながら、催眠状態で無防備になり、
「なーんて、実は上司と長年の不倫関係にあり。彼氏の親友を誘惑して浮気しちゃったし。シングルバーでときどき遊んだりもしてるわー」と暴露してしまうのではないか。(例です。私ではありません)

それに、 「催眠術ショー」などで、 「はい、あなたはウサギです」と言われ、ピョンピョンと跳ね回ったり、 「今度はヘビさん」と言われて、ニョロニョロしているではないか。

「この音楽を聞いたら、ヘビさんになります」 「このサインを見たら、ウサギさん」という暗示のトリガーが設定されるのも見た。

横断歩道で 「歩行者」サインを見て暗示のトリガーが入り、ピョンピョンしたり、 「通りゃんせ」を聞いて、ニョロニョロしたりすると恥ずかしいではないか。

うーむ、いやだ。ピョンピョンとか、ニョロニョロとか。

そして、言葉の問題もある。日本人の私が英語で催眠術にかかるものだろうか? 

もちろん、これがヒンズー語とか、ルーマニア語だと暗示にかかりようがないことはわかる。
たとえ、その道の権威者に
「%#*」(&^? ^^^@!) *!*!*!」と誘導されても、
「?(?){?}(?)」としか頭に浮かばないだろう。

で、無意識の領域において、母国語ではないが理解はできる英語の暗示がどれだけ働くことができるのだろうか?

いやいやCDを手に取った。うう、25分もある。長いな。
忍耐力がない上に、人の言うことを聞くのが嫌いな私が、25分もじっとして、他人の命令に耳を傾けなければいけないのか。

ベッドに横たわり、CDをかけて、ヘッドフォーンをつける。

本の表紙の男の人は自信ありげ、かつ優しそうな顔だ。バリトンで、いかにも 「私にまかせなさい」といった渋い声。

「リラックスできる場所を選んでください。これを聞きながら運転したり、機械の操作をしてはいけません」 
(と、いうことは、やっぱり途中で眠ってしまうのか?)

「ステレオで聴いている人はこっちを右耳に、こっちを左耳にしてください」
慌てて、ヘッドフォーンの左右を入れ替える。

――右脳にこのメッセージ、左脳にこのメッセージとか、あるのかな?

やがて、環境音楽のような曲が流れてくる。

導入部分では、
「さあ、300から逆に数えていきましょう。300、299、298、297・・・」

まず、ここから悩んでしまう。
日本人の私にとって、300から、逆に 「英語」で数えていくというのは、それなりに集中力を必要とする作業だ。催眠術の最中に 「集中」してはいけない気がする。
で、途中から、 「にひゃく、はちじゅー、きゅー」と日本語に替えたのだが、それも、また、英語での催眠術にしっくりこないようでもある。どうしたらいいのだろう?

こうして、数を数えていると、彼はいろいろなことを話している。ああ、数なんか数えている場合ではない。メッセージを聞かなくっちゃ。でも、数えるのをやめろ、とは言わなかったし。ええっと、幾つまで数えたっけ?

CDの声に身をまかせるどころか、どう判断したものかという混乱が脳の中をグルグルと回っているのがわかる。・・・いいのだろうか、これで?

さらに続く。

投稿者 lib : 07:34 PM | コメント (2)

February 28, 2008

催眠療法 その1

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人を呪わば、穴ふたつ。デブを笑わば・・・。というわけで、日頃、イギリス女のデブぶりをあざ笑っている私だが、その悪口がわが身にはね返ってきている。

「サイズ10のスカートを履くくらいなら、死んだほうがマシ」と言い切ってきたが、つい誘惑に負けて手を出してしまった。もっとも、 「死んだほうがマシ」ってのを見せてもらいましょうかね、と迫られたら困るので、周囲にバレないように、固く口を閉ざしているが。

ふりかえれば、2ヶ月前、クリスマスの頃だ。

イギリス人の男、数人と食事をしていた。
「なんだか太っちゃって。ダイエットしなきゃいけないのよね。あ、アタシ、デザートはチーズケーキをお願いね」
と、いつもの 「言行不一致の美学」を披露していると、その中のひとりが、
「君はいつも体重を気にしてるから、これ、買ってきたんだ。クリスマスプレゼントだよ」と本をくれた。

見れば、
Paul McKenna著 「I Can Make You THIN」という本だ。
「私はあなたを痩せさせることができる!」というタイトル。

正直なところ、 (うっ・・・)と思わなかったと言えば、嘘になる。
この本をくれたのは、 (ゲイじゃないのか?)と疑うほど、女心を理解している男で、まったく悪気はなかったはずだ。

そのとき、他の男3人は心なしか青ざめていた。
(お前、何てことを・・・。女性に向かってダイエット本を薦めるなんて、 「デブをなんとかしろよ」って言ってるのと同じだろ。殺されるぞ、殺される)
デブを指摘された私がヒステリーを起こして彼に飛びかかり、腹わたを食いちぎる光景が脳裏によぎったに違いない。

「痩せなくっちゃ」
「いや、全然太ってないよ」
と、イギリス紳士なら当然のお約束の会話がついに破られたのだ。

が、瞬間のショックを自制すると、好奇心がわいてきた。
「流行のダイエットなの?」
「いいや、この人は催眠術で有名なんだ。いろいろとシリーズがあってね。ダイエット、自信をつける、禁煙とかね。僕も彼のおかげで禁煙できたんだ」

彼の話によると、本を読む必要はない。CDが付いているので、それをリラックスした気分で聞くようにということである。そのCDも、「しっかり注意を払って聴く」のではなく、 「聞き流す」ほうがいいらしい。

ほー、ほー、なるほどね、とありがたく貰って帰った。

しかし、いくつか問題がある。

いまどきの女なら、ダイエットのメソードの5つや6つは空でスラスラ述べることができる。が、どうしたら実行できるか、を知っている人は少ない。
ダイエットの知識は増えるが、体重も増えるという 「ダイエット理論-正比例の法則」があるのだ。これ以上、新しいダイエット法を聞いても・・・。

それに私は人の命令を聞くのが嫌いだ。 「やれ」 と命令されると、反発してしまう。
日本では軍隊式のダイエットが流行っていたらしいが、私には不向き。
ああ、職業軍人でなくて本当によかった。上官の命令にことごとく逆らって、指令系統をメチャメチャにし、部隊ごと全滅させてしまうタイプだと思う。

それに、催眠術って、なんだか、怖くない? 目が覚めなくなったりして。

というわけで、しばらく家に放っておいた。が、気のいい友人は、
「あのCD聴いてみた? 試してみた?」
と顔を合わせるたびに訊ねる。

しかたなく、私も腹をくくってやってみることにした。
せっかくの友情にヒビを入れたくない。たとえ、目が覚めなくなったって、それがどうしたというのだ? (すごく、困るけど・・・)

まあ、普通の書店で売っていて、おまけにベストセラーということだから、そんなに危ないものではない、はずだ。   [続く]

投稿者 lib : 10:17 AM | コメント (0)

February 20, 2008

八丈島に島流し その2

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BTは月曜日、2日後に修理に来てくれるとのことである。

もちろん、信じてなどいなかった。 「月曜日に修理に来ます」と聞いて、約束した日に人が来るなんて思うのは、イギリス生活の素人さんである。

「月曜日って、7週目の月曜だったのね」みたいなことは当たり前。
「月曜日といっても、今年の月曜日とは言わなかったしー」くらいの言い訳を聞かされるのは覚悟しなければならない。

ま、とりあえず、修理は頼んだから、とテレビを見ていると、ピンポーンとドアベルが鳴った。
―――誰?
で、ドアを開けると、BTのエンジニアが立っている。

「BTです。電話線が切れたんだって?」
「あわわわわ・・・」とパジャマ姿の私。
―――目の前で起こっていることに対応できなくて、パニックっている。
「ちょうど、近くで修理してたら、連絡が入ったんだよね」
「あわ、あわわわわ」
「あんた、大丈夫?」
「あわ、あわ、あわ」

玄関のドアを開けたら、テクノザウルスが立っていて、丁寧におじきをしながら日本語で挨拶したくらい驚いた。

イギリスに何年も住んでみればわかる。BTに電話をして、30分後にエンジニアが来たら、たとえ 「あわわわわ」 でなくても、誰でも 「うきききき」 だの、 「むぐぐぐぐ」だのと、パニック反応を起こしてしまうだろう。

おまけにこのBTのおじさん、コメディアンのハリー・エンフィールドにそっくりだ。

きつねかなんかに、騙されているのかしらん、私?

「ちょっと、中に入っていい? 家の中に電話線のボックスがあるはずなんだ」
「え? あわわわわ」
この、 「あわわわわ」は別の意味である。

私は週日は働いている。1週間分のゴタゴタが堆積して最高潮に達している土曜日の朝、しかも、他人が来ることを予想していないときに、
「あ、はい。どーぞ」と家の中を見せることに躊躇しないでいられる女がいれば、尊敬するね。

で、私は尊敬に値しない女なので、
「あわわわわ」とあせったのである。
「えーっと、30秒だけ、待ってくれる?」
本当は30分くらいは欲しかったのだが、せっかく来てくれたBTのエンジニアを逃したくなかったので、30秒で家の中を整理した。

このハリーおじさんは、
「あ、しまった。前の工事の場所にはしごを忘れちゃった。はしご、ある? 貸してくれる?」などとボケをかましながらも、半時間ほどで電話線を修理してくれた。

お世話になったので、5ポンドくらいチップとしてあげようかと思ったが、意外とこの手の仕事は稼ぎがいい。私よりも、おじさんのほうが収入が多いかもしれない可能性を考え、買い置きのチョコレートの箱をお礼として進呈した。

「BTに電話したら、30分でエンジニアが来たよ」と言っても、誰も信じない。
「まーた、嘘ばっかり。そんなにすぐ、来るわけないじゃん。ここ、イギリスだよ」

月曜日、私の携帯電話にメッセージが入った。
「こちらはBTです。今日、エンジニアを修理に送る予定です。不自由をおかけして、申し訳ございません」

・・・BTの内部連絡の質って・・・・。

「八丈島に島流し」寸前に 「将軍の恩赦」を受けた気分である。もちろん、助けてくれたのは 「将軍様」ではなくて、 「ハリーおじさん」 だったが。 

・・・ところで、BTに2ヶ月ほど前からブロードバンドを頼んでいるんですが、一体いつエンジニアが来るんですか?

投稿者 lib : 06:39 PM | コメント (2)

February 14, 2008

八丈島に島流し その1

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電話線が切れた。

数週間、ザラザラした音がときどき電話に混じるのには気づいていた。しかし、毎回ではなかったので、そのままにしておく。実は、最初に頭に浮かんだのは 「ねずみの害」である。

家の中にある数ヶ所の電話のひとつが使えなくなったのはずいぶん前のことだ。ねずみキラーのおじさんが来て、床下を見たときに、
「ねずみがかじって、電話線が切れてるよ」と言ったのを思い出す。
(BT-ブリティッシュ・テレコムに連絡しなくっちゃ・・・。でも、面倒だな。他の部屋の電話は大丈夫だし。ま、いいか・・・)

と放っておいたのだ。

で、ある日、突然、他の部屋の電話もプツッと切れた。
・・・・しかし、面倒なことは考えたくなかったので、
「何もなかったことにしよう。明日はきっといい事あるさ」と、その日は寝てしまった。
すると、神のご加護か、翌朝、電話はつながっている。
(日頃の行いがいいからよね)と、自分の都合のいいように信じることにした。
数時間切れる、復活する。半日切れる、復活する。という状態がしばらく続いた。
が、ついに神のご加護を失ったらしく、数日たっても復活することはなかったのである。

「電話線が切れちゃった」と会社で話したら、みんな痛ましそうな顔をした。
「憧れてた人にあっさりふられちゃったのよねー」と言っても、
「あー、またなの。よく、ふられるね。あなたって、性格悪いもんね」などと、相手にされないが、今回は死ぬほど同情された。
「ボイラーが壊れた」 「トイレが水漏れする」 「電気の接触が悪い」など、何か修理が必要なときは、

「よって、八丈島に島流し」という宣告を受けたのと同じ。

これから、辛く、不便で、気が狂いそうなほど長い、長い、長い、日々を覚悟しなければならない。イギリスに住む日本人なら、この気持ちがわかるだろう。

まるで、「部族間の抗争により、村落ごと焼きうちに遭った。家が元通りになるのは一体いつになるやら」というくらいの深刻な出来事であり、遠い目をして自分の不幸に向き合わなければならない。

まず、床にがっくりと膝をつき、 「なぜ、なぜなの? どうして私がこんな目に・・・」と嘆き、涙をこぼしながら、イエローページをめくった。
「電話線が切れたら」の項を読む。まず、 「BTのせいで切れていたら、ただで直すけど、わざわざ修理に行ったのに、お宅の電話のせいだったら、お金をもらうからね」という脅し文句が書いてある。 「それがいやなら、まずチェック」という項目をひとつずつ確認していく。 「プラグがはずれていませんか? バッテリーが切れていませんか? 等々」「どれをやってもダメだったら、BTに電話ください」というところまでたどり着いた。

―――さて、電話線が切れているのに、どうやってBTに電話をすればいいのか?

で、携帯電話の登場だ。だが、ちょっと待てよ。
プレペイドの残金をチェックすると9ポンドしかない。
「あ、BTさん? 電話線が切れたんですが、修理に来てもらえますか? 住所はね・・・」と簡単にいくわけがない。
「ただいま、混み合っております。オペレーターにおつなぎするまで、少々お待ちください」というメッセージが延々と続くだろう。 「グリーンスリーブス」を500回くらい聞かされ、耳のタコがゴルフボールの大きさになるだろう。
オペレーターが出る前に、残金がなくなり、携帯電話の会社からも見放されて、突然、プツッと切れるのは明白だ。

そこで、友人に助けを求めることにする。商談をまとめるのが得意な友人で、ソフトなアプローチながらも、自分のゴールに誘導していくのが上手だ。
私のためにBTと交渉するために生まれてきたような人じゃないの!
「ああ、いいよ」と親切にも引き受けてくれた。
「後で連絡するから」と言うので、1時間ほど待った。
「いやー、オペレーターにつながるのに20分かかったよ」と友人。
―――やっぱりね。
「今日は土曜日だから無理だけど、来週の月曜に修理の人を寄こすって」
ま、そんなもんでしょ。でも、本当に来るのかな?
「たぶん、外の線の問題だから、家で待ってなくてもいいらしいよ」
それなら、いい。会社を休んで、エンジニアを待った挙句、すっぽかされたくない。

しかし、事態は意外な展開を見せた。(大げさだが、次週に続く! 乞う、ご期待!)

投稿者 lib : 08:03 PM | コメント (0)

February 07, 2008

1月の風物詩 その3

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電話線が切れたせいで、1月の風物詩が2月にずれこんでしまった。
ま、旧暦と思っていただきたい。

さて、その他、1月にやってくる Dがつく日というのは、
Debt (借金)のD と Depression (憂鬱)のD。

イギリスのバブルは日本より何年か遅れてやってきた。

不動産の価格が日々上昇し、株価も右肩上がり。
テレビでは 「今を楽しまなくてどうする!」 と堅実な暮らしをする人をバカにするようなクレジットカード会社のコマーシャルがガンガン流れた。

私やイギリスに住む日本人の友人たちが、
「この道は、いつか来たみちー。ああー、そうだよー。お母様の国で見たよねー」 
と、思わず北原白秋先生の歌を口ずさんだほど、そっくりさん。

質実剛健、古きを尊び、伝統を愛し、成金を侮蔑・・・していたはずのイギリス人は一体いずこへー? 

そう言えば、シティで若い女の子がデザイナーブランドのバッグを持っているのをポツポツ見かけるようになった頃が、イギリスバブルの始まりかも。

その昔、イギリス人の女の子はずいぶん地味だと感じたが、この頃は金のかかった、けっこう派手な格好をしている。 (ファッションセンスは、また別問題)
さて、これら流行アイテムはどうやって揃えているんでしょう?

―――そう、悪名高き、ストアカードである。

服を一枚買うたびに、
「ストアカード、いかがですかあ?」と聞かれる、アレだ。
「いいえ、けっこうです」と断っても、
「今日のお買い物が10%引きになりますよ」と、しつこい。

一度、相手があんまり熱心なので、面倒になって申し込んだら、ブティックの店員は目の前でクレジット会社に電話を入れ、他の客にも聞こえるような声で、私の個人情報 (住所とか電話番号とかね)を話し始めたので、思わずカウンターを乗り越えて、店員の首を絞めに行った。

買い物をするたびに、
「ストアカード、いかがですかあ?」で現金を払うこともなく、商品がどんどん手に入る。が、このストアカード、翌月に一括払いをしないと、利息がサラ金のようにつく恐ろしさ。

よく日本のドキュメンタリーでコンピューター処理されたモザイク顔と変換された音声で、「買い物依存症で借金が嵩み、今は風俗で働いてます」とインタビューに答えていたのを思い出す。

―――イギリスでは 「風俗に身を落とす」というのはあまり聞かないが、借金で首が回らなくなった女の子はどうしているのか? 

さて、シティはボーナスシーズンである。
男に人気なのはポルシェを始めとして、ハイパフォーマンスカー。
女は 「豊胸術」が最近の人気らしく、 「ボーナス貰って、 『ジョーダン』になろう!」が合言葉。 (*ジョーダンは人工バカデカバストのCリストタレントです)

が、そう言って、羽振りよくブイブイいわせていた連中も戦々恐々の状態だと聞いた。
アメリカのサブプライムローン問題でシティも揺れているからだ。

嵐の吹きすさぶ今年、シティグループは400人首切りした。そうでなくても、ボーナスに 「ドーナッツ」 を貰ったトレーダーも少なくないとか。
――ドーナッツとは真ん中が丸、つまりゼロ。

ドーナッツを食らったトレーダーなんて、 「旱魃の年の農夫」 「シケで海に出られない漁師」 「外反母趾でハイヒールがはけないダンサー」みたいなもの。
札束が飛び交わないシティに金融街としての意味があるんだろうか? 
(ま、私はもともと安い給料なので、関係ありませんが。)

さーて、今日はどこへも寄らず、家で安いワインでも飲むか・・・って、暗いぜ。

投稿者 lib : 09:55 PM | コメント (0)

January 30, 2008

1月の風物詩 その2

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先週は 「電話線が切れて、ブログ 1回やすみ」というスゴロクの目が出た。
この話はまた今度。

さてさて、1月には非公式に Dの字がつくスペシャルディがいくつかあるらしい。

D Day その1は Divorce (離婚)の頭文字を取った Dだそうだ。
日本なら、 ㋷ の日。 離婚の 「り」の字をとった、「丸り」の日、といったところか。

クリスマスが終わり、新年 (元旦のみ。シャンパンつきだが、田作りや数の子はなし)が明けると、弁護士事務所に駆け込んで、離婚の手続きに入る。
おめでたいはずの新春に不吉な離婚を決意するカップルが毎年山のようにいるというから、怖いじゃありませんか。

それを家庭問題専門の弁護士事務所が 「へえ、いらっしゃい!」ともみ手をしながら待っている。 「春のいちご農家」とか、「冬の温泉宿」と一緒で弁護士事務所の稼ぎ時、繁忙期である。

12月に盛んに行われたオフィスパーティでの浮気行為。クリスマスに招待した気の染まない親戚との会話。また、休暇で長時間いっしょに過ごした結果、相手のアラが目に付いた夫婦がお互いにうんざりし、離婚を決意するピークに達するそうである。

オフィスパーティでの男女間の乱れようは私も目の当たりにした。
面倒事に巻き込まれないよう、酒でみんなの道徳観や羞恥心が吹っ飛ぶ前、10時半ころにさっさとパーティを抜けて帰宅するようにしているのはそのためである。

12月、シティの某ワインバー。
ワインバーの一角をプライベートに占領して飲んでいるグループを見かけた。どこかの会社の飲み会らしい。なーんとなく、不気味な空気が流れているスポットがあったので目をやると、男と女がいちゃついている。
が、そのカップル、女のほうは40代の後半、男は20代の半ば。

―――なんだか、見てはならないものを見てしまったような・・・

まわりの同僚らしき連中も途方に暮れた顔で彼らの 「禁断の痴態」 を見て見ぬふりをしている。

「お似合いのカップル」ではなくて、 「不似合いのカップル」だったなあ、あれ。
ふたりとも酒でどこかが切れちゃった感じ。
(翌日、死ぬほど後悔するんだろうなー)と思った。
で、どちらかが既婚者だったりすると、即席の不倫カップルのできあがり (しかも、微妙に不釣合いだし)。

イギリス人の女友達によると、
「オフィスパーティで日頃は気にもしてない同僚についフラート。で、翌日、ボスや同僚から 『見たぞー』って、笑いものにされるし、その彼も気まずそうに目をそらすから、マジでイヤ。罪悪感からボーイフレンドとの関係もギクシャク」ということらしい。

―――ははは、自業自得だと思います。

クリスマス休暇にダメになるカップルというのは、
1. お互いの親戚 (義理の母親とかだろうね)に我慢ができないためとか、
2. 長い時間を一緒に過ごして、相手が鼻についてくるため、だそうです。

親戚に不満があるというのは日本でもよく聞く話だ。が、日本人は相手の親戚をなるべく立てて、自分は我慢をするほうを選ぶことが多いのに比べて、イギリス人は自我を通してしまうのをよく見る。
で、大喧嘩になっちゃうんだろうね。
「何よ、あなたのお母さんたら、私に嫌味ばかり」
「君のせいだよ。君のお母さんには香水を贈ったのに、僕の母には安いハンドクリームなんて、差別じゃないか」みたいな会話になるんだろうか。

――― 意地っ張りなイギリス人との口論は不毛です。

また、夫婦水入らずのホリディシーズンは離婚への近道らしい。

日本では口もきかないまま何年も過ごす 「家庭内離婚」もいるそうだ。憎悪を含んだ沈黙の日々の中で、家の内壁がドローと淀んでくると思われる。
自分の気持ちに正直に生きるイギリス人がスパスパ離婚するのと、どっちがいいんだろうね? 

投稿者 lib : 11:23 PM | コメント (4)

January 20, 2008

1月の風物詩 その1

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毎朝、同じ時間の通勤電車には、いつもの顔ぶれが、いつもの冬コートを着て、いつものマフラーをして乗り込んでくる。座る位置もほぼ一緒。まるで壁紙のようである。
それが一年に一度、模様替えされるのがクリスマスの後だ。

まず、マフラーや手袋など、小物が変わるのがクリスマス直後。
クリスマスプレゼントに貰ったらしい新顔の小物を身につけて登場する。そのまま、去年と同じ壁紙状態で通勤する人は、友達がいないとか、 「99ペンスのハンカチセット」しかくれないケチな人に囲まれているのかな、と思われる。

コートやハンドバック、ブーツみたいに値の張るものは新年に変わる。
これらは自力で手に入れたアフタークリスマスセールの勝利品らしい。

日本の衣替えは6月1日だが、イギリスのそれは1月1日と見受けられる。

バーゲンの日、朝早くから行列して開店を待ち、ドアが開くと同時になだれ込む群衆をテレビで映しているが、あの必死の形相って、怖いよね。中で待ち構える店員も、今年は誰がドアを開けるかで、もめたりするのではないだろうか。

「うわー、怖いよー。何で、たかが洋服を買うのに朝の4時から並んでるんだよ?」
「お前、開けろよ」
「いやだよ。最前列の奴らは目が血走ってるぜ。ドアを開けた瞬間が恐ろしいよ」
「俺もいやだ。去年は突き飛ばされて、転んだし。労災事故だよな、これ」
なんて、お互いに押し付けあっているかもしれない。

彼らはバーゲンで手に入れた新しいアイテムを着て、意気揚々と通勤。
が、ファッションセンスは去年のままなので、大金をはたいたわりに、変り映えしなかったりする・・・。

ある新聞で、スーパーモデルのケイト・モスがデザインしたシリーズの服を 「読者のみなさん」が試着してみる、という企画があった。

白いプレーンなTシャツ、サンドベージュのベスト、黒いショートパンツを着こなしたケイト・モスは 「クールでリラックスした大人のカジュアル」というスタイル。
が、 「読者のみなさん」は白のシャツとサンドベージュのベストで上半身が膨張して見える。しかも 「サイズ16の平均的イギリス女性」のムチムチな足がショートパンツからぼよーんと出ている様は 「潮干狩りに出かける中年太り婦人」のよう。
ゴム草履と貝掘りセットをバケツつきでお勧めしたくなるほどだ。

なんとも、むごい現実・・・。

というわけで、ローストターキー、ローストポテト、クリスマスプディングと大量のポートワインで変形した身体はスポーツジムに向かうのだった。

来るなー、と思う。ジムの常連は毎年、そう思う。
金の無駄使いだぞー、やめろー、やめておけー。

1月から2月にかけて、スポーツジムは異常に混む。自転車も、ランニングマシーンも、すごい行列。おまけに新入りは機械の使い方に慣れていないため、ますます時間がかかる。せっかくジムに行っても延々と待たされたんじゃ、出だしからつまづく。

そう言えば、日本の電車は4月の始めに特別混むよね。
新入生や社会人の卵はラッシュアワーに慣れていない。で、モタモタする連中が邪魔になって、全体が混乱する。ま、5月連休の頃までには新人さん達も 「電車乗り込み道」を習得し、いつもの秩序が戻ってくるのだが。

スポーツジムの場合は、みんなが 「慣れてくる」のではなく、新メンバーのほとんどが2ヶ月以内に「ドロップアウト」する。また、1月に大量導入されたデブメンバーを見かけなくなるのは、デブが治ったのではなく、来なくなっただけだ。

スポーツジムはメンバー登録をすると、最初の1年は解約できないところが多い。キャンペーンを張って、新メンバーを勧誘するが、全員が継続してジム通いをすれば、施設は目一杯で混雑する。ジムも 「落伍者率 9割5分」を知っているんだろうな。
「よっしゃー、今年こそは!」と決意も新たなメンバーもあっというまに脱落し、残り10ヶ月の会費はつつがなく回収されて、ジムはホクホク。現存メンバーも混雑が解消されて、ほっと一息つくのだった。

今月の教訓 - 新年の抱負に 「今年こそはジムの会員になり、運動する」という目標を立てるのは大きな間違いである。

―――家で縄跳びでもしなさい。安上がりだし。春になってから、おいで。

投稿者 lib : 05:34 PM | コメント (4)

January 09, 2008

初夢

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今年の初夢は、家のサンルームに洗濯ロープがたくさん張られ、古びたタオルや普段着の洗濯物を 「私」が干している。で、それを 「私」が風呂場の窓から眺めているというものであった。

ハッとして目覚める。

いかん、いかん、いかーん!!!

年に一度しかめぐってこない初夢。その年の運勢を左右するかもしれない初夢。
そんな大切な夢で古タオルなんか干している場合ではない。

幸運なことにまだ夜中だった。なんとか仕切りなおしたい。

心を落ち着かせ、 「純金の富士山」を背景に 「プラチナ製の鷹」が 「ダイアモンドでできたナスビ」をくわえて飛んでいるイメージを浮かべ、もう一度、眠りに落ちる。

数年前まで、私の夢の見方はすごく単純だった。
前日に蝶が飛ぶのを見れば、昆虫の夢を見る。前夜のテレビでアフリカの動物のドキュメンタリーを見れば、象の夢を見た。 
「夢を見る」というよりは、 「前日の出来事のおさらい」みたいなもの。

しかし、脳のほうも 「いくらなんでも、芸がなさすぎる」と反省したのか、最近はドラマ性に富んだものが多くなった。
「探偵が犯人を暴くためトリックをしかける」とか 「人妻が愛人と秘密の旅行を計画する」みたいな2時間枠のサスペンス劇場のような筋立てである。

――― せっかく睡眠をとって、 「休もう」としているのに、何のためにわざわざ脳がフルで活動しドラマを作っているのか、疑問ではあるが。

さて、初夢である。
せっかくの努力も空しく、その後は夢を見ることもなく目覚めてしまった。
こんな貧乏臭い初夢でいいのだろうか、2008年・・・。

うーむ、これはひとつ 「夢買い」をしてみようか。

北条政子が妹の 「吉夢」を買って、みごと将軍の奥方におさまったという話を聞いたことがある。妹を騙して運を横取りする根性は汚いが、この際だ、 「洗濯物を干す初夢」よりはマシだろう。

さて、誰から買おうか?

イギリス人に 「初夢」のコンセプトはないから、こっそりと良い夢を聞き出し、ビールのパイントかなんかをパブで奢って、夢を買ってしまおう。
数字が書かれた色とりどりのボールがグルグルと回って、はっきりした数字が6つ見える、なんて夢なら100ポンドくらいあげたっていいし。

「ねえ、ねえ。今年になって、何かいい夢見た?」と同僚に聞いてみる。
「面白い夢を見たよ。カフェでサンドイッチを食べていると、バイキングの一群に襲撃されて、まわりがみんな殺されるという夢」
ダメだ、ダメだ。そんな血なまぐさい夢。新春から縁起でもない。
「それでね、いつの間にか手にマシンガンを持っていて、敵をバシバシやっつけるんだ」
「・・・もしかして、クリスマス休暇に鼻血が出るほどゲームした?」
「そう。よくわかったね」
これはパス。

「最高の夢を見たよ」とニヤつく別の同僚。
「モーリシャスあたりかな? プライベートビーチに寝転んでいるんだ。クラッシュドアイスに注がれたダイキリかなんかを飲みながら」
よし、こいつはいいぞ。で、その続きは?
「でね、ビキニ姿のピチピチギャルがたくさんいて、僕に群がってくるんだよ」

・・・そうか、ピチピチギャルか。ピチピチギャルに用はない。 「ロケーション」は最高だし、 「夢の質」も悪くはないが、これは 「男性用」だな。

と、言ううちに新年も過ぎてしまい、私の初夢も公式に決定してしまったようだ。

その名も 「2008年 洗濯物を干すドッベルゲンガー」である。

かのフロイト大先生やユング先生。はたまたエドガー・ケイシー医師に分析してもらうと、一体どんな意味があるんでしょうね?

投稿者 lib : 07:13 PM | コメント (0)

December 19, 2007

ロンドン案内 その3

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初めてのヨーロッパという友人に楽しんでもらおうと張り切っていた私。しかし、仕事もあるので四六時中いっしょに行動はできない。

最初の週末を使って、交通機関の利用法をしっかり教え込む。トラベルカードが安くなる時間なんかを知らせておくのは当然だが、

「電車が止まったら、こうする」
「つり銭の間違いを防ぐために、ああする」

と、細かく指示している内に、
「あなたって、そんなに念には念を入れた性格だったっけ?」と不思議がられた。

いや、念を入れるつもりはないんですけどね。日本では考えられないようなトラブルがしょっちゅう起こるので、常に 「傾向と対策」を模索するくせが・・・。

逆に日本のホテルの受付で、
「明日、朝の6時に起こしてください」なんて、モーニングコールを頼むと、
「はい、かしこまりました」とあっさり言われ、
(え? こんなに簡単な手続きで大丈夫なんだろうか?)と不安になる。
イギリス暮らしのせいで、「口頭のみで書面にしない」 「一人だけに頼む」 「再確認しない」なんてことができない身体になっているのだ。

「長く住んでいるうちに用意周到になったわね」なんて言われて、
「大ざっぱで先のことなんか考えない、ノホホンとした私を返してー!」と叫びたいくらいだ。

友人をチャイナタウンの 「ウォンxx」に連れて行った。
これは 「シンプソンズ」でローストビーフをおごってくれた友人へのささやかなお礼。 ・・・確かに80ポンドのランチに対して、掛け値なしに 「ささやか」である。
ここは 「うまい」「安い」「早い」に加えて、 「店員の態度がガサツ」という四拍子そろった店だ。

「xxの歩き方」なんかを片手に貧乏旅行をする学生に人気のチャイニーズレストランだが、 「ルールズ」をご指名するような私の友人なら、まず、縁のない店だ。

しかし、私のように、たった一人で見知らぬ外国人の男と相席になりながら、3ポンド80ペンスのヌードルを食べるのがぜーんぜん平気、という女には便利な店だ。
コベントガーデンのオペラハウスに近いので、仕事帰りにオペラに行くとき、時間がかからないここを利用することがある。ま、服装的には浮いてしまうが。

この店で食べる作法は次のようである。

まず、窓に張ってあるメニューで注文するものを決める。
伝票はテーブルに来ないので、値段も覚えておく。席に着いてから、 「メニュー見せて」などと、まどろっこしいことを言わないためだ。これは立ち食いそば屋で 「お品書き見せて」と頼むようなものだ。

ドアを開けると、人数を指で示しながら入店する。
一人なら、入り口に近いエリアで他の人と 「相席」。二人以上なら、店の奥、二階、地下のどれかを指示され、そこでやはり他の客と 「相席」する。

席に着くと、おはしと急須、湯のみが投げ出されるように置かれ、
「何になさいますか?」ではなくて、
「何が欲しいんだよ?」と聞かれるので、あらかじめ決めておいた品を注文する。
二人以上の場合、別々のものを頼むと、一人が食べ終わってからもう一人の注文した料理が来たりするので注意が必要。

ここでは、ワインリストなんかは頼まないほうが賢明だ。(あるのか? この店に?)

実を言うと、私はこの店の 「異国情緒にあふれた場末感」が好き。特に 「ひとり食い」エリアにいる様々な国籍の人 (私も含むが)のしょぼい雰囲気がイカしている。
ちょっと冴えない服装のおじさんなんかと相席になると、
(旅行者にしては貧乏くさいな。出稼ぎかな? 正式な労働許可証なんか持ってない感じだよな)と勝手に決めつけたりする。

友人も 「おいしいわ」とは言わなかったものの、結構めずらしがってくれた。
「いかにも外国に来たって感じね。香港旅行を思い出さない?」
そうそう、そう言えば彼女と一緒に香港に行ったっけ。私だけが腹を下して・・・。

ここは 「香港なロンドン」だが、他にも 「アラブなロンドン」とか 「パキスタンなロンドン」もあるよ。

投稿者 lib : 10:52 PM | コメント (0)

December 13, 2007

ロンドン案内 その2

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日本から遊びに来た友人をミュージカルに連れて行くことになった。

レスタースクエアにある 「当日券 半額チケット売り場」で、彼女が選んだのはサヴォイホテル横のサヴォイシアターで「屋根の上のバイオリン弾き」だった。
55ポンドのチケットが手数料込みで30ポンド。

ふたりとも題名は知っているが、ストーリーは知らない。

「えーと、ロシアの話だよね?」と友人。
「ユダヤ人一家の話じゃなかったっけ?」と私。

――― ロシアに住むユダヤ人一家の話でした。

登場人物は多いのだが、ほとんど 「一人舞台」という感じで主人公がどんどん話を進めていく。主演の俳優は本当にチャーミング。日本でも有名な老俳優がロングランで演じていた覚えがある。

次は紅茶だ。

紅茶にまったく興味がなく、イギリスに住んでいながら、紅茶を飲むのは年にほんの数回という私と違い、友人は大の紅茶好き。

まず、紅茶の殿堂(?)フォートナム・メーソンに連れて行く。
彼女に 「特大サイズ」缶の 「ブレックファストティ」をおみやげにしたことがある。当時、深緑色だった缶のデザインは変わり、あのデカサイズはなくなってしまっていた。

ここでお土産用に10個も20個も、いや30個も40個も買っていく日本人は多い。
そんな客にお土産用に小分けする小さい袋を渡すのを拒否するのを見たことがある。
「ケチ」 「老舗のくせに不親切」 「袋なしでみやげを渡せって言うのかい」と思った。
私だったら、 「あ、そう」と10個なら、1個ずつ10回に分けて買い、そのたびに小袋を貰う、という、いやがらせで対抗してしまいそうだ。
最近はどうなのだろう? 顧客サービスが向上しただろうか? それとも、 「ほーらね、資源を大切にしましょう」と袋をくれないままなのか? ご存知の方はご一報ください。

このあと、コベント・ガーデンの 「ティーハウス」が続いた。
ここでも、私は彼女に 「キワモノ紅茶」を何度かおみやげにしている。
「キャラメルティ」とか、 「サマー・プディング」とかね。でも、紅茶好きには、キワモノより、伝統的なフレーバーのほうがいいらしい。
ま、そうだろうね。コーヒーが好きな私も 「ブルーマウンテン-猿の腰かけ風味」なんか貰ってもうれしくないだろうし。

彼女はこのほかにも普通のスーパーで、「イギリス庶民が飲む日常の紅茶」も数箱お求めになった。

紅茶が好きな人は 「粉モノの乾きモノ」も好きらしい。つまり、小麦粉でできた 「パン」「ケーキ」「ビスケット」。これまた、私には興味がない食物群だ。

友人は「スコーンが食べたい」と言う。はずかしながら、イギリスに10年以上も暮らしながら、スコーンを買ったことがない。
昔、どこかのカフェで一度だけスコーンを食べたが、あまりの 「粉くささ」に口の中がパサパサになって、喉がつまりそうになり、パニックを起こしそうになって以来、
「嫌いな食べ物」のカテゴリーに入れていたのだ。

しかし、遠来の客のために、一肌、脱がなければならない(大げさ)。

(プレーンに、チーズ入り、ドライフルーツのもあるな・・・)と生まれて初めてスコーンの棚の前に立ち、悩むこと数分。
――― 悩んだら、とりあえず、基本、という法則でプレーンを買って渡した。

スコーンと 「クロテッドクリーム」による、 「クリーム・ティ」と体験してもらうために、友人をコッツウォルズに送り込むことにする。

友人の 「イギリスで食べたいもの-リクエスト特集」を聞いていると、 「紅茶に興味なし」 「粉モノの乾きモノを食べない」 「ローストビーフより韓国焼肉を好む」私がなぜイギリスに住んでいるのか、という疑問が湧いてくる。・・・・なぜかしらん?


PS. 全然関係ない話。 マリー・アントワネットの真珠の首飾りが落札最低希望価格に届かず、競売が成立しなかったそうだ。ギロチンにかかって死んだ女性の 「首」飾りなんて、これ以上縁起が悪いものも考えられない。私なら、お金もらっても所有したくないね。

投稿者 lib : 06:23 PM | コメント (0)

December 07, 2007

ロンドン案内 その1

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日本から友達が遊びに来た。
ロンドンで何が見たい、何がしたいというのは、人によって違うので、それに合わせて色々なところへ連れて行くことにしている。

「リバティプリントの小物が欲しい」とか、
「ハロッズのショッピングバッグが買いたい」というのは楽勝だが、
「ロンドン橋が跳ね上がるのを見たい」とか言われると困る。
タワーブリッジとの勘違いは指摘できるとしても、橋が開くのは特別大きな船が通るときに限られている。ロンドンっ子でもめったに見られない瞬間だ。
いくら納税者でも、一市民にすぎない私の一存では・・・。

「ロンドンアイに乗って、矢井田瞳の歌が歌いたい」というのもあった。
「え? 『焼いた瞳』?」
「ヤイコってシンガーなの」と親戚の子。
(焼いた瞳か・・・。「全日本 眼科医 レーザー治療研究会 今月の議題」みたいな名前だな)としばらく思っていた。

さて、友人はロンドンの観光名所を一通り見てから、田舎に行き、B&Bに泊まりたいと言う。

「それから、ローストビーフとヨークシャープディングが食べたい。『ルールズ』がいいな。おごるわよ」とのことである。
「御意 (ぎょい)」と承ったが、生憎、希望日に席が空いていない。
「二番手として、 『シンプソンズ・イン・ストランド』はいかがざましょ?」と聞いたところ、
「よきにはからえ」との答えである。
店に電話をすると、 「Tシャツやジーパンで来ないでくださいね」と言われた。
アメリカ人観光客じゃないから、大丈夫よー。

シンプソンズに私が予約を入れ、彼女が支払いをするという絶妙のコンビネーション。

これは学生のとき、クラスで寿司屋に行き、隣に座った子から、
「あたし、ウニ、イクラ、トロは苦手なの。代わりに食べてね」と言われ、盆と正月がいっぺんに来たような気分になって以来のことである。

ローストビーフは以前、サヴォイでも食べたことがある。
目の前で切り分けてくれるので、カッコいいのだが、私としては心ひそかに
(韓国の焼肉のほうがおいしい・・・)という感想を持った。
料理自慢の友人のもてなしも受けたが、肉質が硬かったり、焼きすぎだったりで、あまりおいしいのにめぐり合ったことはない。

シンプソンズのローストビーフはおいしかった。 (でも、やはりカルビのほうが好き)
焼き加減は無難なところでミディアムを頼む。ミディアムといっても、レストランによって、レアに近いミディアムだったり、ウェルダンのようなミディアムだったりと、ずいぶん違う。 「xxでよろしく」と言っても、どんな状態でサーブされるかはギャンブルみたいなものだ。

「ミディアムなのに、中心がピンク色じゃないね」とシェフの前で堂々と言い合う。
こんなとき、日本語って便利よね。何を言ってるかわからないだろうし。
グレービーはサラサラした液状で、ちょっと新鮮に見えたのは、日頃、安価な 「インスタント」グレービーのトロリとした感じに慣れているせいだろう。

肉にはホースラディッシュ。付け合わせにローストポテトとキャベツがついてきた。
どうせ食べきれないだろうと、スターターはなし。
酒を飲まない彼女はミネラルウォーター。私はグラスワインを頼む。しっかりしたレッドでおいしかった。

お腹はいっぱいだったが、ここまで来て、デザートなしというのも悔しい。
「ギャル曽根、させてもらうわ」と気合を入れる友人。よし、私も受けて立とう。
カスタードソースのかかったハニースポンジケーキを一つだけとって、二人で分ける。
これもおいしかったけど、すごく甘い。
「喉がひりひりするんだけど、これって甘さのせい?」
「やっぱり? 私も喉が痛い」と囁きあう私たち。
ひりつく喉をさすりながら談笑するふたりは 「いやー、満足、満足」と言っているように見えただろう。

ローストビーフは一人前が23ポンド。ワインはグラスで7ポンド。ミネラルウォーター、デザート、コーヒー、紅茶の全部で80ポンドくらいだったと思う。

次のお言葉は、
「ミュージカルが見たい。おごるから」とのことであった。
「御意」と申しつかって、次回に続く。

投稿者 lib : 12:17 AM | コメント (2)

November 14, 2007

オフィスラブ 独身編 その2

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同僚のT嬢はイギリス人で30代のはじめである。 「彼氏いない歴」がもう2年に近い。昔のボーイフレンドは煮え切らない態度にうんざりした彼女のほうからふったのだが、最近、その彼に新しい彼女ができたと聞き、内心おだやかではないらしい。

以前にスピードデート (2006年3月9日のブログ)に同伴したのだが、つきそった私のほうが盛り上がって大騒ぎしてしまい、彼女に恥ずかしい思いをさせた過去がある。あのときはごめんね。

さて、T嬢はかわいい顔をしているので、男の同僚の中にも彼女が気になっているのが数名いるようだ。

O氏は30代の半ば。 「仕事ができる奴」とみんなから評価されている。
「妻とうまくいっていない」と言い張る彼はT嬢に色目を使う。
「彼って、ちょっとセクシーだと思うのよね」と告白するT嬢。
・・・え? そうなの? 

O氏は強引で男っぽく、性格こそ抜け目のないビジネスマンという感じだが、
「りんごのほっぺ」というか 「赤ら顔」というか、「白人特有の広範囲に渡るピンク色のほほ」をしている。金髪白人女のT嬢の目に映る 「セクシーな男」は日本人の私には 「日に焼けた田舎のおじさん」に見える。
ビジネススーツを着てシティで働くよりは、古びたセーターとウールのジャケット姿で羊を追ったり、牛の出産に立会いそうなほっぺたの色だ。

スイスの山並みを背景に立たせたら、 「アルプスの少女 ハイジ」と手に手を取って、頭のてっぺんから出る甲高い声で「ホールレイッヒー」と歌い始めるかもしれない。

どちらにしろ、彼は既婚者なのでT嬢はお誘いにのる気はないらしい。


P氏は40前。がっしりとして、背がすごく高く、 「濃い顔」をしているので、ちょっと 「ジョージ・クルーニ風」だ。
そうです。ジョージ・クルーニ。もう一度、言いましょうか? ジョージ・クルーニ。
「彼ってハンサムだと思わない?」とT嬢。
確かにルックスは悪くないと思う。ゆったりとした話し方も、知らない人にはおっとりと渋い雰囲気を与えるかもしれない。

しかし、彼の話はポイントにたどりつくのに延々と時間がかかり、イライラする。
「あー」とか「うー」と、もたついたり、話の途中でも、しばしば数秒間の沈黙がある。
新しい酸素を含んだ血が頭の中にゆっくりと流れ込んでくるのを待っているような悠長な話し方に、 「起きろー」と肩をつかんで揺さぶりたい衝動にかられる。

それで、つい、
「うどの大木」という言葉を思い出したり、
「大男、総身に知恵が回りかね」なんてフレーズが頭に浮かんだりする。

デートで割り勘、なんて場面を想定してみよう。お勘定が40ポンドなら問題ない。しかし、ふたりで35ポンドだと、彼に計算でき・・・(以下、省略)。


Q氏も30代の後半だ。バツイチの彼はT嬢への思いをはっきりと態度で示している。
パブで私が飲み物を頼んでも忘れてしまうが、T嬢のためなら、すぐにお替りを取りに行く。差別するなよー。
Q氏は彼女の席の横を通る度にうっとりとした視線を投げかけるそうだ。
彼からは何度もデートに誘われているらしいが、T嬢はうんと言わない。
なぜなら・・・、
T嬢は170センチで、いつも7センチくらいのヒールを履いている。つまり、180センチに近い身長だ。一方、Q氏はうーんと小柄。
ま、身長差はさておいても、彼の場合、

―――顔が 「ガマガエル」に似ている。

「彼に見つめられると全身に寒気が走るの」とT嬢。
「無理ないよ。あれだけ、ブxxxだと」と本当のことは言えないので、
「相性が悪いのかしらねえ・・・」と言葉をにごすことにしている。

最近、T嬢は社内恋愛をあきらめて、インターネットでの恋人さがしを始めた。


PS. 日本から友人が遊びに来るので、ブログを数週間お休みします。彼女はヨーロッパに来るのは初めて。一緒に遊びまくる予定です。

投稿者 lib : 10:08 PM | コメント (0)

November 07, 2007

オフィスラブ 独身編 その1

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オフィスラブはイギリスでも盛んなようである。

月曜日から金曜日まで、毎日、顔をつきあわせ、さらに、勤務時間外も一緒に過ごしたいというのは見上げた根性だ。飽きないのかね?

うちの会社でも社内恋愛は楽しいゴシップだ。
これらの情報交換は男の同僚や上司も出入りする給湯室ではなく、レディスを中心に行われる。情報もれを防ぐため、個室のドアを次々と蹴りあけ、人が潜んでいないことがまず確認される。

「営業部の彼と秘書課のあの子が 『C&B』で一緒に飲んでいた」とか。
ここで問題になるのが、 「どこで」飲んでいたか、だ。
私もボスや同僚、男友達と一緒に 「男と女のふたりきり」で飲むことはある。
が、それがシティのパブやワインバーなら、誰に見られても構わないような 「怪しくない仲」か、 「公認の正式なカップル」だと思